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2025-01-13 15:27

#025 ICT導入すると学力が下がる?

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今回は黒瀬先生からレターでいただいた質問のうちの1つである「ICT導入すると学力が下がる?という意見についてどう思うか」について、お答えしようと思います。

この話題は定期的に蒸し返されて話題になりますね。昨年の11月に某週刊誌に狙い撃ちにされたこともあって、年末に少し話題になったように思います。教育先進国と呼ばれるような国でも紙の教書に戻るなどの話題も出たこともあって、ICTには定期的に逆風が吹きますね。

この意見に対して自分はICTを推進したい立場なので、反論をせざるを得ないのですが、あまり噛み合っていかない感じがいつもするところです。

さて、皆様はどう思うでしょうか。

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サマリー

ICTの導入が学力に与える影響について、国語教育の観点から議論が行われています。さまざまな意見や経験が交差し、ICTの利用が必ずしも学力向上につながらないことが示されています。彼らは、ICTの使い方次第で学ぶ力を高める可能性があると考察しています。また、ICTツールの利用が必ずしも学力を低下させるわけではなく、むしろ必要なスキルが身につくことに焦点が当てられています。

ICT導入の意義と課題
デジタル時代の国語教育を語ろうにようこそ、パーソナリティのKasaharaです。
この番組では、ICTを活用した国語の授業実践に関する話題を中心に、
Google for Education認定トレーナーと認定コーチの資格を持つ私、Kasaharaが、
教育にまつわる様々な話を配信していきます。
職員室のスタッフ同士で行われる教育談義のようなものだと思って、ゆるっと聞いてください。
今回のテーマは、レターを頂いていたので、それに対するお答えをしようと思っています。
内容は、ICTを導入すると学力が下がるという先生がいるのですが、どう思われます?とのことです。
コメントを頂いたのは、いつもお世話になっているKurose先生です。
コラボ会はありがとうございました。
さて、今回はこのテーマについてお話をしていくのですが、なかなかこの話は時代限ですね。
各方面に色々配慮して話さないと袋叩きになってしまいそうな話題であるので、
今日は注意して話していかねばならないなと思っています。
ICTと学力の関係って、第9回、探求の学びと受験学力という放送会でお話しした、
探求と受験勉強の話とも似ているところがあるんですよね。
ただ、受験の話よりも、より感情的に色々な立場の人に刺さりやすい感じがします。
国語化界隈の様子を見ていると、ICTを使うと漢字が書けなくなるだとか、
字が汚くなって読めなくなるだとか、そういう話を聞くことが多いわけですが、
実際にそれが妥当なのかというところは、自分には判断しかねるところです。
今日お話しすることについて、詳細なエビデンスについては、
ちょっと示しづらいようなお話なので、
あくまで自分としての方向性のようなものとして聞いていただければと思います。
色々な学校の状況、子どもたちの実態でも変わることが多いでしょうから、
高校教育全般について話をするというよりは、
今の自分の立場の話だと思って聞いていただければと思います。
ICTと個人の経験
さて、かなり予防線を張ったスタートとなりましたが、
本日のテーマであるICTと学力の関係についてお話をしていこうと思います。
まず学力の話の前に、
なぜ自分はICTをこんなに授業で使いたがるのかというようなお話からしますね。
それはまず、自分はICTを使って楽しかったからという、
子どもの頃の経験がやっぱり大前提にあるなという気がします。
要するに、自分のパソコンが使えるようになったことによって、
色々な表現の幅が広がったということに充実感だとか、
あとはインターネットで色んなことが調べられるようになったということが、
すごい楽しかったというところが、原初の体験なんですよね。
そうやって楽しい経験があった中で、自分の端末が持てるようになって、
好きなことが好きなようにできるようになったというようなところに、
