1. むらスペ
  2. ただしさに殺されないために
2022-09-15 23:01

ただしさに殺されないために

御田寺圭氏の標記の本についてご紹介しました。

テロリストを礼賛するだけでなく、初歩的な事実誤認などが多く、たいへん問題のある本だと思います。

(これは2022年9月8日にTwitterスペースで共有された内容です)


--- Send in a voice message: https://podcasters.spotify.com/pod/show/murasupe/message
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はい、ありがとうございます。今日ですね、お話ししたいのは、ご紹介したい本があるんですけど、これは
正しさに殺されないために、というそういう本ですね。はい、でね、まず最初にこれを読もうと思ったのは、そのサブタイトルのね、
声なき者への社会論というところが、ちょっととっても、
僕もね、どっちかというと声がデカい方ですよね。Twitterでも6,000人とかフォロワーがいるし、
そういう立場でね、でかつ、異性愛の男性ですよね。そういう意味ではマジョリティーです。
海外にもいる、ずっと海外の話なので、そういう意味では、大体エスニックな意味ではいつもマイノリティーはいるんですけど、ここでね、日本人といったらマイノリティーですよね、インドではね。
まあなんですけど、でもやっぱりそのマジョリティーとして、こういう声なき人たちのことを
無視するようなことになったら、自分自身がまずいなと思って読んでみたんですね。はい、でもね、それはとっても大きな誤算でした。
はっきり言って誤算だと思いました、これは。はい、なんですけど、ちょっとまだそれについては、この後ちゃんと説明してみたいと思うんですけどね。
あのね、じゃあまずその前に、Twitterでシロンジュとかっていう名前の方見たことありますかね。あるいは本名が、この本は本名で書いてあるんですけど、
ミタデラケイですね、土二つでケイですけど、ミタデラケイっていう名前で書いてるんですけど、この人の名前見たことがあるっていう人、ちょっとハートマークいただけますか。
僕はこの本読むまで全然知らなかったんですけど、やっぱ涙の方がいらっしゃいますね。はい、そこそこ、僕自身もあんまり知らなかったです。
たぶんね、日本語教師の人とは、かなり接点がない人だと思います。だからこそね、僕もちょっと読んでみたんですけれどもね。
はい、でね、もうね、ちょっとね、別にこれ皆さんに買ってほしいとはあんまり思わない。
正直思わないので、この本のね、いつも最初はここでね、本の具体的な値段とかそういうこと言うんですけど、ちょっと今日はそこは省きたいと思います。
でね、ちょっともうね、本当にびっくり、最初からいきなりびっくりしちゃうんですけど、クライストチャンチでね、ニュージーランドのね、そこでモスクで
銃を乱射してね、51人のイスラム教徒を殺害したテロリストがいますよね。彼のね、あの手記とかをすごくね、長々と引用して、もう雷散してるんですよ。
はい、でね、まあ確かにこういう人が、声なき人かもしれないけど、ちょっと僕が想定していた人とはかなり違ったなと思いました。
で、そのね、そのテロリストの話ですよ。イスラム教徒、51人も殺したテロリストの話、
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彼について、こんなふうに書いてます。以下引用です。行動の根拠となった主張自体は、全くのヨマイゴと教人が発した謀言の類として、すべて棄却できるわけではない。
それどころか、それはまさに今、多様性、多文化主義政策によって、西洋各国で進行していることである。
はい、ここまで引用ですね。でね、この後はね、この最初の頃は、この本の最初の方はですね、この多様性とか多文化主義に対する批判というのはものすごくあります。
あの、ちょっとでは総合の一部、引用してみますよ。以下引用です。なぜ多様性は我々にとって最大の強みだと言われるようになったのだろうか。
その理由を尋ねた人はいるのだろうか。メディアも政治家も学者も著名人も、幾度往々に、まるで念仏のように、多様性は最大の強さだ。
多様性は最大の強さだ、多様性は最大の強さだ、多様性は最大の強さだと延々に繰り返しているに過ぎない。
多様性は最大の強さだと彼らは言うが、しかしどのようにして最大の強さをもたらすのかを説明したことは、これまで一度もない。
はい、これで引用終わりです。あのね、本当に途中で多様性は最大の強さは4回繰り返されて、1、2、3、4回繰り返されているところがありますね。
はい、でね、これはもう本当に明らかに無知というか、もうこれはいろんな研究がされているわけですよね。
僕もね、このムラスペとかでも紹介したことありますけど、もう本当に一冊だけ、もしね、この僕の今ムラスペを聞いている人の中に、
そういえばどこで多様性が強みなのかわかんないよなとかって思う人がもしいたとしたら、僕は一冊だけ本を
