三者懇談の意義
皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道ス黒瀬直美です。この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育について、多様な教育現場に長年勤めてきたオールラウンダーな教員、黒瀬直美がゆるっと配信しています。
今日は310回、三者懇談を経て思った持続可能な働き方意識を持つことの重要性、というタイトルでお届けしたいと思います。
三者懇談が終わりました。正確に言うならば、あと2人残しているわけですけれども、この2人はオーストラリア研修にずっと長期行っていたので、帰ってきてからの三者懇談ということになります。
ということで、三者懇談が終盤を迎えた頃、新規採用の若い先生から、三者懇談で気をつけていることって何でしょうか、聞かせてくださいということで取材を受けることになりました。
本当に勉強熱心だなと思いましたね。この人、いろんなことに前向きで意欲的で、本当に教育というものに対して情熱を持っているんだなと思っていて、今時珍しいとは失礼かもしれませんけれど、極めて勉強熱心だなと思って、頼もしく思っています。
私は改めて気をつけていることって何だろうと思い返してみて、自分自身がもう新体制に染み付いてしまっていて、改めて言語化するまでもなくやっちゃっていることがいっぱいあると。無意識のうちにいろんな工夫をしているということがあるんだなということを気づかされました。
三者懇談で私が気をつけていることは結構たくさんその時にはベラベラ話してしまったんだけれども、簡単に言うと、まず最初はどうしても生徒と保護者は成績というものを気にしてきているだろうから通知表から始めるよということを言いまして、通知表でいろんなことを説明して、学習状況を説明して、その子がどういうふうに勉強に取り組んでいて、どういうところが弱点で、どういうところが長所で、
長所を伸ばしていくためにはどうしたらいいのか、それからの足りないところを伸ばすにはどうしたらいいのか、それに伴っての夏休みの過ごし方っていうのを一通り言いますね。
成績がエビデンスになるんで日常生活の話に次に持っていきやすいわけで、そのことについてひとしきり質問等々を受け付けた後は日常生活の方に移っていきます。
日常生活とかその子自身のことについてはまず褒めることから始めています。
やっぱり若い頃はどうしてもその生徒の未熟なところというのが先に目に入ってきたんだけれども、子育てを経てきて、その子を本当に小さい頃から赤ちゃんの頃からお母さんお父さんに育てられて、
いろんな愛情をたくさん受けて、その子赤ちゃんの頃は純粋で、育つこと自体がご両親の喜びであり幸せであったはずなんですよ。
働き方の意識
それが長持ていくにつれていろいろな難しさ、いろんな課題と向き合わなくてはならなくなり、挫折を経験したり劣等感を感じたり、至らないところがあらわになってきたりとかして、
ご両親もそれについて苦しんだり悩んだりしてきて、それでここに至っているわけです。
赤ちゃんの頃はみんな天使だったんですよ。
そういった愛情を受けてきて育ったその生徒、その生徒も本当に小さい頃からずっとご両親の愛情に育まれてきたわけで、
その子を肯定的に見つめているというのを見せてあげないと、保護者の方も安心して、やっぱり学校にお任せという気持ちにはならないと思うんで、
まずその子を褒めることから始める。
褒めると言っても、この年になったらはっきり言うけど、ばあちゃん目線になってしまって、まずいいところしか目に入らないんですよね、最初にね。
悪いところありますよ、いっぱいダメなところあるんだけど、ついついいいところが目につくようになってしまうっていうね。
これって本当にばあちゃんみたいなもんで、いい子じゃのーとかいう感じになっちゃうんですよね。
若い人はわかんないかもしれないけど、私も若い時は厳しかったけど、そんな風になるのでその子を褒めるということについては本当に楽にできるようになりました。
ということでまず褒めるというところからスタートして、こういうことを改善していったらいいですよっていうようなことを生活指導の分とそれから学業の分と兼ね合わせながらお話しすることにしています。
そういったところで話ししていくにつれ、結局私のような年齢の教員にお母さん方も悩みとか共感してほしいわけですよ。
