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2024-08-21 08:44

010 「月刊国語教育」連載スタート秘話

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2001年9月号、今はもう休刊となった『月刊国語教育』という月刊誌に私の特集記事が掲載され、それ以降、10年の長きにわたって連載を続けることができました。そのときの想い出を語ります。

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こんにちは、今日も明日も授業道、黒瀬直美です。
このチャンネルでは、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育について発信しています。
今日は、私が月刊国語教育で連載をスタートさせた時の秘話をお話ししたいと思います。
2001年の9月号、月刊国語教育に特集が組まれたんですね。
その時の特集は、「古典教材採点 古典教材の魅力を探る」というタイトルでした。
この特集に依頼があったのが、3ヶ月くらい前だったと思うんですけど、
当時の編集者の青木さんという方から電話がかかってきて、
特集記事を組むことになったから先生、ぜひ寄稿してくださいっておっしゃっていて。
どうも当時、川本先生、皆さんご存知ですかね。川本信吉先生、川本新刊先生というふうに、
信吉というのを信じる幹って書いて、新刊先生という有名な国語の先生が大学教授でいらっしゃったんですけれど、
竹原市出身の方で地元の方で、私が当時、漫画を書いて生徒の興味関心をかきたてて、
しんどい学校でも一生懸命授業してたっていうニュースがあちこちでちょっとずつ取り上げられていて、
多分川本先生それを目にされてたんじゃないかと思うんですけど、川本先生のご推薦でっていうふうに編集者の青木さんがおっしゃってました。
それで私は非常に身に余る光栄だと思って、この特集記事を受けることにしました。
タイトルはコンパクトさが魅力ということで、古典の教材についてどういう扱いを私がしているのかっていうことを書きました。
その時の内容を簡単にお話ししたいと思います。
やっぱり古典っていうもの、今苦手意識がある人多いと思うんですけど、私は教団に立って、
古典生徒大好きで古典の授業が面白くないっていう思いをしたことがなくて、
今でも古典が面白くないとかなんとかいうようなお話ニュースを聞くと、とてもなんか私には信じられないんですけれど、
私当時やっぱり学力が厳しい学校だったんで、いろんなことをしながら古典を教えてました。
その時に生徒の目の色がよく変わって面白い面白いといった古典作品は伊勢物語だったんですね。
やっぱり伊勢物語は有原の成平をモデルにした恋愛テーマの歌物語なんです。
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やっぱり恋愛っていうことは高校生にとって非常に興味関心があります。
高校生にもなれば恋愛小説の一つや二つを読んだり、誰かを好きになったりっていうことは体験していると思うんで、
やっぱり自分にどうも引き比べながら読むことができる。
そういうことで伊勢物語は生徒とても興味深々で、大変に手応えを感じる教材でした。
特に現代文で、舞台が現代で、リアルに恋愛を描くとやっぱり身につまされるところが多くて、
かえって敬遠してしまうところもあったかもしれないんですけど、この伊勢物語は適度な距離感があって、
生徒は少し距離のあるお話ということで余計に近づきやすかったんじゃないかと思うし、
さらに長い年月残ってきた本物なんで、エッセンスが凝縮されていて非常にコンパクトで、
非常に生徒にとっては短くてコンパクトで適度な距離感があって、
自分をそこに投影したり、その世界で遊んだりということができる作品だったと思います。
このコンパクトさ、手軽さ、適度な距離感っていうのが古典作品ならではだったと思うんですよね。
ただ恋愛ということで、上司は結構ノリノリだったんですけど、男子は少し照れくさがる生徒もいたのではないかなと思います。
だけどやっぱり、そういう男の子と女の子の違いとかを教室で感じるということは教育的にもいいことでした。
伊勢物語は短いし、文法的にも現状物語ほどの難しさはありません。
和歌の監修はちょっと難しかったんですけど、内容と非常に関わりが深かったので、和歌一つ一つに歯応えがあって、
生徒は十分興味を持って歌について考えていたと思います。
そして私はやっぱり生徒を惹きつけるために、歴史的事項とか時代背景とか、そういったところの説明が非常に複雑になってしまうので、
自分自身で自作の漫画を書いてプリントにして配布しました。
言うなれば古典作品を自ら絵本化してしまったということなんですね。
やっぱりその時の生徒には大好評で、プリントを配った途端にシーンとなって見入っているわけですね。
その漫画を見ながらいろいろ想像したり、それから本文は逆にどうなっているんだろうと思いながら読んだりと、
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生徒を実習的に作品に取り組もうとしていました。
適度な距離感ということで、漫画もリアルに書かなくてもいい分、ちょっとやりやすかったですね。
やっぱり漫画と古典作品というのはすごい良い組み合わせだったんじゃないかなと思います。
今時の生徒は映像文化で育ってきたので、どうしても抽象的な作品とか、映像化しにくい作品というのは苦手なようです。
かといって古典もやっぱりちょっと時代背景とか、歴史的事項とか説明をしないといけないんですけれど、
やっぱりストーリー性もあるし、今も昔も変わらない人間というものもそこに描かれているので、
ハードルさえ低くこちらが工夫してあげれば、古典作品というのは非常にコンパクトで、
生徒にとっても非常に魅力的なジャンルなんじゃないかなということを、私はこの特集記事で書きました。
やっぱり古典が楽しいというふうに思うと、次から次へと読もうとします。
この後、大鏡とか、生徒は非常に興味津々でよく取り組んでいました。
私自身も古典という作品は、本当に生き残ってきただけに本物の存在感を感じます。
そして何度教えても飽きない、そういう厚みのある作品だと思います。
古典という作品について、今、本当に古典必要かという古典不要論まで出ているような、
そういう時代になっているわけなんですけれど、私自身はまた別の配信で、古典というものの重要性について、
今だからこそ重要なんだというような、そういうことについて語りたいと思っています。
今日は、私が一番最初に月刊航空教育で連載した、コンパクトさが魅力という古典教材の魅力について、
書いたその記事について紹介をしました。
これからの月刊航空教育で連載した記事についても、こうやって今を振り返ってみて、
私自身成長したなというのを感じながら、配信できたらなと思っています。
それでは今日はこの辺で、皆さんまたお会いしましょう。
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