勧めるとしたらですね、それはあの多様性の科学っていう本ですね。もうここには本当にいろんな
研究とかですね、統計とかそういうものが紹介されていて、実際こういうふうに多様性があるとそれが強みになる、社会にとって強みになる
ということはもう本当にたくさん、もう本当にいろんないろんないろんな根拠がここで示されています。
で、まあそういう研究をですね、本当に一つも知らないんですよね、この三島慶さんという人はね。
まあある、知っていても知らないふりをしてわざと嘘ついてこういうことを書いているのかもしれないんですけど、でも要するにこの
多様性が強みである社会、多様性のない社会を強くするということを否定しているわけです。
知らないのか知っていて無視する、もし知っている、わざとそれを隠して嘘ついているのかわかんないんですけど、
とにかくその
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そういうことは、多様性に根拠がない、多様性に強みがあるってことは根拠がない、誰もそんなことを言っていないということを言ってます。
なのでその、僕たちね、日本語教師っていうのは本当にまさにここにその、あれですよね、仕事をする
意義があるわけですよ。本当にこういう言説、多様性がない方が社会を安定するんだとか、多様性がない方が社会は強くなるんだ
みたいなことが広まってしまうと、日本語教師っていうのは悪い仕事っていうことになっちゃいますよね。悪いことをしている仕事っていうことになってしまうので、こういうことに対して、議論、こういう主張に関しては本当にですね、
なんていうのかな、そのもう僕たちが声を上げて反論していかなければいけないと思います。
あとね、もう本当にね、ちょっともう事実ではないことがいっぱい書いてあるので、ちょっとびっくりしたんですよね。
例えばですね、こういう多様性とか民主主義があるから、社会が弱くなる一つの例としてですね、
今回のパンデミックのことがちょっと書いてあります。これも意外に要しますね。
パンデミックの中心地となり、人命にも社会経済的にも深刻な打撃を受けたのは、主としてイスラエルとは対照的に民主主義的で、自由主義的で、人権主義的な手続や社会制度を尊重し、
これをどうにか維持しようと努める西洋文明圏の国で、国々であったことは決して偶然ではないところですね。
あと、今言い終わりです。それから中国もね、中国の統制的な政治もすごく雷散してきて、それで中国もそこから
パンデミック始まったけど、早くパンデミックをね、要するに人権を無視して
人権を無視することによって、それでパンデミックを閉じ込めることができたということもこの本に書いてありますけど、でもこれもですね、この人がこの本を書いた時点ではそうだったかもしれませんけど、その後ですね、
中国も、またさらに第2波とか第3波とか来てますよね。昨日のニュースでこんなのがありました。
中国74都市で3億人超がロックダウン、ゼロコロナ固執の理由とは、というふうに書いてありますね。これも実際このゼロコロナに本当に非常に固執していて、
でかつ、中国はその人権を無視してそういうことができるわけですよね。
だけどその結果、上海とかでね、すごく多くの自殺者とかね、あるいは本当に食べ物が足りずに餓死してしまうような、そういう人たちが出たというニュースもあると思います。
で、さっきのニュースでも一番最後のところにですね、このように書いてあります。
当初はゼロコロナを支持していた国民の間でも、終わりのない日常生活の制限や経済的打撃に対する不満が増大している。
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これで言い終わりですけど、要するに経済的打撃もかなり深刻になってきているということがはっきり出てきているわけですよね。
だから別に、そういうふうに人権を無視してロックダウンすることが社会の強みになるということでは、社会とかさらに経済的な強みになることではないということはここからも明らかだと思います。
はい、でね、あとはね、その、
あとね、はいはいはいはい、もうこれもね、ちょっと本当に困っちゃうことなんですけど、
神奈川県の相模市の障害者施設で19人を殺害したね、事件がありました。
それが上松、なんていうんだっけ、聖人の聖、聖書とかの聖の、で書いてね、なんていうのかちょっと忘れちゃいましたけど、
ひじり、上松ひじりかな、わからないけどね、今死刑書になってますね。
はい、で、そのことに関しても、彼に関してもですね、彼は、ちょっと引用ですよ、いいかなとね、
彼は純然たる悪意によって強行に及んだのではなく、世のため、人のために良かれと思って、そのような行動に出た、というふうに書いてある。
はい、で、もう本当にその、
19人殺したこういうテロリストですよね、それに対しても良かれと思って、世のため、人のためにやった、みたいなことを書いてあるんですね。
で、彼もですね、なんかすごく長い手記を書いていたらしくて、で、その手記もずいぶんもう本当に長々と、
引用していますね。でね、それについても、
ここもですね、多様性に対する否定みたいなことを書いてある。
