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2022-10-31 20:31

日本語教師にとっての新海誠の新作「すずめの戸締まり」

新海誠さんの新作アニメ勧めの戸締りの小説版を読みました。 日本語教師にとっては日本文化を紹介するためにもとても役に立つ作品なのではないかと思います。

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今日お話ししたいのは、「スズメのとじまり」という本ですね。
これは本というよりも、新海誠監督の新作のアニメの小説版ということです。
ストーリーは多分同じだと思うんですけど、こちらが原作というわけでもないし、
あるいは映画の小説版という、いわゆるノベライズという立ち位置でもないようですね。
両方とも同時に作られたという感じだと思いますね。
これを話そうと思ったのは、今までも「君の名は…」の時からかな。
2作前の「君の名は…」の時も、それから前作の「天気の子…」の時も、新海誠さんの。
その時も、僕もですね、やっぱり海外在留だったりするので、
映画を見るよりも小説を読む方が楽でかつ早いわけですよね。
なので、2回ともそういう感じだったので、しかも今回も。
2回とも小説としても非常に面白かったので、今回もそういう感じでダウンロードしました。
すぐに発売されてすぐにダウンロードしたという感じですね。
ちょっと皆さんにお伺いしてみたいんですけど、今まで新海誠さんの映画って見たことがあるでしょうか?
見たことがある人はハート、見たことがない人は涙のマークでリアクションいただけますかね、どうでしょうか。
僕はね、結構大体、もうほぼ全部見てるんじゃないか。
ハートのマーク、今ハートマークだったのか。ちょっと一瞬ですよね。
目がちょっと合わなかったんですけど。
僕はね、大体は映画見てると思いますね。
あれだけ見てない、最初の星の声だけ見てないんですね。
2作目からはもう全部見てると思います、確かね。
じゃあね、まずちょっと最初にこの本の具体的なデータをちょっとご紹介しますけど、
タイトルは小説っていうのが入ってます。小説、雀の閉じまり、それがタイトルになってますね。
門川文庫から出ていて、著者は新海誠さんです。
いわゆるゴーストライターとかじゃなくて、自分で書いたというふうにはっきり書いていますね。
評価は今のところね、まだ出たばっかりなんですけど、それでも55個の評価があって、
5つ星のうちの4.5が平均になっていますね。
マイナスの人、低く見てる人もやっぱりちょっと期待が高すぎたというか、
多分これを新海さんが書いてない普通のラノベとかそういう感じで読んだらすごく面白いというふうに思うんじゃないかと思います。
電子版、Kindle版が673円で、文庫版は746円というふうになっていますね。
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本の長さは293ページです。結構読みやすい感じの量だと思いますね。
発売日は2022年の8月24日ですね。
なのでちょうど2週間くらい前かな。そんな感じになると思います。
でも2週間前なのにもう55個の評価がついているというのはやっぱりすごい注目されているということですよね。
この本の内容について、今日はネタバレなしというお約束なので、
この商品ページに書いてあることをまずご紹介しますね。
以下引用です。
九州の静かな港町でおばと暮らす17歳の少女、岩戸すずめ。
ある日の登校中、美しい青年とすれ違ったすずめは、
すずめって読んだほうがいいんですかね。
すずめは扉を探しているんだという彼を追って山中の廃墟へとたどり着く。
しかしそこにあったのは、崩壊から取り残されたようにぽつんと佇む古ぼけた白い扉だけ。
何かに引き寄せられるようにすずめはその扉に手を伸ばすが、
やがて2本各地で次々に開き始める扉。
その向こうからは災いが訪れてしまうため、開いた扉は閉めなければいけないのだという。
星と夕日と朝の空と、迷い込んだその場所にはすべての時間が溶けあったような空があった。
不思議な扉に導かれ、すずめの閉じまりの旅が始まる。
新海誠監督が自ら執筆した原作小説ビックリマーク。
はい、これで引用終わりですね。こういう感じです。
でね、表紙ももちろんAmazonとかで見ることができますけど、
