1. 今日も明日も授業道~国語教育をゆるっと語る~
  2. 207 ICT活用の闇にも向き合っ..
2025-04-27 07:17

207 ICT活用の闇にも向き合っていかねば。

spotify youtube

サマリー

ICTの導入に関する努力と苦労が語られる中、成功事例ばかりが取り上げられ、現実的な問題が見過ごされている状態が考察されます。また、アナログ回帰の可能性や失敗事例の重要性が強調され、特に教育現場における実態に応じたアプローチの必要性が提起されます。

ICTの導入と現実の問題
皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。
この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと配信しています。
今日は、207回。ICTの活用の闇にも向き合っていかねば。というタイトルでお届けしたいと思います。
概要欄にもリンクを貼ったんですけれど、4月25日金曜日のヤフーニュースの記事が目に留まりまして、
今日はこのことについて思いを語っていきたいと思います。
このヤフーニュースのタイトルは、ひわいな音声入力で騒ぐ子も、一人一台端末の現実、教員の本音、優秀校の成功事例は参考にならず。というタイトルです。
このニュースをざっくりと概要説明しますね。
まず、パソコンの画面。これはどうしても生徒の表情とか、そういったものが読み取れなくて、なかなか指導しづらいということが書いてありました。
ICTの支援機能があるんだけれども、現実問題、生徒はそういった学びの方に向かわずに遊んだりして、
自己コントロールが未熟であればあるほど、そういう学習じゃないところでパソコンあるいはiPadをつついて遊ぶと、
あるいは充電が切れてたり、パスワードを忘れたりというように、学びの方に向いていなくて、そういう違ったところで手がかかってしまって、
なかなか生徒自身に向き合えてないという、そういうふうなお話も書いてありました。
それから、ICTの事例というのは、本当に成功事例ばかりで、特に国立大附属というところとか、あるいは先進校さんとか落ち着いた学校で、
かなり進めていける学校、生徒自体が本当に安定していて、ICT導入がどんどん進めていける学校の成功事例ばかりで、
なかなか取り入れにくいというふうなことが書いてありましたね。失敗事例というのは共有しにくいんですよね。
私もそうなんですけれど、生徒自体をあらわにするということは、教員としては主比義務がありますので、
個人が特定されたり、学校の実態があらわになったり、とてもあんまりいいものじゃないので、失敗事例というのは本当に共有しにくいですよね。
例えば問題行動があったとか、あるいは発達に遅れのある子がいるとか、
そういったことって本当に学校の実態をさらけ出すということにもつながってしまうので、なかなか失敗事例というのは共有しにくい。
だからこそ成功事例ばっかりが先行してしまって、そこに現実感がない、成功事例というものが役に立たないという状況を生んでるんじゃないかなと私は思います。
それから3番目に、半分分かった状態でどんどん学習が展開していかざるを得なくなっているんじゃないか。
粘り強く地道にコツコツやるとか、しっかり手を使って書くとか、そういったことがどうしても便利なものの陰に隠れてしまって、
サクサクと支援が行き届いているICTでサクサク進むということは、じっくりじっくり取り組むということを置き去りにしてしまうので、
半分しか分かっていない状態で学習が進んでいくという恐れがあるんじゃないかということは書いてありました。
これは本当に肝に銘じていきたいと思いますね。
そういう中でアナログに回帰した方がいいんじゃないかという、そういう風な意見も聞かれるようになりました。
特にICT先進国であったフィンランドとかスウェーデンがアナログ回帰に舵を切ったというニュースを目にすることが多くなりましたよね。
学力が低下したり、生徒の集中力が低下したりということで、アナログに回帰した方が学習的には進むんじゃないかという話がどんどん出るようになってきたので、
私もアナログ回帰については少し考えているんですけれども、私のスタンスはやっぱりICTはICTの持ち味、アナログはアナログの持ち味を適所適材で学習の場面で投入していくという、
そういう判断が教員の方にできるということ、そしてそれが素晴らしくスムーズに流れるような学習デザインができるということ、
これを目指しながらいつも意識して教材を配置したり、学習デザインをしたりということを気をつけるようにはしているんですけれども、
今ふと思うとやっぱりアナログっていうものの良さをもう一回見直してみる機会に来てるんじゃないかなと思いますね。
この記事は最後の方には優秀な先進事例ばっかりを共有していると、現場ではそれを役立てることはできない。
失敗事例の重要性とアナログ回帰
失敗例を共有して蓄積するということでICTの真の活用が進んでいくんじゃないかっていうふうな締めくくりでした。
私もこのあたりは本当に頷くところが多いですね。
そういったICTの抱える闇っていうのにもしっかり向き合っていかないといけないですし、逆に先進事例っていうものにも騙されないって言ったらおかしいですけど、
先進事例振興っていうのも多少批判的に受け止めながら、果たして今自分がいる現場の実態に合うのか、そういうのをしっかり考えながらやっていかないといけないと思いますね。
だからこそ失敗例の共有っていうことが本当に大事になってくるんじゃないかなと思うんですけれど、
この失敗例を公の場に出すっていうことについては本当にハードルが高いので、そのハードルをどうやって乗り越えるか。
上手にオブラートに包む、抽象度を高くする、あるいは過去の事例として事故だからっていうスタンスでお話しする、
そういったいろんな工夫をしながら失敗例を共有するっていうことはとても大事になってくるというふうに思いました。
実はこの収録は今日も明日も授業堂のオンライン交流会の前に収録しているわけですけれども、
今日夜にあるオンライン交流会ではそんな話もしながら、本当に現場の失敗例とかそういうことに学んで、
少しでもICTの闇と向き合いながら、より良い学習をデザインしていくようなそういうふうな知恵を絞っていきたいと思います。
それでは今日の配信はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。
07:17

コメント

スクロール