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【聴くNIKKEIリスキリング】
はい、こんにちは。NIKKEIリスキリング編集長の桜井洋です。
この番組は、変わりたい組織と成長したいビジネスパーソンをガイドする
NIKKEIリスキリングに掲載した記事を深掘りしたり、
あるいはビジネスパーソンの学びに役立つ話をお届けしたりするポッドキャストです。
編集チームのメンバーやゲストの方と、ちょっと横道にもそれながら
ビジネスに役立つ楽しいリスキリング情報を提供いたします。
今回はですね、異分野で活躍する方を招きし
ビジネスパーソンにとっての学びのヒントを探る異分野トークシリーズです。
一緒にお話を聞いていくのは、日経新聞の横山美子さんです。
横山さん。
はい、よろしくお願いします。
そしてゲスト。
ゲストはですね、アニメ【邪神ちゃんドロップキック】の宣伝プロデューサー、柳瀬和樹さんです。
柳瀬さん、よろしくお願いいたします。
はい、よろしくお願いします。
アニメ【邪神ちゃんドロップキック】で宣伝プロデューサーをしています。柳瀬と申します。
はい、日経リスキリング、聞く日経リスキリングというリスキリングの番組なんですけど、【邪神ちゃんドロップキック】の宣伝プロデューサー。
さあ、皆さんこれは。
はい、きっとね誰も知らないと思う【邪神ちゃんドロップキック】とか。
【邪神ちゃんドロップキック】、ここにいる横山さんは。
横山さん知ってます?
知ってましたね、僕から。
やったー、ちなみにどこで知りました?
あの、本屋さんのポスターです。
本屋さんのポスターで?アニメ化のポスター?
はい、そうです。
うっそ、あれ聞いたんだ。嬉しい。
聞くと思ってなかった。
超嬉しい。そのポスターは作ったのは私。
あー、そうなんですね。
1500部くらいすって、全国のお店に送ったんだけど、私が行った先で飾られてるの見たこと一度もないですからね。
おっと、レアなところで刺さりましたね。
いや、すごいレア。
ありがたいですね、その本屋さんありがとう。
ありがとう。
ちょっとどこだったか忘れちゃったんですけど。
いや、それは嬉しいですね。
あれね、ほとんど捨てられちゃうんですよ。
そうなんですか。
だって、全部の作品が同じことやってるわけじゃないですか。
確かにそうですね。
あとはそれを飾るか飾らないかは、本屋さんの紫三寸なの。
そうなんですね、それじゃあもう偶然と偶然でみたいな感じで。
そしてそれから何年か経ってこんな風に一緒にお仕事することになるとはね。
びっくりしました、そうなんですよ。
知ってるっていうのを聞かれて、知ってますって言えたのがそのポスター。
すごい偶然。
今日はじゃあね。
いや、ちょっといろいろお話伺いたいですね。
ファン目線で。
そんなレアな方なかなかいないですからね。
まじで若い女子。
どういう方があるんですか?
邪神ちゃんドロップキックって。
まずそこからですよね。
そうそう、どんなアニメなのか。
はい、邪神ちゃんドロップキックは原作者ユキオ先生という方の書いてる漫画なんですね。
もう12年くらい連載していて、単行本もいっぱい出ているんです。
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その中で初めてアニメ化をしたのが2018年。
それからそこで12話放送して、その後2期3期と続いて、
去年1本だけの特別なオリジナルのものを作っているので、過去4回もアニメ化されている作品なんですね。
なんと。
なんとですよ。
邪神ちゃんドロップキック、もう邪神ちゃんドロップキックってすごい名前じゃないですか。
作品の内容ね。
下半身がヘビの女の子がいてですね。
ヘビですね。
この女の子がですね、神保町舞台に毎日楽しく暮らしていくわけなんですけれども、
邪神なので、いつもくだらない悪いこといっぱいするんですね。
邪悪な神ですね。
邪悪なので、なんか悪いことしないと気が済まなくなってくるんですよ。
何か悪いことをすると大変なお仕置きを受けて終わるという、
まるでトムとジェリーみたいなフォーマットがあるわけですね。
そういう形でどこから見ても、いつ誰がどう見ても、はっはっはこんな感じかって笑っていただけるようなギャグアニメでございます。
ギャグアニメが。
ギャグアニメです。
このギャグアニメの宣伝プロデューサーの方が、なぜここに来ていらっしゃるかということなんですけど、
まず邪神ちゃんドロップキックって他のアニメといろんな面で違うと思うんですよね。
そうですね。
特に宣伝の面でだいぶ得意な。
はいそうなんです。ただ宣伝画というよりも、作品の在り方っていうところが根本的に違っていてですね。
日本にアニメって何本くらいあると思います?ちなみに。
え?始まってからですか?現状でですか?