表紙もアニメ調というか絵が描いてあってですね、
その絵は廃墟になっている町の中に湖のような水面が広がっていて、
そこに扉だけポツンと立っている。
だけどその扉に、普通は建物に扉ってついてるわけですけど、
建物がなくてただ扉だけが立っている。
その扉の手前にポニーテールの女の子が後ろ姿で立っている。
そういう表紙になっていますね。
で、その女の子は椅子を持っているのがちょっとわかります。
それからワークブーツ。
ワークブーツっていうね、ワークマンとかで売っているような、
そういうブーツのゴツイやつを履いているっていうね。
それから足元には白い猫がいる。
そういうイラストが表紙になっていますね。
これね、読んだ人はみんなそれぞれが何を意味しているのかってのはわかるんですけどね。
ちょっとネタバレにならない程度に内容に関しても、
舞台はどういう舞台かとかそういうことをご紹介してみたいんですけど、
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舞台は現代の日本です。
100年前に東京で大きな地震があったって、
それは明らかに関東大震災のことなので、
関東大震災は1923年だから、
2023年とかそのぐらいの現代の日本だということがわかると思いますね。
だけど、そういう現実社会が舞台なんだけど、
現実にはありえないようなことが起きてくるわけです。
そういう意味で、トトロとか千と千尋とか、
そういうのも最初現実社会が舞台なんだけど、
そこに現実じゃないファンタスティックなことが起きるという、
そういう意味では似ているものだと思いますね。
だけど、例えばスマートフォンとか、
新幹線とか富士山とか、お茶の水駅とか、
そういう現実的な社会もたくさん出てくるということになっていますね。
主人公の名前が岩戸すずめってさっきも言いましたけど、
この岩戸っていうのは、
たぶん岩戸って言ったら普通の一般人とか、僕もそうですけど、
普通の日本人にとっては天の岩戸ですよね、思い出すのはね。
天寺相美神が隠れてしまった天の岩戸を思い出すと思います。
それも結構象徴的に、この物語に関係してくるんじゃないかなと思います。
でね、今日はですね、これが日本語教師にとってどういう意味があるかということで、
ちょっとご紹介したいんですけどね。
まずね、一番大事なことはやっぱりね、
これ読みたがる学習者が絶対多いということですよね。
で、新海誠って言ったら、君の名はとか天気の子で、
非常に有名な、海外でもとても有名で、
そこで初めて日本のコンテンツを見て、それで日本語学習を始めたという人もすごくたくさんいるわけですよ。
なので、特に今の若い日本語学習者のニーズというか、
そういうのはとてもたくさんあると思うので、
まずこれを読みたい、これの映画を見たいと思っている人がすごくたくさんいる。
しかも、非常に残念なことにインドのAmazonとか、
アメリカのAmazon.comではまだKindle版も読めないんですけど、
本当にちょっと理由がわかんなくてね。
でも少なくとも日本のAmazonからはもうこれダウンロードできるわけで、
海外に住んでいる人もね、僕みたいにもう読めるわけですよ。
なので、そういう情報というのはどんどん広がっていくので、
そういう意味でこれを読みたいという学習者はたくさんいるはずなので、
しかもこの本で日本語を勉強したいという人も多分出てくると思います。
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あともう一つは、やっぱり日本の伝統的な価値観とか、
あるいは歴史とか地理とか、そういうこともかなり勉強になるわけですよ。
ちょっと日本の伝統的な価値観というのは後で詳しく話しますけど、
例えばこれ一種のロードムービーなんですよ。
一種というか本当にロードムービーなんですよね。
僕が読んでいるのは小説版ですけど、
だけど映画としては典型的なロードムービーで、
同じ場所に全然いない。
最初と最後だけ同じ場所なんですけど、
でも基本的にはずっと旅行してるんですね。
なので海外には行かないです。
日本の国内だけですけど。
でも日本の九州の田舎の方とか、
それから四国とか神戸とか大阪とか東京とか、
最後の方には東北地方の方にも行くんですね。
そういう意味でいろんな日本の地理的な勉強にもなるし、
それとそれぞれの地方で現地の人と接触して、
