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皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。
この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育について、ゆるっと配信しています。
異動の影響
今日は、203 異動するとパフォーマンスが3分の1以下になる・・・のか、というタイトルでお送りしたいと思います。
私はXをやっていて、結構毎日チェックしているんですけれど、昨日だったかな?こんなツイートがありました。
移動したら持っている力が半分どころか3分の1ぐらいになる。その移動してきた人に対して残留組がドヤ顔で力を見せつけるのはとてもカッコ悪いこと。
目に見える形でバリバリと仕事をこなしている人は本当に力があるとは思いません。
前後の文脈がどんなものなのかよくわからないのですが、この方は移動したてで、自分が今までやってきたようなパフォーマンスが発揮できない状況。
それに対して、移動先の人たち、何年も何年もその学校にいる人たちはドヤ顔で力を見せつけている。それはとてもカッコ悪い。
そうやってドヤ顔で仕事ができるところを見せつけている人は本当に力があるのかどうかという話だったように思いました。
私は今まで8回移動を繰り返してきておりまして、その度にいろいろな思いがありまして、
今現在どういうふうな気持ちでこの移動したらパフォーマンスが下がる問題について考えているのかということをお話ししたいと思います。
移動したら一応やっぱりリセットって考えた方がいいと思いますね。
今まで自分がやってきたことを全部棚下ろししてリセットしたんだと、自分はもう一回学び直しなんだという気持ち、それが大事だと思っています。
特にこの冒頭で挙げたXでのこのポスト、この方はバリバリやっておられたんだと思うし、
そこまで積み上げてきた自身の努力とか、それから自分自身への自信、誇りというものが終わりだったと思うので、
移動先でもそれを発揮したいと思っていても、それが3分の1以下になってしまうというもどかしい思いをしていらっしゃったんだろうと思います。
それどころか、その自分の力が発揮できない状況以上に、周囲の人たちがそのパフォーマンスを最大に発揮して仕事をしておられて、
自分が要するに低い位置に見られているんじゃないかというような、そういった苛立ちというものが終わりになるんじゃないかと思うんですね。
それははっきり言って私もそうだし、いろんな人もそうだし、それ当たり前っていうか当たり前なんだと思うんですよね。
リセットと支援の重要性
でも考えてみてください。自分がその移動先で、自分がすごく優れた人に見られたいって思っていらっしゃるのか。
組織の中で自分ができる力を発揮しようと思っていらっしゃるのか。
自分の立ち位置によってこの移動したらパフォーマンスが下がるっていう、そういう問題は自分の立ち位置によって捉え方が変わってくるんじゃないでしょうか。
私は移動したら一応リセットと考えてきました。
それはね、今まで自分がパフォーマンスを発揮できたのは、あるいは自分が今までいろんな成果を残してこられたのは、
自分自身の力だけではなくて、周囲の人たちの支え、サポート、理解があってのものだったと私は思っています。
一緒に仕事をしてきた人たちがいたからこそ、素晴らしい取り組みができたし、いい結果が残せたと、そう思います。
移動するたびにその一緒にやってきた人々とお別れするわけですから、自分の偏くがもがれたって言ってもそれに等しい。
そういうふうな状況になった時に、自分ってちっぽけなんだなぁっていつも思いますね。
例えば、私は国立大附属に移動した時なんですけども、まだ中堅どころでしたけれども、
修行のつもりで行ったので、そこでは周囲の人たち、先輩に支えられながら育てていただきました。
その国立大附属時代を終えて、県立に戻ってきた時、私は附属から来た何者なんだっていうような、
多少構えた目で見ている人たちがたくさんいましたけれども、私はその中で役に立てることをやろうということで地道にやってきました。
特に移動したてで、高校1年生の担任になった時、めちゃくちゃ元気のいい活発なクラスを持ったんですけれども、
やんちゃ坊主たちを上手に操縦したということで、周囲の人たちにもとりあえずは認めていただき、
その次の年には特診のクラスを持たせていただくようなことになりました。
でも、この特診で結果を出すことができたのも副担任の先生、学年主任の先生、進路指導の先生の絶大なサポートあってのものです。