今まで、鉄腕アトムの頃から今まで何本くらいあると思います?
数千本かな。
お、いい数字です。
いい数字?
いい数字です。答えはですね、1万5千本くらいなんですけど。
全然いいじゃないですか。
いやいやいいですよ。だってこのお話の流れで10万本くらいですかねって言われて、その後私が1万5千って言ったらなんかしょんぼりしちゃうじゃないですか。
そうですね。良かった良い回答でした。
良かった良い適切な回答。
ちょっとそんなあるんですね。
1万5千あって、それは増えてるんですよ。
今だいたい1年間に新作のアニメが300本出てくる。
新作のアニメってテレビアニメって言うんですか?
今ここで言ってる1万5千はテレビアニメ以外の劇場版とかも含んだ数値だったんですけど、今年間300本くらい生まれてるよっていうのはその中の大半を占めるテレビアニメです。
テレビアニメ。300本。
じゃあ1日1本くらいペースってことですか?年間だから。
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多分その考え方よりはマイクール70本くらいかなって考えた方がいいかもしれませんね。
4クールありますもんね。
そうですね。なので多分テレビドラマが多分マイクール50本くらいなんじゃないかな。
そう考えるとテレビドラマもまあまあマイクールいっぱい色んなの出てくると思うんですけど、それと同じようにアニメもマイクール出てくる。
アニメ見てない人もテレビドラマはね多分見てると思うんですけど、例えば2018年にやっていたテレビドラマで、今もなおビジネスしてるテレビドラマってあります?
あります?
2018年ぐらいとかでいいですけど。
2018年、まず受験生だったんだよね。あ、受験生じゃないか。受験終わった後か。
じゃあその頃見ていたテレビドラマ、きっとね自分で好きな作品いくつかあると思うんです。その頃の作品で今もなおグッズ売ってるとかイベントやってるとかってあります?
ないんじゃないですか。
まあないですよ。だってビジネスモデルがどんどん作ってどんどん忘れていこうっていうモデルなんだもん。
で、アニメもそれと同じなんですよ。やっぱりどんどん作ってどんどん忘れていってしまっても構わないというか、それが前提になってる世界なんですよね。
でも私はジャシーンチャンドロップキックっていう作品を2018年にやって、この作品をずっと続けたいと思っちゃったんですね。
思っちゃった。
思っちゃったんですよ。
それは普通思わないんですか?
