内科医たけおの心身健康ラジオ、みなさんおはようございます。
たけお内科クリニックからだと心の診療所、院長内科医たけおと申します。
この放送では、医療にまつわる、ちょっとでフィニティス小話を、毎朝5時50分、20分程度で配信しています。
毎朝5時半からライブやっていて、公開生収録や、皆さんからのご質問やリクエストに直接お答えしたりしています。
あとはトークも人気です。ぜひご参加ください。
ということで、今週は糖尿病シリーズ、糖尿病をテーマにお送りしておりますけれども、
第3回目の今日はですね、糖尿病のスティグマの論文をですね、ご紹介したいと思います。
毎週火曜日は興味津々論文ということで、基本的には論文とか文献をご紹介しているんですけれども、
今日ご紹介するのは、糖尿病っていう雑誌ですね、そのまんまの雑誌ですけれども、
それの、昨年、2023年に出たですね、この糖尿病のスティグマっていう特集があったみたいで、
その中の5番目ですね、「スティグマのない糖尿病治療・ケア」っていうこの論文をですね、ご紹介してみたいと思います。
以前の放送でもですね、この糖尿病のスティグマを扱ったことあるかと思いますし、
もちろん糖尿病以外でもですね、例えば精神疾患とか、
CKDの方もね、スティグマがあったりする場合あると思うんですけれども、
特にね、糖尿病領域は、このスティグマアドボカシーですね、
この辺が非常にね、学会とか教会とか、あと当事者の会とかですね、
お中心に非常に進んでるかなというふうに思いまして、
で、その中でも、今回ちょっと私自身もね、結構知らなかったこともあったので、
この論文をご紹介してみたいというふうに思います。
ちなみに、出筆された先生は田中先生っていう先生で、私全然面識ないっていうか、
存じ上げなかったんですけれども、もともと関連病院、関西電力病院にいらっしゃった、
糖尿病の部長の先生かな、みたいですね。
で、関西電力病院ってね、これ非常に関西では有名な糖尿病のメッカみたいな病院で、
院長先生は精度先生っていう先生で、糖尿病のドンみたいな先生なんですけれども、
その先生の下で、このいろんなスティグマの研究とかをされたんだろうと思います。
ということで、まずはじめにどこかちょっとやっていきたいと思いますけれども、
スティグマはですね、この放送の中でも結構取り上げてきましたんで、
ご存じの方も多いと思いますけれども、ある特定の属性を持つ人々に対して、
否定的なイメージをレッテルバリシュ社会から分断して、
不利益、差別を被らせることを指すということになっていて、
で、特に重要な点がレッテルを張る側と張られる側に厳然な力関係が存在するときに、
スティグマが生じることであり、お互いが対等な関係にあるときには、
スティグマは発生しないということになってますね。
ということで、特に糖尿病に関連するもの、この糖尿病はスティグマということになっております。
で、この分類ですね、まずスティグマ、糖尿病のある方が遭遇するスティグマの分類っていうのが、
フィギュアの1のAっていうのに書いてあるんですけど、
これね、全然こういう、そもそも分類されるんだっていうことを知らなかったんで、
ちょっと一緒に次のページになりますようにご覧いただけたらと思うんですけれども、
大きく縦方向に列で、この社会的スティグマと会議的スティグマと自己スティグマっていうのがあって、
で、行の方に行くと経験的スティグマ、実際に経験するようなスティグマと、
あと予期的スティグマっていって、スティグマへの恐れですね。
実際にそういうことは起こらない可能性もあるんですけれども、
それに対する恐怖心みたいなのが、この予期的スティグマっていうことになるみたいです。
で、各々のですね、例えば社会的スティグマは、
社会規範下の逸脱レッテルとかっていうことで具体例が色々書いてありますけれども、
生命保険に加入できないとかですね、就職できないとかっていうことが起こり得ますし、
あと予期的スティグマに関しても、糖尿病のことを上司、同僚などに、
家族にも言わないとかっていうようなことが予期的スティグマになっているということですね。
で、乖離的スティグマ、この乖離的スティグマはですね、
田中先生らが命名したものらしいんですけれども、
特にこの社会的スティグマの中でも医療者から、
医療従事者から受けるものっていうのを、この乖離的スティグマというふうに言い続けられているらしいですね。
