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内科医たけおの心身健康ラジオ、皆さんおはようございます。
たけお内科クリニックからだと心の診療所、院長内科医たけおと申します。
この放送では、医療にまつわるちょっと役に立つ小話を、毎朝5時50分、20分程度で配信しています。
また、毎朝5時半からライブをやっていて、公開生収録や皆さんからのご質問やリクエストに直接お答えしたりしています。
アフタートークも人気です。ぜひご参加ください。
ということで、今週は緩和ケアに関するいろんな配信をしていこうと思っているんですけれども、
今日ご紹介するのはですね、毎週火曜日、論文のご紹介をしてたんですけれども、
論文なんですけれども、ちょっと論文そのものを読むのは難しいかなと思って、
論文をまとめたですね、記事ですね。
オンコロジーナースっていう雑誌があるんですけれども、
てか今もあるのかなこれ、ちょっとわからないですけれども、
そこの東北大の宮下先生っていう緩和ケアのね、学術支援ワーキンググループ?
ワーキンググループ長をされてるらっしゃる先生ですけれども、
この先生が書かれた新連載、当時はですね、多分これ何年前かわからないですけど、
当時の新連載注目喚起における最新エビデンスっていうやつからですね、
超有名論文ですけれども、早期からの緩和ケアは生存期間を延長する可能性があるっていう記事をご紹介していきたいというふうに思います。
これですね、この始まる前にもちらっと言いましたけれども、非常に有名な論文で、
緩和ケアに携わるもので、この論文を知らないのは潜りかなっていうぐらいね、
非常にインパクトが大きい論文になってますので、
それはね、ちょっと昨日もね、ちらっとだけご紹介しましたけれども、
お話ししていけたらなというふうに思います。
発表したのはですね、テメルさんっていう人たちなんですけれども、
このニューイングランドジャーナルオブメディスンっていうですね、
医療系ではもうトップジャーナル、一番暗い、牽引性の高い雑誌なんですけれども、
そこに2010年ですね、だから今から14年前かに発表された論文で、
この早期化の緩和ケアによって患者の生存期間が延長する可能性があるっていうことが出てきたっていうような、
そんな超有名な、しかもびっくりするような論文なんですね。
この下に書いてありますけれども、対象はですね、非小細胞性肺癌っていう、
肺癌の中でもですね、いろんなタイプがあるんですけれども、
その中でも非小細胞性肺癌っていうタイプの方の151人ですね、
これを普通のケアをする人たちと、普通のケアに加えて緩和ケアをする人たちの離群っていう言い方をするんですけども、
2つの集団に分けて、それの研究をいろいろしてみましたっていうことになってます。
もともとはですね、このQOLとか欲打打、大打病とかですね、こういったものを評価するっていうような研究で、
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もちろんね、これもいい結果が出てるんですけども、この表のところに書いてあるように、
QOLとか欲打打、大打病、これちょっと内容若干難しいですけども、
いずれもこのP値っていう、この優位さを見るのがあるんですけど、優位さって難しいな。
要はその通常ケア群より緩和ケアの方が統計的に上回ってるよみたいなのをP値で示すっていうことになってるんですけれども、
それはね、いずれも緩和ケアを加えた方が、通常ケアに緩和ケアを加えた方がいいよっていう、
これがね、初めに示したかったデータなんですけれども、このヒメルさんたちがですね。
ただそれに付随してですね、この生存も確認してるとですね、この右側の図1のところなんですけれども、
生存もですね、なんと緩和ケアをやる集団の方が伸びたっていうですね、そんなすごい結果になったんですね。
これ右側のグラフがですね、縦軸が生存率になっていて、横軸が生存の期間ですね、になってるんですけれども、
初めはね、当然100%全員生きておられるんですけれども、そっから徐々にお亡くなりないでっていうことで、
この黒い方ですね、の方が標準ケア群で、そのグレーの方ですねが早期化の緩和ケアプラス標準ケア群っていう風になってるんですけども、
