00:06
こんにちは。福浜で15年以上、犬の保育園の先生を行っているなおちゃん先生と申します。今回も世界一周の船旅にお付き合いいただきありがとうございます。
前回は出航77日目、7月17日にエクアドルの最大都市グアヤキルから、陸のことガラパゴス諸島へ小型豪華クルーズ船エクスプオラ号に乗り込み、豪華さに読み知れながら眠りに着きました。
今回は出航78日目、いよいよここからガラパゴス諸島クルーズが始まります。
朝は5時に目が覚めてうとうとし、6時過ぎに船内放送が入り、プロトリーに食堂フロアへ、もっちりとしたチーズ入りのパンがとてもおいしかった。
7時30分にはテンダーボートと呼ばれる丈夫なゴムボートに乗り、エスパニオラ峠、簡素な桟橋のようなところにドライランディング、早くも岩場にはたくさんのアシカたちの姿が、
一頭ものすごく大きなアシカが胸をそらして私たちの方を見ている。ボスだろうか。朝日とはいえ強い日差しが視界を鮮やかに照らしている。空気は肌寒く気温は高くない。風もない。
ナチュラリストガイドについて決められたコースを歩いていく。
ここでは決められたルート以外、足を踏み入れることは禁止とされているからだ。
とはいえ道という道があるわけではなく、大きな岩石がゴロゴロとしているので足場は悪い。
まず入江の小さな浜でアシカの群れとご対面した。小さな子供たちが母親の乳を吸っていたり気持ちよさそうに朝日を浴びながらゴロゴロと寝そべっている。
近くの茂みのそばには海に生えるために体温を上げて短売している海イグアナたちの姿が見える。
いるいる、たくさんいる。確かに近寄って行っても全く逃げたり動いたりするどころか、反対にうちの子に何するつもりよと言わんばかりワオワオと吠えながら威嚇されてしまう。
お母さんはどこの世界でも強いんだな。ちょっと怖いぐらいだ。
ここでは人間は完全に迷惑しかかけない侵入者だ。主役はこの土地の主の動物たち。
ごめんね、ちょっとお邪魔させていただきますと他人のお家に無駄に入ってしまったヒレを帯びながらこそこそと先へ進んで行く。
03:07
アラファゴスの有名人、アオアシカツオドリの姿が見えた。
この島全体的にたくさん見ることができるカツオドリの一種で、動きも姿もユーモラスで可愛いアイドル的存在だ。
その輪の通り両アホーの足が目にも鮮やかな明るい青でとても目立つ。
オスはメスよりも体が少し小さく足の青い色も濃く眼光が鋭い。
メスは目がくるんとしていてとても可愛いお顔だ。色はオスよりもちょっと地味だけれど。
ちょうど旧愛シーズンなのか片足ずつぺったんぺったんと足を上げ、空へ向かって羽を広げてヒエーと鳴く姿があちこちで見られる。
人間なら昼空よろしく地にくわき踊るドロドロの三角関係模様がそこ賢で繰り広げられている。
めでたくカップル成立した二羽は仲良くつがいでいて、中には草や石などをせしてと集めては新婚三ごっこのように二人の愛の巣を作ろうとしているカップルも。
ただしこれはごっこであり実際はそうして巣を作る鳥ではないということですぐに飽きてしまうらしい。
これはとても面白い習性だ。
カップル成立とともに同棲を始めようと家具やカーテン家電などをせしてと集めたのに同棲に至らず解散してしまう人間のカップルのようなものかもしれない。
しかしカツオドリ君たちは全く人間を怖がらずそこら中にいるので気をつけて歩いていかないと寝ているところを踏んづけそうになる。
歩いていて体長50センチほどある鳥を踏んづけそうになるなんて日常生活ではありえない。
それがありげてしまうのがこの島の魅力なんだ。
アオアシ君たちは2,3個の卵を産み40日余り夫婦が交代で卵を温める。
その中で初めに孵化したものが早く大きくなり生き残る確率が高くなっていく。
2番目に孵化したヒネが育つ確率は50%。
3番目に至ってはほとんど育つことがなく死んでしまうという。
ここから自然到達説が生まれたということだ。
求愛してふられた雄は次の相手を速攻で探してペッタンペッタンヒエーと鳴くという変わり身の速さは見ていて清々しいほどで面白い。
06:01
この鳥はかすれた笛みたいでどことなるく気合いも感じられる。
だいたいこの求愛行動は一流のメスに向かって行われるのだが、中にはえ?この子どこに向かってパフォーマンスしているの?というような相手に逃げられてしまったアオアシ君もいる。
とりあえず求愛行動をし始めたら相手がオスだったから途中でやめちゃうという子もいる。
本当に面白い鳥だ。
浮気者でユーモラスなアオアシ君の代わりにマスクをかぶっているようなマスクカツオドリのコロニーにも行ってみた。
