アクティブラーニングとICTの関係
デジタル時代の国語教育を語ろうにようこそ、パーソナリティーのKasaharaです。この番組では、ICTを活用した国語の授業実践に関する話題を中心に、Google for Education認定トレーナーと認定コーチの資格を持つ私、Kasaharaが、教育にまつわる様々な話を配信していきます。
職員数のスタッフ同士で行われる教育談義のようなものだと思って、ゆるっと聞いてください。さて、前回から引き続き、今さら聞けないアクティブラーニングと題してシリーズものを進めていきます。
今回のテーマは、ICTを活用したアクティブラーニングの実践ということで、私の比較的専門に近いようなところでお話をしてみようと思っています。
前回の配信では、アクティブラーニングの理論であるとか、どういう身体制に注意したら良いのかというようなお話をしていますので、もし興味がある方は前回の配信と続けて聞いていただけると、非常に理解が深まるんじゃないかなと思っています。
前回の配信でもお伝えした、アクティブラーニングの時の体の使い方・身体制というものは、今回も大きなポイントとなるので、ぜひ前回の配信をまだ聞かれていない方は、そちらも併せて聞いていただけると良いんじゃないかと思います。
ICTに関しては、思考の外科と相性が良いので、アクティブラーニングに取り組む際には、そのハードルをきっと下げてくれるものだと思っています。
ですから、今回の配信では色々なツールを紹介しながら、その使い方に関して何か役に立つような情報をお伝えできれば良いなと思っています。
さて、ここからが本題となりますが、アクティブラーニングにおけるICTの役割というのが一体どこにあるのかなということから、まずは考えてみましょう。
アクティブラーニングをやるときに、ICTツールがあった方が良いか無くても良いかと言われると、もう今となってはICTツールがなければやるのが面倒くさくて無理だなあっていうのが個人的な感覚です。
要するに、ICTツールを導入することによって、今まで人数分の紙だとか付箋だとかペンだとかを用意しなければいけなかったことや、
例えばホワイトボードを100均でグループの数の分だけ買ってきてみたいなことをやっていたのをやらなくて済むようになるので、多くの先生にとってはハードルを下げる大きなきっかけになるんじゃないかなというふうに思っています。
自分もアクティブラーニングの実践をやるときには、学校に頼んでマナーボードっていうようなみんなで使えるホワイトボードみたいなものを買ってもらったりしていたんですけれども、
結局道具に頼っていると、その道具が壊れちゃったりすると、なかなか継続的に実践に取り組めなくて困っちゃうんですよね。
ですからICTが日常的に使えるようになったことによって、アクティブラーニングのハードルというのも随分下がったんじゃないかなというふうに個人的には思っています。
推奨ツールの紹介
じゃあ実際にアクティブラーニングを行うときにどのようなICTツールがあるのかということを少し紹介させていただくと、
ジャムボードは使いやすかったんですけれども、この9月に使えなくなってしまったのでちょっとそれは残念ですね。
そのやはり後継として使いやすいのがキャンバー、もしくはパドレットのサンドボックスなんかも非常に今使いやすかったりするので、
アクティブラーニングでまず何かツールを使ってみようというときにはキャンバーやパドレットはお勧めします。
パドレットの方が少し有料課金しないと今は使いづらくなってしまったので、
とりあえず学校で申し込んだり自治体で申し込んだりすれば無料で使うことができるキャンバーを使ってみることをお勧めします。
あと学校の現場から受けがいいのはロイロノートですよね。
自分の学校だと今ロイロノートを使ったことがないのでどの程度の威力を発揮するのかお話することが今はできないんですけれども、
ロイロを使われている学校からの評判でこれは使わない方がいいという話を聞いたことはないぐらいにやはり便利なので、
興味のある方は試してみると良いんじゃないかと思います。
さていろいろなツールもあるんですけれども、
じゃあ具体的にどのような国語の授業の実践があるのかということに関して紹介していくと、
国語化の実践としてのイメージをまず持ちたいなというふうに思うのであれば、
以前にも紹介しましたが、
鶴文化大学の野中隼先生が編著の明治図書学びの質を高めるICTで買える国語授業の一と二に出ていますけれども、
