1. 向井蘭の『社長は労働法をこう使え!』
  2. 第91回「質問:履歴書で「健康..
2017-05-02 16:18

第91回「質問:履歴書で「健康状態:良好」と記載。その後、メンタルヘルスが発覚した場合、詐称になるのか?」

第91回「質問:履歴書で「健康状態:良好」と記載。その後、メンタルヘルスが発覚した場合、詐称になるのか?」
弁護士の向井蘭が、経営者の立場に立って、労働法の基礎だけでなく、ビジネスに関する法律の問題をわかりやすく解説する番組です。
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向井蘭の社長は労働法をこう使え 法律の下で展開されるビジネスの世界
ポッドキャスト社長は労働法をこう使えは、弁護士の向井蘭が経営者の立場に立って、経営者が知っておくべき労働法の基礎だけでなく、
ビジネスに関する法律の問題を分かりやすく解説します。
こんにちは、縁田岡崎です。向井蘭の社長は労働法をこう使え、向井さん、本日もよろしくお願いいたします。
はい、よろしくお願いします。
さあ、前回に続きまして、同じ方から、外資経済学校室を全部統括している方ですかね、ご紹介をしたいと思います。
履歴に関する質問もすべきとありましたが、そちらもどのように調べたら良いか知りたいです。
履歴書に健康状態良好と記載あったが、実はメンタルヘルス、新型うつであった場合など、
佐症になるのでしょうか。目に見えない病は本人は苦しく、世間からも理解されず、気の毒ではありますが、
中小企業にとって働かないのに、給料を支払わないのは大きなリスクです。よろしくお願いいたします。
はい、これはね、まさにもう、そう、同じような環境の
多いでしょうね。多いんじゃないですか。多いと思いますね。
ズバリ回答あるもんなんですかね、これは。一刀両断の解決方法はないですね。
前回とは違って。前回とは違ってない。前回もね、
まあ、万能とは言えないですよね。こういう問題、なかなか、
万能の回答はちょっと、難しいですけど。
前回はね、人を採用する時の職歴紹介は、
在籍証明書をもらうというのがいいよねってお話だったんですけど、
今回はね、この病歴に関する質問。
で、病歴聞いていいんですかと、よく質問を受けますが、
原則として構わない。構わないというか、国は悪いともいいとも言ってないんですよ。
特にガイドラインないんですかね。
判決からいきますと、少なくとも、
雇い入れる際にですね、予定している仕事をする上で、必要な健康チェック、
これは合理的な範囲で許されると。そういう判決があるんですよ。もう十数年前のやつ。
ですから、今、雇い入れの前に健康診断を受けるっていうのは結構、
大手企業だったら当たり前だと思うんですけど、それ自体は問題なくて、
やっぱり中身ですよね。
何をチェックするかってことですか。
例えばこれも昔の裁判例にありますけども、HIV。
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HIVの実は血液検査をしていて、それを理由に不採用にしてしまったと。
そういう事例がありました。
やはりHIV自体は、今でも偏見は残ってますけども、
当時なんかね、もうほんと不治の病で、大変社会自体がパニック状態になってましたよね。
だったんですよ。昔ね。
僕、小学校の中の時に初めて出てきた言葉があると思う。エイズっていう。
フライデルだかフォーカス。
週刊誌に、戦争のある不治の病に必ず死ぬエイズ。
これが日本にやってきたってなって、すごいパニックになったんですよ。
警察、警視庁の裁判だと思いますけども、無断で調査してたんですよね。HIV検査。
警視庁が?
警視庁が。
個人に対して?
うん。警官の採用にしました。
それで問題になったんですけど、今もHIVも別に発症さえしなければ、ずっと長生き寿命を全うできる。
マジック・ジョンソンって知ってます?
はい。
知ってます?
さすがに知ってます。
マジック・ジョンソンだって今でも全然元気。この前僕、YouTubeで見ましたけど。
YouTubeか。
またYouTube。情報源YouTube。
まるであったかのように喋るかと思いが。
元気でしたよ。
元気でした。
なんか、バスケット…
過去の動画じゃなくて。
過去の動画じゃない動画じゃない。
元気?元気?
