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2022-09-30 12:02

第373回 「基本給6万円は不当」引っ越しのサカイ社員らが改善訴え

第373回 「基本給6万円は不当」引っ越しのサカイ社員らが改善訴え

弁護士の向井蘭が、経営者の立場に立って、労働法の基礎だけでなく、ビジネスに関する法律の問題をわかりやすく解説する番組です。

番組への質問はこちら↓↓

https://ck-production.com/podcast/mukai/q/
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こんにちは、遠藤嘉杉です。向井蘭の社長は労働法をこう使え。 向井先生、よろしくお願いいたします。
さあ、ということで、今日も行きたいと思いますが、前回の労働問題、あるある労務相談、なかなか生々しい会をさせていただきました。
そうですね、本当に大変ですよね。
経営者が大変だなという気がしましたが、そんな中で今回のテーマ、質問をいただいたのが、これご存知なんですかね。
基本給6万円は不当、引っ越しのサカイ社員らが改善訴え、という記事をご質問の方に投稿いただいて、
この記事に関して、向井先生の見解をお聞かせください、というご質問がいただいております。
いやー、あの、突然ね、ネットニュースとか報道番組で、基本給6万円は不当、引っ越しのサカイで働く、引っ越し作業員の方々、みたいな、そういうニュースが出たんですよね。
そうなんですね。私は存じ上げてませんでした。
ああ、そうですか。基本給6万円ってそれは低すぎるよ、みたいな、だいたいそういう声なんですけど。
さすがに不当だろうと。
裏があって、それを解説したいですね。
はい。
これは状況の背景としては、まず背景どういう感じなんですかね。
背景はですね、引っ越しのサカイっていうのは、実は最大手なんですよ、今。
あ、今最大手なんですか。
最大手になった。
ああと引っ越しを抜いたと。
業績も良くて、コロナで落ち込みましたけど、非常にですね、財務体質と利益率も業界内では高いですね。
私頼んだことあるんですよ、サカイさんに、引っ越しの時、頼みました。
どうだったんですか。
すごかった。
どっちだろう。
いや、もう効率手際。
要は家族の引っ越しなんで、めんどくさいものいっぱいあるんですよね。
で、もう荷物が多くって、ギブアップ半分してたんですけど、段取りがあって、
まずその梱包部隊って人が何日も前に来て、ひたすら梱包をやる人っていうプロの人が来て、
あと引っ越し部隊の人が来て、物を持ってくるんですけど、
もう瞬時に順番を段取りして、指示を出して、
一気に部屋とか養生し始めてね。
で、ささっと終わらして、次の現場に行きましたね。
あ、これ、このレベル何本やるのって思いましたね、瞬時。
確かに、サカイの方々は本当にプロを感じますよね。
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で、料金も、まあ激安じゃないけど、
なんかこれだけ手間かかって、この金額だったら助かるなっていう。
いや、すごかった。
ちょっとCMのイメージがね、吉本新喜劇みたいなCMのイメージなんですけど、
全然合理的な、すごい仕事の仕方でしたよ。
そんな、サカイ引っ越しセンターではありますけれども、
今日はね、基本給6万が不当という方の角度の話になってしまいますが。
じゃあ、あなた方どのぐらいお金もらってんのって思うじゃないですか。
で、肝心なこと言わないんですよ、彼ら。
で、私調べたら、だいたい額面で40万ぐらいもらってる、
30から40もらってるみたいなんですよね。
結構?
いや、もらってるんですよ。
ありますね。
ただ部合だから、コロナで減ると給料も減っちゃうんですよね。
それはちょっと気の毒なんだけど、
稼げるときは40いっちゃうんですよ、正社員だと。
見たらネットの記事。
それは言わないわけね。
そう、で、だからやればやるだけできるし、
昔みたいに長時間労働をサカイはやらしてないんですよ。
できないから、法律で。
で、その中で工夫してやってるんですけど、
僕がね、面白いなーって思ったら、
不当ってしか言わないんですよ。
違法って言わないんだよ。
あー、なるほど、弁護士はそこに引っかかるんですね。
そういうとこに引っかかりますね。
不当だってわけ。
違法って言わないわけ。
で、不当って何って言ったら、
適法なんですよね。
適法なんだけどおかしいんじゃないのってことだから、
サカイさんの賃金体系を研究すべきなんですよね。
引っ越し業界とか物流業界は。
だって業界トップなんだから。
で、これ内部情報はちょっと見つからなかったんですけど、
あ、調べたんですね。
私なりに推測をして計算しましたら、
はいはい、計算までしたんですね。
計算もしたんです。
計算をしたらですね、
これ前も話したと思うんですけど、
部合給の本を書いたから、
要は、部合給、出来高給が高いと、
残業代が減るわけなんです。
出来高給に残業が自動的に一部含まれてますので、
0.25とか0.35とか、
