ドッグトレーナーのひらたじゅんです。
この番組は、他の人よりも少しだけ犬と話すことが得意な私が、「犬目線」で犬との向き合い方を考えるポッドキャストです。
「うちの子、問題行動があって…」その言葉、ちょっと待って!吠える、噛む、引っ張る。それらは本当に犬の問題?今回は「問題行動」という言葉のワナを解き明かし、愛犬とのより良い関係を築くヒントをお届けします。
🐕️今日からできるステップ
いつ起きる?(トリガーを探す) 特定の音・人・場面はあるか。パターンがあれば、犬は「理由があって」反応している
その前後に何があった?(文脈を見る) 疲れていた?散歩が足りなかった?何かが怖かった?
この行動で、犬は何を得ているか?(機能を考える) 「やめてほしい」を伝えたかった?「注目してほしい」を伝えたかった?
🐶犬からの伝言
「問題行動」は人間側の視点から生まれた言葉です。犬にとってはすべて、正常な犬の行動です。
問題があるのは行動ではなく、その行動を生んでいる状況です。まずそこを見てください。
「うちの子に問題がある」ではなく、「うちの子は今、何かを伝えようとしている」と読み替えてみてください。
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サマリー
ドッグトレーナーのひらたじゅんが、「問題行動」という言葉の捉え方について解説。犬の行動はすべて正常な反応であり、問題は行動そのものではなく、それを生み出す状況にあると指摘。犬が何かを伝えようとしているサインとして捉え、具体的な観察方法や対応策を紹介する。
「問題行動」という言葉への疑問
ポッドキャスト番組、犬からの伝言です。 この番組は、他の人よりも少しだけ犬と話すことが得意なドックトレーナー
ひらたじゅんが、犬との向き合い方、接し方を犬目線で考えていく番組です。 本日のテーマは、問題行動についてです。
問題行動って、こういうのが問題行動って言われますよ、とか、こういう行動は問題行動だから気をつけてくださいね、というお話ではなくて、この問題行動という言葉自体をちょっと皆さんと一緒に考えていければいいなと思います。
というのはですね、ドックトレーニングをしていると、まあもちろん最初に色々困っていることとか教えてもらうんですけど、うちの子こういう問題行動があるんですよって切り出す飼い主さんがほとんどなんですよ。
ただ、今日はこの問題行動という言葉そのものを一度こう立ち止まって疑いたいなと思ってます。
この言葉自体っていうのは、僕がドックトレーニングをしてたりとか犬と関わっていく中で聞く一番不快な言葉というか、いまだに納得がいかない言葉でもあるんですね。
こんな話をちょっと一緒に考えていけたらいいなと思ってます。
「問題行動」という言葉が生まれる背景
まずこの問題行動っていう言葉がなぜよく聞くのかなんですけど、日本でというところで考えると、この一つの背景として日本はなるべくよそ様に迷惑をかけないみたいな感覚が結構深いところに根付いてるんじゃないかなと思っていて、
これはよく言う江戸時代からの長屋文化みたいな、壁一枚隔てるともう別の家族が住んでて隣で生きてる人と一緒に暮らしていきましょう。
音も匂いもすぐ隣に届く環境で何百年も暮らしてきたみたいなところも文化背景としてあるんじゃないかなと思うんですね。
だからこそ吠えさせてはいけないとか引っ張らせると周りの目がとかっていう義務感が他の国に比べて強くなりやすいんじゃないかなと個人的に思います。
さらに言うと犬の行動が自分の恥だったりとか社会的な失敗として感じられてしまってるんじゃないかと思ってしまいがちなんじゃないかなと思うんですよね。
こうやって他人に配慮すること自体っていうのは悪いことじゃないと思います。
ただ問題っていうフレームで見始めると解決の方向が変わってくるんじゃないかなと思っていて、
「望まれない行動」という視点
実はですねこれ世界に目を向けると問題行動という行動と並んで望まれない行動、unwantedbehaviorっていう言い方をするんですけど、
望まれない行動という表現を使う機関とか研究者っていうのがたくさんいるんですね。
イギリスのRSPCAという権威ある団体であったりとか、
あとは動物行動学の分野でもこの望まれない行動というのは多く使われている言葉です。
この問題行動という言葉と望まれない行動という言葉、一見似てるんですけど意味が随分違うと思うんですよ。
問題があるのは犬なのか、それとも飼い主が望んでいない状況なのか、主語がどこにあるかなんですね。
ちょっと学術的な話になるんですけど、ジョン・ブラッドショーさんという方が言っているのは、犬の行動は環境と学習に対する正常な反応である。
問題は行動そのものにあるのではなく、その行動を生み出している文脈にあるという言葉があります。
犬の行動の機能的意味
この言葉の通りですね、犬の吠え、噛み、引っ張りというのはそれぞれ機能的な意味というのがあります。
例えば吠えている犬、これは犬にとってのコミュニケーション手段の一つですよね。
なので警告をしていたりとか、要求をしていたりとか、不安だよって伝えていたりとか、あとは興奮している状態、これを声で伝えている。
噛みに関してはカーミングシグナルのエスカレートバージョンですよね。