ちょっとかなりぽっちゃりして、ちょっと年取ったかな?みたいな感じですけど、全然元気に活躍しつつ。
チャリティーイベントか何かの、マジック・ジョンソンだと思って。
だから、偏見につながるような業務に関係のない情報はダメだ。
例えば、弁護士業務なのに色毛検査をやるとか、関係ないじゃないですか。
あとはB型肝炎、C型肝炎、これも基本的には同意なく検査をすることはできない。
ガイドラインがあるんですよ。
それは何でかって言ったら、別にウイルス保持してたとしても、肝炎ウイルス、仕事できますからね。
治療すれば、重症になるってことは少ないんですが、それも今は禁止されている。やらないことが多いはずなんです。
で、問題がメンタルヘルスですよね。
まさにね、この方おっしゃっている。
でも一番そういう意味で言うと、仕事をする上で検査する合理性はありそうですけど。
そうですよね。だってこれなくなるからね、会社にね。
非常に会社としては困りますよね。
なので政府もこれだけ社会問題化してずっと時間が経っているのに、全然採用のメンタルヘルスに関する情報の収集というかね、ガイドライン出さないんですよ。
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僕は意図的に出さないんだと思うんですよね。
プライバシーも大事だけど、会社としても全然残業が多い職場なのに、何人も質問しちゃいけない。
これもまたお互い不幸じゃないですか。
健康、黙って入社しちゃうから、残業できると思って残業してもらったら急に入院しちゃうとかね。お互い不幸ですよね。
だからおそらくコーセルド省は様子を見ようということになっているんだと思うんですよね。
僕の見解は、健康科を聞くこと自体は問題ないと思うので、例えば通院している病院はございますか?何か服用している薬はありますか?
これかこのぐらいは問題ないと思うんですよね。
そうするとやはり診療内科クリニックとか通っている場合は、そりゃ通ってますと。本当は言わないといけないですよね。
でもやっぱりご質問にいただいた通り、やはりご本人も苦しんでいて言えないと。
で、やっと仕事ができるようになったらやはり体調崩して告白すると実は通ってましたと。
そうするとこれは職歴差症と同じように健康差症じゃないかと。劣化のごとく起こる経営者の方も多いわけですよね。まさしくそうですよ。
法はどうなんですか?法的な合理性としては。
これがね、裁判例がないんですよ。
ないんだ。なんでないんですか?
僕が思うにやはり話し合いで解決できてると思います。
というのはやはりご本人も嘘ついたってことは苦しい、やましいと思ってるから苦しんでるはずなんですよ。
ですので、いやちょっとそれ困りますよと何も言わなかったじゃないですかと向井さん。
で私たちも困るんですよねと健康だって言われたのに。
ってなるとやはり退職の方にお互い話し合って合意ができるんじゃないかなと思います。
ですから口頭で聞くしかないし、簡単なチェックリストで現在通院しているクリニックありますかと。
まあ過去1、2年でもいいですけどね。そんなに大昔はちょっとやりすぎだと思うんですけど。
一生涯かかった病気を教えてくださいとかね。そんな関係ないじゃないですか。
だけどその範囲で聞いて回答をもらって記録をしていて、虚偽がわかったら交渉するとそれを材料に。
でまあにやめていただくと。これは問題ないと思いますよ。ほとんどそれで解決できてますね。
なるほどね。
で期待可能性がない。僕これはもう全然先例がないから期待可能性がないと思うんですよ。
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変な日本語なんですけどこれは刑法上の言葉で、おそらくドイツかどこかから輸入してきた言葉だと思うんですけど。
どういう概念ですか?
オム心理教でいろんな犯罪行為を犯しましたよね。その中でリンチ殺人事件ってあるんですよ。
要するに誰かを殺さないと、お前と浅原将校さんのAと、お前Bを殺せ俺の前で。
お前AがBを殺さない場合は、俺がAを君を殺すと。だから今Bを殺しなさいと。
っていう事件があったはずなんですよ。ちょっとうろ覚えですけど。で結果的に殺しちゃったんですよ。
障害致死だったか忘れましたけども。それで訴訟になって、もちろん刑事訴訟になって、その中で期待可能性がないんじゃないかという議論が出たんですよ。
要するに人の命を謝めるっていうのは違法行為なんだけども、じゃあ裁判官と、あなた同じ立場に立ってAさんの立場に立って、私はできないと言えるんですかと。
言ったら殺されるんですもんね。そういう手段でしたよね。それも全然嘘に聞こえないですよね、大げさにね。
っていう事はあって、緊急避難とも言うんですけども、期待可能性っていう言葉でも議論されていて。
で、期待可能性、違法行為をしたんだけども、期待可能性がないから本人にそういう適法行為をする。責任がない。したがって無罪と。
無罪にならなかった気がするけど、確か。うろ覚えでこんな適当な。
あくまで期待可能性の概念としての説明という意味で。
はいはい、ウィキペディアが何かに書いてると思いますから、興味がある方は調べていただいて。
それはそのケースが無罪だったかどうかは奥にしろ。奥にしろ。
刑事上それは犯罪だけども、期待可能性は責任はないってことですか。
犯罪というか違法行為なんだけど、責任がないので、犯罪としては最終的には成立しないっていう理屈があるんですよ。
へえ、へえって言いながら、確かにそれはそうかみたいなところもありますけど、なるほど。
で、このケースは?