いろんな生活を垣間見るようなシーンもあります。
例えば愛媛県のみかんの農家に泊めてもらうシーンとかもあるし、
それから大阪のスナックで泊めてもらって、
お世話になるようなシーンもあります。
それから東京の皇居も出てくるしね。
それと同時にやっぱり時代性っていうのはすごくあるんですよね。
逆に言うと僕から見ると、
今の若い人にとってはこういうふうに見えるのかって思うようなシーンがすごくたくさんあって、
かつてのバブル時期にできた遊園地とか廃墟とかがすごいたくさん出てくるんですよ。
だけど当然主人公の岩戸すずめさんは高校生なんでその時期を知らないわけですね。
なのでそういう時代感覚っていうのもすごく海外の人には勉強になると思いますし、
日本語教師はこれを通してそういうことを伝えることもできるわけですね。
あと乗り物とかも出てきますよ。
フェリーとか、基本的にはロードムービーなんでね。
車も出てくるんだけどたくさんね。
だけどフェリーとか新幹線とか普通のお茶の水駅発着してるからなんだっけこれって。
中央線になるのかな。
そういうJRとかの乗り物もたくさん出てきます。
だけどそれがちょうどいい具合に、あんまりそれに依存してないんですよ。
例えば西村京太郎とかの鉄道とかの推理小説読むと、
やっぱりあんまり電車のこと詳しくない人にはちょっと難しいですよね。
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僕もそうだったんですけど。
だけどそれほどストーリーには、そういう現実のレアリアには依存してないので、
わからなくても十分楽しむことはできると思いますね。
最初にこの伝統的な価値観について勉強になるという話もしましたね。
それがすごく中心的な感じです。
そういう意味でも隣のトトロとか千と千尋の神隠しとかね、
そういうものに非常に通じるものがあります。
隣のトトロではトトロが池の主みたいな感じで現れて、
あれ山でしたっけ、木ですよね。
クスの木の主みたいな感じで現れてきてましたし、
千と千尋の神隠しにも大根の神様とか、いろんな川の神様とかね、
博っていうのが琥珀川っていう川の主だったりしましたし、
そういう感じでアニミズムとか仏教とか、
仏教も日本の伝統的な価値観ですよね。
あと神道とかそういうものがかなり入り混ざったような、
そういう伝統的な考え方、そういうのを触れることができます。
こういうのは僕は今インドに住んでいて、
インド人にとってはそれほど、もともと仏教なんてインドから出たものですから、
日本独特っていう感じではないかもしれませんけど、
でも少なくとも日本人が日本の伝統的な宗族とか、
そういうふうに思っていることについて勉強するっていうのは、
とても価値があるんじゃないかと思います。
そういう意味で、例えば君の名はもね、
主人公の女の子の方がどっかの神社の巫女さんかなんかでしたよね。
それでお酒を作ったりするシーンもあったりしました。
お祭りで特別な意味のある踊りを踊るシーンとかもありましたよね。
あと天気の子でも、確か最初にビルの屋上に神社があって、
その神社の鳥居をくぐる瞬間に世界が変わるっていう、
そういう感じがありましたよね。
なので天気の子のあの鳥居のイメージと、
この本に出てくる廃墟に残されている扉っていうのが、
すごくイメージ的に近いものがあると思います。
ただしちょっとね、
後半ね、かなり今までのものとだいぶ違うのは、
ちょっと災害っぽいところがかなりあるんですね。
自然災害が。
特に関東大震災の話も最初にしましたけど、
そういう東日本大震災とか、
その辺にPTSDとかをお持ちの方は、
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もしかしたら見ない方がいいかもしれないと思うところはあります。
これはあくまでも文章だから、
映像的にどうなるかはわからないんですけど、
文章から見る限りはかなり激しい、
かつ具体的な生々しい描写とかもありますね。
死体とかそういうものはないんだけど、
でもその燃える街とか、
水が飲み込んでいくようなシーンとか、
そういうところもちょっと出てきますね。
だけどその中でもね、
そこはちょっと気をつけた方がいいところですね、確かにね。
かつ海外でも津波とかの被害に遭われている方はね、
クリスマスの時の大きな津波とかありましたよね。