カーミングシグナルというのはシーズン2のエピソード11でお話しした通りですね、犬がストレスがたまってくると見られるサインのことです。
このサインがどんどんエスカレートしていって、我慢の限界に達したときに噛むというのがこの噛みですね。
引っ張り、これに関しては前進するということなので探求欲求の正常な表出、表に出てくる、現れる行動。
なので犬にとって前に進みたいという行動ですよね。これは犬にとっては本能です。
問題行動が減らない理由と飼い主の視点
なぜこの問題行動が減らないのかというのを考えてみると、行動の表面だけを抑えようとするからです。
もう今でこそだいぶ日本でも減ってきましたけど、怒るしつけ、この怒る、叱る、これをすれば一時的に止まることはできます。
ただ根本的な原因というのは未解決のままなので、また表層に出てくるという可能性が非常に高いです。
このループから抜け出せないまま、この子はもう本当にいくらやっても直らない、問題行動がずっと続いていて、昔からのトレーナーさんにやってもダメなのよ。
こうやって諦めてしまう飼い主さんが実はとても多いと僕は感じているんですよ。
ただそれは犬に問題があるんじゃなくて、鳥の立て方が変わってないということ自体が問題なんじゃないかなと思います。
吠える行動への対応
例えばですね、よく実生活でもあると思うんですけど、インターホンが鳴ると吠えてしまう犬。
うるさいとか、そこ座ってなさいとか、お家入ってなさいとか、あとは人によってはペットボトルの中にビー玉入れといてそのペットボトルガシャーンって落としてびっくりさせたりとか、あとはおやつで気を引いたりとか、また翌日になっても吠えてしまう。
これは犬側から見ると、知らない何かが来た飼い主に知らせなきゃ、安全だった環境が脅かされてしまうかもしれない。
これは正常な行動なんですよ。
特にチワワとかはメキシコの方で盤犬をしていました。
集落に知らない人が来ると、それを集落の人に吠えて知らせるというのがチワワの役割でした。
この本能に基づいた行動、これをうるさいって言って怒られたりとか、ペットボトルでガシャーンってやってびっくりさせられたりとか、これをやられても叱られた意味っていうのを犬は理解できないんですよ。
なんかわかんないけど、やらなきゃいけないことをやったら、怒られた、ちょっと気難しい飼い主だなっていう記憶だけが残ってくるんですね。
なので、こういうパターンの時は、今日からできることとしては、吠えている最中は一切反応しないであげてください。
吠えるのを止めた瞬間にだけ、穏やかに声をかけてください。
これはもうよしでもいいし、そうびっくりしなくていいよでもいいし、大事なのは吠えている最中は反応しないこと。
吠えが止まると飼い主さんが触れてくれる、褒めてくれる。これは原則です。
吠えている間に反応しちゃうと、吠えると飼い主が何かするっていう学習が積み重なります。
なので、止まった瞬間だけ、よしって言う。それだけで大丈夫です。
噛む行動への対応
あとはよくあるサインとしては、噛むですね。
この噛むっていうのは、もちろん子犬の時期だったら遊びましょうっていうお誘いの意味もあるんですけど、
生犬になっても噛んでしまう子。この子たちはほとんどの場合が噛む前に必ずサインっていうのがあります。
あくびをしていたり、視線を外したり、体を低くしたり、前傾視線になったり、体が後ろに引いたりとか、体勢が低くなったりとか。
こういうサインを見逃し続けると、犬の最終手段として歯が出てきます。
その歯を当ててきたっていう一点だけを見て、この子は凶暴なのよっていう方ももちろんいらっしゃるんですけど、
それを言う前に、この子は限界まで我慢してたのかもしれないっていう視点を持つことが大事なんじゃないかなと思います。
歯を使ってきちゃう子に対して、今日からできることとしては、噛んだ後に叱るんじゃなくて、噛む前のサインを見つけるということにエネルギーを使ってみてください。
例えば普段通り生活してるんですけど、なんてことない、あくびをした瞬間、その瞬間を見逃さないで、その後に歯を当ててきたのであれば、あくびをしたっていうのはその子の限界なんです。
目を見た時に視線を外した、その後に歯を当ててきた、これであれば視線を合わせるであったりとか、視線を外す前にしていた行動というのがその子にとっての嫌なトリガーポイントになっていて、視線を外すというのがその子のカーミングシグナルの限界値なんです。
そのタイミングをしっかりと飼い主さんが見極めて、その場から犬を離してあげる。噛ませない状況を作るっていうのが、噛みの問題への最初のアプローチになってきます。
散歩で引っ張る行動への対応
次は困っている方も多いと思うんですけど、散歩で引っ張っちゃう。これはなんかね、行儀が悪いと見る人もいますよね。ただ世界を探索したいという見方もできます。これだけでアプローチが全く変わってくるんですよ。
行儀が悪いのであれば、行儀が良いように正してあげなきゃいけない。世界を探索したいんだったら、探索を楽しいところに連れてってあげよう。全くアプローチが変わってくると思います。
今日からできることとしては、引っ張ったら止まりましょう。これだけです。強いて言うなら、前に行こうとしたら後ろに下がりましょう。左に行こうとしたら右に行きましょう。右に行こうとしたら左に行きましょう。
