【本日のご質問】
1252回の放送のアフタートーク中に
「高齢者に関しては大学病院で専門家同士が診るのはあまりよくない」と発言されてますが(15分30秒辺り)
大学病院は乳幼児から成人まで幅広い年齢の患者さんが通われています。
高齢者以外の患者さんは専門家同士診てもらうのは大丈夫なのでしょうか?
発言された、専門家同士診るのがよくないのは、どうあまりよくないのか、もうちょっと詳しく知りたいです。
よろしくお願いいたします🙇♀️
参考)
《1252》オンライン診療と大病院信仰の誤解を解く🙅
https://stand.fm/episodes/683f6002e9866cfef97e2608
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■AI要約(誤字はご勘弁ください)
以下に、音声の内容を1000文字程度の箇条書きで要約します。
### 専門家が見るのが良くない? 総合診療の重要性
#### 質問の要旨
* 第1252回の放送で「高齢者に関しては大学病院で専門家同士が見るのはあまり良くない」と発言していたが、その理由は何か。
* 高齢者以外の患者の場合は、専門家に見てもらうのは問題ないのか。
* 「あまり良くない」とは具体的にどのようなことか。
#### 回答の基本姿勢
* あくまで個人的見解とした上で、現在の日本の医療、特に医師は「専門家が多すぎる」と考えている。
* 専門家(スペシャリスト)に対して、患者全体を診る「総合診療医(ジェネラリスト)」の重要性を強調。
* 自身も専門医の資格を持つが、根底にあるのは「何でも見られる医者になりたい」というジェネラリストとしてのマインドである。
#### なぜ高齢者は専門分化診療が良くないのか
* **理由1:多疾患併存(マルチモビディティ)**
* 高齢者は、心不全、糖尿病、骨粗鬆症、がんなど、複数の病気を同時に抱えていることが非常に多い。
* **理由2:専門分化による弊害「ポリファーマシー」**
* 各疾患の専門医が、それぞれの治療ガイドラインに沿って最適な治療を行うと、処方される薬の数が膨大になる「ポリファーマシー」という問題が起こる。
* これにより、薬同士の飲み合わせ(相互作用)や、患者自身の服薬管理が困難になるなどの不利益が生じやすい。
* **理由3:患者全体のバランスが崩れる**
* 個々の病気に対する治療は正しくても、患者さん「全体」として見たときに、治療のバランスが崩れてしまうことがある。
* 例えるなら「エンジンは最高性能だが、ブレーキもハンドルも効かない車」のような状態。特定の臓器だけを高度に治療しても、全体として良い結果につながらない。
* 専門分化が進むと「病気を診て人を診ず」という状況に陥りやすくなる。
#### 理想の医療と総合診療医の役割
* 特に複数の疾患を抱える高齢者に対しては、総合診療医やかかりつけ医が司令塔となり、患者全体の身体的・心理的状況を把握し、各治療のバランスを調整することが理想的。
* 病気(臓器)だけを見るのではなく、生活背景や価値観も含めた「人」として患者を診る視点が極めて重要になる。
#### 高齢者以外の患者について
* 高齢者以外でも、本当に「超専門医」でなければ診られない病気は実は限られている。
* **緩和ケアの例:**「基本的な緩和ケア」は全ての医師が提供できるべきものであり、神経ブロックなど高度に専門的な治療が必要な場合にのみ、専門医が介入するのが望ましい形。
* **心療内科の例:**同様に、多くの診療科で遭遇する心身症に対して、各科の医師が心療内科的な対応ができるのが理想。
#### 結論
* 専門家による診療が悪いわけではないが、複数の問題を抱える患者には、全体を俯瞰してバランスを取る「総合診療」の視点が不可欠である。
* 専門家(スペシャリスト)の役割も重要だが、それと同時に、患者全体を診る総合診療医(ジェネラリスト)の価値がもっと社会に認識されるべきである。
サマリー
医療分野におけるジェネラリストとスペシャリストの役割について議論が行われ、日本の医療において多くの専門家が存在する中、特に高齢者の多疾患管理の重要性が強調されています。また、総合診療の必要性とバランスの取れた医療の重要性について深く考察がなされています。