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2025-02-25 14:20

08|大きくて痛そうな耳飾り、なぜ?【上】/こども記者質問箱 教えて!九博の学芸員さん②

西日本新聞のこども記者やその卒業生が身近な話題から専門家へのインタビューまでさまざまなトピックで番組をお届けします。こども記者とは、毎年8月から1年間の任期で取材・執筆活動をする公募の小学4年生から中学3年生です。

2025年で20周年を迎える九州国立博物館を見学したこども記者卒業生が、学芸員のみなさんに質問をするシリーズ「こども記者質問箱 教えて!九博の学芸員さん」。九博の「文化交流展示室」は旧石器時代から江戸時代までの五つのテーマに分かれており、今回はテーマ1「縄文人、海へ」とテーマ2「稲づくりから国づくり」にフォーカス。地球に四季が生まれたことは縄文文化の成立にどんな影響を与えたの? なんであんなに痛そうな大きな耳飾りをしていたの? お墓を作ってもらえたのはえらい人だけ? など展示品から着想を得た質問に学芸員さんが「へー!」「なるほど!」という答えを返してくれます。きっとあなたも九博に実物を見に行きたくなるはず・・・!

◆出演:小澤佳憲(九州国立博物館展示課主任研究員)/江頭慶(第12期こども記者)/梁莉琉(第14期こども記者)/中野慧(MC/こどもタイムズ編集部)/音声編集:中富一史(販売部)/映像編集:井上知哉(ビジネス開発部)

◆収録日:2025年2月2日

◆こどもタイムズ(記事一覧)
https://www.nishinippon.co.jp/category/kyushu/kodomo/

◆西日本新聞こども記者WEB
https://kodomokisha-nnp.com/https://kodomokisha-nnp.com

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サマリー

九州国立博物館の文化交流展示室が紹介され、その展示物に関する質問が展開されます。縄文文化の成立や気候変化、定住生活がもたらした影響について詳しく解説されています。このエピソードでは、大きくて痛そうな耳飾りの由来や価値が探求されています。九州国立博物館の学芸員を招き、子供記者が質問を通じて新たな知識を得る様子が描かれています。