ということで、その学校では10年勤めまして、いろんな人に支えられながら進路指導のステップアップ、
それから総合的な探求の時間の改変、躍進ということで、チームで様々なチャレンジをして成果を残してきて、
本当に仲間に恵まれたと思っています。
そういった仲間に恵まれた中で結果を残して、その10年後の次の学校では、
もう最初から改革をしてくれと頼まれて、ある程度の採用権を持たされて、様々な改革をどんどんやってきました。
これも移動した中で一番自分が権限を持ってスタートしたという学校だったので、
今まで10年間学校で一緒にやってきた仲間に支えられた、その成果でもってこういうふうなことができているんだなと思うと、
やっぱりチームというものに恵まれたことに感謝の日々でした。
だから次の学校でもチームというのを大事にしようと思って、
自分の周囲にいる人たちが働きやすいように働きやすいように改革していったと思います。
そして今度は公立の学校から私立の学校に転席というふうになったわけですね。
ということで移動するとやっぱり一応リセットって考えて、
自分の力っていうのは本当は周囲の人たちの支えや理解あってのものだった。
自分の力は本当にそんなに大きくないっていうことを気づくことっていうのはとても大事だなと思いました。
チームワークの強化
そしてその次に移動したら強に言っては強に従え、これ本当に大事だと思います。
自分は人の支えがないと理解がないとチームでないと最大のパフォーマンスを発揮できないと思った私は、
いろんな人たちに頼ってそのたびにありがとうございます、ありがとうございますってずっと言い続けていたように思います。
何もわからないわけですから、右も左もわからない判断の基準もつかないわけなんですよね。
それぐらい公立から私立の移動ってガラッと変わるような価値観の転換でした。
そのたびにいろんな人に聞いていろんな人にヒントをもらって感謝感謝の日々でした。
そういった感謝の気持ちが次第に私の仕事の仕方にも影響を与えて私でお役に立つのでしたらという非常に謙虚な姿勢になりましたね。
そしてできるだけサポートするのでも目立つことはもうやめて、さりげなく目立たないようにサポートするように気をつけました。
何かといっても公立から私立に入ってきたということで、若干皆さん構えていらっしゃるものですから、
来たばっかりで目立つようなことをしても何もいいことはありません。私でお役に立てるのならということで、さりげなく見えないようにサポートしました。
でも反面、自分のテリトリー内では変えるべきことは大胆に変えたと思います。
だから誰にも迷惑のかからないところ、だけどもここは思い切って省力化した方がいいというところでは大胆な改変に出ました。
ということで、そういった強引に従いシリーズをずっと続けてきた結果、今3年目なんですけど、
次第に大きな仕事をどんどん任されるようになってきて、ちょっと複雑と言いますか、
若い人にどんどんやってもらって、若い人を支えようと私は思っているわけなんですけれど、
そのあたりは私もお役に立てるんだったらその面でお役に立たせていただきますという姿勢でやってきています。
そして最後にですね、やっぱり自分のパフォーマンス云々って考えるんじゃなくて、
チームで働いているということをすごく大切にしたいなって思いました。
チームで働いていると苦しいことも嫌なこともめんどくさいことも何かチームでやってると楽しくなってくる。
本当にチームで支え合って苦しいことを楽しいことに転換しながら、笑い話で笑い飛ばし合いながら苦しいことをやるっていうのは本当にチームワークも良くなるし、
仕事も楽しくなるし、かけ算ですよね。
ということで自分のパフォーマンスが悪くなるとかそういうことを考えるんじゃなくて、
チームの中で楽しく仕事ができる、そういったチームづくりを自分がやっていこうという気で仕事した方が、
たぶん自分のパフォーマンスも結果的に上がるし、チームのパフォーマンスも上がるし、とっても良いことなんじゃないかなって思います。
これは引いてはクラス経営と同じなんじゃないでしょうか。
やっぱり先生が仲良く仕事をしているっていうところを見せるっていうのも生徒にも良い影響があると思います。
クラスで仲間と一緒に苦難を乗り越える、楽しみながら苦しさを乗り越えていくっていうそういう姿勢は教員自らも自分の仕事の中で実行していくべきだし、
その実行していくことを通して生徒にも仲間づくりっていうことを本当に教えられるんじゃないかなと思います。
それでは今日の配信はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。