あれとかも含めて、
そういうのは海外の方にもいらっしゃるので、
そこはちょっと気をつけた方がいいかもしれないですね。
これがさっき日本の種族とかに結構関わるということで、
一つ予習しておいた方がいいかなというのは、
仮名名詞というものですね。
仮名名詞というのは、
ゲームとかには結構いろいろ出てくるんですけど、
僕もちょっと最近プレイしたVRのゲームとかにも、
この仮名名詞って出てきたんですけどね。
この映画でも非常に、
この映画って僕が読んだのは小説ですけど、
このスズメの閉じまりでも、
仮名名詞というものが非常に重要なアイテムとして出てきます。
それでそれを、
ちょっともうwikipediaでググってみると、
こんな風に書いてありますね。
以下引用です。
仮名名詞は、
茨城県鹿島市の鹿島神宮、
千葉県香取市の香取神宮、
三重県伊賀市の大村神社、
宮城県上町の鹿島神社に存在し、
地震を沈めているとされる、
大部分が地中に埋まった霊石、
幽霊の石って書いてある霊石ですね。
中でも鹿島神社の仮名名詞というのは、
これもwikipediaによると、
非常に深く埋まっているらしいんですね。
地上の露出部分というのは、
十数センチの高さしかないんですけど、
それが非常に深く埋まっていて、
徳川徹君って、
水戸公文の徳川徹君いますよね。
彼はいろいろ、
現実には古墳の発掘とかもしたことがあるんですけど、
でもその仮名名詞ね、
仮名名詞の周りを掘らせたんだけど、
一日中掘っても全然、
ずっとそれが柱みたいに下まで伸びていて、
一日中掘っていても、
その一番下の部分に到達することができなくて、
日が沈んで中断すると朝までの間に、
全部元に埋まっていたとかですね。
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その後ですね、
そういうことが二日続いて、
今度は休まないで、
昼も夜もずっとぶっ通しで、
7日7晩掘り続けたんだけど、
それでもそこに達することができなかったとかですね。
そういうようなことが、
事実かどうか分からないんですけど、
徳川徹君の話として残っているそうです。
あとはですね、
結構いろんな話のオマージュとかも出てくる、
他の作品のオマージュとかも出てくるのも、
ちょっと楽しいところですね。
例えばですね、
グリム童話のカエルの王子様とかね、
それはもういろんな形で、
いろんな作品に出てきますけど、
あと魔女の宅急便とかは結構面白い。
魔女の宅急便なんていうセリフは出てこないんですけど、
例えば旅立ちの時にですね、
登場人物の一人が、
ルージュの伝言か、
ルージュの伝言っていうのをかけてですね、
そこに猫もいるしとか言ってたりするんですね。
明らかに魔女の宅急便にお意識しているようなところですね。
あと僕たちの世代の人にとっては、
かわいなおこの喧嘩をやめてとかね、
ちょっと覚えてる人もいると思いますけど、
そういうのをかけるシーンとかもあります。
そういうのがですね、
全部竹内マリアとか松藤弥生とかがですね、
全部ひとまとめになって、
昭和歌謡っていうふうに呼ばれてるんですね。
その辺もね、
これってもう全部昭和歌謡なのね、
というふうにちょっと驚いたりしました。
今日はですね、
ネタバレなしでお話ししたので、
ちょっと本当に取り留めのないお話になってしまいましたけど、
個人的にはですね、
この本は僕はとっても面白かったです。
なので、
ぜひですね、
日本語教師の皆さんには、
映画を見るのもいいと思うし、
この原作小説を読むのもいいんじゃないかと思います。
僕はお勧めします、すごくね。
じゃあもしですね、
リスナーの皆さんもですね、
この本を読んでみたいとか、
あるいは映画を見たいというふうに思ったら、
ハートのリアクションをお願いしたいと思います。
それではですね、
本日もムラスペにご参加くださり、
ありがとうございました。
今日のね、
このスズメの閉じまりについて、
ハートマークありがとうございます。
今日のこのスズメの閉じまりについてですね、
ご感想とかコメントとかありましたら、
ぜひ、
ムラスペのハッシュタグ付きで、
ご共有いただければと思います。
それでは本日も、
良い一日をお過ごしください。
そして、冒険は続きます。
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