国語教育の背景
第9回、高校国語について話すラジオの時間となりました。
この番組では、高校の国語科教員であるなんばが、
普段の授業の話や研究の話などをして、
国語科の先生のみならず、いろんな先生に
授業や教育について考えてもらうことを目的としたラジオです。
みなさん、こんにちは。パーソナリティを進めます。
なんばむっとです。よろしくお願いします。
前回は、日本国語学会の大学部会のシンポジウム、
生成AIのところでお話をしていきました。
前回から日が空いてしまったのですが、
実家に戻って行ったりだとか、
仕様でいろんなことをやらなきゃいけなかったので、
収録が遅れてしまいました。
第9回のところではですね、
リスの方でいろいろコメントをいただいている、
ちえさんですかね、のところで、
国語ってどんな学びをする、
日本国語はどんな学びをするのかっていうところがあったので、
それについて自分の考えをお話し、
アンサーの形ではないですけれども、
お話ししていきたいなと思います。
まず、国語の話。
僕も浅く知っているだけなので、
専門の方から聞いたら、もしかしたら語弊があるかもしれないのですが、
まず、国語化っていう科目の成立について、
先にお話をした方がいいかなと思います。
もともと国語化っていう科目なんですけれど、
日本にはいろんな言語というか、
方言も含めて、
確立しておりました。
その時に国というものを盛り上げていく、
築いていく時に、
言語の統一というものが非常に大事だったわけですね。
その時に、
江戸弁というものを、
共通語というものに据えて、
行こうという動きが、
政府の方から動きがありました。
それを受けて成立していったのが、
国語という科目だと、
僕は聞いていますというか知っています。
受験国語と学校国語
ですので、元は、
言語の統一、母国語を、
言語を統一していく、
っていうようなニュアンスで、
学習が始まっていった。
ただ、それがずっと月日が流れて、
現代の国語とは、やっぱり乖離をしているかなと思います。
現代の国語は、日本語教育ではなくて、
単純に母国語の人をメインに、
言葉に対する意識を高める、
とか、言葉によって、
伝え合う力を高める、
とかっていうようなところが、
一個求められているかなと思います。
受験国語と学校国語を、
対比をよくされていて、
受験国語と学校国語って結構、
求められている力が違うよね、とか言われたりもするんですけど、
受験国語で求められているのは、
文章を正確に読み取る力、
っていうものを求められているかなと思います。
ですので、基本的には解釈をするとかではなくて、
書かれているものを、
偏見とか潜入感を持たず、
実ら通りの情報として収集して、
判断していく力。
もちろん、レベル帯によってもっと高度な力が求められることとか、
もちろん小論文とかで、
自分の考えを表現する場というか、
はあるんですけど、いわゆる、
受験の方が想像する、
昔のセンターとかっていうものは、
そういう力が求められているかなと思います。
一方、学校国語は先ほども伝えた通り、
伝え合う力とか、
言語感覚とかって言いますけど、
高めていくところとかに主眼がありますので、
そういった時には、
どういう立場でこの文章が書かれているのか、
それをもとにみんなはどう考えるのかだとか、
っていうことがよくやられていくかなと思います。
物事を、
例えば1個の文章をじっくりじっくり読むっていうのは、
学校国語でしか基本的には行わないかなと思うんですけど、
あれとかは、
1個の文章を読む中でどんな構成なんだろうとか、
どんな表現なんだろう、
もちろん内容もそうですけど、
そういうところを意識していくというか、
学習していくために行っていることなので、
日常の読書とはまた違ったところが行われているかなと思います。
もちろん、例えば小論文を書く、
ディベートをする、創作、
創作はあんまないかなと思うんですけど、
他の教科でもやられていると思うんですね。
理科でも実験があって、社会なんかもそうですよね。
ディベートをしたりだとか、新聞を作ったりだとか、
