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こんにちは。横浜で15年以上、犬の保育園の先生を行っている、なおちゃん先生と申します。
犬と人の架け橋でありたい私が、犬に関する様々なお話、大好きな旅の話、子供たちの話などをモイペースにお届けしています。
時々、ギリラライブでひそひそ歌を歌ったりもしています。
より専門的な犬のお話やお悩み相談、月一のオンラインセミナーへの無料ご招待を、メンバーシップの方に向けて行っています。
さて、今回は音声心理師マリアさんと、ベルギーはアントワープから配信をされているグレイスさんのコラボライブで、資産をいただいたことからお話をしてみたいと思います。
マリアさんとグレイスさんは数回に分けて、ベルギーについて色々なお話をされていました。
特に私は食いしん坊なので、お二人のベルギーグルメの話題は耳で聞いているだけなのに、よだれ者でした。
それと同時に、ベルギーで子育てをされていたグレイスさんのお話から、
ベルギーと日本の子育て、特に教育機関における取り組みが根本から違うなぁと感じたこと、
そこから犬の保育園で犬たちのトレーニングに関わっている私なりの思いが込み上げてきましたので、ここでお話してみようと思います。
マリアさんとグレイスさんのお話、資産を受けたお話は概要欄にURLを貼っておきますね。
グレイスさんのお話の中で、4歳の誕生日の次の日からも義務教育が始まること、小学校でも落題があることなど驚きも多かったのですが、
私自身、これはぜひ日本の教育現場にも取り入れてほしいなぁと思ったことがありました。
それは、低学年の子が登校する時にお気に入りのぬいぐるみやタオルなどを持ってきて一緒に授業を受けていること、
大きなぬいぐるみにはその子専用のぬいぐるみの席が設けられているということでした。
私も一応人間の子供も2人ほど育てているわままで、子供たちは0歳の時からずっと同じ保育園に通っています。
6年間を同じ保育園で過ごす中で、数回は息しぶりがありました。
これ、わままの皆さんならわかりますよね。
そしてその中の数回は、お気に入りのぬいぐるみやおもちゃと一緒に保育園に行きたいということでした。
我が子の保育園では、そして今や息子の小学校でも、保育園や小学校で利用するもの以外の持ち込みは禁止になっています。
もちろん、おもちゃやぬいぐるみなどはここに入るわけです。
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それが当然と思っていたので、ぬいぐるみのために石油を設けるなんてことは驚きの境地でした。
もちろん、管理者側の立場もわかります。
なくしたり、壊したりした時の責任問題。
他の子供たちとの喧嘩やトラブルやいじめの原因になるという問題。
経済拡散の路肩の問題。
勉学や行事への集中や参加の妨害となるという問題。
まあいろいろあると思います。
ルールだからダメですということで、なんとも思わず子供たちには保育園にはおうちのおもちゃを持っていてはダメだよと言い聞かせていたのですが、
そんな私でも一度や二度はどうしてダメなんだろうなと思ったことがありました。
なぜかというと、私自身は犬の保育園や、これはかつて運営していた犬のホテルの利用の際には、
そのワンちゃんのお気に入りのおもちゃやベッド、飼い主さんのおうちの匂いのするものをお持ちくださいと伝えているからです。
これはなぜかというと、その犬の心理的安全性を確保するためです。
特に怖がりだったり、飼い主さんやおうちと離れることに慣れていなかったり、
そうでなくても初めて私の保育園や犬のホテルに来る場合、
初めての場所、初めての人、初めての犬たちと共に数時間を同じ場所で過ごすということは、犬にとってはかなりのプレッシャーがかかるものです。
そんな時、その犬に勇気と安心を与え、励ましてくれるものは飼い主さんやおうちの匂いのするものや、
自分の大好きなものの存在、つまりそれらのものが犬にとっての心理的安全性を保ってくれる心の拠り所となるわけです。
私が自分で犬の保育園を運営して15年がたち、その間、少なくとも800頭以上の犬たちと関わってきました。
まあ、10年運営して経営していた法人では会員数が1000名以上だったので、もしかしたら1000頭近いのかもしれませんけどね。
例えば、うちの犬は散歩中に出会う犬に吠えて困っています。
保育園で犬に慣れて吠えなくなることが願いですとおっしゃって保育園に預けられる犬がいるとします。
この犬の初登園の時、このワンちゃんが吠えたら私はこの犬を叱るでしょうか?
いいえ、全く叱ることはありません。
では、お座り・伏せなどのコマンド・指示を教えるでしょうか?
いいえ、教えません。まあ、場合によりますけどね。
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では、初登園の時に他の犬に対して吠えている犬に私が何をするのか?