明らかにこの生存してる割合、生存率っていうのは、早期化の緩和ケア、標準的緩和ケア群の方が上回ってるっていうのは見て取れるかなという風に思います。
これが統計学的にも有意、中央値、これちょっと平均値と中央値違うんですけれども、中央値で比べても緩和ケアをやった方々が11.6ヶ月、約1年っていう感じですね。
通常ケアだけの方たちは8.9ヶ月ということで、これも有意差があるっていう、そんな感じになってます。
これが非常に、これ実際の論文、貼っておきますけれども、フィギュア3っていうところに書いてあるんですけど、これが非常にセンセーショナルで、
というのは緩和ケアはあくまでQOLを高めるためのものという風に思われてたっていうか、緩和ケアの定義自体はそうなんで、
なんですけれども、それをすることで生存期間まで延長できるかもしれないっていうのはすごい衝撃だったんですね。
ただ、ここにも書いてあるように、なんでこの早期から早い緩和ケア介入が、生存期間が伸びたかどうかっていうのは、この研究では当然わからないということで、
その後、いろいろ研究がされて、この2枚目の図、2位のところですね、早期からの緩和ケアの効果に関する仮説も出るということで、
これ、この論文だけではないんですけどね、いろんな仮説が出てきていて、その後、早期からの緩和ケアをすることで、当然、今回の論文に出てきた生活の質が上がるとか、
体の状態が良くなるとか、気分が上がるとかっていうこととか、あとは病状に対する知識と理解が向上するとか、あとはコーピングですね。
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コーピングって対処行動っていうふうに日本語で訳されることがありますけれども、そういうので抗がん剤の治療とか終末期ケアに関する意思決定が進んで、
それが生存期間の延長につながるんじゃないかっていうような仮説がその後出てきたりしていますね。
ただ、この論文は非常に有名で、いろいろ批判もされていて、そもそもその生存期間は、いわゆるプライマリーエンドポイントっていう、
初めに設定した調べたいものの主要なものではないっていうところが一番のツッコミどころであるのと、
あとは、実際、昨日も言いましたけれども、ここでやられた緩和ケアって、すごい濃厚な介入をされてるんですね。
今の日本でここまで濃厚にやるのは正直無理でしょっていう感じではあるんですよね。
ただ、ここまでケアしていろんなことをサポートすることで、QLだけではなくて生存期間延長する可能性があるっていうことは、
日本もそれに乗っかっていろんな施策が取れるようになったんですけれども、
それのきっかけというのは論文ということでご紹介させていただきました。
なので、宮下先生もこの最後の方、2枚目の後半の方、この結果は大変印象的なものでしたが、
この研究結果だけで早期化の緩和ケアが生存期間を延長すると結論付けることはできませんし、
施設や国によって状況が異なるため、そのまま我が国に当てはまることは難しいでしょうっていうような、
そんなことを書いておいて、これは本当にその通りなんですけれども、
ただ緩和ケアの目指すべき方向性というか、どういうことで患者さん、ご家族に貢献できるかっていうのの、
指針を示した論文としては非常に画期的かなというふうに思います。
その後、先ほども言ったようにいろんな推移試験がされていてっていうところはあるので、
この論文をきっかけに緩和ケアが大きく動いたっていうことは間違いないかなというふうに思います。
ということで、今日は非常に緩和ケアの領域では有名な2010年の決める論文っていうのの概略をご紹介させていただきました。
これは途中でも言いましたけれども、英文を読める方はですね、
英語の論文がもうフリーでダウンロード、読むことができますので、そちらをご覧いただけたらなというふうに思うのと、
あと日本語の省録もですね、abstractっていう日本語のところだけネットに送ってましたので、
これも一緒に貼っておこうと思いますので、もしご興味ある方はそちらをご覧いただけたらと思います。
それでは最後、しんしんじゃんけんにいきたいと思います。
いきますよ、しんしんじゃんけんじゃんけんちょき!
ということで、今日も幸せな一日でありますように、
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怖いではないかいなだけでした。興味津々。