1. 内科医たけおの『心身健康ラジオ』
  2. 《1272》generalistとspeciali..
2025-06-29 09:57

《1272》generalistとspecialistのはなし

【本日のご質問】

1252回の放送のアフタートーク中に

「高齢者に関しては大学病院で専門家同士が診るのはあまりよくない」と発言されてますが(15分30秒辺り)

大学病院は乳幼児から成人まで幅広い年齢の患者さんが通われています。

高齢者以外の患者さんは専門家同士診てもらうのは大丈夫なのでしょうか?

発言された、専門家同士診るのがよくないのは、どうあまりよくないのか、もうちょっと詳しく知りたいです。

よろしくお願いいたします🙇‍♀️


参考)

《1252》オンライン診療と大病院信仰の誤解を解く🙅

https://stand.fm/episodes/683f6002e9866cfef97e2608


この放送では皆さまからのご質問・リクエストを大募集しています!こちらのフォームから是非!

(匿名でも可能です)

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdsl7FHjYSSkTwuqtykiCSGVcsFaMFncPHdipuFQRo8C_MFZA/viewform?usp=dialog


面白かった・勉強になった方は「いいね❤」」を、感想・コメントは

#心身健康ラジオ

#たけおがお答えします

をつけてX、Threads、インスタStoriesなどでお寄せください!


#医療 

#健康  

#スタエフ医療部


■AI要約(誤字はご勘弁ください)

以下に、音声の内容を1000文字程度の箇条書きで要約します。


### 専門家が見るのが良くない? 総合診療の重要性


#### 質問の要旨

* 第1252回の放送で「高齢者に関しては大学病院で専門家同士が見るのはあまり良くない」と発言していたが、その理由は何か。

* 高齢者以外の患者の場合は、専門家に見てもらうのは問題ないのか。

* 「あまり良くない」とは具体的にどのようなことか。


#### 回答の基本姿勢

* あくまで個人的見解とした上で、現在の日本の医療、特に医師は「専門家が多すぎる」と考えている。

* 専門家(スペシャリスト)に対して、患者全体を診る「総合診療医(ジェネラリスト)」の重要性を強調。

* 自身も専門医の資格を持つが、根底にあるのは「何でも見られる医者になりたい」というジェネラリストとしてのマインドである。


#### なぜ高齢者は専門分化診療が良くないのか

* **理由1:多疾患併存(マルチモビディティ)**

* 高齢者は、心不全、糖尿病、骨粗鬆症、がんなど、複数の病気を同時に抱えていることが非常に多い。

* **理由2:専門分化による弊害「ポリファーマシー」**

* 各疾患の専門医が、それぞれの治療ガイドラインに沿って最適な治療を行うと、処方される薬の数が膨大になる「ポリファーマシー」という問題が起こる。

* これにより、薬同士の飲み合わせ(相互作用)や、患者自身の服薬管理が困難になるなどの不利益が生じやすい。

* **理由3:患者全体のバランスが崩れる**

* 個々の病気に対する治療は正しくても、患者さん「全体」として見たときに、治療のバランスが崩れてしまうことがある。

* 例えるなら「エンジンは最高性能だが、ブレーキもハンドルも効かない車」のような状態。特定の臓器だけを高度に治療しても、全体として良い結果につながらない。

* 専門分化が進むと「病気を診て人を診ず」という状況に陥りやすくなる。


#### 理想の医療と総合診療医の役割

* 特に複数の疾患を抱える高齢者に対しては、総合診療医やかかりつけ医が司令塔となり、患者全体の身体的・心理的状況を把握し、各治療のバランスを調整することが理想的。

* 病気(臓器)だけを見るのではなく、生活背景や価値観も含めた「人」として患者を診る視点が極めて重要になる。


#### 高齢者以外の患者について

* 高齢者以外でも、本当に「超専門医」でなければ診られない病気は実は限られている。

* **緩和ケアの例:**「基本的な緩和ケア」は全ての医師が提供できるべきものであり、神経ブロックなど高度に専門的な治療が必要な場合にのみ、専門医が介入するのが望ましい形。

