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こんにちは。横浜で15年以上、犬の保育園の先生を行っている、なおちゃん先生と申します。
犬と暮らすって最高!をテーマに、愛犬との毎日をもっと楽しみたい飼い主さんに向けてお届けしています。
ドッグトレーナー歴20年以上、これまでに800頭以上のワンちゃんとご家族に向き合ってきた経験から、よくいただくご質問やお悩みへのアドバイス、犬との暮らしが豊かになるヒント、
これからお迎えしたい方から、シニア犬さんにも役立つお話を、ハッシュタグ1番から7番のフェーズに分けてお話ししています。
9月21日、東京新木場で、お昼の12時から行われますリアルイベント、
トレジャーファインダー×ファン、通称トレファンというイベントに参加をさせていただきます。
私はこの中で9名の案内人の一人ということで、スピーチの最後に大鳥を飾らせていただきます。
とても緊張しておりますので、よかったら応援よろしくお願いします。
当日現場には行かれないよという方は、応援チケットもあるので、よかったら概要欄から見てみてくださいね。
おやつの必要性への疑問
それでは今回のテーマは、ハッシュタグ1番プレ飼い主様から、
ハッシュタグ2番パピー、ハッシュタグ3番聖犬、そしてハッシュタグ5番シニア犬まで幅広い愛犬家の皆さんに共通するお話になっていきます。
これは、長年トレーニング会で論争を巻き起こしているものではあるんですけれども、
先日、私はある方からご質問をいただきました。
それはですね、うちの犬は食欲があまりありません。
食欲がない犬に、おやつを使ったトレーニングってどうなんですか?
特にクリッカートレーニングを、なおちゃん先生は推奨されているようですが、
クリッカートレーニングは、1回のクリック音の後に、おやつを必ず一つあげますよね。
食べない子は覚えられませんか?
というご質問の内容でした。ご質問ありがとうございます。
この、おやつを使うか使わないか問題というのは、トレーナーの間でもものすごく議論が分かれるところです。
これはもうですね、手法というか方針ですね。
おやつを与えるかどうか、使うかどうかというのは、
トレーナーさんの間で議論の分かれるところです。使う人、使わない人、少し使う人、少しも使わない人、
普段食べているドッグフード、主食としているご飯だけは使う人、
特別なおやつだけ使う人、いろんな手法を使われる方がいらっしゃるので、
おやつを使うか使わないか自体は、飼い主さんの好きに選んでいいと思います。
ただですね、おやつを使うか使わないかというのは、トレーナーさんによって意見が大きく分かれるところなんですけれども、
今現在の、この令和の時代のトレーナーさんの中で主流となっているのは、報酬、報酬系を刺激するトレーニングになります。
ポジティブな経験の重要性
これはですね、行動学で言えば、ポジティブレインフォースメントというふうに言われます。
要するに、ポジティブの強化ですね、ポジティブな経験を強化していくということになります。
ポジティブな経験の強化というのは、一体どういうことかと言いますと、
動物は、これまでも何回も言ってきたように、人間でも犬でも鹿でもウサギでも鳥でもそうなんですけれども、
自分がとった行動が結果としてどうであったか、それで物事を覚えていくんですね。
なので、自分が、その動物自身がとった行動がポジティブな経験になれば、であれば、その行動というのは回数が多くなる。
逆にネガティブな経験であれば、それを避けようとして行動が減っていく。
これが、動物行動学の大原則なんですよ。
例えば、人間でもそうですよね。
勉強して、いい点数を取って、すごく褒められて、みんなにすごいすごいって言われたら、よし、次も頑張っちゃおうかな。
このぐらい勉強したら、このぐらいの点数が取れたから、次もこのぐらい勉強すればいいのかな。
なんとなく人間ってそういうふうに考えませんか?
私は元気人なので、そういうふうに考えていました。
だけど、逆にめちゃくちゃ怒られながら、苦しんで苦しんで勉強したのに、20点とかしか取れなくて、
学校の先生にも親にも怒られ、友達にもバカにされていたら、もう勉強すること自体が嫌になっちゃいませんか?