やっぱり自分としての手応えというか、自信というか、そういうものがあったので、
そういうような体験を授業の中でも実現できないかなと思っているところは、
もしかしたらあるのかもしれないですね。
そういう自分の個人的な感想とはまた別の観点として、
これもいつも言っていますが、日常生活にこれだけICTツールが食い込んできている以上、
子どもたちの生活や仕事に深く関わっていくのはもう間違いないかなというふうに思います。
だから、ICTというものが彼らの生き方にも関わるし、
人生に影響を与えるというのはもう分かりきっていることじゃないかなと思うんですよ。
だからこそ、デジタルシスティンシップ教育の観点で、
よりよく使うということを子どもたちと一緒に考えなければいけないなというふうに思っていますし、
そういう教育をするためには、やっぱりICTを道具として使うということは大前提になってくるかなと、
使わないのにデジタルシスティンシップだけ教えるみたいなことは無理だろうなというのは思っているわけです。
あと、これはもう個人的な話ではあるんですけれども、自分、字が書くこと苦手なんですよ。
国語の先生って字が上手いっていうふうに思われがちなんですけど、いやいや、そんなことないですからね。
本当にこれもやっぱり子どもの頃の経験が大きく尾を引いているところがあって、
自分の思ったように表現、手書きでできないっていうことが本当に苦痛だったんですよね。
なのでそれがネックになって、文章を書くモチベーションというのがものすごく削られていたっていうのは経験が実はあります。
逆に中学生ぐらいになって、ワープロというものに触れるようになって、
自分の文章をいくらでも作れるようになったときに、
字が汚いっていうことに直面しないで済んだっていうのはやっぱり自分にとって大きな経験だったんですよね。
教育現場の現実と選択肢
逆に言うとそういうところで書くっていうことの経験をしていなかったとしたら、
多分今こんなに文章を書いてなかったんだろうなというような気持ちもあるので、
ある意味でICTツール、表現するっていうツールがあったっていうことが自分にとっては非常に大きな意味を持っているんだなっていうのはすごい思うところですね。
なので、どうしても自分が手書きが嫌いだっていうことが前提にあるので、
ICTに関しては非決めな立場になってしまうっていうのは大前提にあるんですよね。
ではそういうような前提をとりあえず置いといたとして、
実際にICTと学力の関係について少しお話をさせていただきますと、
正直論文だとかいろいろな調査だとかを見ていたとしても、
一方の曲だと成績向上に何か有効そうだっていうふうに主張しているものもあれば、
悪影響を与えているというようなことを書いてくるようなものもあって、
正直何が正しいかというのはもはや自分には判断しかねえますね。
そしてやっぱり自分は非決めな立場にあるので、
自分の読みたいICTは有効だっていうものを読んでしまいがちだなっていう自覚もあるので、
ちょっと難しいなというふうに思っています。
ただこの手の議論を見ていて思うこととしては、
やっぱりICT使いたい人とICTあんまり使いたくないなという人が話している様子を見ていて、
前提条件全然それは話し合いが合ってませんよねっていうことはよく感じますね。
これはトマノ一徳先生がご著書だとかボイスイーだとかでよく指摘されている、
まさに鳥のマジックの典型的な話だなっていうふうに思うんですよね。
ICTを使うべきか使わないべきかというような対立だとか、
ICTは学力向上に有効であるか悪影響があるかみたいな2項対立の問い方をされてしまうと、
思わずどっちかを選んでしまう。
そしてその議論の枠組みでAかBかを選ばなきゃいけないというような、
そういう議論の仕方になってしまっているなっていうのはすごい思うんですよね。
ただ実際教育の現場だとか授業の様子を見ていて、
AかBかどっちかだけ選んでも、そのAかBか以外選んじゃダメだ、
一つ選んだらもう片方やっちゃいけないみたいなことは実際ないですよね。
実際は目的に合わせて選ぶということが、
普通の先生方の日常的な感覚なんじゃないかなっていうのはすごい思うところです。
だから自分が苦手だとしても子供たちができた方が良いよねというふうに先生が思えば、
先生方はやっぱり子供たちに聞きながら、
普段の授業の様子を見ていると宿泊しながら使ってみる、