ちょっと難しいかもしれないんですけど、引っ張った先に進めたという経験が積み重なっていくと、あなたの愛犬の引っ張りというのはどんどん強化されます。逆に引っ張ったら前に進めないどころか、自分と逆方向に進んでいってしまうという経験を積み重ねると、
あなたの愛犬は自分で引っ張らない方が散歩が続く、歩き続けられるということを学んでいきます。ここで大声を出したり怒ったりする必要はありません。ただ止まるか逆方向に進む、このどちらかです。
しつけの本質と視点の転換
こうやって話したように、人間が望んでない行動をしていることを問題行動というふうに定義をしている方もいっぱいいると思うんですけど、犬の目線で考えてみると、して当たり前の行動というのもいっぱいあります。
私は、しつけの方法は大罰以外間違った方法はないとは思うんですけれども、しつけの責任としては、人間社会と共生していくあなたの愛犬に対して人間社会のルールを教えてあげることが犬のしつけの本質ではないかなと思っています。
なので、見る視点を少し変えてみると、人間が望んでない行動を問題行動としているのであれば、それは問題ではなくて望んでいない行動なんじゃないかな。望んでいない行動をしているのであれば、望んでいる行動を指してあげればいい。これが犬のしつけの本質かなと思います。
もちろん、本当に問題行動で困っている方もいらっしゃると思います。見るものすべて噛みついちゃう。相手を流血させちゃったりとか、子供を敵だと思っていて、子供が近づいてきたら噛みついちゃうとか、こういった方はすぐに信頼できるドックトレーナーさんだったりとか、あとは獣医の方だったりとか、こういう専門の方に聞いてみてください。
今日からできる3つのステップ
今日からできるステップというのもいくつか考えてみました。場面別の対応と合わせて望まれない行動に使える3つですね。ご紹介していきたいと思います。
1つ目は、いつ起きるのか。このトリガーを探してみてあげてください。特定の音なのか、人なのか、場所なのか。このパターンというのは決まってくれば、犬は理由があって反応しています。
例えば、バイクが走り去ると飼い主のことを引っ張っちゃうのであれば、バイクがトリガーになっています。子供が横をバーッと走っていくのであれば、子供というのがトリガーになっています。
ドックランでいつも制御が効かなくなるのであれば、そのドックランに原因があります。このトリガーを探してあげてください。
2つ目は、その前後に何があったのかという文脈を見ることです。
例えば、今日はお散歩に行けてなかった。そしたら歯を使っちゃった。もしくは、昨日ドックランに行って疲れていた。そしたら歯を使っちゃった。ご飯の量が少なかった。そしたら歯を使っちゃった。
お散歩が足りなかったのかもしれないし、突然の来客があったのかもしれないです。犬というのは文脈で生きている動物なので、その前後に何があったのかというのを必ず見てあげてください。
3つ目は、この行動であなたの愛犬は何を得ているかです。
これはちょっと機能的な部分になってくるんですけど、歯を使うことでやめてほしいと伝えたかったのか、吠えることで私のことを見てもっとかまってと伝えたかったのか。歯を使ったりとか、吠えたりとか、引っ張ったりとかすることであなたの犬は何を得ているんでしょうか。
この3つを1週間でもいいのでメモしてみてください。
ぜひ、ノートのタイトルは問題行動についてとか問題行動日記じゃなくて、観察日記とか愛犬の名前の観察日記みたいな感じにしてメモをしていただくだけで少し見えてくることがあるんじゃないかなと思います。
まとめと次回予告
それではまとめてまいりましょう。本日の犬からの伝言は。
1つ目、問題行動は人間の視点から生まれた言葉です。犬にとってはすべて正常な行動です。
2つ目は、問題があるのは行動ではなくてその行動を生んでいる状況です。
まずここを見てあげてください。
3つ目は、うちの子に問題があるではなくてうちの子は今何かを伝えようとしていると読み替えてみてください。
今日お話ししてきた視点なんですけれども、シーズン3を通して一緒に考えてきたことがここで全部つながってきたんじゃないかなと思います。
次回はちょっと視点を変えて10歳を超えた愛犬との暮らし方についてお話しします。
老いではなくて深まりとして愛犬と今何がしていけるのかということを一緒に考えていきたいなと思っております。
このエピソードで新しい発見があった方はぜひ身近な誰かとシェアしていただけると嬉しいです。
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メールアドレスはmsg.from.doggmail.comです。
メッセージはfromdoggmail.comです。
ノートにも文字起こしを掲載しています。
ぜひ犬からの伝言で検索してください。
このエピソードの説明欄にもリンクが貼ってあります。
それでは今回もお散歩お疲れ様でした。
お気を付けてお帰りください。
少しだけ犬と話すことが得意なドッグトレーナーひらたじゅんでした。
18:47
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