イギリス生活の始まり
こんにちは、横浜で犬の保育園N1クラブ🐶の秘密基地を運営しているなおちゃん先生と申します。
はい、だいぶ間が空いてしまいましたが、この企画をまた再スタートしていきたいと思います。
動物好き少女がドッグトレーナーになるまで🐶秘密基地誕生物語⑤
カルチャーショックだらけのイギリス生活
改めまして、この壮大な自己紹介ともいえる配信は、音声配信スタンドFMだけでなく、
インスタグラム、ノート、そして公式LINEのオープンチャット、イベントお教室でも、
リアルなお客様に向けても、少しずつ分けてお届けしている配信になります。
イギリスにね、3月の頭から行ってまいりまして、
その間ですとか、その後1週間はイギリスからの配信、イギリス絡みの配信になりましたので、
少し間が2週間ほど空いてしまいました。
この前ですね、4回目の配信では、
障害は自分の弱気だけという内容で、
私がいかにしてドッグトレーナーになるまでの過程を歩んできたかというお話をしてきたんですが、
まだ聞いたことがないよという方はぜひ概要欄に、
今までの第1回目から第4回目までの配信のURLを載せておきますので、
そちらからもお聞きいただけます。
犬の仕事に就きたい、ドッグトレーナーになりたい、
憧れのイギリス人のドッグトレーナーさんに出会って、
その方のようになりたいと思った私が、
トランク一つを持って英語もできない犬のこともわからないまま、
このイギリス人ドッグトレーナーの先生のもとに住み込むことになったということを前回までお話ししました。
自分の弱気を振り切ってトランク一つで降り立ったのは、7月の暑い日でした。
この年は50年に一度の暑さと言われるほど、好天気に恵まれたイギリスでした。
暑い暑い日本の夏から避難して涼しいイギリスに降り立ったはずだったのに、
なんだイギリスも結構暑いんじゃないかと思ったのが、私のこの時のイギリスの第一印象でした。
とはいえ、ここに至る前2回ほど私はイギリスに来たことがありましたので、
なんとなくイギリスに対するイメージは持っていたんですけど、今回は全くの一人。
周りに日本人も日本語を理解してくれる人も一人もいない状況でした。
犬たちとの生活
今年のね、2025年今年の3月の頭、この時に私がワンオペで子どもたち2人を連れてイギリスを旅した時のように、
インターネットで、そしてスマホで、いつでもどこでも誰とでも連絡が取れるという時代では全くありませんでした。
ヒースロー国際空港に到着し、P先生の旦那さんが迎えに来てくれた時のことを今でも覚えています。
ヒースローから約2時間、初対面の旦那さんの車の10席に座り、
じさぼけと戦いながらよくわからない英語でのやり取りをしつつ、
どんどん人気のない舗装もそこそこの森の中に入っていくにつれ、
私は眠気と戦いながらさすがに不安になりました。
もしかして旦那さんってこの人じゃなくて、私はどこか違うところに連れて行かれたのではないだろうか、
なんて縁起でもない妄想をちらりとした矢先、やっと一軒の家の前で車は止まりました。
P先生の家にたどり着いたのは真夏の長い太陽ですら傾きかけた頃でした。
私は横浜の中心部で育ち、親戚一同もほぼ同じ区域に住んでいるため、
田舎というものを持たない状態で育ちました。
それでもいろいろ日本の地方などの旅行には行きましたが、ここは私にとって一番の田舎でした。
何しろ周囲に家屋というものは見えず、見えるのは木々と草原だけ、夕日は家の向こうの森の中にゆっくりと沈んでいきました。
P先生の家は豪邸というわけではありませんが、田舎の一軒家らしく素晴らしく広い庭がありました。
庭というよりは正確にはパドック、つまりババといったほうがいいでしょうか。