多様性を尊重することは、それが矛盾している、という主張に彼を使っているわけですね。
で、ちょっと以下、引用してみますよ。はい、以下、引用です。僕の主張じゃなくて、引用ですからね。
以下、引用です。生きる価値のない人間は殺してしまえば良い、という植松の主張を否定しながら、
しかし、この社会は植松に対して、お前は生きるに値しない人間であると断じている。植松の思想や行為を強く否定しながら、
同時に植松の思想や行為と同じ規決によって彼をさばいている。どんな人間でも、たとえ生産的でなくても、生きる価値がある、
生きても良い。社会は植松の恐慌に対して、そう応じた。だが植松はその連帯の例外となった。
生きる価値がなく死ぬべき存在として、我々とあの男、
加賀には何の違いがあり、どれだけの距離があるのか、これで引用ですね。はい、でね、
これの、ここに書いてあることの基本的な間違いはですね、多様性の尊重するということは、
どんな人間でも生きる価値があるというわけではない。どんな人間でも生きても良いというわけではないということです。
で、多様性の尊重で限定されているのはですね、
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他者が生存することを認めるということですね。
他者と共存できる人です。他者と共存できる人じゃなければ、
社会に認められないということですね。だってその多様性の尊重というのは、それが一つの主義で一つの考えなわけですから、
多様性を尊重しないという考え方とはもちろん相入れないわけです。
なので、それがね、別にイスラム教でもいいんですよ。キリスト教でもイスラム教徒でも仏教徒でもヒンドゥー教徒でもいいんですけど、
でもそれがね、他の異教徒を殺したり異教徒を否定しない限り、お互いに仲良くできるので、
仲良くしましょう。それが多様性の尊重なわけですよね。なので、
例えば、キリスト教の人たちだけが正しくて、イスラム教もヒンドゥー教も殺してしまわなければいけない。
そういう考えを持っている人は、そういう社会では受け入れられないわけなんです。
なので、これがですね、本当によくある間違いなんですけど、多様性を尊重する社会というのは、どんな考え方も尊重するわけではないというわけですよね。
多様性は他者と共存しなくてもいいという、そういう考え方は尊重しないわけです。
なので、そこにはもう本当にはっきりとした線が、明確な線があるわけですよね。
で、この上松四国司刑囚は、実際に19人も殺してしまったわけですよ。
なので、他者と共存することができない、そっち側の人間なんです。だから彼は裁かれることになりました。
まあ、なんでだってね、死刑制度がいいかどうかってのはちょっと僕はわかんないけど、
だけど彼が裁かれて、19人殺しちゃったわけですから、少なくとも終身刑とかね、そういう感じで一生牢屋にいるかというのはもうそれはしょうがないことだと思います。
こういう多様性を尊重する社会では彼を受け入れることはできないわけですね。
なので、そこにもこういう基本的な事実とか、ことがわかってない、そういう人が書いているもんだということがわかりますね。
あとね、もうね、女性に対する差別って、もうすごくいろんなところに出てくるんですよ。
ちょっとね、もう1ヶ所だけ引用しますよ。
だけど、そんなに聞いて嬉しい話しかないと思いますけど、一応、彼がどういう立場の人なのかって、特に女性の立場からね、今ここにいらっしゃる方、多分女性が多いと思うので、男性もいますけど、ちょっと引用します。
これも僕の意見ではなくて引用です。この三田偉寺慶さんの意見です。
女性を様々な抑圧や不自由から解放するフェミニズム思想の対等により、現実社会、現実世界で重性を、重性ってのは獣の性質ですね。
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現実世界で重性を抑止する論理がなくなっていった。
お望み通り、自由になった女性は、しかし男性と同じ形質の社会的なメンバーシップの権利と責任を寄与するのではなくて、
むしろ社会性からは今まで以上に背を向けて、より本能的で動物的な欲望を素直に表現するようになっていった。
それが女性のあるべき姿として正しいとされた。はい、これで引用です。
これの例として、三田寺さんが言っているのは、
婚活アプリで男性が女性からいろいろ収入とか、
そういうすごいデータを聞かれて、それで相手にされたくなっていくという、
実際のインタビューとか、そういうのを説明した後でこういうことを言っているんですけど、
僕は男性ですから、そんなに女性の立場で話すわけではないけど、
男性が女性に対して、例えば性風俗とかそういうところでやってきていることですよね。
自分の好みに合う女性を選んでお金を払うとか、そういうことをやっているわけですよ、風俗業界では。
もちろん男性が女性を配偶者として選ぶときだって、そういうふうなことをやっているわけですから、
今まで男性しかやっていなかったことが、今度は男性もされる側になったということで、
彼はそれに行き通りを感じているみたいなんですけど、