アオアシ君たちが割と陸地の平らなところにコロニーを作るのに対し、体の少し大きいマスクカツオドリたちは体がそれだけ重い。
そのため岸壁からすぐに海に落下するようにして飛べるように、そのコロニーは海岸の近くに作られている。
人が近づけないような切り立った岩場に沿って彼らのコロニーは広がっていた。
当然ウミイグアナもこの岩場の海辺の待遇をなしていた。
もそもそ歩いている者もいたがほとんどがまだ日光浴で体温を上げている最中だった。
私たちの定められたウォーキングコースの中にもたくさんいるのでどこを通っていいのか足場に迷うほどだった。
ウミイグアナの体調はイグアナ広場で出会ったリクイグアナよりも少し小さく顔は濃いけれど戸坂は濃い。
細かく繊細。全体的に岩や石の色とそっくりで所々に赤い斑点がある。
うっかりするとそこにあるのは岩ばかりと見間違ってしまいそうだ。
アシカ、アオアシ、マスク、ウミイグアナ、
異なる生き物たちが同じ場所に仲良く共生しているのはそれぞれの食性と習性が異なるから
互いのテリトリーを起こさず天敵が存在しないのでみんな逃げることを知らない。
彼らは逃げるということを進化の過程で選択してこなかった生き物なのだ。
岩場の海岸の岩壁からは潮吹きを見ることができた。
複雑に入り組んだゴツゴツした岩石だらけの地形の中で波が岩の下に入り込み
岩の間にできた穴から噴水のように勢いよく海水が吹き上がってくるという自然現象だ。
昔はその穴のすぐ近くで見学できたようだが怪我人が出てからは近くに寄るのは禁止になった。
確かにすごい風と水圧、ちょっとした爆発だ。
09:01
時々近くにいるウミイグアナが吹っ飛ばされるらしい。
それはちょっと見てみたいな。
自然の作り出したアトラクションを楽しんだ後、しばらくガイドについて歩いていくと
大きな体に美しい滑らかなウモ、優しく潤んだ大きなまん丸い黒い目を持つアホオドリのコロニーに入った。
アホオドリは実際近くで見るのは初めてだけれど遠目から見てもすごく大きい鳥だということがわかる。
羽を広げると大きなものでは2.5メートルにもなるという。
4月から12月の間にエスパニオラ島に来て繁殖するが、他のシーズンにはどこにいるのかがわかっていないらしい。
一つ400グラムぐらいある大きな卵をたった一つだけ産み、夫婦交代で2ヶ月ぐらいをかけて卵を温める。
アホオドリはずいぶん遠くまで飛んでいくんだけれど夜目が利くため夜でも飛べるし、
なんと飛びながら眠れるので何日も何日も飛び続けられるのだそうだ。
なんという生命の神秘、すごい。
そしてロマンチックなのが浮気者のアオアシ君たちとは違い、
一度パートナーを決めたら次の年もまた次の年も同じパートナーとヒニャを育て死ぬまでパートナーを変えることはない。
たとえ相手が見つからない、次の年には死んでいるとしても別のパートナーを探すことはないのだそうだ。
なんて意地ずな鳥なんだろう。
軟隔されたせいで数は減ったけれど今は保護されているということだ。
私たちは選ぶならアオアシのような男ではなくアオオドミのような旦那に会いたいと口々に話し合った。
旦那さんや彼氏がアオアシ君だったらちょっと困っちゃうね。
エスパニア船とぐるりと一周し元来た道を戻る。
鹿の群れがまだ最初の船着き場近くにいた。
小さい赤ちゃんアシカは大きな目がとってもかわいい。
アシカの赤ちゃんは4年ぐらいかけて成長する。
1年から3年が授乳期で寿命は20年ほどだとか。
性的に一人前になるには7年ほどかかる。
1頭のオスに対し20頭程度のメスのハレムを作る。
上位区ポイントに相変わらずいるボスのアシカは一回り大きくて顔つきも強そうだ。
テンダーボードに乗って午前10時頃にもう船に戻った。
熱い紅茶でティータイム。島巡りの記憶も新しいうちに日記と動物たちのスケッチを描く。
12:01
あっという間に12時が過ぎランチタイムになった。
クールで来てビュッフェ形式のランチをいただく。
野菜たっぷりのサラダ。昨夜食べて美味しかったプリプリのエビがまた出てきて嬉しい。
パンやケーキ類は本当に美味しい。
15時半にメインラウンジに入りハイランドツアーへの参加説明を受ける。
ハイランドツアーとはウミガメ見学とダービンステーションの見学のツアー。
次の島、サンタクルース島へ向かったガラファゴスといえばのゾウガメたちとのご対面を心待ちに、
ランチ後の休憩を取りながら機体に胸を膨らませました。
次回は野生のゾウガメとチャールズ・ダービン研究所の島、サンタクルース島の模様をお伝えいたします。
最後まで聞いていただきありがとうございました。
また次回もお待ちください。