事実、私が来る2年前までそこには馬が放たれていて、もともと旧車があった場所には今は苗が置かれ、パドックは馬の代わりに羊たちが牧草をはんでいました。
くたくたに疲れていた私は、先生の挨拶も喜び、数頭の犬たちに歓迎の挨拶を受けながら、日本からのお土産などを渡して、
これから6ヶ月間の間、私の部屋として使っていいよと言われていた娘さんのお部屋に案内されました。
そこはこじんまりとした可愛いお部屋で、私が部屋のドアを開けると、1匹の猫がお迎えしてくれました。
この時、この家に住むファミリーは、7頭の犬、3頭の羊、10羽ぐらいのニワトリ、1匹の猫、そして先生と旦那さんでした。
私は初めて、人間より動物の数が圧倒的に多いという環境で暮らすことになったのでした。
トレーニングの実践
まるでむつごろう王国みたいだな、と嬉しさと不安を抱えながら、初めての夜を過ごしたことを覚えています。
次の日の朝、早く私は目が覚めました。
日本との時差はサマータイムで8時間。そう、朝早くに目が覚めてしまうんですよね。
6時になると先生が私の部屋をノックして、犬たちの散歩に行くわよ、と声をかけました。
朝のルーティンはだいたい決まっていました。
朝起きて、支度をして、まずは1階のキッチンへ。
そこで冷凍しているスムージー状にした野菜と肉を取り出し、犬たちの食器に入れて、お散歩に行っている間に室温に戻していきます。
お家の中にいる犬は2頭のゴールデンレトリーバー。
1頭は12歳のシニア犬、1頭は4ヶ月のパピーちゃんでした。
他の犬たちは庭の犬舎に、それぞれ1頭ずつのお部屋で寝ていました。
1頭ずつドアを開けて出し、合計7頭一緒に5分ほど離れた森の入り口まで歩きます。
この時リードをつけているのは、なんと4ヶ月の小犬ちゃんだけでした。
先生の右側に3頭、左側に4頭。
彼らは全く対立を乱すことなくノーリードでついて歩くのです。
私はその姿に感嘆しながら先生と犬たちの後ろを歩いていきました。
森の入り口に来ると、そこでは先生は全ての犬たちをまず座らせます。
座らせるというよりは犬たちが自ら座るんですよね。
もちろんそこに至る前にしっかりとトレーニングされていたからですが、
私にとっては犬たちが森の入り口に着くと同時に、自分たちで勝手にお座りをするという図がとてもとても神秘的なものに移りました。
そこで先生は出来栄えが良かった犬たちの名前を1頭ずつ呼び、
「マルマルちゃん、行っておいで。」と声をかけます。
犬たちはこの瞬間を待っていて、自分の名前が呼ばれるまで全集中。
間違って他の犬が呼ばれたときにフライングしようもんなら、その犬は最後まで森の探索に出かけることはできません。
そうやってゆっくりと全ての犬たちがOKを出されるまで、一つの妥協もなくその時間は流れていきました。
全ての犬たちが森の探索に出かけ始めると、先生は森の中の道なく道を歩き始めます。
犬たちは、「行っておいで。」と言われて、一択切りになって戻ってこないということはありません。
時々先生は犬の名前を呼んだり、笛を吹いて犬たちを呼び戻します。
勢いよく戻ってきたときには大げさに褒めて、おやつやおもちゃを与え、また、「よし、行っておいで。」と森に放ちます。
リードに頼りすぎることなく犬たちと共に森の中を歩き、
森の中での自由行動をさせても、呼べばきちんと帰ってくる犬たち。
なぜ犬たちはどこかへ行ってしまわないのか、どうやってトレーニングしたらこういう犬に育つのか、戻ってこなかったときはどうするのか、どうやって犬たちのモチベーションを保つのか、
犬たちの食事と日常管理
そんなことを実際に見せてもらいながら、私はフナルの森の中で必死にメモを取りながら、先生に聞きつくつ歩いていきました。
朝の森の中の散歩は45分から1時間ほどで終了し、帰宅してからは犬たちの朝ごはん。
驚いたことに先生の家ではドッグフードは与えていませんでした。
