1. むらスペ
  2. 聞き取れない理由はわからない
2022-07-21 23:32

聞き取れない理由はわからない

今日の音声配信 #むらスペ は聴解についての個人的な体験をお話ししました。ご紹介しているCDSの資料はこちらです。https://jfstandard.jp/pdf/level_keyword_all.pdf


--- Send in a voice message: https://podcasters.spotify.com/pod/show/murasupe/message
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今日お話ししたいのは、聞き取れない理由はわからないということですね。
ちょっとこれを話そうと思ったのは、
JLPTのね、今年の7月にJLPTをインドのバンガロールでもやったんですけど、
その時にですね、ちょっと急に皆さんの英語が聞き取れなくなってびっくりしたという出来事があったんですよ。
それがですね、どういう状況だったかというとですね、
僕は、受験者の方がいらっしゃる教室の試験監督ではなくてですね、
皆さんに持っていく試験の問題用紙とかを試験監督の人に渡す仕事とか、
あるいは皆さんが教室から持って帰ってきた用紙を数えるとかね、
そういうことをやっている本部の部屋で仕事をしていたんですね。
ちなみにこのJLPTの運営に関しては、僕ではなくて地元のですね、
BNK、バンガロール日本語教師会の方が主体的にやっていて、
私はですね、本当にただお願いしますって言われたことを手伝っているだけなので、
それはもう僕の仕事じゃなくて、BNKの方がすごい頑張ってくれている仕事です。
でもですね、ちょっとね、
要するにですね、皆さんが紙を数えたりしている間はそんなにしゃべらないわけですよ。
やらなきゃいけないことがいっぱいあるわけだから。
もう一応試験も全部数えて問題ないということが分かって、
それも全部段ボールに詰めて封もして、
あとは発送する人がその日のうちに発送するんですよ。
その業者がね、どこだったっけ、DHLだったかな。
ちょっとどっか忘れちゃったけど、発送するね、
こっちではクーリエって言いますけど、
その人たちが来るまでの間に、
やっぱり試験用紙大事なものなので帰るわけにいかないから、
みんなで待っているわけですね。
そうするともうやることがないから急に皆さんしゃべりだすんですよ。
インドの方って、
すみません、ここにインドの方も、今リスナーの方にいらっしゃいますけど、
日本人に比べてすごくよく話すんですよね。
でもね、ちょっとそれがびっくりしたのが、
僕がですね、その時の皆さんの会話が全然わからなくて、
本当に一言もわからないというレベルで全然わからないんですよ。
一言もわからないというとちょっと大げさですけど、
でもね、ちょっと本当に会話に全然ついていけないレベルで、
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すごくびっくりしたんですね。
それでね、ちょっとそれは、あれなんでこんなに俺英語わかんないのって、
日本人は僕含めて、一人とか二人、
発想を待っている段階では日本人僕だけだったんですね。
なので基本的に皆さん英語でしゃべっているんですけど、
それでね、後からね、しばらくわからなかったんですよ。
しばらくなんでこんなにみんなの話が聞き取れないのかわからないっていうのを、
僕が思っている間に後から思い出したのは、
その部屋がですね、実は昔試験会場としても使われていたんですよ。
つまり本部の部屋がね、受験者が実際にそこで回答をする、
そういう部屋としても使われていたんだけど、
実は受験者の中から苦情が出てきて、
この部屋は反響があって聞き取りにくいという苦情が出てきたので、
今は本部として使っているということを思い出したんですね。
それを思い出したらね、実際そうなんですよ。
結構広い部屋で、しかも天井が高くて、
壁が木とかじゃなくてコンクリートっぽい硬い壁なんですね。
なのですごい反響していて、
それでですね、僕が聞き取れなかったというのが後から気がついたということがあります。
それを思い出すと実は結構そういうことってあるんですよ。
古くはですね、今から35年前ですけど、
僕が20歳の時にですね、ワーキングホリデーでカナダに行ったんですよ。
行く前に成田空港のね、本当に登場手続き。
家族が見送りに来てくれて、それで別れて一人になってね。
それでちょっと心細いわけですよ。
初めて海外に行くわけですからね。
しかもまだ住む家とかも全然決まっていなくて、
たぶん仕事は見つかるだろうなとは思っていたけど、
いろいろ不安もあるっていうね。
ところで成田空港のアナウンスの英語のアナウンスが全然聞き取れなくて、
それでね、これはちょっとやばいなってかなり思ったんですね。
