女性教員の悩みの紹介
皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。
この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと配信しています。
今日は191回ですね。早いな。
女性教員の悩みに答えてみる①、妊娠・出産・育休に関する悩みや不安、ということでお届けしたいと思います。
先日配信したと思うのですが、女性教員の悩みは7つあったとAIに分析してもらった結果についてお知らせしたと思うのですが、
それに答えてみるシリーズというものの第1回になります。
まず最初は、先日参加したイベントで女性教員の悩みとしてトップに挙げられていたのが、妊娠・出産・育休に関する悩みや不安でした。
これはその文化会に登壇された渡辺由紀子さんという、インスタグラマーを活用したり学校教育にいろいろと関わっていらっしゃるインフルエンサーの方ですが、
リスナーさん、フォロワーさんからいただいた悩み事がものすごい量で、それを私にお裾分けしていただいて、それをちょっと分類して、それでちょっとずつ答えていこうかなと思っています。
概要欄に渡辺さんのボイシー、リンクを貼っておきますので、そちらの方もぜひぜひ、本当に女性の本当の悩みとかね、いろんな学校関係者だといろいろとそういうことあるなっていう、そういう悩みに寄り添うような、本当に落ち着く配信内容になっていますので、ぜひご覧になって、ご聞きになってみてください。
今回の女性の妊娠・出産・育休に関する悩みや不安ということなんですけど、大体多いのが、自分の今の仕事を考えると、いつ妊娠したらいいんだとか、今いる子どもたち、生徒たちに迷惑をかけてしまうとか、学校の先生に迷惑をかけてしまうとか、
それから、育休をちゃんと取れるんだろうかとか、そういった不安が聞かれました。
ぶっちゃけて言うと、出産とか、妊娠・出産をコントロールするということはもはや不可能です。
これは自然にできるものなので、体をコントロールするということは不自然なことなので、それはできればコントロールしたいですよ。
したいけど、もともと自然に妊娠するものなので、これをコントロールするということ自体が不可能であり、自然に任せるものなんだということをしっかり持っていただいて、これは自分の責任ではない。
自然なんだと思って、ここは自然にできたものに従っていくしかないと思ってください。
私もこの配信でちょっと言ったことあるんだと思うんだけど、30代の頃に何の因果かわかりませんけど、組合活動で女性部というのがありまして、地区の女性部長になってしまいました。
それまでにも組合の中で女性部に所属して、いろんな学習会に参加してきたので、女性の権利ということについてはかなり勉強してきたし、
それから女性部長になった時にも様々な学習会に参加して、とても勉強させていただいたので、その時に先輩たちから教えられたことを今語っているに過ぎないわけですけれども、
先輩方もそもそも妊娠とか出産とかを自分でコントロールするということはおこがましいとおっしゃっていましたし、
実際、地区の女性部長さんの中には、地区の女性部長の任期でありながら妊娠してしまったということを皆さんで祝福したということがあるんですね。
心よく途中交代をしたという、あるいは途中交代で穴が開いたとしても私たちでカバーしましょうね、みたいな雰囲気がありました。
ということで、そもそも妊娠とか出産とかをコントロールできないので、これは自然に任せようという、そういうことを絶対に肝に銘じていただいて、体に不自然なことを要求しないようにしましょう。
それから、いつ私は産休・育休に入った方がいいのかということなんですけれど、
例えば今関わっている生徒に迷惑をかけてしまうとか、そういうことはあると思うんですけど、
私たちだって今しかないわけですよ、妊娠・出産するのが。
妊娠・出産するのに最適な年齢とか体力とか、それからそういう人生の設計とかあるわけですね。
生徒にとっていろんな迷惑をかけるのかもしれないけど、
そうやって女性が突然妊娠・出産してしまって、それについてみんなで祝福して支えてやっていこうというのは、生徒がそれを見ていても教育になると思うんですよ。
例えば一緒に部活を一生懸命頑張ってきた女性の先生が、妊娠してしまって部活ができなくなってしまって、私たちの卒業を見ることなく育休に入られてしまった。
でもこれって一つ大きな教育です。
女性が働きながら仕事をしながら育児をする、出産をするということについての一つのロールモデルを生徒に示すことになります。
女子生徒にとってもそうですし、男子生徒にとってもそうです。
