教員の仕事の基本
皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。
この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと語っています。
今日は、教員の仕事の大半は雑務で専門外というテーマでお送りします。
ちょっと愚痴っぽくなると思うんですけれど、ゆるゆると語っていきたいと思いますので、何となく話半分で聞いてください。
まず、教員の仕事のメインは、何と言っても授業ですよね。これについては、もう本当に誰も異論はないと思うんですけれど、授業がメインなんだけど、授業外の仕事が多すぎるんですよね。
それでも、担任業はまだ許せると思います。担任というのは、生徒あってのものだし、生徒を理解するためにも、そして一つのチームを作るためにも必要なスキルだと思います。
担任ができて、授業ができて、一人前の教員だと言えます。しかしね、それ以外にもたくさんの業務がありますので、つらつらと言いますと、
まず、進路指導ができないといけないんですけど、ほとんどキャリアコンサルタントみたいなレベルまで卒業生を出すとしたら、頑張らなくてはなりません。
進路の指導についても、かなり勉強しないと、生徒をきちんと教え導くことができないので、この進路の指導にも念気が要りますよね。
それから、なんといってもカウンセリングができないとダメですね。最近は色々と複雑な問題を抱える生徒が多くて、家庭の問題とか、それから勉強に対する不安とか、自分自身の性格的な問題とか、
そういったことを複雑な問題トータルで、その生徒に対してきちっと需要的な態度で聞いてあげて、自己開示をさせてあげるようなカウンセリングの技能がとても必要なんです。
だからカウンセラーのスキルも必要ですね。それからその対極としてですね、やっぱりある程度問題行動を起こしたら、もうそれが絶対的に悪いんだよということを指導するためには、
事実を確認して、それから色々な関係する生徒たちと話をすり合わせて、厳しく接しつつも問題を明らかにしていくような、ちょっとした警察のようなスキルも必要なんですよね。
時効になったので言いますけれど、私はもうだいぶ昔に、生徒がトイレでタバコを吸っていたっていうことが何回かあったんで、それを謙虚するために、ある程度入れる蓄積したスキルを使って見事その現場を抑えたっていうような、本当警察みたいなことをやったことがあります。
できればこういうのはね、違う人にやってもらいたいですよね。そういう生徒指導のプロっていうようなね、そういう立場の人にやってもらいたいぐらいなんですけど、現実問題、先生は問題行動が起きれば、そういった態度をとらざるを得ない時が多々あります。
それからその逆に、そういう行動を起こしてしまった生徒に対して、きちっとその生徒の立場になって、しっかりと支えてあげる、いわば弁護士的な役目もあります。弁護士的な役目は、やっぱりその関係する生徒対生徒対保護者との仲を上手に調整するっていうような、そういう役割もありまして、
やっぱりちょっとした弁護士のような、ちょっと法律に照らし合わせつつ、両者の仲を上手に取り持っていく弁護士のような、そういうスキルも必要になってくるということが多々ありましたね。
それから全くこれはね、私不得意なんですけど、事務仕事。行政のような事務仕事がたくさん降ってきます。
特に公立高校に勤めていた時は、県教委からたくさんの文書が降りてきて、それが文書として整っていないと、管理職からやり直しが来るわけですよ。
そのやり直しというのが、行政文書の決まりにのっとって、ここは1行空けるとか、ここは3文字分空けるとか、均等割付にするとか、一番最悪だったのは、点をカンマに変えるっていう。
もうちょっとバカバカしくて言うのもあれなんですけど、国語としては点が普通なんですけど、行政文書では点をカンマにしないと受け付けてもらえないんですよ。
なので、よく自分が点をうっかり打ってしまって、管理職の方からカンマに全部赤で直された文書が帰ってきた時に、頭クラクラしましたね。
そんな風に、行政的な文書をきちっとまとめる、そういう行政事務の能力が必要になってきます。
そしてこれはあまりやってはいけないことなんですけど、会計、私はお金の計算も苦手なんですよね。会計処理も任されるわけですよ。
就勤して、それを計算して、そしてそれを銀行に入れてっていうような、そういう会計事務もやらされますね。今は多分減ったと思うんですけど。
雑務と専門外の業務