こういうのも、かなり偏った視点からの批判と言われればいいんじゃないかと思います。
もう本当にこういう感じで、さっき言ってこういう本なんです。
僕はいつも最後に、この本読みたいですかとか聞くんですけど、あんまり、そういう意味では勉強にはなります。
正直言って、こういう人がいるのね、そういう意味ではすごく僕は勉強になりました。
あともう一つびっくりしたのは、これAmazon上での評価がかなり高いんですよ。
結構100人以上の人が評価していて、4点いくつかあったかな、それにもかなりびっくりしましたね。
それと、このTwitterでやってる白饅頭なんとかっていう名前のアカウントでやってるんですけど、
彼もですね、結構4万とかいたかな、フォロワーが。
たぶんね、こういうことをいつも発言しているので、かなり狭い人たちの間で、勉強的な人気を得ているというような人なのかもしれませんよね。
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それが広く社会に受け入れられるとは思わないけど、そういうごく一部の狭い、たこつぼ的な世界の中ではかなり支持されている。
逆に言うと、そういう特定の属性を持っている人たちですよね。
要するにイスラム教徒でもないし、同性愛でもないし、女性でもないし、そういう人たちの間には支持を広めているというのがあると思います。
だけど、ちょっと考えればすぐ分かるように、それは本当に社会に対する怨さ、恨みとかね、
しかもこれまではただ単に男だからというだけで威張っていられていたような人たちとか、
そういう人たちがこれまで理由もなく持っていた権利を奪われて、
それで恨みを募らせて、こういう極端な人を支持しているというような感じなのではないかと思います。
なので、こういう人たちが今後多文化を否定するような、多様性を否定するような、
そういう人たちが今後どういうふうに勢力を伸ばすのかというのはちょっと僕にはよく分かりませんで、
そのためにも実際そういう経済格差みたいなものはなくしていくべきだとは思うんです。
だけど、この本には本当に何も書いていない。
じゃあどうすればいいのかというのは何も書いていない。
もうタイトルは正しさに殺されないためにというタイトルなんですけど、
じゃあそのためにどうすればいいのかということは本当に一言も何も書いていない。
ただ恨みとか辛みとかそういうものがいっぱい書いているだけですね。
しかも悪いけど知識もあまりない人が書いている。
でも読みやすいです。文章はとっても読みやすいので、
そういう意味ではそういう人たちに受け入れられているとは分かりますね。
だけどこれ以外にも2000年も違うんですよ。
だけど彼自身もこの本の中で楽天館かな、ちょっと名指しをしているんだけど、
どこかの企業のトップを念頭に例えばリボ払いとかさせていて、
リボ払いというのは誰でも損する。
本当に長期的には損するということがよく分かっているけど、
それが分からない人からお金を巻き上げるシステムですよね、リボ払いというのは。
彼は楽天の三木谷さんだと思うんですけど、
三木谷さんがこういうことをして、
要するに頭の悪い人ははっきり書いていないけど、
そういうふうにあまり深く考えることができない人たちからお金を巻き上げて、
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それを搾取しているというふうに彼自身も書いているんですけど、
だけどこの本自体がまさにそういう本だと思います。
この本を読むと、確かにそういう人たちの一瞬の鬱憤は下がるかもしれないけど、
これだけでは社会は全く変わらない。
各社会を変えるための法則とか、そういうことも何にも書かれていない本です。
なので、この本を読んで鬱憤を晴らすような人は、僕は読むべきではないと思います。
要するに搾取されているだけに過ぎないからね。
だけど逆にそういう多様性を否定するような、
そういう人たちがどういうふうなことを感じているのか、
その人たちがどういうことを支持しているのか、
そういうことを知る意味では読む意味はあるかもしれませんね。
ちょっと繰り返しますけど、基本的なところから間違いがすごく多いし、
あまりにも知識が足りないですよね。
多様性がどういうふうに役に立つのか、そういうことが分かっていない。
こういうことを書いているので、
これをそのまま信じないでほしいですね、この本に書いてあることはね。
だけどその上で、そういう人たちに興味があるというのだったら、
ちょっと読んでみてもいいんじゃないかなというふうに思います。
それでは本日もムラスペにご参加くださいまして、ありがとうございました。
今日の正しさに殺されないためにという本に対する感想、
今回は今日は批判がすごく多くなってしまいましたけど、
それに対して皆さんのコメントとか質問とか感想とかありましたら、
ぜひムラスペのハッシュタグ付きでご共有いただければと思います。
それでは本日も良い1日をお過ごしください。
そして冒険は続きます。
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