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2017-02-16 20:06

第80回「働き方改革② 各論~賞与の支払いに注意!?~」

第80回「働き方改革② 各論~賞与の支払いに注意!?~」
弁護士の向井蘭が、経営者の立場に立って、労働法の基礎だけでなく、ビジネスに関する法律の問題をわかりやすく解説する番組です。
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向井蘭の社長は労働法をこう使え 法律のもとで展開されるビジネスの世界
ポッドキャスト社長は労働法をこう使えは、 弁護士の向井蘭が経営者の立場に立って、
経営者が知っておくべき労働法の基礎だけでなく、 ビジネスに関する法律の問題を分かりやすく解説します。
こんにちは、遠藤和樹です。向井蘭の社長は労働法をこう使え、 向井さん、本日もよろしくお願いいたします。
はい、よろしくお願いします。
さあ、今日も前回に続きまして、 働き方改革のパート2ということで、
各論の方に入っていきたいと思うんですが、 よろしくお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
具体的にどんな内容なんですかね。
まず、基本級からいきますと、
一つ一つ攻めていきますか。
時間がないので。
ちなみに、大きな枠としてはどうなっているんですか。
各基本級はどうとか、
何とか手当はどう取り扱えとか、 っていう風になっているんですか。
そうなんです。一個一個書いてあるんです。
一個一個教?
一個一個ね、しかも場合分けしてるんですよね。
なるほどですね。
そこをうまく向井先生の方で、 キュレーションというか整理してくださると。
よろしくお願いいたします。
基本級なんですけども、 日本の正社員の基本級って複雑で、
能力に応じて上がっているところと、
年功で上がっているところと、 いろいろじゃないですか。
あとこれまでのキャリアか、 能力とも一致するけど。
基本的には日本は能力と年齢ですか。
能力と年齢ですか。
職務、職能、職務って言っても職能に基づいてるんで、 能力でしょうね。
金属年数と能力がイコールになるという発想ですもんね。
例えば遠藤さんが以前いた会社で、
中途採用の人が来たら、40歳、 技術職っていう人が来たら、
どうやって基本級を決めるんですか。
すっごいざっくり言うと、 全職の年収をベースに、
その年齢の方がその年齢と同じぐらいの 給与の平均とのうまく整合性を合わせていく。
平均っていうのは?
会社内での年齢の平均値と、 全職の年報をちょっと比較してみて、
やっぱり社内と比較するんだ。
社内はもちろんするでしょうね。
同じ40歳、例えば42歳で中途で入ってきて、 その方が全職で1000万で、
42歳以外の方が平均、 その会社の中では大体700万とかするじゃないですか。
この300万はさすがに大問題になるので、 どういうふうにお年玉をつけるかっていうのが議論されるんじゃないですか。
ざっくりでしょ。
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まずその発想自体が、 中国人とか欧米人は理解できないですよね。
そうでしょうね。
この発想を持つので、 外国人作業の時は大変なんですよ。
外国人は絶対我慢できないですよね、その発想は。
そうじゃないと、なんでその大田区の会社の、 私の知らない、一緒に仕事もしたことない人と比較するんだと。
私は転職市場でこのぐらい価値があります。 こういう高校、こういう技術がありますって言っていますよね。
そうですね。
比較対象が転職市場だったりしますよね。
マーケットのはずですよね。
マーケットですよ。
日本の場合その比較対象が社内なんだもんね。
社会主義国家だよね、ほとんど。
まあまあ、そういう捉え方になりますよね。
さっきの事例でいくと、その同じ年代で 一番優秀で年収が高い人と比較するのかな。
どう、中間と一番下ぐらいのだいたい分布を見て。
年齢とキャリアを見て、じゃあこの人と同じぐらいみたいな。
本当に今回特別で採用するときには、 異例措置という形を取ることもあるんじゃないですかね。
ちょっとここはグレーにさせてもらいますけど。
中国企業なんてね、それこそ1500万ぐらいで ボーンて雇っちゃうんですよね。
さっきの事例で言ったら。
外資なんてそんなもんですよね。
その代わりにダメだったらすぐ、 クビっていうか、やめてくれってはっきり言われちゃうけど。
すごく複雑じゃないですか。
今話聞いたって、外国人本当に理解できない。
年齢見たり、経験見たり、能力見たりね。
なので僕は同一労働と一人は場合分けしてるんですよ。
このガイドラインでも、職業経験能力に応じて 支給しようとする場合、基本給が。
2番目は業績成果に応じて基本給を支給しようとする場合。
3番目は基本給について労働者の 勤続年数に応じて支給しようとする場合。
4番目は昇給について、
勤続による職業能力の向上に応じて 行おうとする場合とか。
いろいろ書いているんだけど、
能力なんて比較ができないじゃないですか。
同じ能力に応じて上げてるんだったら、
同じ能力の人は同じように上げろっていう、 同じ基本給にしろってことなんですけど、
証明不可能ですよ、はっきり言って。
不可能。人間の能力なんて。
確かに。
法的にね、法的には。
ですので基本給については、
後で立証責任の話しますけど、
労働者側が、私このくらい能力ありますと 証明しないといけないんだったら、
これは骨抜きになる可能性が高いですね。
骨抜きというの?