試してみるということは当たり前にやらせてますよね。
だから悪影響があるから使うべきではないとか、
有効だから使うべきだみたいなことのどっちか極端に触れるみたいなことの方が、
実は日常の普通の学校の教室だと少ないんじゃないかなっていうのはやっぱりすごい思います。
最近は苦手な人でも使いやすい、
例えばロイロノートみたいなサービスも出てきていますし、
自分でゼロから新しいICT教材を作らなくても、
ちょっとインターネットで調べてもらうと、
すぐに使えるリソースがオンライン上には大量に共有されている状況であるということを考えると、
試してみやすいっていう時代なんじゃないかなって思います。
逆に言うと試してみてもすぐにこれをやっぱりやめたと言っても、
そんなにコストのかからない時代であるとも言うことできるので、
だったら使った方がいいんじゃないかなっていうのは自分は少し思うところです。
これも特定の誰かを非難するわけではないんですけれども、
個人的に一番良くないなと思っているのは、
授業者が苦手だから使わせないというようなパターンは、
これはダメだろうと思っています。
平気で自分が嫌いだから使わせないというのが、
ICTに限ってはなぜかいるんだなっていうのはちょっと思うところですね。
これはちょっと不思議だなというふうに個人的には思います。
探求は苦手だ、だからやらないっていう人は、
絶対に授業のコマとして入ってくるようではありえないですし、
それは許されないわけなんですよね。
でも電子機器の活用も強化ではないですけれども、
ちゃんと使うこと、指導することは学習指導要領などでも
触れられていることなので、好き嫌いで使う使わないかというものを
決めていいというものではないと思うんですよね。
この場面ではICTツールを使わないほうが効果的だから
使わないという判断は、それはぜひやるべきことかなというふうに思います。
自分も実際そういう判断しますからね。
ICT導入と学力の相関
すべてをICTだけでやってないです。
結構紙で書かせるみたいなことも自分もやります。
逆にこの場面ではICTツールを試してみようということも
同じぐらいちゃんと考えてもらいたいなというふうには思うんですよね。
紙が有効だから紙を使いましょうという意見は大きいんですけれども、
ICTツールが有効だからICTツールを使いましょうという声って
なかなか大きくなってないなという気がしますね。
例えばそうやって何回か使ってみて、
やばい、うまくいかなかったということがあっても、
その数回で学力が致命的に下がるということも
多分ないよなあなんてことは自分も思います。
そんなに子どもの学ぶ力だとか学び直す力って
嫌じゃないと個人的にはやっぱり信じています。
勤務校の自分の教えている生徒たちの成績状況に関して言えば、
勤務校の自分の教えている生徒たちの成績状況に関して言えば、
もちろんちょっと詳細な数字だとか言うことできませんが、
いろいろな指標で自分としてもトラッキングしてますが、
例えば偏差値的なことに関して気になる方多いでしょうから、
そういう話もご紹介するのであれば、
一人一台端末を自由に使っていいよというような
学校に今勤めていますけれども、
そういう端末を自由に使って、
大人から見るとYouTubeを休み時間に見放題だとか、
端末使ってゲームやってるみたいな状況っていうのは
すごい目にするんですけれども、
そういうものに対して嫌悪感を覚える大人も多いんですけれども、
実際端末の導入前と導入後の数字を比べてみると、
実際端末の導入前と導入後の数字を比べてみると、
全然数字としては変化してないんですよね、これ。
募集団が厳密に揃っているわけではないので、
その数値自体の比較にどんな意味があるかっていうのは
微妙なんですけれども、皆さん気になる
入試の学力というところに関しては
ほぼ変化がないっていうようなところが
自分としての今持っている印象ですね。
でも生徒たちは一人一台端末を毎日当たり前に使っているので、
例えばタイピングだとかに関しては
だいぶ当たり前にできるようになりましたし、
例えばGoogle Workspace for Educationを用いた
共同編集なんかはもう日常的に当たり前にやってますし、
Google Chatなどで先生たちとコミュニケーションを取りながら
必要なときにはファイルの共有だとかも
当たり前にできるようになっているんですよ。