女性は共感する生き物なんで、共感してほしい生き物なんで、私のような立場の人にはぴったりでお母さん方あるいはお父さん方からいろんな悩みを相談されたり、
私自身が自分の経験からこういう風にしたらいいですよということを話したりということになって、かなりメンター的な立ち位置になってきたなということを自覚しています。
そういった中でお父さんやお母さん方の悩みや苦しみに寄り添っていくと、そういうスタンスで三者懇談をするという風にしています。
その他にもいろんなテクニックがあるなという風に思ったんですね。
これ話し出したらきりがないのでこの辺でやめときますけれど、やっぱり長い間の経験を経てきて、いろいろなシチュエーションに合わせていろんな態度を上手に切り替えながらやってきているということを自覚し、
それがもうほとんど無意識でやっているというか、言語化できないレベルでそれをやっちゃっているということがわかりましたので、そういうのをやっぱり次世代に残しておかないといけないんだろうなという風に思いました。
なので三者懇談マニュアル的なものについてはまた思いついた時点でいろいろ考えて配信するなりなんかデジタルで残すなりしておきたいと思っています。
そういうことを経てきて思ったのは、ある先生は懇談と懇談の間に10分間休憩をとって、そこで調整の時間にしているんですけどどう思われますかという風に聞かれたんですね。
20分間懇談の時間をとっているわけなんです私はね。
例えば大学入試を控えていたら多分30分から40分は取らないといけないと思うんだけれど、今回のような中学生だったら20分ぐらいでいいと思うんですよ。
小学校の先生なんか10分しかなかったですからね。私が三者懇談に行った時。
それはやっぱり小学校の先生は女性が多くて、その授業の時間、勤務時間内に完結させようと思ったら全員の生徒10分ぐらいしか時間取れないわけですよ。限られたスケジュールの中でやろうとしたらね。
だから小学校の先生は10分ぐらいしか取らないわけなんですけど、中学校で問題も複雑になってきたし成績もシビアになってきたんで20分取ることにしていますし、高校でも私は20分取ってました。
その根底にはやっぱり持続可能な働き方、やっぱり放課後とか土日とかを取らないで完結させようという意識があったと思います。
それは10分間のインターバルを取るということは大変親切で、懇談を充実させるということについてはとてもいいことだと思うんだけど、私はそこでズバリ言いました。
新しいシステムの導入
そうなると働き方改革に逆行して時間外になる、長時間労働になると。そういうことは次世代のためにも持続可能な働き方にならないから私は20分で完結させることにしているよと。
そのためにコンパクトで話すように事前準備をしたり、懇談の内容とか進行に気を配っているということをお話ししました。
ということつながりでまた思い出したのがですね、前々人口で懇談の時間を1時間取るというふうに豪語されていた男性教員がいまして、
しかもその1時間でたっぷり取って40人ですからね、高校は40人分ぐらいみっちりやるんだと、高校1年生の時からの初期指導が大事だから1人1時間取っていると、
もう鼻高々に豪語する先生がいらっしゃいまして、私はもうカチンと来たんですかさず言いました。
時間多く取ることが自慢なんですか。厳しい一言ですね。時間さえ取ればいいんですか。
時間が長いのが大切なんですか。というふうに言いました。
やっぱりそれまで長時間労働が美徳ということを中心だったあの時代のことを思うと、そういうことを早め早めに切り遂げて、
なるべく早く家に帰って家事労働に専念していた私にとっては、長時間を美徳とするようなそういう話には我慢がならなかったので、
10ぐらい年下の先生だったんでビシッと言ってやりましたよ。
ということで私の中では本当に持続可能で働きながら子育てをしている先生方にも苦しくない、
ひけ目にならない働き方というのをずっと目指してきたんだなというふうに改めて思いました。
ということでなんかこれ話し出すと愚痴っぽくなるのでこれぐらいにしておきますが、
最後にやっとうちの学校でもクラッシーで欠席連絡をするというシステムが導入されました。
毎朝毎朝朝8時になったら時間外で電話を取って保護者の欠席連絡対応に大笑わだった朝の日が少しは静かになると思うと嬉しいです。
それでは今日の配信はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。