犬たちのごはんはすべて生食でバーフダイエットという食事法を行っていました。
バーフダイエットの賛否両論はありますが、8割を生の骨と肉で構成し、他の2割は重酸にかけた野菜や卵やサプリメントなどの微量ミネラルで構成するというのがバーフダイエットの食事法になります。
これは犬たちの体調、年齢、運動量によって異なり、その割合や与えるもの、与えないもの、食事の作り方とその手順をすべて覚えること。
そして朝のお散歩と犬たちの食事係は4日目から私が朝起きてする仕事の一番最初の仕事になりました。
犬たちに食事を与えた後は、鶏小屋に行って鶏のご飯を与えつつ、卵を採取し、パドックへ行って羊たちに朝ごはんをあげます。
それが終わったら、お庭の犬舎の掃除、犬たちの寝ているお部屋の掃除、そして犬たちの食べ終わったご飯の食器洗い、ブラッシング、体調管理などもします。
その後、日によってですけれど、家のお掃除や洗濯物、犬を運ぶ車の中のケージの掃除や犬たちのご飯の仕分け。
このお家にはパドックのほかに、お家の前の少し小さめの前庭、そしてお家の裏側にあるバックヤード、そして羊たちがいるパドックというふうに分かれていたんですけど、この前庭とバックヤード、パドックのお掃除や草むしりなんかもありましたね。
それから鶏小屋のお掃除、このあたりをやっているとあっという間に午前中が終わっちゃうんですよね。
これでですね、私が困ったのは自分の朝ごはんでした。
なおこう、朝ごはんができたから食べなさいなんて実感のようなことは一度もなくて、先生ですら365日のうち300日は確実にキッチンで立ったまま薄いパンをカリカリに焼いてママレードを塗ったものを食べながら歩きながら食べるだけでした。
私にとって食事というものはエネルギー補給にすぎません、という言い切る彼女に朝ごはんいつ食べたらいいですかねなんて聞くことは当然できなくて、犬たちの朝ごはんを作りながらミルクティーを飲んだり、ビスケットやスコーンをぽそぽそとかじりながら作業するというのがね、私の朝ごはんの定番になってきました。
日本にいた頃、実家では自動的に朝ごはん、昼ごはん、夜ごはんが出る生活だったね。はい、恵まれた私でした。ここではとにかく自分にできることを見つけ、言われる前に率先してやる。自分のごはんや自分のやることは後回し、そんなイギリス生活がスタートしたのでした。
今後のセミナーのお知らせ
ということで今回はここまで。次回は叱られてばかりのイギリス生活と語学の壁、イギリスでの住み込み生活、ちょっとねネガティブな面になっちゃうかもしれないですけれども、まあ面白いお話としてね、聞いていただければいいなと思っています。
こちらをまた来週お届けしたいと思います。そして最後になりますが、3月27日木曜日の夜8時よりオンラインズームセミナーを開催いたします。
こちらは私のドックトレーナー人生の原点となったイギリスに、この3月1日から9日までワンモブで2人の子供を連れて行ってきた。その旅の中でですね、改めて感じた動物福祉先進国としてのイギリスの人と犬の暮らし方。
それらは町の公園であったり、ベッドショップであったり、そしてイギリス最大級の動物保護施設の見学であったり、さらに世界最大のドックショーであるクラフト展であったり、そういったところで私が動画を撮ってまいりましたので、
その動画をセミナーだけに公開するという形で、その動画をシェアしながら皆さんとわきあいあいとお話をするというオンラインセミナーになっています。
イギリスの動物保護施設で買ってきたささやかなお土産もプレゼントクイズで皆さんにお届けしたいなと思っていますので、よかったら興味のある方は概要欄から申し込みフォームにお問い合わせいただければと思います。
それでは最後まで聞いていただきありがとうございました。また次回をお待ちください。