* **心療内科の例:**同様に、多くの診療科で遭遇する心身症に対して、各科の医師が心療内科的な対応ができるのが理想。


#### 結論

* 専門家による診療が悪いわけではないが、複数の問題を抱える患者には、全体を俯瞰してバランスを取る「総合診療」の視点が不可欠である。

* 専門家(スペシャリスト)の役割も重要だが、それと同時に、患者全体を診る総合診療医(ジェネラリスト)の価値がもっと社会に認識されるべきである。

サマリー

医療分野におけるジェネラリストとスペシャリストの役割について議論が行われ、日本の医療において多くの専門家が存在する中、特に高齢者の多疾患管理の重要性が強調されています。また、総合診療の必要性とバランスの取れた医療の重要性について深く考察がなされています。

医療におけるジェネラリストの重要性
内科医たけおの心身健康ラジオ。皆さんおはようございます。
たけお内科クリニックからだと心の診療所、院長内科医たけおと申します。
この放送では、医療にまつわる皆さんからのご質問やリクエストにお答えしております。
医療ニュースの解説などもしています。
質問・リクエストは、質問箱のGoogleフォームからぜひお寄せください。
あなたのご質問をお待ちしております。
ということで、今日は質問回答をやっていこうと思うんですけれども、
質問・リクエスト回答ですね。
今月の、そうですね、上旬ぐらいにいただいていたご質問・リクエストにお答えしたいと思います。
スワン君のお友達の方からいただきました。
ご質問・リクエストは、
1252回の放送のアフタートーク中に、
高齢者に関しては大学病院で専門家同士が見るのはあまり良くないと発言されていますが、
15分30秒あたり、ありがとうございます。きちんと丁寧に書いていただいて。
大学病院は、乳幼児から成人まで幅広い年齢の患者さんが通われています。
高齢者以外の患者さんは専門家同士を見てもらうのは大丈夫なのでしょうか。
発言された専門家同士が見るのは良くないのはどうあまり良くないのか、もうちょっと詳しく知りたいです。よろしくお願いいたします。
ご質問・コメントをいただいておりました。ありがとうございます。
今日はこれに回答していきたいと思います。
これ、非常に難しいテーマで、永遠のテーマと言っても過言ではないかなというふうに個人的には思いますし、
今日話す内容は私の完全な個人的な意見で、何かの組織とか団体を代表するものではないということを前提に聞いていただきたいなというふうに思います。
結論、私個人としては、日本の特に医者に関して専門家が多すぎると思っているんですね。
これ、いろんな意見があることは重々承知なんですけれども、
専門家と総合医、総合診療院の比率がどれぐらいが良いかというのは結構いろんな意見があるんですけれども、
高齢者の多疾患管理
個人的には、もっと総合診療院が多いほうが良いというか、多くあってほしいなというふうに思っています。
と言いつつ、あんたスペシャリストじゃないかという、腎臓内科医とか、緩和とか診療内科医言っているやんというふうに思うかもしれないですけれども、
私自身は、以前どこかでお話したと思うんですけれども、
マインドとしては、ずっとこのジェネラリスト、総合診療院的なマインドなんですよね。
その中にサブスペシャリティというか、専門としていろんな県産で渡り歩いたという身なんですけれども、
でもマインドとしては、総合診療院、いわゆる街のかかりつけ医みたいなのもそうですけれども、
なんでも見れるお医者さんになりたいというのが、私個人としてのマインドなんですよね。
やっぱり医者人生の中で、いろんな患者さんを見させていただく中で、
この人はやっぱり総合診療院が見てたほうがいいなという方は、もう数限りなく見てきてるんですよね。
もちろん、あくまで結果論なんで、総合診療院が見ていて、いや良くなかったという結論になっている方もいらっしゃるんですけれども、
全体的に専門家特化して診療を受けられていて、デメリットを生じている、
最終的なアウトカウントと我々は言いますけれども、結末が良くないというパターンは非常に多くあるんですね。
その典型として、高齢者のことをお話しさせていただいたんですけれども、
高齢者に関しては、このアフタートークの中でもお話しさせていただいたんですけれども、
いろんな病気を持っている方が非常に多いんですよね。
こういうのは多疾患、平存、マルチモビリティという理由でお話しさせていただいたと思うんですけれども、
そうすると、各々に治療法が違うんですね。
当然ですけれども、例えば、心不全があって、糖尿があって、コスト症もあって、白内障もあって、