それらの本を買っていただくのが良いかなというふうに思いますね。
自分も二で羅生門の授業について共同的な作業のところでICTを活用するという話を書いていますが、
あれはどちらかというとBYODでとにかく頑張ろうという話題中心なので、
あんまりアクティブラーニングの話には役に立たないかもしれないですね。
ただ他の実践を見ていただくと、
共同編集を使ってアクティブラーニングの学びを実現したりという工夫の乱れる実践が多いですから、
ぜひまだお手に取ったことがない方は読んでいただけると良いんじゃないかなというふうに思います。
アクティブラーニングのハードル、難しさとしては、
具体的なイメージを持てないから取り組むことができないとおっしゃられる方は少なからずいますから、
こういう具体的な授業の流れや使い方のイメージを提示してくれる本を手元に置いておくことで、
安心して取り組めるんじゃないかなというふうに思いますね。
さて、具体的なイメージも湧いてICTツールの使い方に関してもイメージが持てるようになった時に、
いざ実践をしようと思った時に気をつけておきたいことがいくつかあります。
それは一つ目としては、もうしつこい注意喚起になってしまうんですが、
アクティブラーニングの身体制の指導ということに関しては、ICTツールを使ってもなくなることはありません。
いや、むしろツールが入ることによって、より身体の使い方やそれぞれの話し合いでの姿勢についての指導など、
注意しなければいけない場面は増えるかもしれないですね。
また、共同編集などがしやすくなるということがあるので、
以前に紹介した個・共同・個という形に関してもやや崩れやすくなる点も注意が必要ですね。
せっかく綺麗な形で共同作業ができるのですから、
個で考える時間というものをしっかりと取った方が時間は一見するとかかるのですが、
結果的に良いものが仕上がってくるんじゃないかなというふうに思いますね。
あとアクティブラーニングとICTという2つを組み合わせると、
ある先生にとってはもうそれ遊びっぱなしになっちゃって収集がつかなくなるんじゃないの?って言われる可能性があるんですけれども、
まあ一面だとそういうことも否定できないかなというふうに思いますね。
自分が授業を教えていても、新しく端末をもらった1年生の4月の授業なんかだと、
何か新しいことができたことにすごい感動してそっちに夢中になっちゃって、
人の話が聞けないみたいなことというのは実際よく起こりますからね。
それはそれで悪いことではないかなとは思うんですが、
ただやはりアクティブラーニングでしっかりとした成果を出していく学力として、
ちゃんと保証できてますよということを目指していくのであれば、
ある意味でまずは端末に関しては飽きるほど遊ばせておいて、
操作もうまくなって、その上で気持ちに余裕を持って人の話を聞けるような状態になってから、
取り組んだ方がうまくいく可能性は慣れてない人にとっては高いかなというふうには思いますね。
逆にツールなどの操作について慣れている人や、
自分は戦略的にまずは共同編集をさせるところからスタートしています。
共同編集できるようになるというのは、生徒もそうですし、
先生方もICTを使った学習というものに慣れているかどうかの一つのマイルストーンになるんじゃないかと個人的には思っています。
共同編集って、例えばGoogle Classroomから共同編集のリンクを送るのであれば、
あんまり難しく考えなくてもできるんですが、
慣れてきたらあえてClassroomで共同するファイルを送ってあげるのではなくて、
生徒同士が自分たちで共同編集のためのファイルを用意して、
ICTとアクティブラーニングの実践
それぞれのIDをお互いに確認して打ち込んでみたいな作業をやるようにするのが大切だと思っています。
結局共同編集ができるということは、クラウドの概念をちゃんと理解しているし、
IDの概念もちゃんと理解しているしということにもつながるので、
アクティブラーニングをするためにICTツールを使えるようになるということを考えるときに、
共同編集を自分たちでできるようになるというのはとても大切なんじゃないかなというふうに思いますね。
あーそうそう、もう一つ言い忘れていましたが、
アクティブラーニングをしっかりとICTツールを使って実現したいというふうに思うのであれば、