証明ができないから。
同一労働、同一賃金っていう証明ができないから、 能力とか。
だからその基本給って、しかも複雑じゃないですか。
いろんな要素が絡み合って。
おそらくちょっとその判断は不可能。
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なるほど。能力ペースでの同一労働、 同一賃金っていう制度自体が
作れないじゃないかってことですか。
成り立たないっていう。
今までの延長戦があるからね。
学歴もあるでしょう、製造業だったら。
高卒、大卒でも給料違ったり。
金属年数、年齢とかでも基本給影響を受けますから。
単純な比較、しかも分割が難しいですよね。
例えば15万の基本給のうち、3万は年功だとか、 5万は能力だとか。
分割できないじゃないですか。
比較ができないですよね、仲授業。
それはできる前提でガイドライン書いてるんですよ。
能力に応じて上昇している部分につき、 部分っていう記載があるんですよ。
部分って分かんないじゃないですか、 普通基本給15万は。
確かにそうですね。
前回言いました年齢給とかありますよね。
金属年数給みたいな。
あれは簡単に比較できるから攻撃されるけど、
能力は実績は今までの日本の長い戦後の積み重ねがあるから、
統一労働統一賃金はよっぽど立証責任というか、 会社が立証しないといけないと。
労働者側は不満さえ言ってればいいと。
会社が自分は合理的なんだと。
統一労働統一賃金になってますと証明しないといけないと。
会社が証明責任を負うような仕組みにしない限りは、
ここは問題になっても会社が勝てるでしょうね。
証明が難しい。
ただし年功は簡単。
年齢給とか決まってるんだったら。
そういうことか。
逆に言うと能力給にしておけば、
ある程度会社側がうやうやにできちゃうっていう考え方もあると。
ありますね。
これは非常に難しいですよ。
本当に能力が同じっていう証明は非常に難しい。
人事制度が同じで、
正規も非正規も同じ登級制度を採用してるとかだったら、
それは簡単ですけど、
そうじゃないから問題になってるわけなんで。
おそらく今のままだと基本給はそんなに使われない。
法的には問題にならないんじゃないかなと。
年功的な要素が攻撃されるんじゃないかなと。
なるほど。
結構賃金制度変える会社が増えると思いますよ。
年功的な要素廃止しようみたいな。
同一労働同一賃金だから。
逆に能力側に振っちゃうと。
そうです。
私はそうなると思います。
私一家会社だったら必ずやる。
面白いですね。
年齢に払う、金属の要素に払うっていう発想が、
世界中でもほとんどないから。
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逆にそれがそのままにしておくと、
いわゆる非正規社員の方々にも年功ベースで払わなきゃいけなくなるんで、
だったら能力に振っちゃって。
なるほど。
じゃないですか。
確かに。
基本給はあまりにも日本の場合は複雑、
いろんな要素が絡みすぎてて、
ガイドラインは絵に描いてお持ちかなと。
ただ年功的なものが残っていることが明らかな人生だったら、
簡単に比較できますから問題になりやすい。
なるほど。
そういう業種業界の方はちょっと気をつけた方がいいかもしれないですね。
醤油も攻撃されやすい。
醤油は一番この中では問題になるでしょうね、今後は。
なんでですかね。
非正規は醤油なし。
こういう契約類型が非常に多いんですよ。
半分くらいそうなんじゃないですかね、僕の感覚では。
でも仕事は同じですよ。
それはもうやめろって書いてあるんですよ、そのガイドラインには。
払いなさいと。
同じような貢献をしている場合は、
貢献に応じて払っている場合は払いなさい。
