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こんにちは。横浜で15年以上犬の保育園の先生を行っている、なおちゃん先生と申します。
こちらの番組では、あなたとワンちゃんの10年をよりよく変えるをもとに、犬と生きる10数年をもっと本気で楽しみたいあなたに、幅広い分野から犬に関するお話をお届けしています。
大好きな旅の話、子育ての話も時々お話しています。
今月10月25日水曜日の夜19時45分から21日まで、犬の噛みつきを本気で考えるセミナー第2回
愛犬を噛み犬にさせない大切な3つの方法についてオンラインでズームセミナーを行います。ご興味ある方はぜひお問い合わせください。
さて今回は子育て・犬育てのテーマでお話をしていこうと思います。
このテーマは子育てと犬育て、両方経験をしてきた私が子育て・犬育てに共通すること、ここは違うなということを独自の視点でお話ししていくシリーズになっています。
今回のお話は子育ても犬育ても一人でやるもんじゃない、いつか良くなる、は一体いつなんだ、というお話です。
生まれたばかりの赤ちゃんを育てるということは想像するよりはるかに難しかった。
これは私が先日10歳になったばかりの息子の産後すぐに感じたことでした。
少し私自身の産後のお話をしていきたいと思います。
いつの間にか私は大人になり、自分の好きな人と家庭を築き、自分の好きなことを仕事にして会社を設立し、自分の好きな時間に好きなことをしていました。
大人になってからそんな時間を過ごしていて私に赤ちゃんはまさにカルチャークラッシュ、ディープインパクト、ビッグバンが一斉に起こったようなものでした。
何一つ思い通りに、何一つ予定通りに、何一つ自分のしたいことがしたいタイミングでしたいようにできない。
息子はなかなか一人で寝ることができず、常に抱っこをしていないと泣き叫ぶタイプの赤ちゃんでした。
産院を退院し1ヶ月近い実家暮らしの後、自宅に戻った私に突きつけられたのは、コミュニケーションが取れない赤ちゃんとの何一つ思うようにうまくいかないストレス満載のワンオペの日中でした。
当時旦那さんは朝早くから夜遅くまで出勤だったので、日中はひたすら赤ちゃんと二人。
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一日が長かったです。
麺類を食べること、ヨガをすること、横になって昼寝をすること、読書をすること、これらはすぐに諦めました。
私は犬の要求を覚えや、泣き、それにはなるべく答えないということを犬のトレーナーとして叩き込まれてきたので、
どうして赤ちゃんの要求にすぐに答えてあげないとならないのか、最初は理解ができず、非常に違和感でした。
この相手の世界で自分のためだけに時間とお金を使うことができる世界にいた私にとって、赤ちゃんのために生きる日々は最初はかなりつらい日々でした。
干せない洗濯物、終わらない掃除、進まないご飯作り、食べられない食事、一息入れる間もないおむつ替えと抱っこ、
常に痛む胸と乳腺炎の恐怖。
特に恐怖だったのは黄昏泣きの時間で、この時間に泣き始めると何をしてもなかなか泣き止まなかったのを覚えています。
夜中もなかなかまとまって寝ることができず、寝ない我が子を夜中に抱っこしながら腸内をうろうろしたこと、
泣きながら子守唄を歌っていたことを今でも思い出しています。
あの当時、スタイフがあったらよかったなあ。
その時に思ったのは、いつこんなつらい日々から解放されるんだろう、早く仕事に戻りたい、大人と話をしたいということでした。
今考えれば軽い産後鬱状態だったのかもしれませんね。
だからこそ私はちょくちょく現場に顔を出しましたし、産後3ヶ月で現場に復帰しました。
近いところに親もいて、親はしょっちゅう手助けに来てくれました。
職場も近いし旦那も協力的なのにこんなふうに感じてしまう私自身を責め、
翌日仕事なのに明け方まで泣き叫ぶ寝ない我が子に苛立ち、泣き声で張る胸の痛さにも泣きました。
この状態が本当に一人で長く続いていたら、きっとこのポジティブモンスターの私でさえ精神的に追い詰められていたかもしれません。
ギャーギャー泣いている息子をベビーカーや抱っこ紐で入れて歩いている時、
すれ違う年配の方に、「あらあら大きな声で泣いて、かわいいわね。今が一番いい時期ね。
大丈夫大丈夫すぐ大きくなって手がかからなくなるんだから。」
と言われる度に、「そうじゃないんだよ。今私寝たいんだよ。今私はラーメンが食べたいんだよ。
そのうち良くなるじゃなくて、今なんとかしてほしいんだよ。」と心の中でイライラしたことを思い出します。
こんな記憶、子育て経験のある方々、ありませんでしたでしょうか。
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実は、育児乗りロゼというのは子育てに限ったものではありません。
犬育ても全く同じように育児乗りロゼ状態に陥ってしまう飼い主さんはいらっしゃいます。
子犬は可愛くてふわふわで柔らかくて癒しの存在ということを夢見て飼ったはずなのに、
天髪とはいえ流血するほど噛みつかれる。
服や家具、カーテンやソファーなどの布製品、革製品はビリビリに破かれる。
そこかしこでおしっこやうんちを撒き散らかされる。
日中仕事をして疲れて帰ってきたら、うんちを踏んでまみれながら吠えている子犬のシャンプーからしなくてはならない。
夜遅くまでまたは夜明けとともに吠え続ける。
どうしたらいいのかわからず、感情的に叱りつけたり、物を投げてみたり、大罰めいたしつけを行ってみたり、
そしてそんなご自身に自己嫌悪を感じたり、
こんなはずじゃなかったという思いに頭を抱える飼い主さんは確かに多くいらっしゃるんです。
たかが子犬のことなのにそんな悩むことないでしょ?