コミュニケーションツールをしっかりと生徒に開放しておくこともやはり大切なんだろうというふうに思います。
自分の勤務校ではGoogleチャットを生徒が自由に使うことができますから、
例えば授業で課題が出て何かを話し合ったりするみたいなときには、
生徒は自分たちでチャットグループを使って課題についてファイルを共有したり、
意見を交換したり、話し合いの記録を残したりということをやっています。
こういう学び方がやっぱり本当の意味でのアクティブラーニングじゃないですか。
それを保証しているのがコミュニケーションツールなんだということを考えると、
やはりコミュニケーションツールをしっかりと使えるような準備はしてあげたいと思います。
もちろんコミュニケーションツールを使わせるとなると、
そのための注意点だとかルールなどの指導も入ってきますが、
授業での学習効率が全然違いますから、
そこは頑張ってもいいコストなんじゃないかなというふうには思いますね。
授業の効率化と学びの質
ICTを活用した実践として一番やりやすくて成功率高いのは、
さっきちょっと有料じゃないと使いづらいと言ったんですが、やっぱりPadletはいいですね。
無料の範囲で使うとしても、例えば授業の振り返りをボードに書いてもらって、
友達がどんなことを考えているんだろうということが、
お互いに見られるような状態を作ってみるというのも良いかもしれないです。
で、その書いてもらったものを見ながら、
授業の冒頭でこういうこともあるよね、ああいうこともあるよね、これはどうなんだろうね、みたいなことを、
先生がファシリケーションしていくみたいなことを5分でいいからやるだけでも、
全然授業のイメージや生徒の学び方って変わるんじゃないかなというふうに思います。
このぐらいであると、例えばICTに慣れていないから難しくて私には無理という人にも取り組みやすいんじゃないかなというふうには思います。
ただ一つ言っておくと、ICTに慣れていないから私はちょっとアクティブラーニングで道具を使うのは無理かなというふうに恐れている方は、
それは安心してください。
必要あれば生徒が自分でちゃんと調べながら進めますし、
実現次第最後のゴールがはっきりしていれば、ツールに関しては自然と使い方はついてきますので、
やりたいことをぜひ大切にして授業は作ってみるといいんじゃないかなというふうに思います。
そういう挑戦は応援していますし、
一応自分もGoogle認定トレーナーということがあるので、
何かやりたいことがあれば教えていただければ、
その実践のためにいろいろと支援もしていきますので、
ぜひお声掛けください。
今回の配信はいかがだったでしょうか。
今回はICTを利用してアクティブラーニングのハードルを下げてほしいなというつもりでお話をしてきました。
ほんとコロナ前、端末が入ってくる前は、
大きな付箋を自分で用意したりだとか、
印刷するプリントをもう何百枚もすってみたいなことで大変だったんですよね。
しかし気づいてみればツールが入ってきて、
アクティブラーニングやるのが当たり前みたいなことができるようになったのは、
個人的にはちょっと嬉しいなというふうに思っています。
ツールが入ってきたことによって、
そういうところに時間を使わないで済むようになったのは大きいですね。
その分、生徒が書いてきた振り返りだとかを読むことに時間が取れるようになったので、
アクティブラーニングのような学び方をしても、
やらせっぱなしにしないで済むようになったんじゃないかなというふうに思っています。
どうしてもツールを自由に使ってアクティブに学ぶというような姿勢を取ると、
遊びっぽく見えること、そういう授業の様子に拒否感がある人がいるのも、
やっぱり一方では事実なんですよね。
だからこそ、授業をやる人はちゃんと生徒の見取りということを大切にして、
その授業で生徒が何を学んでいるか説明できるようにしておきたいものです。
ICTもアクティブラーニングも実際にやってみて、
そこで何が起こっているのか初めて分かるようになることっていっぱいありますので、
多くの人の挑戦をぜひ楽しみにしています。
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この番組は毎週月曜日に1回配信されます。
次回の配信もお楽しみに。
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