皆さんこんにちは。ベテラントリマーでドッグトレーナーでペットサロンオーナーのハラグチです。
誰よりも多くの犬と飼い主さんと接してきたからこそわかる、犬と幸せに暮らすコツをお伝えしています。
今回は、おやつでつるしつけってどうなのというお話をさせていただきたいと思います。
1回目のお話で、なぜ犬にしつけが必要なのかということをお話ししたと思うんですけど、
本来犬からすると、お座りするとか、おトイレにおしっこするとか、必要のないことなんですね。
生きるためにする必要なこと、ご飯食べるとか、排泄をするとか、生殖行動とか、
そういうことっていうのは教えなくてもできるんですけど、人と暮らす上でのマナーみたいな部分、
お互い気持ちよく過ごすためっていうところについては、報酬を提示して教えて、
一緒にやっていかなければいけないっていうお話をさせてもらったんですけど、
その報酬で一番犬にとってわかりやすいものっていうのが、食べ物、おやつになります。
なんですけど、報酬は他にも何個かありまして、一番次にわかりやすいのは、褒め言葉っていうのがあります。
褒め言葉っていうのが、ワンちゃんっていうのが単語は理解できるんですね。
なんですけど、文章になるとわかりづらくなっちゃうんです。
なので、褒め言葉っていうのは、お利口とか上手とかいい子とかいう感じで、短く端的に伝えるようにします。
よくうちのお教室でもアドバイスするんですけど、飼い主さんがワンちゃんに何か伝えたいっていうときに、
「ほらこっちおいで、お座りでしょ」って言っちゃうんですよ。「お座り」って言ってくれるとわかることも、
続け様に言われちゃうとわかんないとか、○○ちゃんお利口だったねみたいな感じで言われちゃうと、
なんとなく嬉しいのはわかるんですけど、端的に伝えてあげるっていうことが結構大事になってきます。
もう一つの報酬っていうのが行動になります。
例えば、おもちゃ遊びをして引っ張りっこしてたとしますよね。
引っ張りっこして、ワンちゃんが離さないっていうときに、「ちょうだい」って声をかけて、
そこで犬が自らパッと離してくれたときに、よしって言ってもう一回遊ぶ。
もう一回「遊びを再開する」っていうことが報酬っていうふうになります。
なので、このおやつを含めて褒め言葉と行動っていう三つのご褒美っていうのを上手に使ってあげるっていうことが大事になってきます。
おやつが一番わかりやすいっていうのもあるから、結構最初の導入の部分で多く使っていくんですけど、
褒め言葉っていうのがどうしても忘れがちにどうしてもなってしまいます。
特に飼い主さんからの褒め言葉ですね。
「無視の有効性」のときもちょっとお話ししたんですけど、効く無視と効かない無視っていうお話をしたんですけど、
飼い主さんからの褒め言葉、関係性ができている人からの褒め言葉っていうのはすごい格別なんですね。
なので、普段からこのおやつと褒め言葉とか行動とご褒美、あと行動と褒め言葉とおやつっていう感じでダブルとかトリプルの報酬をかけておくと、
すごい良い効果が得られます。
例えばどういうことかっていうと、お座りを教えたいという場合に、
最初は床にお尻がついた瞬間によしって言っておやつをあげるんですね。
そうすると、お座りしたことが良いことと結びつくっていう感じなんですけど、
ここでよしっていう言葉、うちのお店ではよしって言ってるんですけど、よくgoodとかね、それでもいいんです。
あとクリッカーってご存知の方いるかもしれないんですけど、コマンドクリッカーっていうのでカチっていう音が鳴るんですけど、
それは褒め言葉とちょっと違くて、ご褒美がもらえる合図です。
それをワンちゃんに先に教えておくんですね。条件付けっていうんですけど、カチって鳴ったらいいことあるっていうふうに条件付けされちゃう。
パブロフの犬につながるものなんですけど、そういうふうに。
まずよしっていうのがいいイメージになるように練習をまずしておきます。
このよしっていうのが後々効いてくるので、結構重要になってくるんですけど、
初期段階、一番最初のトレーニングのレクチャーの時から、このよしっていうのをうちの飼い主さんとか生徒さんには教えるようにしています。