なんでもいいですけど、みたいな、そんな感じで、
ひにょうきの病気もあって、プラスガンもある、みたいな感じになると、
各々に治療法があって、お薬があって、みたいなことになって、
今、ほとんどの病気に関してガイドラインというのがあるんですね。
ガイドラインに準じた治療をしようと思うと、ものすごい数の薬とかになってくるんですけれども、
ただ、それを全部お薬に飲んでいただいたらいいのかということになると、
それまた、お薬同士の飲み合わせの問題とか、あとポリファーマシーというふうに言いますけれども、
お薬、そもそもちゃんと飲めるのかどうか問題とかというのもありますし、
という感じで、全体的なバランスが非常に悪くなるんですね。
例えば、車に例えると、エンジンだけもうむちゃくちゃいいんですけれども、
ハンドルの機器が悪くて、ブレーキも効かないみたいな、そういうのは危ないじゃないですか。
それと同じような感じで、こういういろんな病気を持っている方が、
専門家にかかると、そこの部分に関してだけはすごい良い治療をされるんですけれども、
他が非常に手落ちみたいなことになりかねないので、
なりかねないのと、あとは全体的な総合的なバランスが悪いみたいなこともあるので、
だから、特に高齢の方に関しては、やっぱり総合診療、家庭医の先生でもいいですけれども、
そういった全体のバランスを見ながら、全ての病気に関して調整しながら治療をするというのが理想かなというふうに思いますね。
という感じです。
全体最適化と医療のバランス
あとは、今回大学病院を例に挙げていただいてますけれども、
高齢者以外はどうなんだということになるんですけれども、
高齢者以外の方に関しても、基本、超スペシャリストが見ないといけない病気って非常に限られていると思うんですよね。
例えば、私の専門領域でいくと、例えば緩和ケアに関しても、
基本的な緩和ケアと専門的緩和ケアというふうな構造になっていて、
この基本的緩和ケアに関しては、全てのドクター、全ての医療者が提供されるべきというふうになっているんですね。
実際、そういうピース研修会というのがされていますけれども、
なので、症状緩和とか緩和ケアに関しては、すべからく医療者が提供できるべきということになっていて、
これは本当に必要だと思うんですね。
非常に特殊な状況で、使ったことない薬を使わないといけないとか、
あとは神経ブロックをやるとか、あとは保湿剤治療をやるとか、
保湿剤治療もいろんな専門性がありますけれども、
そういった専門的な治療が必要な場合に、
例えば緩和ケアチームに相談するとか、緩和ケア外来を受診するというような、
そういうのが理想かなというふうに思っていて、
これは診療内科に関しても同じなんですね。
私は診療内科は主崎らさせていただいて、まだまだ全然浸透してないんですけれども、
診療内科に関しても、本当にガチ診療内科の先生が必要なシチュエーションって、
実はあんまり多くないと個人的には思っていて、
ほとんどの診療科で心身症というのがあるんですけれども、
そこで診療内科的な対応ができるといいなというふうに思って、
私自身は日々活動というか、主崎を出させていただいたんですけれども、
という感じになっておりまして、
もっと総合診療とか総合的に見るドクターが増えたらいいのになというふうには日々思っています。
という感じですかね。
なので、専門家同士が見るのはどういうふうに良くないのかというのは、
さっきお話しさせていただいた通りで、
やっぱり全体的にバランス感覚というのはあるんですね。
これは先ほどの車の例が良い例かよく分からないんですけれども、
やっぱりその病気を見るんじゃなくて、やっぱり人の全体像みたいなのがあるじゃないですか。
それが非常に重要なんで、
病気を各々に最適な治療をされていても、
全体最適化されているかというとそうではないということで、
非常に多くあるので、という感じかなと思います。
これでお答えになっておりますでしょうか。
ただ、いろんな意見があるのは重々承知しておりますし、
全然スペシャリストが悪いって言ってるわけでもないので、
私自身もスペシャリストとしての立場もあるので、
そこはお互い相互理解が重要かなというふうに非常に思います。
ただ、ジェネラリスト、相互診療的なポジションの先生も、
良い医療を提供されているということを是非知っていただきたいなというふうに思います。
ということで、最後はシンシンジャンケンいきたいと思います。
いきますよ。
シンシンジャンケン。
ジャンケン。
ジャンケン。
チョキ。
ということで、今日も幸せな一日でありますように。
お会いできていただきありがとうございます。
興味津々。
09:57

コメント

スクロール