ほとほぼ定額を払っているような会社さんの場合は、
ちゃんと非正規にも同じ仕事をしていれば払いなさいと書いてあるんですよ。
これはすごいですよ。
これほぼほぼ払わないという選択、そのガイドラインなどないですね。
これはもうかなり醤油を標的にしていますね。
一番買いやすいので。
基本給って蓄積があるじゃないですか。
何十年、十年、二十年、三十年。
やっぱり今すぐ変えろって言ったら変えられない。
ところが醤油って蓄積がないから。
標的に基本的には基づく問題ですし。
ですよね。
これからスタートしますって言ったら結構簡単に、
既得券みたいなものが、これまでの蓄積みたいなものが薄いから。
ゼロベースで一応理屈上は毎回考えるじゃないですか。
だから手当は、手当のうち醤油は本当に槍玉に上がる。
なるほど。
これからおそらく大手小売りとかパートアルバイト、
フルタイムの契約社員の人が多い職場は、
醤油払う会社がのぎのぎ増えるでしょうね。
個人経費の肯定費のインパクト凄まじそうですね。
これはもう本当に今悩んでると思いますね。
考えてなかった。
なるほど。
表紙はですね。
そういうの知ってしまってるから今インターネットとかで。
いずれ要求が上がりますよね。
ユニオン通じて要求するなんていうのも、
十分今後あるんじゃないかなって思うんですね。
なるほど。
醤油が一番。
醤油は本丸だと思います。
本丸ですか。
あとはね、例えば役職手当なんて、
やっぱり非正規雇用の方で役職ついてる人って少ないから、
あんまり問題にならないんじゃないかなっていう気がするんですよね。
なるほど。
あと特殊作業手当、製造業で多いですけども、
危険な作業やってる場合の支給される手当とか、
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後退前勤務の場合の手当とか、
これはやっぱり払わないといけないでしょうし、
もう内部改善されてるとは思うんですよね。
だから手当はあんまり大したことは、
通勤手当、出張旅費、
これもやはりなかなか同じように適用しないといけないですよね。
同じように出張があれば同じようなお金を払いなさい。
これはだって当然。
どうでした前の会社は?
出張旅費、通勤手当とか。
一緒でしたよ。
手当より同じですよね。
今もそんなに問題になってないと思うんですよね。
福利構成も食堂も工場だったら同じですよね。
そうですね。
そんなに問題にならなくて、
問題になるのはやっぱりずばり商用。
これはもう紛争が続出法令化すれば。
各地で。
そうですよね。
僕は安倍政権だからバランスをとって、
一応会社側にも配慮するけど、
何かの証明責任を緩やかにするような規定を入れると思うんですよ。
例えば、
労働者が証明しなきゃいけないと。
同じ能力だと。
同じ業績だと。
だけどその証明の程度はこういう緩やかなものでいいとか、
証明責任あるけど会社は説明義務があると。
会社がこういう理由で同じ能力なんですっていう
具体的理由を紙で出さないといけないと求められたら。
そういう規定を置くんじゃないかと思います。
そうすると攻撃しやすいじゃないですか。
例えば向井さんは溶接のこれとこれとこれができないんで、
遠藤さんはこれとこれができるんで、
基本級は違いますと。
いや、僕これもできますよと。
証明で簡単じゃない?
そういうふうに下駄を吐かせるんじゃないかと思います。
今はもう結構証明責任の問題が
労働者側と会社側でかなり隔たりがある。
乗っけてないんですよねガイドラインは。
なるほど。
白か黒か分からないと勝つ方負ける方っていうのが証明責任なんですけど、
今のところはちょっと分からないんで、
それがどうなるかでだいぶ変わるんじゃないかなって気がしますね。
ものすごいド素人の質問なんですが、
証明責任っていうのは?
