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2022-09-21 20:44

入試は足切りとくじ引きしよう

今日の音声配信ではマイケルサンデルの「実力も運のうち:能力主義は正義か」(https://amzn.to/3xE32Aw)という本に提案されている受験改革についてご紹介しました。

--- Send in a voice message: https://podcasters.spotify.com/pod/show/murasupe/message
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今日お話ししたいのは、乳歯は足切りとくじ引きにしようということですね。
これを話そうと思ったのは、Twitterの方にも書きましたけど、
マイケル・サンデルという人が書いた、実力も運のうちという本を出張中に読みまして、
そこの中に書いてあったアイディアだからなんですね。
皆さんにも聞いてみたいんですけど、乳歯をくじ引きでやるというアイディア、
僕はあまり聞いたことなかったんですけど、こういうアイディア皆さん聞いたことありますかね。
もし乳歯をくじ引きでやるというアイディア聞いたことがある方いらっしゃいましたら、
ハート。なければ涙でリアクションいただけますかね。
これは良いアイディアだなと正直思っているんですけど、これは全く聞いたことがなかったです。
まずこの本についてご紹介しておきますね。
この本のタイトルは、表紙のデザインでいうと、実力も運のうちというのが大きく書いてあって、
その後もうちょっと小さい文字でサブタイトルっぽく、能力主義は正義かというふうに書いてあります。
著者はマイケル・サンデルさんですね。
これからの正義の話をしようとかそういう本がかなり売れて、
日本でもファンの方が多い方じゃないかと思います。
これは今1017個の評価レビューがついていて、5つ星のうち平均が4.2になっていますね。
なのでかなり評価が高いと思います。
Kindle版は2178円ですね。
この他にオーディブル、つまりナレーターの方が読み上げているそういうバージョンもありますね。
本の長さは391ページなのでそれなりに読み応えがあります。
僕が読んだのは日本語版の翻訳なんですけど、その翻訳が出たのは2021年の4月ですね。
だから1年半くらい前に出た本ということになります。
まずこの本の商品ページに書いてある宣伝を
少し長めになりますけど引用しますね。
以下引用です。
ハーバード大学の学生の3分の2は所得規模で上位5分の1にあたる家庭の出身だ。
にもかかわらず彼らは判例をしたように自分が入学できたのは努力と勤勉のおかげだという
人種や差別、出陣によらず能力の高い者が成功を手にできる平等な世界を私たちは理想としてきた。
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しかし今、能力主義がエリートを傲慢にし敗者との間に未曾有の分断をもたらしている。
この新たな階級社会を真に正義にかなう共同体へと変えることはできるのか。
非常人気哲学教授が現代最大の難問に挑む。
これで引用終わりですね。
この本に書かれていることの一つは受験の二つ主な解決策が提示されていて
一つが受験の改革ですよね。
もう一つが労働の尊厳を取り戻すということなんですね。
だけど僕には正直労働の尊厳を取り戻すというのがあまり具体的にどうすればいいのか
そんなにはっきり書いてあるように僕には読み取れなくて
読める人が読んだらこれはとても具体的だと思うのかもしれませんけど
僕には正直労働の尊厳を取り戻すというのがいまいちピンと来なかったです。
だけど教育に関係している仕事をしている生もあって
こちらの受験の改革の話は僕は非常に面白いと思いました。
とても具体的で面白いと思いましたね。
この本で書いているのは
特に学位のない白人男性が貧困になっているということが
僕にとってはとてもここまで来ているのかというのは
正直びっくりだったというのがあります。
なのでそこをまず引用してみたいと思うんですけど
とても短い文一つですけど
一人当たり所得は1979年から
すみませんこれはアメリカの経済の話ですね。
一人当たり所得は1979年から
85%増えたものの
4年生大学の学位を持たない白人男性の実質的収入は
今では当時よりも減っている。
というふうに終わりです。
こういう部分がありました。
これは本当にびっくりしましたね。
白人男性以外の人は85%
もっとですよね。
平均が85%ということは
白人男性以外の人は
下手したら100%以上増えているということですよね
1979年の時に比べて。
白人男性も入れて
それで85%増えたということになっているわけです。
だけどその中で
4年生大学の学位を持たない白人男性の
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実質的収入は減っているというわけですから
これはものすごい
比較するとすごく
全体の中では少し減ったというだけではなくて
ものすごいガクンと落ちてしまっているという
そういうレベルじゃないかと思います。
逆に言うと
僕から見ると
アジア人とか黒人とか