数年前の生徒はそういうスキルを持たずに
高校から卒業していったことと比べて考えてみると
偏差値的なものがそう大きく変わらないのであれば
まさに今の時代に必要な
そういうICTのスキルができるようになって
卒業していってくれているのであれば
その付加価値は小さくないんじゃないですか
教育におけるバランスの重要性
というふうに個人的にはちょっと思っているところです。
もしかしたら手書きで文章を長く書く
ということが疲れてできなくなっている
という生徒がいるのかもしれないです。
あとは字が汚くなるとかね。
ただそれらが当面彼らに大きな不利益になる
イメージがあるかというと
そういうイメージは今のところ持てないので
そこのトレードオフはあってもいいかな
というふうに思いたいところです。
ICTと学力の関係については
誰もが見たいものを見てしまいがちなので
自分には何が正しいか断言できない
曖昧なモコモコとした言い方に今回の配信はなってますね。
ただ今の自分の見えているものとしては
今お話ししたような感じですね。
今回の配信はいかがだったでしょうか。
ICTを使うと学力が下がるという話は
定期的に出てくるんですよね。
そしてそういう煽り方をすると必ずバズるので
こういう話題を出すのが都合がいい人がいるんだろうな
というようなそういう邪推はしてます。
そしてある一定の割合で自分と全く逆の立場で
ICTをしんそこ嫌がっている人はいるので
だいたいセンセーショナルな二項対立の
意見対立になりますよね。
かくゆう自分もICTを使うとバカになるなんて
言い方されたら感情的にはかなりイラッとします。
子供たちの人生をトータルで考えた時に
使わないで済ませるリスクはどう考えてるんだろうって
そういう嫌味ったらしいことを言いそうになるんですが
現場で喧嘩しても良くないですよね。
そりゃスマホで何時間もゲームしてきたら
学習時間は減るので成績だって下がるでしょうけど
それって別にスマホじゃなくてスポーツだって
読書だって音楽だって1日に何時間もやっていたら
当然学習時間減って苦労するわけです。
大切なのは1日の生活のバランスであって
ICTが悪いわけではないですよね。
ICTの場合は人間の気を引きやすい仕組みがあるのは
事実なのでそういう仕組みに気づいて
バランスを取れるようになるっていうのは
デジタルレッスンシップ教育でかなり重視する大切なことです。
でその問題って実は大人もスマホに気を
引っ張られやすいっていう状況があるんだから
大人の問題でもあって子供の教育現場だけの
問題ではないかなっていう風に個人的には思います。
そういう観点から教育を大切に考えたいですよね。
今回の配信を聞いて何か参考になったことがあれば
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この番組は毎週月曜日に1回配信されます。
次回の配信もお楽しみに。
ではまた。
15:27

コメント

冒頭部分はマイルドですが、次第に次第に本音がまじった配信、ありがとうございます。 ~お気に入りコメント~ かくゆう自分もICTを使うとバカになるなんて 言い方されたら感情的にはかなりイラッとします。 子供たちの人生をトータルで考えた時に 使わないで済ませるリスクはどう考えてるんだろうって そういう嫌味ったらしいことを言いそうになるんですが 現場で喧嘩しても良くないですよね。 私もイラッとしたので、すっきりしました。この論調にスカッと反論できるよう、考え続けたいと思います。 ありがとうございました。

新年から少し強気に話してみました(笑)。

> ICTを使うと学力が下がる まあ4,50年くらい前には読書するとバカになるとか言われてたんだと思いますし言わせたいやつには言わせとけ と言いたいところですが、とはいえ子ども世代を巻き込むようなことはやめてくれという気持ちではあります。結局大抵の課題は大人の側にある。 あなたはいい子を育てたいのか?いい大人になれる人を育てたいのか と思うことはありますね。そう思って発言している方ばかりではないのだろうとは思いますが。

立場が異なれば見えるものが異なるので、なかなかこの手の議論は難しいですね。子どもを育てるということに関する感情を無視してもよくないと思いますしね。

高見知英
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