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こんにちは。横浜で15年以上、犬の保育園の先生を行っている、なおちゃん先生と申します。
こちらの番組では、あなたとワンちゃんの10年をよりよく変えるをもとに、犬と生きる10数年をもっと本気で楽しみたいあなたに、幅広い分野から犬に関するお話を中心にお届けしています。
大好きな旅の話、子育ての話も時々お届けしています。
まず最初に告知になります。
11月17日、今週金曜日、夜8時から1時間程度、インスタグラムにてコラボライブを行います。
こちらはテーマ、犬の質家・トレーニング、今と昔どう違うの?というテーマで、トリミングサロンシエロのオーナートリマー、あかねさんと一緒にコラボライブをしていきます。
さて、久しぶりにですね、今回は子育て・犬育てのテーマのお話となります。
まだちょっとね、声がかすれ気味なんですけれども、頑張ってお話ししていきたいと思います。
先日、私はですね、ある飼い主さんから心に刺さるお言葉をいただきました。
先生のおかげで、この子は人の話を聞くということができる犬に成長しました。
といったような内容のお言葉でした。
私からすると、その子は本当に出会った当時からいい子なんですけれども、
出会った当時は小犬さんで、飼い主さんはそのワンちゃんとのコミュニケーションに悩まれていました。
週に一度程度のレッスンで犬だけが劇的に変わるということは難しいです。
それを一年以上にわたってご継続いただけた飼い主さんのご尽力、ご努力に他ならないのですが、
こういうお言葉をいただけることはとても私は嬉しい限りです。
そして、ただ嬉しいというだけではなくて、この言葉にはハッとさせられることがありました。
それは、人の話が聞けるということは、飼い主さんにとって愛犬に何よりも望むことの一つであるということです。
ということ、飼い主さんが私のもとにご相談に来られる理由は様々にあります。
トイレができない、吠える、噛む、引っ張る、いたずらがひどい、怖がる、お散歩で歩かない、
クレートに入れない、お留守番ができない、などなどいろいろな問題が挙げられます。
この問題の根源となるものの一つ、それは人の話を聞く耳を犬が持っているかどうかにあるのではないかなと感じたのでした。
そして、これは子育てにも通用することかなと思いました。
親が子どもとの関係において悩むことの一つは、話を聞いてくれないといったこと、
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つまりはコミュニケーション、意思疎通が親の思うように子どもといかないということではないでしょうか。
これは生まれてすぐに育児に悩む親御さんから、思春期を迎えた子どもとの関わりを持つ親御さんまできっと同じこと。
こちらの意思が通じないことに悩み、戸惑いどうしたらいいのか、あれこれと画策してみる。
子育ても犬育ても、意思疎通とコミュニケーションが相手とうまくいかないことが問題を抱えることの根源の一つではないかなと感じたのでした。
私が犬たちと接する中で、人の話を聞く犬と人の話を聞かない犬は確かにいます。
けれど、人の話を聞かない犬に関して言えることは、人の話を聞くという経験を積んでいないということです。
ですから、人の話を聞く、つまり相手とのコミュニケーションをとる、意見交換をするという練習から始めていきます。
また、人の話を聞かない犬、これは自分の思いと欲望だけで行動する習慣をつけてきた犬でもあります。
つまり、そういう行動・習慣が許容される環境で育ってきたということなんです。
子供に関しても、子供の要求すべて受け入れるだけでは、その子の思考や親子のコミュニケーションの成立は育っていかないと思います。
我が家ではよく、子供が○○したい、○○欲しい、どこどこに行きたいというときに、じゃあどうしたらできると思う?どういう方法だったらいけると思う?
どうしたらもらえると思う?というようなことを質問して、プチプレゼンのようなことをしてもらいます。
私はこれを子供との思考のやりとりをするゲームの一つと考えています。
子供たちがその希望に対してどのように考えているのか、親はどのように考えているのか、お互いに思考をやりとりすることで意思疎通、コミュニケーションを深めるような感覚でしょうか。
時々、思いも寄らない意見が出てきたり、方法が出てくるのも面白いと思っています。
ああ、この子はこういう風に考えているんだ、私とは違うな、と発見があります。
犬たちにもほとんど同じように、思考のやりとりをするゲームを行っています。
例えば、ある犬がボールが欲しくて飛びついたり跳ねてきたとき、私はお座りとか待てとかダメとか言わず、どうしたらボールがもらえると思う?と聞きます。
犬たちは考えて、しばらくしてお座りをしたり伏せたり、その子なりにできることをしてきます。
私はそれが許容できる行動であれば、そうだよね、そうすればもらえるんだよね、とボールを投げてあげます。
ここにお座りも待ても何もコマンドは必要ではないんです。
ボールを持っている目の前の私のところにやってきて、自然にお座りをするようになったら、座る瞬間にお座りと動作に名前をつけてあげることで、
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ああ、このお尻を床につけるという行動はお座りって言うんだな、と犬は学びます。
聞く耳を持たない興奮状態の中で、お座り、お座り、と繰り返したり、ましてや後ろ足を蹴ったり、腰を押して座らせなくても、彼らは自分で学ぶことができます。
自分の取った行動で希望が叶えられる経験をたくさん積むことで、目の前にいるこの人は自分に何を話しかけるんだろう、その結果何が起きるんだろう、と犬たちに希望と期待を抱かせることができるんです。
そうなれば、人の言うことを聞く体制が整えやすい犬に育っていくんだと思います。
犬とのコミュニケーションを深め、意思疎通をして、人の話を聞く犬に育てたいのであれば、やはり彼らの言い分をしっかり聞くこと、行動を知ること、それもまたとても大切だと思います。
そして、私は子育てはまだまだ半人前なんですけれども、きっと子育てにも同じことが通じるものがあると思っています。
いかがでしたか?
人の話を聞くというのは、一方的にただただこちらの意見を、希望を聞いてもらうというのだけでは成立しないと思うんですよね。
やはり相手の言い分を聞いてこそ、やりとりができてこその成り立ちだと思います。
そしてそれは、実は犬にも当てはまることなんだなぁと、私は改めて感じました。
最後まで聞いていただきありがとうございました。