何かのスライドにまとめるみたいなことがやられていくかなと思うんですが、
それと国語化は何が違うのかって聞かれたときに、
僕がよくお答えしているのは、
言葉に対する学習をしているのは、
やはり国語化かなと思います。
どういう表現をするのかもそうですけど、
どんなような話し方をするのか、書き方をするのか、
どんな読み方をするのかっていう、
そういう技術的な面とか、
意識的な面も学習していくのが国語化かなと。
ただ、技術だけを学習するのが国語化でもないんですね。
戦後には言語技術主義みたいな形で、
言語の技術を獲得していくことが大事で、
そこから心情とか、
そういう人間性じゃないですけど、
内容とか、ちょっと第2っていうふうに分かれた時代もあったんですが、
言語技術も獲得しながら、
自分の文章を読むってことは、
その人の考え方とかも理解することになるので、
それを踏まえて、
自分の見方とかを深めたり広げたりするっていう、
両方の側面が国語化にはあるかなと思います。
国語科の進化
あとは、
僕の父とも話して驚かれたことなんですけど、
いわゆる昔の国語と、
新しい学習指導要領っていうものがあるんですが、
学習指導要領で打ち出された国語も結構違くて、
昔だったら扱われないような、
例えばアンケート結果だとか、
何かの法律の文章とか、
何かの取扱説明書だとか、
実用的な文章ってくくられるものが、
実は国語化の教育の中に入ってきています。
あとは、話し方の時に、
僕の父は60代なんですけど、
パワーポイントとかそういうソフトウェア系も、
社会人になってから自分で学んでたってことなんですが、
今だとやっぱりスライドの学習とか、
自分でどうスライドを作るかとか、
どういう時のスライドで、
どういう時にはアナログのスピーチがいいのか、
みたいな学習とかも入ってきてるんですね。
ですので、いわゆる国語もどんどんアップデートがされて、
今は学習する範囲が、
すごく広くなっているかなと思います。
ちょっと今話が逸れてしまったんですが、
国語化の発生した背景と、今の国語化について、
あとは多教化との違いについて、
ざっくりですが、お話をさせていただきました。
僕としては、
やっぱり学校の中で行われていることって、
なかなかそれこそ保護者の方も、
あまり知る機会がないですし、
生徒の方も、
自分が受けてきている教育が全てなので、
今までの教育とかってことにあまり関心もありません。
お子さんが学校に通っていればそうですけど、
そうじゃなくなってしまう、
学校との関わりが薄れてしまうと、
さらに学校の授業って何してるの?っていうのが、
わからなかったりするので、そういう意味合いも込めて、
今のポッドキャストで配信しているところもあります。
もちろん、同じ国語科の先生に、
いろいろと話を聞いてほしい、
教科とか教育について考えたいっていうところもそうですけど、
それ以外にも聞いてくださる方がいるのであれば、
そういうところにもいろいろと発信をしていきたいなと思っていますので、
ぜひぜひコメント等をいただけると幸いです。
すみません、ちょっと忙しくて、
コメント返し等ができていない状況なんですけど、
コメントを読ませていただいたりとか、
実際にフォローしていただいている方のポッドキャストとかも、
聞ける限りは実は聞いていますので、
いろいろと教えてください。
ということで、今日は急遽なんですが、
いただいた話、国語科、学校国語って何するの?っていうところに対して、
自分の考えを伝えさせていただきました。
次回はもしかしたら、
日国の方には戻らずに違うような話が展開していくかなと思いますが、
ひとまず今日はそれとして国語科についての話でした。
他の国語力観というか、
国語力って抽象的な概念なので、
の考え方があったら、
ぜひぜひ教えていただきたいと思います。
チェイさんもありがとうございました。
本当に学校外の方から国語科についての勝ちづけを伺えるの、
すごくありがたかったので、
ぜひ今後もよろしくお願いします。
では、今回の放送はこれまでです。
次回の放送をお楽しみに。どうもありがとうございました。