それから当然のことながら、教室整備をするということで、掃除、清掃係、清掃の業務もあります。
当然教室もなんですけれど、ありとあらゆるところを掃除しますね。今私立に変わったので、いろんなところを掃除担当の業者の方が来てされてるんですけど、いろんな掃除を普通やります。
職員室もそうだけれど、印刷室もそうですし、トイレも汚れてたら掃除するし、朝も何かしらどこそこが汚れてたら掃除するしということで、掃除の業務も結構大変時間を食いますね。
そして今、とても問題になっているブラック部活。これ、顧問の仕事っていうのはとても時間もかなりかかりますし、責任も重いですし、とても拘束させられますね。
私は過去やった部活顧問は、赤い時まだ体が動く時はテニス部の顧問をやりました。それから専門性近いということで文芸部の顧問もやりました。
けどね、卓球部の顧問になった時は何も教えられなくて、ただ遠征について行ったり、それから練習試合の付き添いをしたり、それだけしかできなかったんですけれど、卓球部の顧問をやりましたね。
おまけに卓球部の顧問は、ベンチに入るのに連名費を払わないといけないということで、これがおかしい話なんですけど、教育委員会からおりないわけですよ。
なので、連名費を自腹切って払いました。
それから部活の先生によっては、揃いのユニフォームを自腹で買ったりとか、某サッカー部の顧問になった先生は、上下のトレーニングウェアとベンチコートといろんな付随したグッズがあるんですけど、
トレッシュというんですかね、そんなの全部買って4、5万円してましたね。これ自腹で払わされます。
そんなこんなで、部活顧問としての負担というのは、時間的にも精神的にも金銭的にもかなりのものがありました。
あとは、PTA役員決めという業務もありまして、PTAに属してから一緒に学校教育を良くしていこうという活動自体はいいんですけど、PTA役員を決めるためにPTA役員の決定は担任に丸投げされて、なかなか立候補が出なかった場合は、ずっと家に帰って電話をかけてました。1時間ぐらい。
なかなか決まらないから2週3週したりなんかして、1週間ぐらい1時間ずっと毎日電話をかけてた時もあります。こんな風にPTA役員を決めるのにも自宅の電話代を使わなくてはならないという、すごい負担がありましたね。
あとは、総合的な探求の時間が始まってからは地域連携をすることが多くなってきたので、近隣の小学校や中学校に出向いたり公民館に出向いたりして、いろいろな地域で暮らしている人たちとお話を聞いたり、それからイベントするときのミーティングをしたりというように、地域連携というのもちょっと最近増えてきましたね。
それから今、私立の教員としてはやっぱり生徒募集の仕事がとても入ってきたので、その時は本当にびっくりなんですけど、ポスターを私作りましたね。
ウェブデザインと言いますか、デザイナーの仕事をやって、ちゃんとした会社にお願いしたら、1個のポスターで6万とか7万とか2つで14万ぐらいいる仕事を私が受け取って作ってました。
クオリティとしては素人作りなんですけれど、プロに投げたらそれだけの仕事を教員もやるわけですよね。しかも、ただでね。
それから最近増えてきたのが、総合的な探求の時間が導入されたので、自分の授業の教材研究に加えて、その総合的な探求の時間も上にかかってきました。
これの教材研究が大変なわけですけれど、やっぱり総合的な探求の時間を担当した人は2時間ぐらい軽減しないと、学年の総合的な探求の時間の企画運営、立案というのがちょっと難しいんじゃないかと思いますね。
そしてさらにICTも導入されて、学校ではほとんどSEのような仕事をやっている先生は何人もいらっしゃいますね。ということで教員の仕事はこんなにもたくさんの仕事を任されており、そして雑務であったり専門外であったりと大変です。
教育現場の課題と改革
ということで今回愚痴っぽくなってきましたけれど、教員の仕事は大半が雑務で専門外。この教員の働き方改革がなされないと、やっぱり教育現場はね、どんどん厳しくなるだろうなと思いますので、どんどんどんどん働き方改革をしていかないといけないから、とりあえず身近なできるところから私はいろんなことをスクラップしていくように心がけてはいます。
ということで今回愚痴っぽくなってしまったんですけれど、これからの教育をね、もう少しより良くしていくためには是非、構造的な組織改革をしていく必要があるなと、そう思った回でした。
それでは今日の配信はこの辺で、皆さん聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。