普通思わないですね。普通のプロデューサーからすると狂気の沙汰ですね。
だって普通のアニメのプロデューサーってテレビアニメ放送してる時、もう次の作品の仕事しかしてないですから。
そうやって2年くらい先までずっとものを作り続けていくのがアニメのプロデューサーなんですよ。
なのに私は1回作った作品をずっと続けたいっていう、本来は願っても叶わないことを願ってしまったところがまず根本的にずれてるんです。
そうなんですね。
だから生き残るためにはどうしたらいいだろうってことをずっと考えなきゃいけなくなったんです。
他のプロデューサーと全く別の思考が求められちゃった。
求められちゃった。
よかったんですかそれは。
よかったですよ。
よかったんですね。
よかったですよ。だってこの作品を始めたおかげでいろんな人と出会うことができて、
この作品を終わらせたくないねっていう人たちが今集まって、みんなでこの作品をこれからも生き残るために何ができるかなってことを考えながら、
時々みんなでイベントで集まっては楽しいねっていうような、そういう今までのアニメにはなかった世界作れてるので、とってもやってよかったんじゃないかなと思ってます。
どうその違う戦略をですね。
はい戦略を。
描いてきたかですよね。
そうですね確かに。通常のアニメの場合はだいたいその宣伝の予算が仮に1500万円くらいだったとしてですね、
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その3ヶ月間テレビアニメを放送するのに、だいたいその1年くらい前からですかね、ホームページ作ったり、
キービジュアルって言われるポスターとかに使う絵を描いたり、
あとは看板作って池袋の駅にバーンって貼ってみたり、
あとはPVって呼ばれる映像ですね、宣伝用の映像を作ってみたり、
それをYouTubeで流したりテレビに流したりっていうことをしていくわけです、そのお金を使って。
それは基本使い切って終わるんですよ。
だからそのお金がなくなっちゃったら活動は停止するんです。
でも邪神ちゃんずっと続けていきたいんで、
使い切って止まっちゃったらHP0になると死ぬんですよ。
なので稼ぎ続けながら宣伝をするっていうハードモードに取り込まなきゃいけなくなったんです。
普通じゃない。
普通じゃない。そこで考えたのが、
例えばクラウドファンディングをやって、それ自体がまずニュースになっていて、
お金も集まる。宣伝にもなるしお金も集まるっていうやり方だったり、
ふるさと納税を使ってアニメを作るっていう、今まで誰もやったことがないことに挑戦することで、
それがニュースになって、NHKのおはよう日本で放送されて、
これ本当なんですよ。放送されて、それが話題になって宣伝ができて、なおかつお金も集まるというような、
今まで誰も取り組んだことがない新しいビジネスモデルの構築ですね。
それを宣伝の軸に据えているというところが、他とだいぶ違うと思います。
他の大きなところはそういうことしないんですか?
他の大きなところは、今申し上げた通り、決められた予算を適切に執行することを求められるんですよ。
なぜなら、そこから先生き残ることが想定されていないから。
生き残ればいいのに、大きいところでも。
もちろん生き残り方はあるんですよ。
超大手の作品っていうのは、大ヒットしましたって言って、最終話が放送された瞬間に、
ご好評につき2期決定とかって言ってますけど、ご好評につきなわけないじゃないっていう。
そんなの2年前から決まってるじゃないって思いながら見てはいるんですよね。
じゃあそんな大きなところじゃなくて、だって邪心ちゃんって強いんですか?
激弱ですよ。
激弱?
激弱ですよ。だって年間300本作品が出てきて、ほとんど9割方3ヶ月放送したら、シュッて消えちゃうわけですよ。
で、たまたま生き残ってるもの、じゃあ例えば邪心ちゃんの冬季2018年の作品、70作品ありましたけど、
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その中、そうですね、例えば一番強いやつバナナフィッシュとかね、強い作品もあったわけですよ。
バナナフィッシュの頃ですか。
そう、アニメ化されたのね。
アニメ化されたのはね。
素晴らしい作品だった。
そうですね。
その後、ポップアップショップとかもやってらっしゃったし、
最近も時々リバイバルみたいな形で脚光を浴びることはあるんですけれども、
途切れることなく継続的にビジネスを展開してるってわけじゃないわけですよ。
で、じゃあ振り返ってみて2018の作品で今どういう作品が生き残ってるだろうかってみると、
ゲームを原作にしていて、ゲームそのものがまだビジネスをやっているものとかは、
検索しても出てくるし、新しい活動をしてるなっていうのがわかります。
でも映像作品として2018年にアニメを放送しましたっていうものは、ほとんどが活動を停止しています。
ですから邪心ちゃんのごとき弱者が、何?6年?