割増し上乗せ部分しか払う必要ないんですよ。
基本給の6万円については、
がっつり1.25とか1.35とか払う必要あるんですけど、
出来高部分については0.25とか0.35でいいんですね。
残業の価格。
そうそう、しかも単価を計算する際は、
残業も含めて割り算ができるから、
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時給が減っちゃうんですよ。
例えばですね、部合給が30万もらってたら、
普通大体月170時間くらい働くんですけども、
創業とか引越し業は、
それをですね、残業もプラスするから、
例えば、170プラス60働いたら230。
230時間で30万割るんですよ。
そうするとですね、かなり減るんですよ。
なるほど、単価がね。
30万を230で減ると、
1,200、1,300ぐらいだと思うんですけど、
1,300円に0.25分しか払う必要ないんですよ。
1時間あたりの残業代が300円ぐらいで済むんですよ。
安いでしょ、300円。
60時間働いても、1万8000円で済むんですよ。
なるほど、今ざっくり計算しましたけど、
170時間と230時間で400円ぐらい違いますね。
3,400円違いますね、単価が。
単価がね。
かつ0.25分しか払う必要ないから、
1時間あたり300円ぐらいかな、
そのぐらいしか払う必要ないんですよね。
そうすると60時間結構働いても、
1万8000円しか残業代発生しないんですよ。
これを言いたいわけ。
だけどこれ適法なわけですよ。
堺さんは考えに考えてこの仕組みを導入したわけですよ。
当然巨大企業ですから、
全てのシミュレーションをね。
もうシミュレーションしつくしにしつくして、
研究しにしつくして、
両規法上も問題ないものを編み出したわけですね。
で、固定給なしでもいいんだけど、
かわいそうだと思ったんでしょうね。
だから6万円にしたんでしょうね。
でも堺さんでも6万円が限界なんですよ。
逆に言うと普通の運送業って、
6万円も払えないんですよ。
基本給を。
私これを声大にして言いたいんですけど、
堺さんで6万円しか払えないのに、
普通の運送業で払えないんですよ。
オール部合にしないと。
って言ってんだけど、
いや、でもね、
本読んだお客様は一部問い合わせきて、
契約して今やってますけど、
部合に切り替える。
でもね、普通の運送会社の人はわからないですね。
中小企業はね。
そういう話なんですね。
ちなみにこれ払えない、
全部部合にしなきゃ無理っていう状態って、
再賃後、要は下らなければ、
月の補償みたいなところってどうなるんですか?
月の補償はね、いやいや、おっしゃる通り。
月の補償は時給なんですよ。
時給で月の補償を行えばいいんですよね。
最低賃金でもいいんですよ。
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補償給。
で、基本の労働時間の、
1日7時間、7時間かけ月の労働をすると、
時給を最低補償にしておけば、
しておけばってなるんですか?
なるんです。
そういうことなんだ。
だから、
だからなんだろうな、意外でしょ。
なので月の補償っていう意味では決まってて、
あとは給与の設計としてどういうふうに、
構造化していくかって時に基本給っていうのを、
とにかく下げれば下げるほど、
計算的には会社の優位になるので、
とは言ってもって中で、
どうにかロックマンをやってるっていうのが、
堺さんなんですね。業界からすると。
そうです。
なるほどね。
ただ、多業界から見ると不当と言いたくなる、
彼らの気持ちも、
やっぱり業界、多業界から見ると、
わからんでもないというのもあるんですね。
わからんでもないんだけど、
ちょっと厚く語りましたけど、
いや、むしろ見習うべき点がありますよと。
ぜひ物流業界、運送業界、引越し業界の方は、
堺さんの研究をするといいと思います。
むしろそっちの観点ですね。
そっちの観点ですよ。
なんで不当っていうのって思いません?
いや、思いません。
思えません。
やっぱ不当なんだ、みたいな。
そんな受け取りしかできない、この、
知力のなさが、漏呈しますね。
普通は、ああいう言葉の使い方はわからないですよね。
そうなんですね。
だから不当って見た時に、
あ、違法じゃないんだ。
じゃあ何が不当なのかって見ていくと、
会社側がそうやって考えたんだなっていう、
そのロジックがわかると。
そうですね。
ところを今日教えていただいたわけですね。
いや、これは非常に、
いろいろと視野が広がる話でしたので、
ぜひ皆さんも向井先生のこの観点をね、
ぜひ学んでいただきたいなと思っております。
ということで、今日はここで終わりたいと思いますが、
次回はですね、質問はですね、
社隆市と伝語市の境界線は?
という質問が来ておりますので、
そちらの方も、
ぜひ楽しみにしていただきたいなと思います。
ということで終わりましょう。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
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