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皆さんこんにちは、しらいです。この放送は、しにぞこさんの提供でお送りします。
しにぞこさん、ありがとうございます。今回は、しにぞこさん回の最終回ということで、これまで話してきた
【HUMANKIND 希望の書 人類が良き未来をつくるための18章】という本のまとめをしたいと思います。
今回何を話そうかなって思った時に、筆者が一番言いたいことは、基本的に最後のエピローグのところにまとまっていることが多いので、そこを簡単にまとめて締めくくりとしたいと思います。
エピローグが人生の指針とすべき10のルールというところになっておりまして、10個全部話すのは結構時間がかかってしまうので、ピックアップしながら話していきたいと思います。
早速いきます。
1つ目、これは確かにいいなと思ったのが、疑いを抱いた時には最善を想定しようというところですね。
そこからピックアップすると、私たちは非対象フィードバックと呼ばれるものの犠牲になる。
それは誰かを信用しすぎて、後にそれが見込み違いだったとわかることだ。
例えば、親友だと思っていた人があなたの老後資金を盗んで国外へ逃亡したり、家を随分安く買えたと思っていたら欠陥住宅だったり、テレビショッピングで買った筋トレマシーンを6週間使っても宣伝していたようには腹筋が割れなかったりといったことだ。
人を信用しすぎると痛い目に遭う。
こういうことはよくありますよね。
これを非対象フィードバックと呼んでいるらしいです。
ここに対して、筆者はこのように言っています。
最も現実的なのは、善意を想定することだ。
つまり、疑わしきは罰せずである。
大抵の場合、それでうまくいく。
なぜなら、ほとんどの人は善意によって動いているからだ。
そして、誰かがあなたを欺こうとしている数少ないケースでは、あなたの非双方的行動が相手を変える可能性が高い。
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と書いてあります。
これは結構同意できるポイントかなと思っていて。
アダム・グラントのギブ・アンド・テイクという本が結構有名になった本なんですけど、
にも寛大な執兵開始戦略がゲーム理論的に考えて一番いいんじゃないのっていう話を確かそこでしていたと記憶しているんですが、
そことも通じる場所ですよね。
なので、結構この疑いを抱いたときには善意を想定しようというのはいいアドバイスかなというふうに思いました。
ただ、結構大きなお金が動くときにはちょっとここは微妙なところだとは思うんですけど、
大抵の場合は疑わしきは罰せずで行動する方がいいのかもなというふうに思いました。
あとは、もっとたくさん質問しようというところに書いてあるものなんですけど、
世界史上のほぼすべての哲学に共通する黄金率は、自分がしてもらいたいと思うことを他人にしてはいけない。
その人の好みが自分と同じとは限らないからだというものです。
この教えは、2500年前の中国の思想家、孔子がすでに述べているもの、
この後、ギリシャの歴史家ヘロードトスやプラトンの哲学にも登場し、
数百年後、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖典に組み込まれたと書いてあります。
これ結構大事ですよね。
僕は小学校の頃だと、自分がしてもらって嬉しいことを他の人にもしてあげましょうって教わったんですけど、
今になって思うのは、自分がしてもらいたいと思うことを他の人にしても、
自分と同じ好みじゃなかったら意味ないよなっていうのはやっぱり思うところですね。
例を挙げると、僕は図鑑を読むのが好きなので、
昆虫図鑑、虫の本ですね。虫の図鑑とかもらえるとすごい面白く読めるんですけど、
虫を見るのも嫌だっていう人は昆虫図鑑とかもらっても気持ち悪いだけだと思うので、
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基本的には自分がしてもらって嬉しいことでも他人が嬉しいとは限らないので、
自分がされたくないことを人にしないっていう原理で動いた方がいいのかなって思います。
そして、共感を抑えて、共感ではなく他人を理解するように努めよう、
たとえその人に同意できなくてもっていうところも参考になりますね。