6年。
立ってもなお、6年間動き続けてるっていうのはやっぱり異常ですね。
これ何ですかね。だってさっきからね、最初の方から弱者だっておっしゃってるじゃないですか。
でも6年間続けてきて、バナナフィッシュなんて僕でもよく知ってる。
超有名作品、大名作です。
超強者じゃないですか。強者いないのに弱者だという邪心ちゃんが今も生きてるって、これ何なんですかね。弱者戦略?
生きていると死んでいるにすると、まるで生きていることが正しくて、死んでいる方が正しくないように思えちゃうんですけど、そうじゃないです。
根本的にビジネスモデルが違うんですよ。3ヶ月単位で入れ替わっていくことが当たり前の世界がある。
でも邪心ちゃんはそこから飛び出たいと思っちゃったところが、そもそも違うのですよ。
ずっと続けようっていうことが、いかに狂気の沙汰かっていうことに繋がっていきます。
狂気の沙汰を思いついたのは柳瀬さんなんですよね。
そうなんですけど、私も1期やってたときに、この作品2期あると思わなかったですからね。
思わなかったんですか。
全然思ってなかった。
そうなんですか。
2年前から決まっていたとかではなくて。
全くなくて、もうなんなら政策委員会の中でも、放送して1ヶ月半くらい経って、
もうあと1ヶ月半くらい放送して終わりだねっていう雰囲気だった。むしろ。
で、その時に委員会の偉い人が、だってパッケージブルーレイとかDVDのことなんですけど、
パッケージも2000枚も売れてないんだよって言うわけですよ。
当時900枚も売れてなかったと思う。
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2000枚も売れてない作品が2期あるわけないじゃないかって言われたので、
じゃあ2000枚売れたら2期あるんですねって言い返して、
始めたのが、2000枚到達したら2期ですのキャンペーンっていうのを始めたんですよ。
毎日、今日は何枚売れました?ってツイッターで話していって、
2000枚まで残り何枚です?みたいなことをスマビラ化にしていったんですよ。
そしたらファンの皆さんが、なんか面白いことやってるぞって思って、
もしかして自分の1枚でこの作品の運命変わるんじゃね?って思い始めて、
で、迎えたのが1期の最後に行ったファイナルイベントがあるんですけど、
その日、大手町でやったんですよ。
日本経済新聞のある大手町ですね。
そう、産経ビル?
イベントスペースあるじゃないですか。
あそこを借りてやったイベントなんですけど、
当日朝の売上の枚数が1900数十枚なんですよ。
えー。
もうね、私、イベントに臨むのに、
2期決定の映像と今までありがとうの映像と、
2つパターン作って乗り込んでますからね。
本当にもうどっちに行くかっていうの。
ギリギリ。それで物販コーナーで、
あと何枚ですってことを言いながらアピールをしていったところ、
勇者が現れるわけですよ。
勇者が。
勇者が。よしわかった、ここにあるもの全てくれって。
かっこいい。
かっこいい。そうありたいなあ。
ねえ。
そうありたい。
で、その結果がイベントの会場、ステージに声優さんたちみんな並んでいて、
これから売上の枚数を発表します。上巻と下巻なんですけどね。
上巻っていう数字がね、一桁のところからビャッビャッビャッって出てくるわけですよ。
900何枚。
900何枚。
じゃない、片方1000何枚だわ。
で、合わせで2000枚突破、2期決定っていうのが出て、
もうみんな泣きながら抱き合いました。
それは嬉しいですよね。
だって自分の手で何かその作品が生き残るとか、
自分の手で作品に何かを及ぼすってそんなにできるものじゃないじゃないですか。
そうなの。
ねえ。
もうね、強い作品はそんなの頼らなくても生きてくるから。
そうですよね。そうですよね。見たことない。
私、配給とかでやらされたことないですよ。
ないないないないない。
配給だよね。
そうね。そうなんですよ。
強い作品とファンの方の関係って一方的なんですよ。
そうですね。どうしても。
こちらが用意したものをお金を払って享受しなさいっていうので、もう完結している。強いから。
確かにそうですね。
ところが弱者の作品の場合、自分が何とかしないとダメかもしれないって思う。