だけど一年経ってね、それで本当に日本人も全然いないようなところで
一年間仕事をして、それなりにコミュニケーションもできてね。
本当にあくまでもそれなりにですけど、
だけどそれなりに自信もついて帰ってきて、
成田空港で同じ場所で同じアナウンスを聞いたらやっぱり聞こえないんですよ。
やっぱりわからない。
そのときに初めてわかったのは、
僕がワーキングホリデーに出発する前にわからなかったのは、
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やっぱり音質の問題でね。
音質の問題で、つまり音が良くないから聞こえなかったということなんですね。
なので一年ワーキングホリデーでカナダに住んでね、
20歳の頃のまだ耳も柔らかい時点のときに行って戻ってきて、
それなりに自信のある時点でもその同じアナウンスがよくわからなかったというのをちょっとそういうことを思い出しました。
あともう一つ思い出したのは、
今僕インドにいるんですけど、
インドの前がカナダにいたんですね。
カナダのアルバータに大木さんという日本人の一世ですね。
日系人の一世と言ったほうがいいかな。
日本生まれだけど成人する前だったかな。
にカナダに渡って、
そのときに話していた時点ではもう50年カナダに住んでいる。
英語圏に住んでいるという方で、
その人はトーストマスターズでずっと活動していらっしゃっていて、
すごいスピーチとかも上手なんですよ。
英語のスピーチね。
例えばスピーチコンテストの大会で、
その人に好評とか頼むとですね、
出場者のスピーチとかよりも全然レベルが高い好評なんですよね。
話のつかみとかもあって、
盛り上げもあって、
すごい拍手を喝采されて、
スピーチコンテストの出場者よりも一番大きい拍手を得てしまうという人なんですけど、
とにかく英語がすごい上手。
僕から見ると本当にネイティブレベルって思っているぐらい。
そういうぐらいのレベルの方なんですけど、
その人が急に英語がわからなくなっちゃったということがあって、
それでどうしたんだろうと思ってね。
もうやっぱり年だからしょうがないのかなみたいなことをおっしゃってたんですよ。
それも80歳を超えているぐらいだったんでね。
ところがその方が補聴器を使うようになったらまた英語がわかるようになったということなんですね。
なのでその方もご自分では英語がわからなくなった理由がよくわかってなかったんですよ。
つまり補聴器を入れたら英語がわかるようになったということは
要するに英語能力に問題が出て聞けなくなったんじゃなくて
耳の方の物理的な生物学的なあるいは医学的な耳の能力が落ちて
それで英語がわからなくなっていたのに
ご自分ではその理由がわかってなかったということがあるんですね。
すみません。もう一個言っていいですか。
同じカナダにいたときに
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僕はアルバータ州というところにいたんですけど
アルバータのホームスクーリングのイベントに出たことがあります。
カナダのホームスクーリングの組織というのは
基本的にはセキュラーという世俗的なあまり宗教色がないところと
宗教的な意味でホームスクーリングをしたい
つまり進化論とかを教えたくないという
そういう人たちでこの人たちは反ワクチンとかも結構つながっちゃってて
やばい人たちなんですけど基本的に
その2つに分裂されているんですけど
アルバータだけはそれが分裂してなくて
すごく巨大なんですよ。
組織自体もすごい巨大なんですけど
でも逆に言うと
僕みたいにそんな宗教的なことにあまり関心がない
宗教的なというのは
つまり進化論を子供に教えたくないから
だからホームスクーリングするとか
そういうことには全然興味ないんですけど
でも大会に行くといろんな発表があって
やっぱり両方の発表があるんですよ。
やっぱり宗教的な発表のときは
僕はあまり興味ないんで
だいたい後ろの方に座って聞いてたんですね。
そうすると全然わからないんですよ。
やっぱりそのときは
自分がそういうキリスト教の単語とかがわからないから
それで言っていることがよくわからないのかなと思っていたんですけど
ちょっと何か事情がよく覚えていないんですけど
前の方に移動して
次の発表が宗教じゃない発表だったからかな
宗教的な発表の途中で前の方に移動して
そしたらスピーカーが前の方にあるんですよ。
すごい巨大な部屋なので
やっぱり反響もあるんですけど
スピーカーもすごい大きいスピーカーを使わないと聞こえないような
そういうところなので
前の方に移動したんですね。
そしたら急に興味がない宗教的な方向の
発表の英語がわかるようになったんですね。
そのときにもやっぱり
プレゼンテーションの英語が全然わからなかった理由が
反響しているからであって
特に別にキリスト教の内容だからわからなかったわけではなくて
