00:08
おはようございます。MORNING NOTEにようこそ。平瀬楽器の平瀬トモキです。
今日はですね、なぜ響かないから始まったピアノのお話というタイトルでお話をさせていただきます。
このMORNING NOTEは、兵庫県三田市にあります平瀬楽器がお届けする毎朝10分ぐらいの音楽トーク番組です。
ピアノのこと、教室のこと、イベント作りとか動画制作の裏話まで、音楽と街のあれこれを毎朝少しずつゆるっと気軽にお話ししています。
朝の支度とか、通勤のお供に耳だけご参加いただければと思います。
昨日はですね、予告していた通りライブ配信のサポートということで、里のホール、千人の大ホールのコンサートに伺ってきました。
フルートのばっかりのオーケストラがメインで、基本的にフルートの方ばっかり出られているコンサートで、一番最後が100人ぐらいのフルート。
一人お休みで99人ってお話でしたけどね。99人のフルートと、あと太鼓、パーカッション類とピアノ、シンセサイザーでしたよね。
シンセサイザーとコントラバスという編成で、吹奏楽の名曲のアルバマージュ曲。
それと魔法使いの弟子ですね、デュカスの魔法使いの弟子を大編成で演奏されていました。
それを配信させていただいてたんですけども、5台のカメラをスイッチングしながら、知っている曲ですしね、楽しくお仕事させていただきました。
またその話は金曜日とかね、どっかのタイミングでまたさせていただければと思うんですが、
今日は月曜日、ピアノの話になります。月曜日はですね、ピアノの耳だよりということでピアノの話をさせていただくんですが、今日はですね、
なぜ響かないから始まったピアノの話ということでピアノのお話です。何回ピアノの話言うてんねんって話すけどね。
はいこれはもう実体験なんですけども、先日伺いましたピアノの先生のオタクでのお話なんです。
ちょっとね、初版の事情で前の調律師さんから変更がありまして、僕がこの先生のオタクのスタンウェイの調律をさせていただくことになりました。
スタンウェイって皆さんご存知でしょうかね。世界三大ピアノと呼ばれているうちの一つです。
なんか語弊がない、語弊を感じずに言うと高級なピアノですね。その先生のオタクのピアノも多分2000万ぐらいするんちゃうかなっていう感じの高級ピアノですよ。
ヨーロッパのピアノなんですが、それをさせていただいて、それが終わってから1週間後くらいかな連絡があったんですよ。その先生から。
03:02
それがですね、なんか以前と響きが違ってて、っていうか全然響かなくなっているんですって言われたんですね。ドキッとしましたね。
確かにそのスタンウェイ自体は初めて触らせてもらったピアノだったので、ちょっとね僕も慎重にやりすぎたかな、調律を慎重にしすぎたかなっていうちょっと気になる点はあったんですよ。
なのでもうすぐアップ取りまして、再度調律入荷化をさせていただくことになったんです。
まあ結論から言いますとね、ほんのちょっとだけ調整がずれてた関係で音色の変化が大きくて、響きが抑えられてしまっていたんですね。
そのあたりもちゃんと説明をさせていただいたことで、それが先生の琴線に触れたようで、なんかこう次から次からね、じゃあこれは、じゃあこれはって質問の嵐が出てきたわけなんですよ。
もともと先生はね、昔からプライベートの時から本当に仲がいい先生なんで、わりとフランクに喋ってもらえるんですけども、なのでなんでそんな質問が次から次から出てくるのかなと思って聞いてみたらですね。
実はそのピアノ、響きが変わったっていうところから、ピアノの音の出る仕組みについて自分なりにこう調べてみはったそうなんですね。
そこでですね、調律とか調整とか、成長って言うんですけどねピアノの場合はね、成長、声音のメカニズムにすごい興味が湧いてきて、
調律の道具を買おうとした、そんな話とか、今でも行ける調律の学校がないかとか、そんな調べはったらしいです。
あと、調律師がテーマになっている漫画を全巻揃えて買ったとか、なんかそんな話をいろいろしてくれたんですね。
で、あげくに、そんな調律の勉強する場所があったら是非行きたいし、話を聞きたいと。
で、今度調律の時には横で見ててもいいですかって言われたんですよ。
結果的に、その前の響きがいい状態に戻ったので、良かったんですけども、こんなにも興味を持ってくれる先生がいたっていうのがね、なんかとっても嬉しかったんです。
っていうのは、世のピアノの先生方の多くっていうのは、語弊を恐れずに言いますと、ピアノの演奏方法はよくご存知なんですけども、
ピアノの音の出る仕組みとか、楽器そのものにはそれほど興味を持ちじゃない方が多いように感じます。