私はそれもありました。私の場合これ数学なんですけどね。数字わかんないから。
なので、本当にね、人間でもそういうふうな気持ちっていうのはあるんですよ。
人間の場合は、それ以外のことで気持ちを奮い立たせることはできるので、ネガティブからポジティブに自分で持っていくことができるんですが、
動物というのは、一度強くネガティブな経験がついてしまうと、それを自分自身でポジティブに持っていこうという気持ちは少なくなるんですよね。
逆にポジティブな経験があったものは、その行動をしようというふうに学習していく生き物なんです。
これを刺激するためにですね、ポジティブな経験を与えるということの非常に簡単なやり方が、おやつを与えるということなんです。
つまり犬が取った行動の後におやつを与える。そうすることでその行動自身がポジティブな経験になっていきますので、次もこの行動をしようというふうになっていくわけですよね。
お座りと言われた時に犬がお座りをしたらおやつをもらえた。じゃあ次もお座りと言われた時にお座りをしよう。
そういった学習を犬はしていくというわけです。
ここにやはり学習というものが報酬があることによって伸びる。この理由がわかると思います。
ですが、この報酬というのは必ずしもおやつでなくてもいいんですよね。
ここがミソなところで、おやつを食べない、そもそも食欲がないというワンちゃんは確かにいるんです。
じゃあこういった子たちにはトレーニングができないのか、報酬を使ったトレーニング、物事を何か教えるということができないのか、と言うと全くそうではありません。
実際私自身もたくさんのワンちゃんを見てきておりますけれども、報酬に興味のない子、報酬というかおやつに興味のない子というのがいるんですよね。
そういった子たちはどうしたらいいのか、そもそもやる気はないのかというとそんなことはないんですよ。
これが非常に面白いところだなと思うんですけれども、その子にとって欲しいものというのがおやつではない、代わりに欲しいものが必ずあるんですよね。
例えばそれはプライズ、褒めること、褒め言葉であったり、撫でて欲しいという気持ちだったり、抱っこして欲しいという気持ちだったり、遊んで欲しい、ボールを投げて欲しい、そういった気持ちも報酬になるんですよね。
クリッカートレーニングの理論
場合によっては目線一つでさえ報酬になり得ます。報酬というとどうしても一般的には何か物をもらう、犬のトレーニングの場合はおやつが一番手っ取り早いのでそれが一番知られていますけれども、必ずしもおやつでなくてもいいということなんですよね。
その子がその時に一番欲しがっているものが報酬になる、モチベーションになるということです。そしてそれが次の行動につながっていくし、引いてはトレーニング全体のイメージになっていくわけです。
実際ですね、私のやっているクリッカートレーニングというもの、これはですね、動物が何か行動をとった時にその行動が私が意図しているものに一歩でも近づいていたらクリッカーという機械がカチッという音が鳴るわけなんですね。
なので犬たちはこのカチッという音が鳴ったら自分がとった行動は正解であるということがわかる。なので自分はどうやったらこの音をもっともっと鳴らすことができるだろうかというふうに考えて自分自身で行動を形作っていく。
これがクリッカートレーニングの理論になっていくんですけれども、クリッカーを一回鳴らしたら一つおやつをあげるというのがセオリーなんですよね。
セオリーなんですけれども、この時にですね、おやついらないよという子がいるんですよ。
そうなるとね、クリッカートレーニングって向かないんじゃないの?できないんじゃないの?というふうに思われるかもしれないんですが、この子たち自身にとってはこのクリッカーの音が鳴るということがもうすでに報酬になるんですよね。
これは長年見ていて本当に面白いなぁと思うんです。
私自身もクリッカーを一回鳴らしたら必ず一つおやつというふうに習ってきたので、
なので、まさかこのクリッカーを鳴らしてもご褒美はいらないよ、だけどクリッカーは鳴らしたいというふうなワンちゃんたちが存在するということをトレーニングをトレーナーとして始めた当初は知らなかったんです。
だから何とかしてご飯を食べさせようとかおやつを食べさせたいというふうに思ったんですけど、そうじゃないんですよね。
この子たちはすでにこのクリッカーが鳴ったということで大満足なわけです。
そしてそこでうわぁそっくり頑張ったねという感じで撫でたり褒めたりしてあげると、さらに喜んでついでに気分が乗ったらおやつも食べてやろうかなぐらいの感じなわけですよ。
なので最初のご質問、おやつに興味がないとトレーニングはできませんか?褒めて伸ばすトレーニングはできませんか?クリッカートレーニングはできませんか?というご質問は時間はかかるかもしれないですけれども、
その子自身が欲しいものというのがきちんと飼い主さんが把握できていれば、そして信頼関係ができていれば、
おやつを使わないだけれどもご褒美を使う報酬系のトレーニング、ポジティブレインフォースメントのトレーニングはできるよという回答をしたいと思います。
おやつ以外の報酬
うちの子、ご飯に興味がない、おやつが興味がないのでトレーニングできないんじゃないかなとか、
なおちゃん先生のやっているクリッカートレーニングは向かないんじゃないかなと思われる方もどうか諦めないでください。
その子自身が受け入れられるようにトレーニングをしていけばいいですし、その子自身が欲しいと思うことっていうのは必ずあると思います。
それを刺激してあげることで、あなたとワンちゃんの絆をもっともっと深めていく。これがトレーニングの醍醐味だと思います。
はい、いかがでしたでしょうか。もちろんいろんな意見があると思いますが、私はおやつというものをトレーニングに使うことには賛成しています。
なぜなら、前回の配信でもお話しましたが、食べるものを得るために頭と体を働かすというのは、
犬の本能的な部分を刺激し欲求を満たす行為だから、けれども中にはやはり食べることに興味のないワンちゃんというのもいますので、
そういった子には違う報酬、その子が喜ぶ報酬を用意してあげるということで、トレーニングは可能になってきますよというお話でした。
何かご質問等があれば、リター、コメントお待ちしております。
それでは最後まで聞いていただきありがとうございました。
