1. 向井蘭の『社長は労働法をこう使え!』
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2018-10-04 20:32

第165回「長時間労働による運送業の大規模営業停止!」

第165回「長時間労働による運送業の大規模営業停止!」弁護士の向井蘭が、経営者の立場に立って、労働法の基礎だけでなく、ビジネスに関する法律の問題をわかりやすく解説する番組です。
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向井蘭の社長は労働法をこう使え 法律の下で展開されるビジネスの世界
ポッドキャスト社長は労働法をこう使えは、弁護士の向井蘭が経営者の立場に立って、経営者が知っておくべき労働法の基礎だけでなく、ビジネスに関する法律の問題を分かりやすく解説します。
こんにちは、遠藤和樹です。 向井蘭の社長は労働法をこう使え、向井先生本日もよろしくお願い致します。
はい、よろしくお願いします。 さあ前回に続きまして、今日もですね、ちょっとあのある事件と言いますかね、世の中にいろいろ今、
労働関係で出回っている話がありますので、持ち込み企画ということでやってまいりたいと思います。
さあ、内容の方です。はい、長時間労働が社会的に問題にされることが増えてきていて、そうですねこの番組でもずっと。長時間労働は経営上も非常に問題があるということは申し上げているんですが、
なかなかピンとこないことも多いし、長時間労働じゃないとうちはやっていけないと
いうことも多いですね。私の事務所も人のこと言えないんですけど、努力はしていると。 努力をやっぱり知ってもらうためには具体的な事例を知っていただく必要があって、今回
同じ業界であれば、運送業界なんですけどね、運送業界の方であれば
身につまされる、非常にシビアな話をさせていただきたいと思います。
どういう内容かというと裁判じゃないんですね。裁判が陰で起きている可能性もあるんですが、裁判ではないんですね。裁判ではなくて、要は
運送業の場合、 拠任課行政、一応
監督官庁が国土交通省で運輸局が直接の規制をかける側の役所なんですけども、営業停止処分を場合によってはすることが可能になります。
営業停止というと、なかなか普通の方はピンとこないと思うんですけども、一定の累積違反点数、運転免許と同じで点数が重なっていくと
営業停止処分がどんどん重くなっていって、一番ひどいときは許可の取り消しと、こうなっていくんですね。
運輸局から出るんですか?
そうです。それで今回ご紹介するのは、台数でいくと300台ぐらいと聞いています。
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300台ぐらいが、なんと営業停止30日間、1ヶ月、300台30日営業停止しても、お金にするとすごいお金ですね。
そうでしょうね。軽く数千万ですか?
数千万じゃ効かないですよね。
人件費とか入れたら?
そうですね。売上が入らなくて、結局休業補償払うから、1億円は余裕に超えますね。
300台?
約300台の30日間。これがですね、とても厳しいですよね。
1ヶ月分の売上がゴソッとなくなって、かつ人件費は休業補償払わないといけない。資金ショートして倒産してもおかしくないですよね。
それは現実におきまして、理由が経営者の不祥事とかね、そういうことであれば仕方がないんですけども、長時間労働なんですよ。
ここに来て?
これは日本の労働行政とか運送業もそうなんですけど、長時間労働で規制がかかるのはどういう場合かというと、厳しい処分が下るのはどういう場合かというと、やっぱり死亡事故なんですよ。
過労死案件、もしくは過労運転案件、過労で居眠りしてしまった、もしくは脳梗塞、脳出血、もしくは心筋梗塞で亡くなってしまった、これが長時間労働が原因である場合ですね。
この場合厳しい処分が下ることが多いんですが、この案件はですね、この300台30日の営業停止は、これは2人亡くなってるんですね。
実際に亡くなってるんだ。
要は1人亡くなった後に、当然運輸局も調査に来ます。その後、努力はしたんだけど、まだ亡くなっちゃったんですよ。それでこの大々的な営業停止処分が起きたんですね。
そういう元々過去の累積みたいなところがあるんですね。
それで実は、じゃあいい加減な会社かっていうと、名前は申し上げられませんが、真面目な会社なんですよ。
いろんな記事とか、公開されている文書とか読みますと、真面目な会社ですね。
調べたら、ここでは言わないにしろ、出ますよね。
出ますね。真面目な会社なんですよ。
じゃあ、なんでそれだけの台数があって、大きな会社で真面目なのに、こういう悲劇的なことが起きたかっていうと、これがちょっと前を振り長くなりましたけども、今日の放送で言いたいことは、
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私ね、ちょっと誤解してたところがあって、運転手さんは長時間労働だけど、それなりに待遇がいいということで仕事をしていることが多いと思ってたんですね。
ところが、このインターネットの記事とかでいろいろ調べていくうちに、これどうして2回目の過労死案件が起きてしまったか、長時間労働が起きたかっていうと、
要は1回目の調査、総研で労災申請もあったのかな?で、不安になった運転手が次々に辞めていったらしいんですよ。
