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2023-08-16 07:52

#648 【技】垢消し→消してくださいと懇願すること

裏アカに垢消し。

どちらも勘違いしてやると後悔することになりますよ。

自分のやろうとしていること、やっていること、やってしまったことが、

技術的にどんなことになっているのか、ちょっと考えてみましょう。

にゃおの考える現代の基礎的なリテラシーは、ITをきちんと使えることが含まれます。

そのためにどのような問題があり、どう解決していったらよいか考えてみるPodcastです。

#249 【技】裏アカは実は裏アカになっていないよ

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をご覧ください。


サマリー

今回のエピソードでは、裏垢と赤消しについて話されています。裏垢の使い方には注意が必要であり、赤消ししても情報は完全に消えないと述べられています。

00:05
にゃおのリテラシーを考えるラジオ、読書と編集の千葉直樹です。
このチャンネルでは、読書とIT時代の読み書きソロ版を中心に、様々な話をしています。
今回お話しするのは、「垢消しは消してくださいと懇願すること」というものです。
水曜日は、ITを中心とした技術的な話をしています。
今回の話は、技術そのものというよりも、割と普通に勘違いしている人が多い言葉について、技術的な観点から注意点を話す、という内容です。
裏垢の注意点
この配信の1年ほど前、第249回目の配信で、「裏垢は実は裏垢になっていないよ?」というタイトルで話しました。
この回のリンクを概要欄に貼っておきますので、気になる方は聞いてみてください。
このチャンネルではほとんどの配信の書き起こしをノートに掲載しているのですが、この裏垢に関する記事にたまーにスキがつくのです。
スキがつくと通知がくるので、自分の記事を読み直してみたりすることになりますね。
で、ふと思ったんです。裏垢には垢消しってのがセットなんだろうなーってことです。
僕は裏垢を上手に使う方法はあると思うし、別にそれ自体が悪いわけではないと思っています。
では、上手ではない使い方は何かというと、後ろめたい使い方です。
よくあるのは誹謗中傷系でしょうね。249回でも話したのですが、裏垢といっても事実上匿名性はありません。
個人を特定する方法はいくらでもあります。
個人情報の保護は技術ではなくて紳士協定なので、紳士的な振る舞いから逸脱したものは保護の対象となりません。
まあ、要するに現実の社会と同じってことですよね。
しかも、現実の社会よりもずっと簡単に情報を集められるのがネットの世界です。
ということは、ひとたび逸脱したと認定されると、結構あっさりと追い詰められることになります。
だから裏垢を使うのはいいけど、後ろめたい使い方はしないようにしようね、というのが249回の配信の内容でした。
赤消しとデータの削除
で、1年経って読み返して、もう一つ言うことがあったなと思ったのが、赤消しについての素朴な誤解もありそうだ、ということなのです。
赤消しというのは、アカウントを削除することです。
必要なときにアカウントを削除できるのは大切な権利です。
ただし、この権利の実効性については、かなり限定的と言わなければなりません。
要するに、アカウントを削除したからといって、きれいさっぱり情報が消えてなくなるわけではないということです。
アカウントを作ったサービスが真っ当なサービスなら、アカウントを削除すると、そのサービスが保持しているそのアカウントに関するデータはネット上からはアクセスできなくなります。
一応保持されているデータは削除されることになります。
が、ここが微妙なところです。
本当に全てのデータが削除されているのかというと、多分何世代かにわたってバックアップされているデータについては残っている可能性が高いのです。
もちろん、これらのデータを元に戻すことはまずありません。
ただ、何らかのシステム的な異常があったときには戻すことがあります。
そのためのバックアップデータですからね。
もっと技術的な奥の話をすると、データを保持するために使われるデータベースシステムでは、データの削除を削除マークを付けることで行うことが多いのです。
なぜなら、完全に削除するためにはデータを塗りつぶす書き込みの処理を行うことになり、それはものすごく遅いからです。
拘束化のためにデータの一部にマークを付けて、データベースシステムとしてはデータが存在しないように振る舞うということになっているのです。
それだけでなく、システムを開発する立場化すると、本当に削除するというのは非常にハードルが高いのです。
バグなどで間違って消して戻せないとなると大変だし、運用ミスということもあり得るし、もっとひどい場合はユーザーが一旦削除したのに戻してほしいなんてわがままを言うこともあります。
魔法使いじゃないですからね。本当はできないものはできないのですが、心優しいシステム開発者はそういうことも考えてバックアップを取ってあったりして、そういうものまで完全に消すのはとても難しいのです。
他にも様々な理由で、一度書き込まれた情報は簡単には消せないという事情があります。そういう深い事情とは違いますが、SNSではもう少し違った現象も発生します。
いわゆるスクショですね。これはサービス提供側からはどうしようもありません。スクショは誰でも取れるのです。
スクショを根拠にしてアカウント情報開示を求めることはできるし、開示できる情報をサービス提供側は残しておく必要があるのです。
ってことは、アカウントの完全削除は幻想なわけですね。こう考えると、赤消しの中でも後ろめたいことがあってやる赤消しは、私の過去を見ないでくださいと不特定多数に懇願する行為に等しいわけですね。事実上消えないわけですから。
ではどうしたらいいのかというと、裏赤の話の時と同じで、そもそも後ろめたいことをしないという、普通の社会生活と全く変わりがないということになるわけです。口に出したことは消せません。
そういうことで後悔したことがないという人はいないでしょう。だから昔から口は災いのもとって言われているのですね。
過去を簡単に消すことができないのはネット上でも同じです。やってしまったことには取り返しがつきませんから、できることはばれないように祈りながら、せめて今からは後ろめたいことはやめようと決意してそのように行動することですかね。
僕自身もできるだけ後悔することがないようにネットを使っていきたいと思っています。今回は赤消しは消してくださいと懇願することという話をしました。
今日はここまで。読書と編集ではITを特別なものではなく、常識的なリテラシーとして広める活動をしています。ITリテラシーの基礎を学べるオンライン講座をやっています。
詳しい内容については概要欄のリンクから、または読書と編集と検索して、猫がトップページに出てくるホームページをご覧ください。
この配信の書き起こしをnoteで連載しています。こちらも概要欄にリンクがありますのでフォローいただけると嬉しいです。
今日もワクワクする日でありますように。千葉直樹でした。ではまた。
07:52

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