そうやって、突然そういうふうな妊娠・出産ということは起こり得ることであり、人気の途中であっても次世代を育てるために仕事をストップしていくということは、これは本当に未来を作るために必要であり尊いことなんだということを生徒に示していく。
そうすることによって、次の時代を生きる生徒たちもそういう先生のイメージを持ちながら自分たちも自然な形で育休とか産休とか入ることができるんじゃないかと。
これは本当に尊い教育なので、年度途中であっても育休とか産休とか入っちゃっていいです。
マタニティハラスメントへの対処
これが最大の教育だし、未来を作ることにつながるんだと思って、誇りを持って、自信を持って、妊娠・出産に向かっていってほしいなと思います。
管理職の方、あるいは周囲の方から嫌味を言われるという悩みもあって、これははっきり言ってマタニティハラスメントです。
これはあってはいけない発言だと思うんですよ。記録をとってください。何月何日に何々先生がこういうことを言った。すべてメモしてください。
それをメモすることがとても重要で、何かあった時にそのメモが役に立ちます。
私なんかは先輩に言われたことなんですけれど、校長先生に妊娠したことを報告して、予定日はいつでこの辺りから産休に入りますということを報告した時がありまして、その時にちょうど夏休みに入るか入らないかぐらいだったんですね。
その時に校長先生が、例えば7月の15日から取るんじゃなくて、どうせ夏休みが21日ぐらいから始まるんだから、産休に入るのを7月21日までにするとかしてくれみたいなことを言ったんですね。
それを先輩の女性の先生にこういうことを言われましたって言ったら、先輩の女性の先生は、え、権利なんだから取得していいのよ。そういうことを管理職に言うのがあってはならないことなんだというようなことを言われて、後でこっそり管理職の先生に注意しに行かれたみたいで、その後管理職の先生から規定通り取っていいよっていうことを言われました。
はっきり言って、そういうことを言うのはマタニティハラスメントになって、これはもう本当に法律で守られていることなので、権利は取得していいんですよ。自分がきちっと法律で定められた、そういう権利に従って自分の育休と産休を取ればいい。
そのことによって周囲が何か言うようだったら、もうそれは完全に人権侵害です。強い態度でちゃんと記録して、周囲の人に相談したり。ことによっては、男女共同三角企画室みたいなそういうところに相談に行ってもいいし、組合のあるところだったら組合に行ってもいいし、やっぱり自分が言われのないハラスメントを受けたっていうことはきちっと提起していかないと
これまた次世代に良くないと思うんです。私が妊娠・出産した頃よりもさらに人権的にはいろいろと理解が得られてきて、そういうことを言う人は少なくなってきたと思うんですけれども、特に閉鎖的な社会であればあるほど、そういったことについてハラスメントをしがちになると思います。
それはその人に学習が足りてない、人権意識が欠如しているということになるんですから、そういう結構強い態度って言ったらおかしいですけど、子供を、次世代の子供、自分の子供を育てていくためにも、それから次の時代を担う女性のためにも、私たち当事者、女性は勉強して賢くなって強くなって跳ね返していくような実力を身につけないといけない。
それには、やっぱり女性同士のコミュニティ、そういうしんどい立場、苦しい立場で悩んでいる、そういう女性たちで支え合っていくことがとてもベースになると思っています。
私も組合の女性部というそういうものがあったから、ある意味洗脳かもしれませんけど、学習を積み重ねて女性の権利についてしっかり理論武装して強くなったと思いますし、先輩方に支えられて判断もできるようになりました。
そういった女性同士のコミュニティの存在はとても大きいと思っています。
特に高校現場だと女性というものがとてもマイノリティで支え合う仲間作りができない、コミュニティ作りができないと思うんですけれども、こういったSNS時代なんで、私とかの発信者とか渡辺幸子先生とかね、そういったSNS上でそういうことを発信していらっしゃる人とつながりあって、そこに集まってくるフォロワーさんとかリスナーさんとかと情報交換しながら
自分自身の人生を自分で舵取りしていくような賢さと強さと、それからパートナーとして生きてくれる男性に対しての優しさ、これを身につけていくべく、みんなでつながり合っていけたらいいんじゃないかなって思いました。
まだまだ語りきれないことはあるんですけれども、もう11分にもなってしまったので、今日の配信はここまでにしたいと思います。
聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。