九州国立博物館の紹介
西日本新聞Podcast
西日本新聞子ども記者Podcast
この番組は、西日本新聞の子ども記者や、その卒業生が中心になっておしゃべりをするPodcastです。
子ども記者とは、毎年8月から1年間の任期で活動する、高校の小学4年生から中学3年生の子どもたち、現在は15期74人が元気に活動中です。
子ども記者は年間を通して各市に取材に出向き、記事を書いて長官の子どもタイムズ名にその成果を掲載しています。活動は今年で15年になり、卒業生は計837人になります。
こんにちは、西日本新聞子どもタイムズ編集部の中野恵です。
さて、今回も子ども記者質問箱 教えて九博の学芸員さんと題したシリーズをお届けします。
九州国立博物館では、期間を定めて行う企画展も魅力的なものがたくさんありますが、いつでも見ることができる常設展も見どころが満載です。
文化交流展示室と呼ばれる九博の常設展を見学した子ども記者卒業生が、展示物にまつわる質問をさせていただきます。
スタジオには、九州国立博物館学芸員の小澤義則さんと子ども記者卒業生の2人に来ていただいています。
まずは小澤さん、自己紹介をお願いします。
はい、九州国立博物館展示家で主任研究員をやっております小澤義則です。どうぞよろしくお願いします。
お願いします。
第12期、子ども記者の江頭恵です。中学2年生です。よろしくお願いします。
第14期、子ども記者の梁桐理です。中学1年生です。よろしくお願いします。
お願いします。早速ですが小澤さん、九博の文化交流展示室を簡単にご紹介いただけますか?
はい、冒頭にご案内いただきましたけれども、他の博物館では常設展って言っている博物館でいつも開けている展示室のことですね。
これを九州国立博物館では文化交流展示室というふうに言っています。
文化交流展示室では、日本とアジア、それから世界各地、これがどういう交流をしながら社会の発展を遂げてきたのかっていうのを
歴史的にずっと説明をしていく展示をしています。旧石器時代から江戸時代まで、これを大きく5つのテーマに分けて、
それぞれの日本と海外の文化の交流の印である、残された様々な展示物から展示を構成しているっていう、そういう展示になっているんですね。
ありがとうございます。江頭さん、梁さんは文化交流展示室を見学したと思いますが、いかがでしたか?
僕は社会の資料書に載っているような作品や展示品がたくさんあって、とても勉強になりました。
旧石器時代から江戸時代まで、テーマ1から5で分けてあるんですけど、いろんなグラデーションみたいに、時代の世界との関わりがグラデーションみたいになっていて、すごいなって思いました。
ありがとうございます。
今回は5つのテーマのうち、テーマ1と2を見学して浮かんできた質問を2人に聞いてみてもらおうと思うんですが、テーマ1と2というとどんな展示物、どんな時代のコーナーになるんでしょうか?
テーマ1が旧石器時代から縄文時代ですね。さっき梁さんがおっしゃった色のグラデーションでいくと、緑色のテーマカラーを持っているテーマになります。
緑色は縄文時代を取り巻く自然環境、緑の森、草原、これを表してるんですね。
そういう色だったんですね。
2テーマの方は赤色で表していて、時代としては弥生時代から古墳時代のことを表しています。
弥生時代から古墳時代でどうして赤かっていうと、亀冠とか古墳によく赤色の塗料が塗られることがあるんですよね。
あとは争いの始まった時代ということで、ちょっと血なまぐさいものがあったりとか、そんな色のイメージで赤色を使っています。
ありがとうございます。ちなみに展示の内容っていうのは時期によって変わってくるんでしょうか?
はい。九州国立博物館の常設展にあたる文化交流展示室、なんでこういうふうに言ってるのかっていうのはもう一つ理由があって、常設展って聞くと、いつも同じものを展示してるっていうようなイメージがありません?
あります。
実はですね、毎週月曜日九州国立博物館の休館日なんですけど、その毎週月曜日必ずどこかで4回で展示会をしてるんです。
だから年間に数えるといくつくらいだったかな、ちょっと私も記憶にないくらいの展示作品を毎週のように入れ替えしてる。
だからいつ行っても違う作品が見れるんだよ、常設って言っても展示作品がどんどん入れ替わってるんだから何回も来てほしいってそういう思いを込めて文化交流展示室っていうふうな名前を付けたっていう経緯もあるんですね。
なので展示の内容って時期によって変わってきてて、お正月だったらおめでたい展示品だとか、夏休みだったらお子様が楽しめるような昆虫採集とかそういったテーマの展示をしたりとか、
いろいろな工夫をしてるので、ぜひ1回来たからいいやじゃなくて何回も文化交流展示室に遊びに来てほしいなと思ってます。
ありがとうございます。じゃありょうさんから早速ですが質問お願いします。
人々が快適に暮らせる気候が訪れ、それが定住生活の失礼となったという説明がありました。それは現在の日本の四季があったというようなイメージでしょうか。
定住生活ですから縄文時代の始まりのところの説明だと思うんですけれども、土器とか石器とかいろいろと展示があるところの説明で確かそういうような説明がありましたね。
実は縄文時代の直前にあたる紀元前の2万年頃くらい、これは氷河期と言われる時代で、今よりも平均気温が5度から6度低かったんです。
平均気温が低いと海水面がずっと下に下がるんですね。
雨が陸地に降ってそれが雪とか氷とかになって溶けなくなっちゃうので、海の水分が陸地に固定されてその分海の水が少なくなると海水面がずっと下がります。
さらに冬には海の水が凍りますから大陸と日本列島がつながるという状態が続いてたんです。
それがだいたい1万5千年前くらいから地球の気候が暖かくなり始めるんですよ。
一番暖かくなったのは今から6千年くらいでこれは縄文時代前期くらいの話なんですけど、だいたい今よりも平均気温が3度くらい暖かくなったと言われてるんですね。
だからだいたい7、8度くらい気温が変わると。
すごく大きな変化だと思うんですけれども、この大きな気温の変化が縄文時代の成立にはとっても大事だったんです。
まず最初に気温が暖かくなって陸地に降り積もっていた氷、雪が溶けると海の水が増えますよね。
さらに冬にそれまで毎年欠氷していた海も凍らなくなるんですよ。
そうすると大陸と日本列島が切り離されます。