そういう人たちはもともと
差別されていたので
不当に低かったというのがあるわけですよね
不当に収入が低かった人たちが
収入が増えたということは
それは僕は望ましいことではあると思うんですよ。
そこで
マイケル・サンデルが
逆に言うと
学位のない白人男性が今までは優遇されていた
ということの裏返しなわけですよね。
それがマイケル・サンデルが
あまりにもゼロではないけど
すごく批判していないというように
僕には見えるので
そこはすごく気になったところです。
だけど実際には今まで優遇されていた人たちが
優遇されなくなってきた
出自だけで
肌の色と性別だけで
能力がなかった人が優遇されていたのが
それが優遇されなくなってきている
それが大きな問題につながっているということですね。
今のことだけ言うと
それは悪いことだと言っているように聞こえると思うんですけど
でもそれがやっぱり能力主義の面ですよね
能力イコール絶対と考えていると
それが確かに悪いことだということになるんだけど
でもその能力主義自体が間違っているんじゃないかというのが
マイケル・サンデルの主な主張ですね。
だけどそうではなくて
つまり学歴のなかった人たちも
白人男性だというだけで恵まれていたのが
今回はそれが能力主義になっているので
学歴とかには過剰に偏ってしまって
しかも普通の人たちは学歴で
学歴の高い人が世の中を支配するとか
学歴の高い人が
社会的に優遇されるのは正しいことだと思っているけど
でもそうでもないんじゃないかということが
特にこの本の前半の方に
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すごくいろんな例とかも入れて書いてあります。
正直僕もこの本を読むまでは
それは能力主義の方が人種差別よりはいいじゃんと思っていたんですけど
でも人種と同じように能力というのも
やっぱり自分では変えられないものがかなりあるわけですよね。
この間先週たくさん紹介した
生まれが9割の世界をどう生きるかという
そういう本でもかなり書いてありましたけど
それに似ていることがこの本でも結構データで書いてあります。
そのうちのいくつか
どうすればいいのかという対策の一つが
面白いことは私立大学が
ちょっとここ以下引用してみましょうね。
エール大学の法学教授で能力主義の不平等を批判している
ダニエル・マコービッツならさらに厳しい提案をするだろう。
私立大学は理想的には入学者数を増やすことによって
少なくとも学生の半数を所得規模の階3分の2から入学させない限り
非課税対象から外すべきだとしているからだ。
これで2割ですね。
要するに教育機関は非課税になっているんだけど
でもこういう差別を
お金持ちの人だけを入学させるようなことになってしまっているので
そうじゃなくて貧困層から半数を
合格者の半数を貧困層から入れるべきだと
そうしない限り非課税対象から外す
つまり税金をかけるようにしようという風に
そういうアイデアも紹介しています。
それよりかなり抜本的な改革が
今日タイトルにしているくじ引きの話ですね。
ここをちょっと引用してみますね。
ここで私って書いてあるのはマイケル・サンデルのことです。
以下引用です。
私の提案はこの意見を真剣に受け止めるものだ。
4万人超の出願者のうち
ハーバード大学やスタンフォード大学では
伸びない生徒、勉強についていく資質がなく
仲間の学生の教育に貢献できない生徒を除外する。
そうすると入試委員会の手元には
的確な受験者として残るのは3万人
あるいは2万5千人か2万人ということだろう。
そのうちの誰が抜きに出て優秀かを予測するという
極度に困難かつ不確実な課題に取り組むのはやめて
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入学者をくじ引きで決めるのだ。
というふうに書いてありますね。
ここで確かマイケル・サンデルは
ハーバードの先生だったと思うんですけど
そこの2千人しか合格できないんですよね。
なので4万人受験して2千人しか合格できないということは
たった5%しか合格できないわけですよね。
これが今の状況だと上からの順位付けで
2千番目になるかあるいは2千1番目になるかで
合比が変わってしまうわけですよ。
しかもその基準というのは一定ではないわけですよね。
それはどうしてかというと
2千1番目の人がどのぐらいのレベルになるのかというのは
それより上の人たちが
どれだけ多くの人がもっと自分より上のレベルかどうかというのは
受験者が集まってみないとわからないわけなので
合格基準も要するに一定ではないというわけですね。
だけどさっきのマイケル・サンデルの前半のところですよね
要するに勉強についていく資質がない人とか
仲間の学生の教育に貢献できない生徒を除外するというふうに書いてありますね。
これ要するに足切りの話ですよ。
こういう足切りがまず最初にあるということになると
受験対策の目的が足切りで落ちないようになるという
それだけになるわけですよ。
それからあとはもうくじ引きで運ですよね。
運任せなのでそれはもう努力してどうなるものでもない。
能力でどうにかなるものでもないので
なので受験対策の目的が足切りで落ちないようになるという
それだけになるわけですね。