前回、共感を育むオキシトシンは、自分たちと他者っていう風に対立を生んでしまって、
他者に対しての思いやりが持てなくなるっていうことを説明しましたが、
なので、共感を抑えつつ、共感するのではなく、相手を理解するように努めようっていうアドバイスがされています。
この理解するっていうのは、相手に共感だったり同意できなくても、
それでもなぜ相手がそう考え、そう行動したのかっていう行動原理を理解することはできるっていう風に述べられています。
私たちには理性があるので、この感情の力は大きいですが、
理性によって相手を理解しようと努めることが大事だよっていう風に言われています。
また、ここで言われていることとしては、ニュースを避けようっていうアドバイスがされています。
これはニュースダイエットっていう本とかでも、ここは読んでないんですけど、言われていることだと思っていて、
読み上げると、実のところニュースはあなたの世界観を歪めている。
ニュースは人々を政治家、エリート、人種差別主義者、難民といったグループに括りがちだ。
なお悪いことに、ニュースは往々にして腐ったリンゴに焦点を絞る。
ソーシャルメディアについても同じことが言える。
少数の不良がトークで叫んだヘイトスピーチが、アルゴリズムによってFacebookやTwitterのフィードの上部にプッシュされる。
これらのデジタルプラットフォームは私たちのネガティビティバイアスを利用して設けていて、
人々の行動が悪くなればなるほど利益が増える。
なぜなら、悪い行動は人々の注目を集め、クリック数を増やし、クリック数が多ければ多いほど広告費は上がるからだ。
このことがソーシャルメディアを人間の最悪の性質を増幅するシステムに変えたというふうに書いてあります。
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これは結構いろんな人が同意するところかなって思っています。
そして最後に、クローゼットから出よう、善行恥じてはならないというところを読んで締めたいと思います。
これが何を指しているかというと、善行、良い行いをもっとしてみんなに見える形でしていこうというアドバイスです。
この説明をする前に一旦知っておいてほしい概念があるのでちょっとそれだけ説明します。
ノセボ効果っていうのがありまして、もしかすると聞き慣れないかもしれないんですけど、プラセボ効果っていうのがまずあります。
プラセボ効果っていうのは結構皆さん聞いたことがあるかもしれません。
例えば薬とか効果のない薬でも効果があるって思いながら飲むと本当に効果が出るっていうのがプラセボですね。
ノセボ効果っていうのがこれとは正反対の方向に働く作用のことを言います。
例えばこれを飲んだら病気になると思いながら、偽薬、偽の薬を飲んだら本当に病気になるかもしれない。
この薬には重大な副作用があると患者に警告したら、おそらく現実的にそうなるだろう。
これはノセボ効果と呼ばれるが、明白な理由から広く試されてはこなかった。
健康な人を病気にしたり副作用を感じさせたりするのは倫理的に間違っているからだ。
それでも全ての証拠はノセボ効果は非常に強力だと語るって言っています。
この薬効果があると思って飲んで良くなるんだったら、
この薬を飲んだらすごく具合が悪くなるって思って飲んだら、逆もまたしっかりで悪くなるんだろうなっていうのは普通に考えてそうかなと思います。
この続きで秘書がここで何を言おうとしているかというと、
人間についての厳しい見方もノセボの産物なのだって言っています。
ほとんどの人間は信用できないとあなたが思うのであれば、互いに対してそのような態度を取り、誰にも誰もに不利益をもたらすだろう。
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他者をどう見るかは何よりも強力にこの世界を形作っている。
なぜなら結局、人は予測した通りの結果を得るからだ。
地球温暖化から互いへの不信感の深まりまで、現代が抱える難問に立ち向かおうとするのであれば、
人間の本性について考え方を見直すところから始めるべきだろうというふうに秘書は言っています。
ちょっと難しい言い方をすると、
人に対する不信感というのが、自己情緒要件的に人を悪い方向に進めていっちゃうんだろうというのが秘書の主張です。