このケースも確かに嘘を言ってますよね、明らかに。
そうですよね。
悪いことじゃないですか。
隠してるわけですかね。
隠してますよね。で、嘘を言ってますよね。
で、経営者は何も悪いことをしてない?
してないしてない。
本当に健康かどうか確認してるだけですか。
だけど、経歴差症、健康状態の差症に当たるそういうやりとりだけども、本来だったら嘘ついて入社してるんだから解雇して当然。
だけども、じゃあ経営者、あなた偉そうにしてるけど、あなたが同じ立場だったらどうですかと。
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仕事を探して必死になって探して、やっと健康に不安を抱えながら面接に臨んで、やっと希望の触手で仕事が見つかったみたいなね。
そういう時に本当のことを言えますかと果たして期待できますかと。
はあ、そういう論点。
僕はそう思ってるんですよ。お客さんにはそう言って、怒ってくるから相談に。
これ当然解雇ですよねと。
いや、わかりますと。だけど、罪を憎んで人に憎まずじゃないけど、やっぱりちょっと難しいんですよと。
これで一発解雇は僕の感覚では。話し合いで、やましいと思ってるから大体、話し合いで社長さん、経営者の方、交渉していただかなくてもいいと思いますけども、人事スタッフの方でもいいと思いますけども、解決するのでぜひやってみてくださいと。
言うともう解決しますよ。
うーん。
うーん。っていう感じですね。いずれでも裁判例が出るんじゃないかと思いますね。
ああ、なるほどね。
でもそうするとちょっと整理ですけど、大事なのはやっぱり事前にちゃんと健康状態のことは聞いとくことは重要ですね。
そう、おっしゃる通り。それ自体はやっぱりやらないといけないんですよ。
それがないと嘘ついたかどうかはね、残んないですもんね。
それを結構避けて通る。特に今人手不足だから、採用する側がむしろ来てほしいからね。
うんうんうん。
言いづらかったりするんですけど、今ちょっとどこか悪いところありますか?と病院に通ってますか?っていう事態は、それはやった方がいいんじゃないかなと。
なるほどですね。これちなみになんですけど、ダイレクトにメンタルヘルスとかうつ病みたいなことになったことはありますか?とか、今ですか?って聞くほうがあんまり聞けないと思うんですけど、聞くのってどうなんですか?
それ難しいじゃないですか。過去をずっと制限せずにこれまでっていう意味ですか?
そうですそうです。
これはちょっとやりすぎじゃないかと思いますね。
だって今と必ず再発する可能性とか気にされてるんだと思いますけど、それは可能性の問題であって必ず再発するわけじゃないから、それはちょっと聞きすぎじゃないかなっていう気がしますけどね。
まずこういう問題ね、普通の弁護士避けたがるから、情報発信してるの僕ぐらいですよ。
怖いじゃないですか。しかもここまではっきり言うのは僕ぐらい。だからこうやってご質問いただいた。おそらくいろんな実務所買ったと思うんですよ。だけど答えが書いてない。僕だけですよ、こんなはっきり。
名言してるのか。
リスクを変えりみず。だから質問していただいてるんですけども。
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でも正直に答えてくださったわけですね。
どういえばお気持ち。やっぱりね、お互い不幸になるから。そこはやっぱり今の健康状態をお互いに認識した方がいいと思うんですよね。
まあというわけで、しっかりと事前にちゃんと面接の時とか面談の時とか確認はしておくけども、ちゃんと残しておいた方がいいわけですね。
その上でもし出てきちゃった時には一発開口というやり方ではなくて、話し合いにすると。
ぜひまた何かご質問があればいただきたいと思いますね。
はい、わかりました。
本日もありがとうございました。
はい、ありがとうございました。
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