それがさっきの2000番目になるかあるいは2001番目になるかという
それを争うようになると
ほんとに他の人との競争になってしまうわけですよね。
要するに実力をつけるかどうかという
それ以外にも例えばその大学の出題傾向の分析とか
あるいは面接でどう答えればいいかとかね
そういう本質的な学びとか本質的な成長とかとは
全く関係がないとても不毛な争いを
受験生がしなければいけなくなっているわけです。
今のところはね。
だけどそれがその足切りを
能力の判定としては足切りをするだけですよという風にすると
その辺が全くなくなるというわけですね。
ということは要するに
足切りされないレベルに到達している人たちは
もう受験対策から解放されるということです。
受験勉強しなくていいということですよね。
これが例えば僕は語学の教育に関係しているんですけど
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英語で足切りされないという人がいたら
もうそれ以上受験対策しなくていいので
しかも受験対策というのは
要するにアカホンで
それぞれの大学の受験対策を見たりということを
しなければいけないわけですけど
そういうのじゃなくて
もっと本当にコミュニケーションしたい人とコミュニケーションするとか
自分の読みたい英語の本を読むとか
あるいは自分で英語で情報を発信するとかですね
そういう本当のコミュニケーションのための英語とか
そういうことが勉強できるようになるわけです。
これはもう本当に日本の教育をすごく変える改革になるんじゃないかなというふうに思います。
それはあくまでも僕が教育に対してくじ引きにすると
教育の内容が変わるというすごくいい効果があるということなんですけど
だけどマイケル・サンデルが主にここでそれを言っているのは
そういう面じゃないです。
それについてはマイケル・サンデルはほとんど何も書いてないですね。
何も書いてないです。
ちょっとだけ書いてあるのは
高校生活が多少はマシになるだろうみたいなことは書いてありましたけど
要するに教育改革につながるということは
マイケル・サンデルはほとんど書いてないです。
だけどマイケル・サンデルがどうしてそれがいいのか
そうするべきだと言っているかというと
やっぱりIBリーグとか日本でいうと六大学とかありますよね
そういうところに入るというのは一つの成功というふうに
自分でも思うだろうし世間の人もそういうふうに思うわけですけど
でもそれが自分の成功が
自分の能力のおかげではなくて幸運のおかげだということが
明示的に示されるということですよね。
それがもともと大学に入れるというのは
遺伝的な幸運とか
もともとくじ引きなんですよね遺伝的な幸運とか
あるいは親ガチャというのもありますよね。
なので本当にもともとくじ引きみたいなものなんだけど
それが今見えにくくなっているので
しかもくじに当たった人はそれを全くくじ引きに当たったと思ってないわけですよね。
自覚がないわけです。
だけどこれが大学入試をこうやってくじ引き
本当にもう明示とともにくじ引きにすることで
それが明示的に示されるわけですね。
それが本人以外の人だけが今までは知っていたようなところはあるかもしれませんが
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それが本人にとっても自覚できるようになる。
それが今の能力社会の分断を防ぐというか
回復することにつながるというのが
このマイケル・サンデルの主張になります。
それが主なマイケル・サンデルの主張なんですけど
先週ご紹介した生まれが9割の世界をどう生きるかという
そういう本に書いてあると
ソーセージ研究というのは双子の方のソーセージですけど
双子の比較の研究で
同じ遺伝的に資質を持っていて
かつ同じ家庭を持っている家庭の双子で
一覧性のソーセージですね。
それで片方が名門校に行って
片方がそうでもない名門でもない学校に行ったということ
そういう二人を比べると
実は障害年収は変わらないという結果になっているんですよね。
なのでそれを考えると
こういうことをしなくても
もともと有名大学に行くこと自体が
実はそんなに大した意味がないので
まずはそこから考えてもいいんじゃないかなと思います。
つまりくじ引きにするというのは
一つの受験対策を
意味がない受験対策を無効化するという意味でとてもいいんですけど
だけどそもそも受験する意味だってそんなにないわけですよね。
有名大学に行っても行かなくてもその後の成功というのは
実はその学歴にはあまり直結していないという
そういう研究結果もあるので
そこから考え直すのもいいんじゃないかなという
そういう必要もあるんじゃないかなというふうに僕は思っています。
すみません今日もだいぶ時間を過ぎてしまいましたので
本日のムラスペはここまでにさせていただきたいと思いますけど
今日の入手は足切りとくじ引きだけにしようという話につきまして
コメントとか感想とかそういうものがありましたら
ぜひムラスペのハッシュタグ付きでご共有いただければと思います。
それでは本日も良い一日をお過ごしください。
そして冒険は続きます。
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