音質の問題だったということが
移動して初めてわかるようになった
その理由に初めて気がついたということですね。
そこまでが僕の個人的な体験なんですけど
ここから言えることは
僕の個人的な体験だけではなくて
カナダの大きさの話とかも考えると
やっぱり聞き取れない理由というのは
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そのときは自覚できないことが多いということなんですね。
聞き取れるようになって
そこから初めてあれが問題だったんだなということが
わかるようになるということなんです。
最近僕いろいろ
このムラスペでもお話してますけど
脳科学の本とかいろいろ読んでたりすると
やっぱり脳の中で
すごく複雑な処理を自動的にしているんですよね
僕たちはね。
それで脳が勝手に解釈した結果しか
意識の方に聞こえてこないというのがあると思うんです。
それでその途中の処理がうまくいっているかどうか
というのは
それが意識的にはモニターできないということなんですよね。
なのでそれで
例えば音響の問題で聞こえなかったとしても
その理由が自分にはわからないということなんです。
だけどこれはですね
その語学のレベルによって
それが聞き取れる範囲
レベルが変わってくるわけですね。
さっきのJLPTの話でも
インド人の先生方というのは
同じように反響する
聞き取りにくい環境でも
全然問題なくお互いの英語が
理解できておしゃべりしているわけですよね。
ホームスクリーンの大会でも
僕みたいな日本人の
カナダ人じゃない
英語のネイティブではない人間にとっては
聞き取れないけど
別に普通のカナダ人にとっては
それも問題なく聞き取れていると
そういうことがあります。
これがですね
やっぱり
こういうことっていうのは
僕だけではなくて
かなり普遍的にあることで
例えばですね
CFRとかJFスタンダードの
レベル分けにも
はっきりこれが現れているんですね。
これはJFスタンダードの資料なんですけど
さっきね
ムラスペの
ハッシュタグ付きで
ちょっと投稿しておいたんで
もし見たことがない人
行動中心アプローチとかに
あまり縁がなかった人は
それを見ていただければ
分かると思うんですけど
Can Do Statementの中の
例えばC1レベルの
指示やアナウンスを聞く
っていうところにですね
そこの条件のところに
聞き取れないほど音質が悪く
歪みがあっても
っていうそういう条件の
ところがありますね。
ちなみにその
Can Do Statementを書くときは
4つの要素を入れるのが
一般的で
1つがこの条件っていうときですね。
あとは場面とか話題とかですね
それが1つと
あとはもう1つは対象って言って
どんな日本語なのかってことですね
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この場合はアナウンスとか
そういう日本語ですけど
それに対して
あと4つ目が行動っていうので
それが聞くとか
プレゼンテーションするとか
相互にやり取りするとか
そういう行動が入ります。
その条件のところを見てみると
今みたいにC1レベルで
音質に関わるところがありますね。
母語話者とやり取りをするっていう
そういうカテゴリーの
B2レベル
B2のレベルでも
騒音の多い環境でも
騒ぐ音
ノイズの
騒音の多い環境でも
っていうそういう条件
っていうのが入っています。
これは母語話者とやり取りをするの他にも
社交的なやり取りをするっていう
そういうカテゴリーの中でも
カテゴリーっていうか
キャンドルのところにも
同じことが書いてありますね。
騒音の多い環境でもっていうのが
これがB2レベルなので
少なくとも僕の
聞き取りのレベルで言うと
B2とかC1でも
C1とかB2でもできないことがある
というのが分かります。
なので少なくとも僕の
英語の聞き取りのレベルも
意外と低いB1レベルが
ちょっとかなりびっくりするんですけど
でもB2とかC1とか
ちなみにこういう聞き取りは
音質のいいところだったら
もっとハイレベルなことも
キャンドルにいっぱいできるので
そういう意味では
別に僕の英語の聞き取りレベルが
B1ということではないです。
なんですけど
キャンドルの中の
騒音の多い環境でも
こういうことでも
耳の悪い人にとってはできないことがある
ということはあると思います。
これが自分の母語の場合は
僕にとっては日本語ですけど
それが聞き取れない理由が
分かることもあるんですよね。
むしろほとんどの場合は
聞き取れない理由が分かると思うんですよ。
例えば僕もよく覚えているのは
ベトナムにいたときなんですけど
ここは昼休みに
日本人の同僚で
よく一緒に近くの食堂まで
歩いて行ったりしてたんですけど
そうすると
食堂まで歩きながら
同僚と話すのは
すごい大変だったんですね。
なんでかというと