これはもうピアノの先生だけじゃなくて、ピアニストだってそうです。
もちろんめちゃめちゃ興味があって、詳しい方もいらっしゃいます。でもそれはやっぱほんのひと握りなんですよね。
なのでね、調律師っていう仕事をしてても、やっぱちょっと寂しいなって思うこともあるんですよね。
06:01
今回の先生はですね、私は今回ピアノのことを自らいろいろ学んだことで、ピアノの指導自体も変わった気がすると。
世のピアノの先生はもっとピアノのことを勉強してなあかんわ、みたいなことも言ってあったんですけども、
でもピアノのことに興味を持ってもらえるっていうのは、本当に純粋に嬉しかったんです。
そこからね、ふと考えたんですよ。
もしかしたら、こんな風に楽器の音の出る仕組みに触れる機械って、実はあんまりないのかもしれないなと。
ピアノの場合は、まだね、なんかよくうちでもやってるんですけど、ピアノの解体ショーとかね、あるんですけども、
そういう機械って他の楽器ってあんまりないんですよね。
なので、例えば今回この先生がね、この音なんかちょっとこもってる気がするなとか、響きが変わった気がするなって思ったときに、
それが果たして自分の弾き方の問題なのか、耳のせいなのか、それとも楽器の調整の問題なのかって、なかなかね、判断がしにくいと思うんです。
難しいと思うんですよね。
でもでも、今回の先生のようにピアノの構造とかメカニズムに興味を持ってもらうことで、演奏とか指導に変化があったっていうのはすごい嬉しい話で、
もしかすると判断がつきやすくなる可能性もあるわけなんですよね。
実際にね、調律やってる横で見ててもいいですか?なんか言われるのは、ちょっと笑っちゃったんですけども、
でもでも、そんな風に身近に感じてもらえるのは、僕ら調律師としてはとてもとても嬉しいなと思います。
ピアノって、ハンマーとか弦とか響板とかダンパーとか、いろんなパーツがあって、それぞれがそれぞれの役割を持ってて、
どっか少しずれるだけで、全体のバランスが崩れちゃうんですよね。
例えば、鍵盤がちょっと深く、1ミリでも深くなると音は硬くなってしまう可能性があります。
ピアノのハンマーが、これは物理的に硬くなってしまったら、やっぱり弦が切れちゃう可能性もあります。
そういうのを耳と手と工具、専門の工具を使って整えていく作業が、調律師の仕事なんですけども、
地味やけどね、やっぱり自分の仕事でいうのも何なんですけど、奥深い仕事やなぁと思うわけなんですよね。
なので、きっとこの出来事をきっかけに、この先生はやっぱりピアノのことをもっともっと深く追求されると思いますし、
また次行った時にすごい屋継ぎ部屋にいっぱい質問をしていただけるのかなと思うんですけど、それはそれで楽しみだったりします。
この先生だけじゃなくて、もっと多くの人がピアノってどうやって音が出るのかなみたいな、
09:02
そんなことを思ってもらえるような取り組みみたいなのが、もっともっとできたらいいなというふうに思っています。
先ほど言いましたピアノの解体性なんかは、音の出る仕組みをふわっとはお話ししているんですけども、
どちらかというと子供向きっていう感じなんですね。
たまに大人の方が、親御さんとかがついてこられて、特にお父さんとかが結構ガッツリ食らいついて、いろんな質問をしてきたりするんですね。解体性とか。
そんなの見ていると、大人向けの解体性みたいな、そういうピアノの音の出る仕組み講座じゃないですけどね。
そういう機会を作ってもいいのかなとちょっと思ったりしました。
特に今回のはスタンウェイっていうピアノだったからこそ、余計にね、やっぱり普段皆さんがよく触られるようなヤマハとかカワイイのピアノとちょっと違うところもありまして、
僕もやっぱりスタンウェイの専門の技術者ではないので、やっぱりそこがちょっと弱いところでどうかなってビビってたんですけども、
知っている知識でいらせていただくことで喜んでいただけたので、よかったかなと思っているんですが、
そういうのも全部ひっくるめてピアノのことをもう少し深く突っ込めるような機会っていうのは作ってもいいのかなって改めて感じました。
そんなのあったら皆さん参加されますでしょうか。またそんなお声集めていただければと思います。
はい、というわけで今回も最後まで聞いていただきましてありがとうございました。
明日はですね、火曜日、教室の舞台裏ということで、何の話するかまだ決めてませんけども、教室の話をしたいなと思っております。
というわけでまた明日の朝もモーニングノートでお待ちしておりますので、ぜひお聞きください。
それでは今日もいい一日をお過ごしください。
いってらっしゃいませ。