例えば僕が、どうしようかな。
痴漢をしましたと。
山手線でね。
最近例が。
例がちょっとおかしいですけど。
痴漢しましたと。
ところがしてないと言い張ると。
してないと言い張ると。
で、された女性は顔が見えなかったと言ってると。
例えば下着を触ったと言って手からは下着の繊維が取れなかったと。
15:05
だけど斜め横にいる大学生が目撃してたと。
混雑した列車の中で。
そうすると無罪判決になること多いんですけど最近はそのぐらいだったら、
白か黒か分からんという事態になりうるじゃないですか。
学生が言ってることを信用すれば黒だけど、
私の言ってることとか不的証拠がない被害者が見てないことからすると、
これは白なんじゃないかと。
分かんないっていうのがあるんですよ。灰色。
灰色の場合に有罪にするか無罪にするかどっちか決めないといけないですよね。
判決はグレーとか出せないじゃないですか。
それが証明責任っていう概念で。
白か黒か分からない場合は白なんだと。刑事裁判では。
疑わしきは被告人の利益に。
そういうのが証明責任で、それをどっちに持たせるかっていうのがすごく重要になるんです。
その場合、証明責任においてはグレーみたいなものはどっち側に持たせるのか、
労働法においての証明責任になるんですか。
一応これが難しくて、理屈上は労働者側が持ってるんですよ。
やっぱり弱い方なわけですね。
労働者の人は個人だし、証拠もそう簡単に入手できないじゃないですか。
ですから実際実務上は軽減されてるんですよ。
かなり軽くされてるんですね。
このぐらいでいいよみたいな。
残業代だったら、細かいタイムカードとか会社が隠すんだったら手帳の記載だけでいいよとかね。
2年分なくても半年分あれば残りはもう累々するよとか。
そういうふうに下駄を吐かせてくれるんですよね。
労働法のその理屈からいくと、そんな感じで下駄を吐かせるんじゃないかなと。
なるほどね、そういう意味での下駄ってことだったんですね。
これでもすごいですよ、このガイドラインは。
よく書いたなと。
水町裕一郎東大教授、水町先生が書いたと言われてるんですけど。
そうなんですね。
ちょこちょここのポッド屋さんの名前に出てきたことある気がしますよ。
僕も日本の近所なんですけど。
でも本当に勇気がいると思いますよね。
よく書いたなって素晴らしいなって思いました。
方向としては向井先生は大きくは相論賛成って感じですかね。
全然、いや格論も賛成ですよ。
なんかそんな感じですよね。
だって日本でも本当ガラパウスみたいな国だから、外国から。
働き方の問題も良くも悪くも世界グローバルスタンダードに近づけないとちょっと難しいですよね。
だって日本人だけで持たない社会になってるから。
そうじゃないですか、優秀な外国人逃げてますよ確実に日本から。
ものすごい不満を持って辞めてますから。
別に日本人が悪いんじゃなくて、納得できない。
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いちいちいちいち働き方について。
そういう危機感もあると思います。
競争力いじっている点で年功的とかそういうのも本当はもう排除したいっていう隠れた狙いもあるんじゃないかなっていう気がしますね。
という第2回にわたる働き方改革のお話でしたが、最後に何かありますかね。
特にないですね。
非常にこの話はいろいろマスコミにも騒がれていますが、どの観点で目をつけていいかわからないところだったので。
僕もまとまってないですよね。
だいぶまとまった気がしますが。
まとまってまだまだないと思うんですけど、もう逃げられない。
経営者側は逃げられないと思った方がいいですね。
これプロの方々は多分もうすでにガイドラインメートされているでしょうけど、
同一労働、同一賃金ガイドライン&検索していただくとすぐにPDFがバーっと出てきますので、
今日この2回の話を聞いて読むとかなり内容が頭にスッと入ってくる内容なので、
ぜひ一度時代の流れも踏まえて見ていただくと面白いかもしれませんね。
これについてまた何か質問がある場合にはぜひお寄せいただけたらなと思います。
本日もありがとうございました。
ありがとうございました。
本日の番組はいかがでしたか。
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