これ全然その商品のスタイルが違うんですよね。
面白いですね。
超有名アイドルと地下アイドルみたいな。
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一人で戦ってない感がすごいですね。開いていろんな。
全然ですよ。私は旗振ってるだけだもんね。
旗振ってるだけ。
実際戦ってるのはみんなだもん。
嬉しくないですか?それファンとしては。
だってプロデューサーの人が一緒に、一緒にっていうか自分が旗振ってるだけで戦ってるのはみんなだなんて言ってくるのめっちゃ嬉しいと思いますよ。
そうですか。
嬉しいです。
今聞いてくれてる人どうなんだろうね。
そこにいるのはね、横浜さんだって結構柔道のね、アニメオタク。
ガチオタですよね。
漫画ですね。
漫画。ごめん、漫画タイムです。そういうとこで気をつけないと。
いやいやいや。
そこはあるんですよ。世界はね。
いやいや違うんですよ。漫画の方でもそんなにすごいオタクってわけじゃないですけど、
アニメの方の方たちとはさらに畑が違って、ディープさが違う。そこはちょっとちゃんと切っておかないとなっていう。
わかります。でもね、自分たちのジャンルの深さみたいなものを知っている人って、他の人たちが大事にしてることも把握できるからいいですよね。
そうですね。やっぱり何かを愛するということの。
そうそうそう。愛する対象は違ってもね、っていう。
だからその愛する対象が違っても、やっぱり邪心ちゃんのファンの方々の喜ぶ感覚がすごくわかるということですよ。
わかりますね。
っていうことですね。
そういうことですよね。
お隣さんぐらいのジャンルではありますし、すごいよくわかりますね。
いや、よかった。桜井さんね、アニメと漫画の違いわかってないですもんね。
全然わかってないですよ。違うんですか?
違いますよ、全然。
何が違うの?
本当に面白くて、ドコモに勤めてた時に、Dアニメストアってアニメの配信のサービス作ったんですけど、決済取りに行くのめちゃめちゃ大変で、
社長とか副社長とか、ああいう人たち30何人から半個もらわなきゃいけないわけですよ。
うんうん。
これ新しい事業始めていいかっていうのに。
やっぱり何人か、アニメと漫画は何が違うんだいって真顔で聞かれましたからね。
このサービスは漫画が読めるのかねって聞かれましたからね。
そこは全然、それがおかしいとか、無知な人だなとかっていうのは絶対そんなことはなくて、
やっぱり違う世代だったり興味の方向だったりが違う、自分が当たり前って思っちゃいけないなってことを学んだんですよ、そこで。
確かに。
ちゃんと伝えていかないとダメだなって思いました。
ちょっと日経リスキリングっぽくなってきましたね。
っぽくなってきましたね。
ようやく20分経って来ましたけども、これリスキリング。
そうだ。
そうだそうだ。
大丈夫ですか時間、私こんなもう20分の喋りで。
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多分今聞いてらっしゃる方、この柳瀬さんって何者ってきっと思い始めてると思うんですよ。
なるほど。
なんですけど、その辺り後半でお話をしていただきたいなと。
分かりました。
柳瀬さんがこの邪神ちゃんドロップキック、今聞いたところまででも非常に得意な考え方でその事業を成り立たせてきてるだろうなっていうのは分かって、
そのプロデューサーである柳瀬さんがどういうキャリアについての考えを持ってらっしゃるかとかその辺りを後半で伺いますけど、
もうちょっとあれですね、そもそも邪神ちゃんってこういう宣伝の仕方をしたとかならではの戦略についてもうちょっと伺って後半に行きましょうか。
分かりました。
私は元々宣伝を本業としていた人間ではないんですよ。
ないんです。
ないんです。これ後半キャリアの話にもつながるんですけど、自分の周りの人が柳瀬さんは宣伝できそうだからやってみてって言ってきたんですよ。
周りの人が。
周りの人が。私そんなのできるだろうかって。もちろんウェブ広告とかインターネットサービスやってた時にはいろんなプロモーションやってましたよ。