子犬なんて小さくて悲劇なのにそんなに振り回されてるの?
だってあなたが飼いたくて飼ったんでしょ?
というような周りの理解がないこと。
またペットショップやブリーダーさんではこの子は、またはこの犬種は大人しくて飼いやすいですよ?
なんて言われた日には私の接し方が悪かったのか、自分には飼い主の資格がないのでは?
やっぱり買うんじゃなかった。
そんな思いから実はペットショップやブリーダーにお金はいらないからこの子を返しますという方も少なからずいらっしゃるんです。
そしてこれは間違いなく飼育放棄に繋がります。
そして2頭目でも3頭目でもそれは同じで前の子はこうじゃなかったのにと比べることで飼い主さんはますます苦しくなります。
そんな方にもう少ししたら成長して落ち着きますからというアドバイス。
これは全く意味がなく、この飼い主さんが心底困り、せっかく飼った犬を手放すことすら考えるところまで追い詰められている場合にはまさに何の解決にもなりません。
これはまさしく私が産後先輩方にかけられた言葉にギラッとしたということと全く同じ、今噛まないでほしい、今夜から朝まで静かに寝てほしいということですよね。
私はこういう心理状態の飼い主さんからご相談を受けるとき、どういうアドバイスをすればこの方がこの子を手放さずに今を乗り越えられるかを考えます。
例えば、流血するほど強く甘噛みされて触るのが怖いということで子犬主に対して恐怖心すら感じてしまっている飼い主さんは、少々手洗いと思われるかもしれない手段もお伝えしますし、おやつやリードや首輪やクレート、何でも使えます。
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私が眠らない第一種をどうにか寝かしつけて自分も横になって睡眠時間を確保したいと思ったとき、あらゆる手段を調べて試しました。
まあほとんど効果なかったんですけどね。
それとともに周囲の助産師さんや育児のプロの方にお話を伺ったり、アドバイスを受けたり、旦那に寝かしつけを頼んだり、母にお散歩に行ってもらっている間に片付けや昼寝をしたり、周囲の方の手助けをたくさんいただきました。
それがあって私はとても救われたし、自分一人の時間を持つことでリフレッシュができて、また息子と向かい合うことができました。
特に保育園が始まってから、保育園の存在は本当にありがたく、保育士さんたちには頭が上がりませんし、今でも心から尊敬するお仕事です。
このように、人の子育てにはたくさんの公的・私的なサポートがありますが、犬育てにはほとんどありません。
子犬を初めて飼う方への保証やスターターキットなどはありますが、発育段階別に出てくる問題点の傾向と対策、予防と改善のプロセスなどは、飼育の前に説明されないことが多いです。
飼い主さんにとって、犬は家族で我が子という方が多いです。
親となった人への、親として無心構えや情報はたくさん与えられて、それでもなお孤独や戸惑いに悩む親御さんが多いので、
初めての犬育てで戸惑い、自信喪失し、自分を責める飼い主さんがいらっしゃるということは、自命の利だと思います。
そんなこと言ったって犬と人は違うでしょ?犬は自分の都合で飼っただけだろ?こんなはずじゃなかった。なんて返すというのは虫が良すぎるでしょ?という意見も確かにあります。
けれど、知らないことはできない。これは子育ても犬育ても一緒です。
子犬の習性、行動パターン、成長プロセス、それらを知ることで一緒に暮らしていくことがグッと楽になるということがあります。
それは、先が見えるから。いつまでこの辛い生活が続くんだろう?という先の見えない不安が、子育てを犬育てを不安で悩み多いものにしていきます。
先が見えるということは、人に安心感をもたらすんですよね。
子犬が手放されることにならないように、私は自分の体験を忘れずに飼い主さんの心に寄り添いながら、少しでも飼い主さんたちの今が楽になる方法を提示しながら、その先の明るい未来をワンちゃんたちと描けるようにアドバイスと寄り添うを続けていきたいと思っています。
いかがでしたか?子育て、犬育て、一人ではやるもんじゃないと私は思います。
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最後まで聞いていただきありがとうございます。