それまで大陸と日本列島は氷自体に人々が移動してきて一つの文化圏を構成していたんですけれども、これが切り離されることによって大陸とは別の文化圏が成立するようになるんです。
子供記者の質問
要は氷流が途絶えるので情報が入ってこなくなって別で生きていかなきゃいけなくなった。
それで自分たちで工夫をして作り上げたのが縄文文化ということになるわけですよね。
さらに気候が暖かくなったことでさっき梁さんがおっしゃったように現在の四季と同じような気候が生まれてきます。
これも縄文文化の成立発達にとっても大きな影響を与えているんですね。
旧石器時代の人々というのは寒い中大陸から逃げてきたマンモスとかオオツノジカといったとても大きな獣たちを追って移動しながら細々と生活を立ててきたんです。
しかし春夏秋冬の四季が暖かくなってできるとそれぞれの時期に応じて例えば春だったらアサリを採集したりとかそれから秋だったらどんぐりを拾ったりとか酒を取ったりとか四季に応じていろんな種類の食べ物を取ることができるようになったんですよ。
なのであちこち移動しながら少ない資源を追っかけて細々と暮らしていく暮らしから脱出して一箇所に定住してその周りにたくさんある四季折々の豊かな食べ物をいろいろと集めて暮らすそういうことができるようになったんです。
引っ越ししなくてよくなったんですよね。
引っ越ししなくていいっていうのは実はとっても大きなことで火災道具を持てるようになるんですよ。
大きいものですね。
毎日大きな獣を掘ってあの日その日こっちで寝たり岩陰で寝たり洞窟で寝たりっていうことをやってたら大きな荷物持てないんですよね。
でも一箇所で村を作って暮らすようになると大きな荷物持てるようになるので例えば縦穴住居作れるようになりましたよ。
お家が持てるってこれ大きいですよね。
さらに土器が作れるようになる。
土器引っ越しの時にいちいち持って行ったら割るでしょ。
土器って作るのに結構かかるんですよね。
粘土を取ってきてそれを練り上げて調合して形を作って乾かして火にかけてってやってたら1ヶ月によって簡単に飛んじゃうんですけど。
そんなことを旧石器の人がやってたらすぐ引っ越しだ。
せっかく土器作ったのにこれ捨てていくんかいっていう話になるんですよ。
これが定住することによって土器作ってそれでそこに置いておくことができるようになったわけですよね。
土器を作れることができるっていうのはとっても大きなことでお水を沸かしてお湯を作ってそれで食べ物を煮ることができるようになったんです。
植物の中には弱い毒を持っている植物っていうのも結構あるんですよね。
悪っていう言い方しますけどそういうものって水に晒したり煮たりすることで悪が取れて人が食べれるようになるっていう植物って結構多いんですよ。
それから肉だって生焼けの肉よりよく煮えた肉の方がいいでしょ。
お腹に優しいからね。
だから土器が作れるようになって煮るっていう調理法ができるようになるととっても食べ物が幅が広がったんです。
それでますます一箇所で引っ越しをしなくてもいい。
あちこちの食べ物を取りに出かけなくても身の回りの近くの自然からたくさんの食べ物が手に入るようになってますます人々の生活っていうのは豊かになったんです。
もう一つ面白いのは海水面が上昇したことで浅い海が増えたっていう言い方いいですかね。
今例えば蓄法の方とか有明海の沿岸とかって標高2、3メートルの低い平野がずっと広がってるでしょ。
海水面が5メートル上がったらあそこが全部浅い海になるんですよ。
浅い海ができると浅い海の底って日が当たるので海藻がすごくたくさん生えてそれを食べる魚とか貝とかウニとかそういったものがいっぱい。
それを縄文時代の人々は潜ってあるいは潮が引いた時に取ったりとかして食べれるようになるんですよね。
ですのでご飯がどんどんどんどん豊かになっていく。
もう一つ面白くて浅い入江が村のすぐ近くにできるようになるとその入江から船を使って出かけようっていう人たちがいっぱい出てくるようになったんですよ。
船を使ってどこに行くかっていうと隣の村と隣の村と隣の村と海沿い川沿いにずっと転々と移動していって最終的には新潟県の糸井川から秘水っていう宝石の原石を持ってきたりだとか
佐賀とか長崎にある黒曜石の原産地の山から黒曜石を持ってきたりとかそういった遠くの村との交易っていうのがどんどんどんどん盛んになっていくんですね。
文化交流展示室にも秘水の玉とか展示してあったと思うんですけど縄文時代には日本では秘水が取れたの一箇所だけ新潟県の糸井川地域だけだった。
それが福岡とかでも出土するので実際に縄文時代の人々が福岡の人がそこまで取り入ったかどうかわからないですよ。
リレー方式で持ってきている可能性が高いですけどでもそういう交流ができるようになったんですね。
遠くの場所と近くの場所で人々の動きが活発になるので土器とかも情報も伝わっていくんです。
だからちょっと違うんだけどよく似てるような土器が日本の各地で作られたりとかそんなようなことで縄文文化っていう一つの似たような文化、
ひとおもんっていう名前で一つ繰りにできる文化が成立したっていうことになるんですよ。
大陸と日本列島が切り離されるとマイナス的なデメリットが多いんじゃないかっていうイメージがあったんですけど
意外と地球があったかくなったりしてメリットもたくさんあったりということがあって知ることができました。
そうですね。おっしゃる通りだと思います。
四季ができたり季節の変化がこんなに大きい影響があると思うと今季節が4つから3つになったとか4つから2つになったとか
荒れてるけど今後どうなるんだろうってずっと思いが
冬から夏になったり夏から冬になっちゃうと野菜が最近高い、最近って言っても2025年の話ですけどね、冬とっても野菜が高くなったりしますけど
ああいうことになっちゃうと困りますけどね。
今の話聞くと気温の変化がどんな文化に影響を与えるのか気になりますよね。
そうですね。本当はですね。
ここまで九州国立博物館学芸員の小澤さん、子供口卒業生の梁さん、江頭さんにご出演いただきました。
次回も小澤さんと江頭さん、梁さんに質問やり取りしていただきます。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
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