ベトナムは今は違うかもしれませんけど
それ10年以上前なので
15年くらい前なので
当時はまだすごいノイズがあって
道端でクラクションとかもあるし
要するに路上はすごくうるさくて
僕の聞き取り
日本語ですよ。
これは日本語で話してたんですけど
それでも
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とにかく会話するのが
僕にとってはすごい大変だったんですよ。
聞き取れなくて。
でもそれも
同僚の中にはそこでも全然なんなく
問題なく話している同僚もいたので
僕は日本語に関しても
このうるさいところで聞き取るというのは
かなり耳があまり良くないというのは
もともとあるとは思うんですけどね。
これが聞き取りのときだけで
読解のときはそういうことがないのかというと
その辺もかなり
実は脳の補正とかがあると思います。
例えば
目の視野の一部が欠損する病気というのがあるんですよね。
緑内症とかそういうので。
そういう人たちの症状として
物が見えないということを
言う人はないんですよ。
初期の段階ではね。
そうじゃなくて突然人が現れる。
今まで見えてなかった人が突然
現れてぶつかったとかということが
あったりするんですけど
それも実は自分の視野の中で
見えてない部分がかなりあるんですよ。
もう盲膜がダメになっちゃってて
実際には見えてないんだけど
でも脳が勝手に補正して
周りの風景とかで
そこの見えてない部分を補正して
見えているように僕たちの脳に見せているので
だから実際にはそこに人が外から歩いてきて
実際には視野に入るところにいても
その人の姿に気がつかないで
急に見えるところにその人が出てきて
ぶつかってしまうということがあって
それで初めて緑内症に気がつくということも
あったりするわけですね。
なのでそういう意味で
実は目もかなり補正の解釈をしている
というのは確かだと思います。
ただこれが読解とか文章を読むときには
さすがにそこの補正まではしてくれていないので
なので日本語の本とかを読むときには
そういうことはあまりないかもしれません。
だけど僕が個人的に思うのは
なんとなく読書量が減ったなというときには
何かが変わっているんですよね。
例えばKindleも
昔は端末で読むことがすごく多かったんですよ。
端末の方が読みやすくて
端末でいつも読んでいたんですけど
なんとなく端末で読むのが読みにくくなっていたらしくて
端末で読む量が減っていたというのがあります。
それがアプリとかでは読んでいたりしていたんですけど
でもある日急に
ダークモードというのを端末の方でも使うようにしたら
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つまり黒い背景の中に白い色で字外読めるような
そういうふうにしたら急に読みやすくなって
また読書量が増えたということもあります。
こういうふうにですね
やっぱり目でもかなり補正とかをしているので
なんか読みにくい状況のときには
なんとなく読書量が減っていくという感じで
それが現れるんだと思うんですね。
だけどそれがですね
やっぱりその問題を排除して
また読めるようになるまでは
その理由に気がついていないということが
結構あるんじゃないかなというふうに思っています。
なので今日は特に
懲戒のことに関してお話ししましたけど
学習者もそれを同じように
いつもそういう問題を抱えていると思います。
だけどその問題を解決しようとして
聞き取れない理由は何かということを
いくら考えてもその本人には分かっていない。
いくら考えてもというか
質問してもその本人には
それが分かっていないということがよくあるので
そういう意味ではちょっと今日ご紹介したような
Can Do Statementのリストとかですね
そういうのを見るのももしかしたら
そういう問題に気がつくための
ひとつのきっかけにはなるかもしれないな
というふうには思いました。
あとやっぱり日本語教師の方が
こういうことに気がつくには
やっぱり自分で第二言語を勉強してね
それにもちろん僕は上手じゃないので
僕みたいなレベルでもいいと思うんですよ
だけどそういう自分で苦労してみる体験というのも
必要なんじゃないかなというふうに思っております。
それでは今日もだいぶ時間になってしまいましたので
本日のムラスペはここまでとさせていただきたいと思います。
本日もムラスペにご参加くださいまして
ありがとうございました。
今日の聞き取れない理由は分からないという
こういう音声配信ムラスペについて
ご感想とかありましたら
ぜひムラスペのハッシュタグ付きで
ご共有いただければと思います。
それでは本日も良い一日をお過ごしください。
そして冒険は続きます。
23:32

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