戻ってきまして、善行をもっとしようというところにつながるんですけど、
秘書はこのように言っています。
人々は親切心から行動しても、しばしば立法的な動機をでっち上げることを、現代の心理学者たちは発見したと言っています。
例えば、忙しくしていたいから働いているんだよとか、
どの道いらないお金だったから寄付をしたんだよ、ボランティアをすると履歴書が立派になると思ってねというような感じで、
親切をしたとしても、何らかの適当な自分がこう思ったからやったという謎の利己的な動機を、
人はでっち上げがちですよねというふうなことが、現代の心理学者たちが発見したということですね。
これは僕も結構思い当たることがあって、
数年前、結構前にお財布の小銭を一気に寄付箱に寄付したことがあったんですけど、
一緒にいた友達にめちゃくちゃ寄付してて偉いねみたいなことを言われた時に、
いや、財布が小銭で重くなるのが嫌だから全部寄付したんだよみたいな適当な利己的な動機をでっち上げてしまったことがあるので、
そういうのを言うのは分かりますね。
何て言うんですかね、偽善者に思われたくないみたいな感じで、
そういう適当な、よく分からない理由をでっち上げることはありそうだなというふうなことを思いました。
心理学者たちは、人は自分の行動が純粋な思いやりや親切心からのものであることを認めたくないようだと言っています。
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これがこの遠慮だったり、利己的な動機をでっち上げてしまうことが、先ほど見てきたのせぼのような働きをしてしまうというふうに言っています。
あなたは利己主義の不利をすることによって、他の人々の人間の本性に対するシニカルな見方を強化する。
なお悪いのは、善行を隠すことだ。そうすると他の人はそれをお手本にできない。
実に残念なことだ。なぜなら、我々は互いを真似るというのが極めて上手い生物なのに、隠してしまうとその真似ができずに親切心が広がっていかないというふうに、
筆者は言っています。
日本だと、著名人が寄付をしたりすると、時には黙って寄付しろよとか、そんな見せびらかすことじゃないだろうというふうな謎のアンチコメントをしたりっていうのがあるんですけど、
ここではその反論をしてますね。
なので、そこから考えると、例えば寄付とかした場合は、変な利己的な動機を立ち上げるのではなく、
例えばウクライナへの寄付をした場合、例にとると、ウクライナで苦しんでいる人たちが本当につらいと思って、
なんとか自分が助ける、自分の寄付が助けになればいいなと思って寄付をしましたというふうに、ちゃんと思ったことを言う、親切心をしっかり表現していくということが大事ですよね。
そうすることによって、私たちのスーパーパワー、ホモサピエンスのスーパーパワーである他人を真似るっていう行動によって、親切心が広がっていくんじゃなかろうかっていうふうなことが言われています。
はい、というわけで、「ヒューマンカインド希望の歴史 人類が良き未来をつくるための18章」っていう本を3回にわたって話してきました。
ちなみに、ここに来て、あれなんですけど、見たところすごいいろんな研究をまとめて、人類の本性は善だぞっていうことを言っていて、
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それに基づいた制度設計だったりをするべきだっていうことを書いてある本なんですけど、さすがにそれだけでもないだろうっていうのはやっぱり思うところではあります。
見てきて本当に説得力はあって、確かになって思うところも多分にあったんですが、一方で本当にサイコパスだったりソシオパスだったりっていうのは、あとダークトライアドとかいますし、マニュプレーターとかもそうですよね。
あと資本力を持った人、例えば大企業の社長とか、サイコパス度が高いっていう研究もあったりするので、今これをこの本をもとにそういう制度設計をしたとしても、それはそれでいろんな問題が出てくるなとは思って、
思っています。
この辺はやっぱり難しいところですけど、っていうところも一応最後に述べさせていただきました。
というわけで、第3回にわたって話してきましたこの放送でした。
最後までお聞きくださった皆さんありがとうございます。
それでは皆さん、さようなら。