で、その中には感触をとかめられたとかですね、
インスリンを拒否すると出席されたとかっていうのがあるということで、
これは確かにね、あり得るかなっていう感じですね。
で、あとは3つ目がこの自己スティグマですね。
セルフスティグマとも言いますけれども、
ご自身の自尊心が低下するようなもので、
これ糖尿病の病名問題ってありますけどね、そういうものとか、
あと医療者にやっぱり血糖のコントロール、
これ血糖コントロールっていうのもダメだっていうのもあるんですけれども、
それが悪いと、この医療者に対してですね、すみませんというふうに謝らないといけないとかっていうのも、
この自己スティグマ、セルフスティグマに該当するっていうような、そんな感じになっています。
で、それをですね、評価する方法をこの先生らが開発したみたいで、
KISSっていうですね、関連インスティテュートスティグマスケールっていう、
そのまま関西電力病院のことを関連って言うんで、
っていうような質問表を開発したっていうことで、
これね、ちょっと当たろうと思ったんですけど、なんかちょっと見つからなかったんですけども、
そのスティグマを評価できないといけないんで、評価しないと研究にもならないんでっていうことで、
こういうスティグマの尺度を開発したみたいで、
その後いって、このKISSのスコアっていうのをですね、糖尿病のある人とない人っていうので、
分けて評価したのがこのフィギュアの1のBっていうことになるみたいなんですけれども、
いずれもですね、その糖尿病のある人とない人で、
かなり差が生まれてるっていうのは見て取れるかなというふうに思います。
はい、ということで、
で、特にですね、この先生方はその乖離的スティグマっていうのをちょっと注目していて、
その第2章というか、乖離的スティグマ、医療従事者によるスティグマとはということで、
非常にね、これ無意識のうちにあるんですよね。
この3ページ目ですかね、3ページ目に乖離的スティグマ、
医療従事者から見た糖尿病のある人の位置づけっていうようなシェーマーが書いてありますけれども、
この大きく2つの乖離があるっていうことで、
1つはですね、この糖尿病のある方、目の前の多くは患者さんだと思うんですけれども、
それと糖尿病のある人のこの模範的なところとの乖離ですね、
が1つあるのと、
あとは当然糖尿病のない人とその糖尿病のある人との乖離っていうこの2つの乖離があって、
それがスティグマ、医療従事者からの乖離的スティグマに該当するんではないかっていうふうに書いてあります。
これはね、なんか非常に納得感がありますし、
やっぱり我々糖尿病の患者さんってものすごいいっぱい見てますけれども、
理想的な患者さん像を描いてしまうんですけれども、
でもそれではないこともしばしばあるじゃないですかっていうのは本文中にも書いてありますけれども、
そこの乖離をどういうふうにしていくかっていうのは非常に課題かなというふうに思いますね。
という感じです。
あとはセルフスティグマに関しても、それに関連して3ページ目から4ページ目にかけて書いてありますけれども、
これ非常にセルフスティグマ知らず知らずのうちに起こっているということに気づいていないケースもかなりあるかなというふうに思うので、
これは少なくとも多くの医療者に関してはそういうことが起こり得るんだということは知っておくべきかなというふうには思いますね。
その次ですね。
ヘモグロビリンA1cがこのままでは合併症が出ますよ。はスティグマか?ということで、
これ非常によくあることで、むしろ我々というか腎臓内科医は糖尿病内科医からバトンタッチを受けることがしばしばあってですね、
その時に糖尿病の方ではこのヘモグロビリンA1cが悪いと合併症が出ますよというような指導をされていることが多いんですけれども、
我々腎臓内科医は糖尿病になった方の腎代替療法を安全に施行していくというところがメインの仕事になってくるので、
ここで結構見解の損を生まれることがあるんですよね。
結構その糖尿病の方にこの括弧書きで書いてありますけれども、生活習慣を変えないと合併症が出ますよとかですね、糖尿病は怖い病気ですよとかですね、
あとはやっぱり糖質に対するネガティブなイメージを植え付けられて、我々のもとにやってくるということが非常に多いので、