人材流出。 そう。だけど別に給料払ってるわけですよ。
不安になって辞めていって、ますますシフトは組めないわけですね。はいはいはい。
悪循環になって、2回目の悲惨な事故が起きちゃったんですよ。
一人当たりの悲惨がまた増えて。 要は経営者の方、ちょっとどう考えてたかわからないけども、給料払えば
来るだろうと、働いてくれるだろうと、こう思っている節はあるんですよ。長時間労働の業界って。これはまあ私どもも、私弁護士業界もそうですけども、
ではないんだよね。もう大丈夫かと、この会社と。
長時間労働でこんな大々的な調査が入って、社名も公表されて、
スッといなくなるんですね。 それでも負の連鎖が止められなくなって、
お客さんの仕事を断ればよかったんですが、断りきれなかったんですね。 そこで2回目の悲劇的なことが起きちゃって、
1ヶ月まるまる事業停止になっちゃったんですね。 要は何が言いたいかというと、長時間労働の業種であっても、一度問題が起きちゃうと、
どんどん従業員がいなくなっちゃうんです。 一度そういう評判とか調査が入っちゃうと、
会社の存続が危うくなる。 あと今回のやっぱりポイントは、仕事を断らなかったんですね。
これ1回目のこの事故が起きた時に、これは他人事だから言えますけど、 仕事を断る。もしくは値上げ、お願いする。
これをやるべきだったんでしょうね。 ところが僕、働き方改革って経営者の問題が大きいと思ってて、
値上げと仕事を断る。なんかどこかで聞いたことありません? ありますね。
あるコンサルタントですか? うん、なんとかは断ることを覚えなさいとかね。
絶対儲かるなんとかの法則とか。 なんとかの仕組みですか? なんとかの仕組みか。
なんかどこかで聞いたことありますね。 でも働き方改革ってそれができないと無理なんですよ。
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会議減らす?iPad使う?そりゃまあ、ないよりはマシだけど、
そんなんで変わらないから、やっぱりもう打ちできませんと。 もしくは値上げしてくださいと、もう限界ですと。
これ言えるかどうかなんですね。 この2つはどっちも経営者はやりたくないんですよ。
で、簡単なのは大変失礼だけど、やっといてくれと。 僕なんかもそうですよね。
いや、先生と、このお客さん、 めちゃくちゃなこと言ってくんですと。
うるさいんですと。 納期が厳しいんですと。
こういう時2つ道があります、経営者として。 1つは、もうつべこぶ言わずやっとけよと。
もう一つ、わかったと。 まあしょうがないと。じゃあ言ってみるかと。お客さんにと。
どっちが辛いか。 当然後者ですよね。仕事なくなる可能性あるから。
何もお母さん言ってんのと。 うちも仕事でお願いしてんだから、そんなんだったらもう契約切るよと。
こう言われる可能性ありますよね。 でもこれができないとダメなんですよ。
長期で見ると。 これができないと結局全員不幸になるわけですよ。
で、私がその業界、お客様に聞いているところは、 やはり断りきれなかったんですね。
この断れないっていうのは日本人以上に多いですけど、 改めないとダメですよね。
もうできません。その値段でできません。 値上げお願いしますと。
そうじゃないと引き上げますと運転手。 これができるかできないかなんですね。
これができないと結局は莫大な、まあその巨人化事業ですね。 こういった事業であれば。建設業も同じですね。
建設業も過重労働で人が亡くなれば同じような処分が十分ありますね。 できるかですね。
だからそのコンサルタントのね、方有名な。 値上げ先生ですか?
値上げ先生はやっぱり心理ついてますよね。 断って値上げする。これができれば楽ですよね。
確かに。 でそれ従業員できるか?できないですよね。
社長しかできないじゃないですか。 これ後編で言うとね、不評が浮かぶんですよ。
あ、そうですか? そりゃそうですよ。なんだお前と。できるんだったら俺苦労しねえよって途端に顔に出ますよね。
でもまあ嫌われるでしょうと私これ言えばね。 だけど
マスコミも言わない。同業者も言わない。 結局こう悲惨な目にあってる社長さんが山ほどいるわけ。
私運送業で調べたんですよ。今回営業停止の事例。 あのプレスリリースしてますからね今。
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いっぱいあんだよ。 いっぱいあんの。
30日だったらまだ普通かな。 100日とか平気でありましたよね。もう終わりだよね。
体力だけでは。 だから
私の働き方改革に運送業のお客さん来ないのよ。
だって嫌なことしか言わねえから。 嫌なこと聞きたくないじゃないですか。
来るのは大企業と社長士の先生と同業の弁護士だけ。 できる人もしくは仕事になる。
本当に耳の痛い聞いた方がいい方が意外と。 いやもちろん痛いでわかってるよお前っていうのは十々承知でも
ちょっとした決断の遅れでもうあっという間におかしくなる。 こういう事例がこれから加速度的に増えるでしょうね。
で外国人労働者は運送業にやっぱ解禁まだ遠いんですよ。 まだまだ先なんですよ。農業
最近介護ね。 製造業昔から外国人労働者道を開きつつあって安倍政権もついに規制緩和に乗り出してるんですけども
運送業だけはもうビクともしないですね。 だけどもう無理ですよね日本人だけで
日本の物流も壊れてるというか 引っ越し知ってます?今引っ越しできないの?引っ越し難民。