だけどアニメの宣伝なんてやったことないわけですよ。でもなんかできそうだからって言われて、
そっかじゃあやってみるって言ってやってみたんですけど、当然同じ仕事をしている他の人たちはどうやってやってるのかなって学ぶじゃないですか。
そうしたら駅の看板とか駅のサイネージとかああいうのをみんな出してるんですよね。
秋葉原、池袋、新宿、高田のババ、行ったら必ずアニメの宣伝見られるじゃないですか。
だからああやってやればいいんだなっていうふうに思って、最初にサイネージ用の映像を作って、
じゃあしんちゃんトロップキック2018年放送開始っていう映像を秋葉原の駅前のサイネージに1ヶ月ずるっと流してみたんですよ。
40万円くらいかけて。
40万円くらいなんだ。
1個の駅前、たくさん人いるじゃないですか。
柱に埋め込まれたディスプレイに映像が出たらいいじゃないですか。
やってみたんですけど何にもならなくて。
何にもならないですか。
何にもならなくて。
私当然朝どんな感じかなって見に行くわけですけれども、もう誰一人見てなんていない。
だって想像に堅くないですよね。
秋葉原の駅前ってアニメっぽいコンテンツ無限に存在してるじゃないですか。
確かに。
その中に1個柱にアニメの映像埋め込まれていたとしても、それって森の中の木1本と変わらないんじゃないですか。
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認識できないですね。
認識できない。
よっぽど自分の好きなものとか知ってるものとかよっぽど絵柄が全然違うとかじゃない限り。
あれついにアニメ化するんだみたいなものだったらアリだと思うし、大手の咀嚼屋さんがやってるみたいな
全部買い切りましたみたいな感じだったらさすがに届くと思うんですけど、
あの森の中に1本木植えたくらいじゃ何にもならないっていうことが分かって、
根本的に宣伝って何なんだろうってことを考えるようになったんです。
リスキリングされたんですね、そこから。
されてきました。
その時に思ったのが、他と違って自分はこういうものだよってことを相手に伝えないとダメなんだなってことが分かったんですよ。
本質を食ってる気がしますけどね、宣伝の。
多分宣伝は差異が全てなんだなってその時に気がついたんですけれども、
それって間違ってないと思うし多分多くの人がそれにはもう気づいているんだと思うんですよね。
ただ改めて私はその失敗を通じてやっぱり宣伝は差異が全てなんだなっていうことを痛感しました。
腹落ちしたんですね。
人のお金使って失敗して。
会社のお金使って失敗して。
そのでも失敗から本質までたどり着いて、じゃあどうしていくかですよね。
そうすると時期的にはエイプリルフールなんですよ。
エイプリルフール?
エイプリルフールの時期にアニメの会社なんかみんな横並びにふざけるんですよ。
やりますね。
やりますね。
そういう伝統、ホームページなんかね、面白いパロディーのものに変わってたりね、するんですよ。
で、ジャシーンちゃんも、ジャシーンちゃんドロップキックなので、
ホームページ、女子プロレスラーの人がドロップキックしてるやつに変えたんですよ。
4月1日にね。
でもここまでだと他と一緒じゃないですか。
エイプリルフールふざけ的な感じ。
そう、それってテンプレ的な枠組みの中にあるじゃないですか。
なので私はそれを実際のイベントにしたんです。
どういうことですか?
プロレスのメッカである甲楽園ホールで、
実際にジャシーンちゃんドロップキックのプロレスのイベントをやるっていうその告知だったんですよ。
すごい!
それエイプリルフールだったのに本当だった?
エイプリルフール、たまたまエイプリルフールだっただけで、ガチな宣伝なわけですよ。
面白い。スタジオの外で今聞いてるプロデューサーが、
口を押さえてましたよ。
それって他に対して差異描けるじゃないですか。
完全に差異ですね。
それで今や大人気女子プロレスのスターダムさんとコラボをして、
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スターダムの皆さんにジャシーンちゃんのキャラクターのコスプレをしてもらって、
リングの上に声優さんを上げて、
声優さん上がったんですか?