お座りの最初の覚えたてって、座ったらすぐ立っちゃうんですよね。
「お座り、よし」って言ったら、おやつもらえると思ってすぐ結構ワンちゃん立ち上がっちゃうんですけど、でもお座りって長くしてもらいたいですね。
なのでこのお座り、最初は一瞬っていうのを徐々に長くしてもらいたいっていう時にどうするかっていうと、よしのタイミングをちょっとずつ後ろにずらしていくんですね。
時間を長くするんですね。それをそのままステイとかマテの指示に持ってって、ステイとマテはまた別に練習するんですけど、つなげていくっていうようなやり方をしていきます。
そうすると、はじめは0.5秒ぐらいだったお座りが、1秒、2秒、3秒、5秒、10秒っていう形で伸ばしていくことができます。
おやつもこのよしの後の1回で済むので、最初は一瞬一瞬毎回あげてたものが徐々に長くなっていくので、1回のよしにつき1個のおやつでいいので、結果的に減らせてるっていうことになりますよね。
長くお座りをして1個もらえるっていうふうに、おやつの量を減らしていくっていうことができます。
そしてその時に同時に褒め言葉をかけておけば、2回に1回に、例えばおやつがなくて褒め言葉だけでも、「いえーい」って喜んでくれるんですね、ワンちゃんが。
人間の報酬って一番わかりやすいのはお金になると思うんですけど、バイトしたのにお金くれないじゃんってなったらちょっと問題になるんですけど、ワンちゃんの場合褒めてくれたってなって、ちょっと1回ぐらいおやつなくても全然平気みたいな。
そこが犬とかワンちゃんの可愛いところ、素直な可愛いところでもあるんですけど。ここでのポイントは、褒め言葉もやっぱり普段からかけてないと、褒め言葉とそのご褒美、いいことっていうことは条件付けされていかない。
急にいきなり褒めなきゃいけないと思っても、今まで全く褒めてなかった人が急に褒めてきても、何?ってなるので、普段から褒め言葉をかけておくっていうことが大事になります。
今、時間を延ばしたりした例なんですけど、別の例で言うと、ノーズタッチっていうのがあります。ハンドターゲットとも言うんですけど、手の甲に鼻をワンちゃんがツンってつけたら、よしって言っておやつあげるんですね
そうすると甘髪が減ったりとか、いろいろいい効果があるんですが、初めは教えるとき、1回目でよしって言っておやつあげるんです。たくさん練習してから、1回目は何も言わない。2回目でよしって言っておやつあげるんです。
それができるようになったら、今度3回目でよしって言っておやつもらえるんです。それが3回目ぐらいまでできるようになったら、今度ランダムによしを出します。そうすると、1回目でよし、3回目でよし、5回目でよしみたいな感じで、いつよしが出てくるかわからないっていう風になると、
ワンちゃんがドキドキワクワク、いつだろう、いつだろうっていう感じで、人の言動に集中するようになるんですね。そうすると楽しくトレーニングが続けられるという風になります。結果的におやつも減らせてますよね。
毎回1回ずつおやつをあげていくんじゃなくて、1回でもらえるときもあれば5回でもらえるときもあったり、10回でもできるようになってきます。なおかつそこにも褒め言葉をかけておいてあげれば、褒め言葉だけでできるようになるかもしれないですね。そこは結構、ワンちゃんもおやつないとやらないよっていう子も中には出てくるので、そこは人間との知恵比べみたいな感じですよね。
その知恵っていうのはドックトレーナーさんが持っているので、もちろんそこを飼い主さんだけでも上手な方はできるかもしれないんですけど、一緒にプロの方とやってもらう方がスムーズに進めていけるかなというふうに思います。
よくあるのが、飼い主さんの方がトレーニングの主導権を握っていると思いきや、ワンちゃんが主導権を握っている実は結構あるお話なので、そこはやっぱりプロのトレーナーさんと一緒にやってもらうのが一番いいかなと思います。
次回は、ほめべたの日本人っていうのはしつけも苦手なのかも⁉っていうお話をしたいと思います。最後までお聞きいただいてありがとうございます。