無くて? もう大手なんか個人の見積もりを受けないからね。 そんな感じなんですか? 昔見積もりサイト使って電話して安くできる。
企画サイトでねやりましたよね。 無い無い無い。えっその値段できませんうち終わり。
引っ越し難民。 えっそうですかでも私ちょっと転勤の時期迫ってました。いやうちこの値段じゃできないんですよと
まあ最低この値段ですね2倍のお金。 へぇー。そりゃそうですよいないんだもん人。
ここ最近ですか? 今年、今年特に言われてる。3月4月なんか引っ越しなんですよ。
あららら。 通常料金の1点何倍?2倍とか。
元々マーケット破壊しすぎて安すぎでしたからね。あんだけ人使って。 でもそれでもねもうギリギリまでデフレの影響強かったけども全く逆ですね今は。
今は一定の法人顧客以外は もし断る。
できないできないできない。 あ、そうなんですね。
いずれ運送業界もそうなるんじゃないですか。 あの値上げ値上げになるはずですよ。
まあでもそれが決断できていないようなところが今かなりの数 行政処分受けているというのがしかも長時間労働の観点でやられてるってことなんですね。
そうだその従業員がいなくなっちゃうっていうのは僕もびっくりして 行政処分まあ社長大変だよなそんなんじゃないんだよね
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えっ何送検された? 何だ報道でうちの会社名前出てるじゃんと危ないじゃないのと
転職する今のうちって。 でも売り手市場で運転手足りないかったらそれはそういうの出たら転職しますよね。
転職詐欺いっぱいあるから。 でやっぱ肌で感じるわけですよ。これ仕事うち回ってないよなって
俺もしんどい社長もしんどいけどこれやばくないかとわかるんだよね。 そうすると
敏感な社員からどんどん辞めていく。 給料もらっても。優秀な社員から辞めるっていうのはそういうところですね。
もうよりどりみどりでしょ 運転手さんなんか
いや怖いねー これあの
陸運局から行政処分受けるんですよね。そうですけど労働法の話って厚労省じゃないんですか? そうそういい質問ですね
これ重なるんですよ。これ何でかというと今でこそ労基標が運送業にも厳しく適応してますけども前は
陸運局が事実上労働時間管理してたんです。管理っていうか規制っていうか 労働時間じゃないです。運行時間管理基準告示かな
名前忘れちゃったけど有名な通達があるんですよ。 その要は高速時間は何時間までとか1回あたり何時間までとかね
そういう基準があるんですよ。これをまあ大幅に超えてるわけですね。 それで行政処分が下るんですね
運送会社の社長さんが労基標を気にし始めたのはまあ最近ですよね。それよりこちらの許認価の方が怖いから
運行管理基準の方がすごく短かったんです。 ところが弁護士さんから内容証明来たり労基標が来たり
えっとそっちもうち問題なの?って気づいたのがまあこの10年ぐらいじゃないですか
だから本当に長時間労働の業種って大変ですよね。 じゃあ労基法に基づいた観点で陸運局が行政処分を出してくるんですか?
労基法じゃないんですよ。これ労基法じゃないんだ。 労基法じゃないんだ。貨物運送法ですね。
貨物運送じゃないな。 貨物運送者事業法に抵触する
そういうことですか? そうなんですよ。
なんだけど運行時間イコール労働時間だから。 休憩あるなしはちょっと置いておいて
かなりかぶりますよね。そうなんだ労働問題イコールその許認価に影響しちゃうんですよ
なるほどそういうことか労働局からの 通報がきっかけとしてそういう話になってくるんですね
今は出入国管理局も労基書とつながっているし今は陸運局も労基書とつながっているんです
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お互い情報を交換しあっているんです。特に出入国管理法違反で外国人労働者の長時間労働とか
今回みたいな死亡事故これはお互い情報共有するまあなんかおそらく内部ルールあると思います
縦割り行政と言われてたと言われてたんだけど 今はもう死亡事故とかそういうまあ難民じゃないは外国人労働者の問題は
情報共有早いですよ 連携して協力してやってるんです。そういうことなんですね。そうなんですよ
まあこんなのねお前に言われなくてもとは思うんだけど 現実から逃げれないですね。経営者であれば
ですのでまあ私は断る値上げする まああのね有名な
AI先生の本は売ってますからね
あんま無双教のこと書いてないけど 値上げと断ることを覚えて
でもヒントになるんじゃないんですか?
このままで言ったらねあの名前言いましょうかねググれなくなっちゃいますけどね 石原明さんですよね
経営コンサルタントのねその本を読んだらいいんじゃないかってことですね と思いますはいすいません
というわけでね今回有双教の行政省軍というところからちょっと怖いトーンでずっと喋っていただきましたけど
すいませんねでもちょっと心配になって
前回もねDDとはまた違って話の幅広いのを
ちょっとね遊びみたいな
遊びじゃない真剣ですけどね
というわけでね今回こういう話がありましたのでぜひ皆さんもチェックしていただけたらなと思っております
はいというわけで本日もありがとうございました
ありがとうございました
本日の番組はいかがでしたか
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