本人たちがキャーキャー言う前で実際にリアルにドロップキックが飛び交うっていう絵を作ったんですよ。
最高だ!
これ他のアニメやらないでしょ?
やらないでしょ。
やらないですよ。
よくやりましたね、それ。
はい。
で、それは流石にニュースになった?
なりますよ。もうだって僕ニュースの人間ですけどね、絶対取材行きますもん、それ。
そこまでやってたらね。
日経新聞の社会面にも僕絶対載せますけどね。
日経の社会面に載っちゃうレベル?
僕がデスクだったら当日絶対載せますね。
そうですよね、だってその後ね、あれすごいすごかったですよ。
あの時組んでくれたのはスターダムのボスの小川さんなんですけれども、
新しいお客さん来てほしかったんですって。
で、私はそのコラボをすることで一度もプロレスを見たことがないアニメファンの人たちに現地に行ってもらったんですよ。
そしたらイベント終わった時に小川さんすっごい喜んでくれて、
邪神ちゃんのおかげで新しいファンが来てくれたよってことを言ってくださったんですよ。
なのでそのコラボ自体すごくあちらにとっても良かった。
その結果かどうかわからないけれども、それから数年後、武士ロードさんに買われることになりましたね。
どれだけプロレスとアニメの相性が良かったかっていうことがあの時点で決まっていたので、
それはもしかしたら日経さんで取り上げられていたら、取り上げられたデスクの人は敬願だねって言われてたかもしれない。
本当ですよー、僕いればなー。
惜しい。
惜しいなーって出ちゃってたね、社会文。そうなんですか。
そんな感じでちょっと差異が何なのかってところがお分かりいただけたら嬉しいなと思いますね。
これちょっとあえてディスキリング的な観点でちょっとコメントすると、やっぱりあれですよね。
これを学びなさいとか、会社のこのコースを受けて勉強しなさいだと、なかなか身につかないけど、
まさに失敗されて、実践で失敗して、そこからこれって何だろうなって深掘りをして、
自分で見つけた答えで、さらにそこからまた別の施策に移ってるんで、まさに超リスキリングですね。
超リスキリングに該当しますか。
超リスキリングですね。
これは良かった。
完璧リスキリングですね。これでもほんと一番美しい形だと思います。
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試行錯誤ですね。しかもそれも与えられたものではなくて、自分の頭で考えなければいけないってところが、
リスキリングってそういうことですよね。
まさに。ありがとうございます。
いえいえいえ。
30分で来ちゃいましたよ、もう。
ちゃんと30分に収まるように。
すごい。
もうこれね、この時間、この時計も柳瀬さんの方に向いてないのに、
もうこの30分のところでまとめていただくこの宣伝プロデューサー感覚。
いえいえいえいえ。
すごいですね。
いつもイベントを得らせていただいておりますので。
なるほど。
時間の感覚がだいたい把握できております。
ありがとうございます。
声優さんたちもっとすごいですよ。
そうなんだ。
あの人たち秒単位。
ああ、そうでしょうね。
初見の台本ぴったり秒で読む。
かっこいい。
かっこいい。
本当にかっこいいの。
かっこいい。
本当にかっこいいの。
かっこいい。
なんでできるのって驚い、いつも驚く。
すごいですよね。
そう、なのでそれと比べたら全然。
ということで、ちょうど30分で。
はい。
ありがとうございましたので。
気元になっただけだった。
いえいえいえ。
前半は、あの女神ちゃん、ドロップキックがいかに得意なのか。
そして、その宣伝のきっかけになったのが、まさにリスキリングモーメントだったっていう話を前半していただきました。
で、後半はですね、柳瀬さん、この面白い柳瀬さんがどのようなキャリア感を持ってらっしゃるのか。
その辺りを伺ってまいりたいと思います。
はい、では前半はここまでにさせていただきます。
ありがとうございました。また後編もお聞きください。よろしくお願いします。
はい、ありがとうございます。
ありがとうございます。