それは、私がすることは観察です。
この子にとっては何がネガティブな要因であり、何がポジティブな要因であり、そしてどうしたらリラックスすることができるのか、それを見極めること。
そして少しでも心の余裕が見えられた時に、初めて私のアプローチをかけていくわけです。
一人きりで知らない場所に置いていかれて、パニックになっている犬に対して、いきなり叱ったり指示やトレーニングを始めるということは、私は意味がないと思っています。
なぜなら、この犬が何かを学ぶためには、心に余裕がなければ、そこに新しい学習が入り込む余地はないんです。
その心の余裕を生むものがまさに、お家から持ってきた心の拠り所となる品物や飼い主さんの匂い、お家の匂いなのです。
中には、飼い主さんのTシャツの上から一歩も動かないという子もいます。
それはその子の心が、そこから離れるほどの余裕も周囲へのモチベーションもないからです。
中には、この寄り所だけにしがみついて執着し、近づく私や他の犬を威嚇して、寄り所を守ろうとする犬もいます。
特に、ペットホテルを経営していた時には、この手の犬はよくやってきました。
普段は犬の保育園を利用しなくて、年に数回ペットホテルのためだけに預けられる犬によく見られた傾向で、
こういう犬たちにとっては、ペットホテルは奪捨て山のように家族からの疎外感と孤独感を得るだけの場所であり、
頼れるものは、家の匂いのする自分の荷物だけ。
だからこそ、自分の荷物を固くなり守り、お世話をしようとするスタッフに歯をむき出すという子は確かに何とかいました。
ですが、保育園に通っている子は、私をはじめスタッフたちとトレーニングを通してコミュニケーションをとる楽しさを覚えていますので、
最初は自分の匂いのする荷物を心の寄り所としてなかなか離れなかった子も、
だんだんとトレーニングを通して、私やスタッフ、他の犬たちとのコミュニケーションを楽しむ余裕が生まれてくるんですね。
新しい場所、新しい状況で一歩踏み出すためには、心の寄り所が必要。
つまり、心理的安全性が確保できなければ、学習やチャレンジにはつながりづらい。
逆に言えば、心理的安全性が確保できていることで、一歩踏み出す勇気につながり、自分は大丈夫、ここから一歩踏み出せるという自信が持てるんです。
このことは犬でも子どもでも、もしかしたら大人でも一緒、私はそう思っています。
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ですから、ベルギーの初等教育において、お気に入りのぬいぐるみやタオルなど、
小さな子が心の寄り所としているものの存在と、その有用性をきちんと理解した上で、持ち込みを認めているということに、とても感銘を受けました。
それは、小さな子どもたちが大切にしている心の寄り所の存在を認めること。
その子どもたち一人一人の意見や大切にしている思いを、他の子がどう思うかとか、職員の責任がどこにあるかとかではなく、
その子自身を尊重しているということに他ならないと私は思ったからです。
これはまた、その個人が大切にしているものや思いを大切に尊重するという土壌が、子どもの頃から育つための条件であるということも通説に感じました。
子どもの頃に大人に個人を尊重してもらった子どもは、大きくなって子どもの子を尊重できる大人に育つことでしょう。
もちろん、日本の教育が全部悪い、ベルギーの方針が全て良いということではありません。
日本の教育の中において、自分より全体や他者との意見を尊重する、合わせるということが時として大きな力を生むという場面は往々にしてあります。
どちらが良い、どちらが悪いというわけではなくて、良いところは良いところにアレンジを加えて自分たちなりに取り入れられればと思うのです。
それが日本の強みであり得意技であるんですから。
私が犬の保育園で飼い主さんやお家の匂いのするものをお持ちくださいということは、犬たちの心理的安全性をいち早く確保したいから。
心に余裕がなければ、トレーニングもしつけも、コミュニケーションさえ実りません。
ましてや恐怖では、相手の行動をコントロールできたように見えても、心からの信頼と愛情を得ることはできません。
特に動物たちには、あなたのためを思ってこれをやっているの、といって力技で大罰に訴えることは決してできません。
それは幼い子どもたちにとってもきっと同じこと。
心理的安全性、自分はこれがあれば大丈夫という心のゆりどころがあること、そして周囲にその心のゆりどころを認めてもらうこと、
それがあって初めて子どもも犬も一歩先へ踏み出せるのではないでしょうか。
ということで、今回はグレイスさんとマリアさんのコラボ収録からいただいた資産、
それについて子育てと犬育てを絡めてお話をしてみました。
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最後まで聞いていただきありがとうございました。