進路決定の時期とガイダンスの趣旨
こんにちは。岐阜県の工業高校で教員をしているすみです。
この番組、未来をつなぐものづくりでは、
日本の製造業を支える企業の技術や、
そこで働く人たちの思い、
そして工業高校の魅力をお届けしていきます。
今週は私にとって非常に深く、
また救われるような出会いがたくさんありました。
今日は教育という仕事の難しさと喜び、
そして私たちがどうやって自分自身の生き方を
築いていくのかについて、
思ったことを話したいなと思います。
2月もいよいよ後半になってきました。
この時期は3年生は卒業式の予行の日まで
自由登校ということで
自動車学校等に通っているという時期ですね。
そして1,2年生に関しては学年末交差最中ということで
今勉強しているんじゃないかなというふうに思っています。
早いもので2年生もすぐ3年生になってしまいます。
そこで進路をもう決めていかなければならない時期になるんですけれども
なかなか決まっていかないですよね。
決めろ決めろと言っても
なかなか決めれないものだということも分かっていますから
なるべく多くの経験談をですね
いろんな人から聞くということは大事かなと思っておりますので
今回も進路ガイダンスということで
航空整備士の2人、
そして自衛隊の方から話を伺うことにしました。
女性航空整備士の活躍と現実
航空整備士といって
皆さんパッと男性が来るんじゃないかと思ったと思いますけれども
実は2人ともですね、女性の卒業生です。
1人は全日空ラインメンテナンステクニクスに就職した卒業生
そしてもう1人は中日本航空専門学校に進学してから
日本航空の整備士に就職したという卒業生
この2名に来てもらいました。
今度の3年生の中には女子生徒の中で
航空整備士になりたいという生徒もいましたし
そういった意味では先輩の話を聞くのが一番いいんじゃないかなと
いうふうに思って呼びました。
そしてもう1つは男子生徒はあまりピンとこないかもしれませんが
航空整備士といえば男性の仕事という先入観があるかもしれません。
そもそも製造業や工業の仕事というのは男性というイメージが強いかもしれません。
だけども彼女たちは自分たちがやりたいと
やってみたいという仕事をいろんなハードルを乗り越えて
今立派に勤めているというそういった流れをですね
聞いてほしいなというふうに思っていました。
航空整備士といえば昔グッドラックという
柴崎幸党木村拓哉のドラマをやってましたけれども
その時は女性航空整備士の話だったんですけどね
そこから時代が経ちましたけれども
女性航空整備士が浸透したというにはあまりにも程遠いような現状です。
ただ航空整備士だけではなく多くの会社
これは大企業も中小企業も関係なくですね
女性でも働ける環境を整えつつあるんですよね。
ですから航空整備士だけではなく
鉄道の整備士なんかも本校の卒業生で
女性の卒業生がですね就職して頑張ってますよ。
ただまあ実際は男性が多い厳しい現場です。
だからやりたいと思っても女性だからとか体力がとか
諦めるための言い訳はいくらでも見つけられるんですよね。
ですが彼女たちはそんな言い訳を一切口にせず努力作
そして誇りを持って自分の仕事を語ってくれたんですよね。
この生き方こそみんなに学んでほしいなというふうに思っていたところなんです。
高校生のアイデンティティと自衛隊の話
よく高校生が茶髪とかピアスとか自分らしさを表現しようとして
外見にこだわるということがあるんですけどね。
まあそれも一つかもわかりません。
だけど本当のアイデンティティっていうのは
外見とかに留まることなく内面から出てくるものですよ。
困難な場所でどうありたいかという生き方の覚悟に宿るものだと思うんです。
彼女たちの凛とした姿を見て改めてそんなことを確信しました。
そしてそんな彼女たちの力強さの一方で
自衛隊の方から伺った仕事選びの視点も非常に興味深いものでした。
皆さん知ってますか?
自衛隊って離職率が意外に低いんですよ。
意外と言ったら失礼ですけども。
それは最初から厳しさを覚悟して入ってきているからなんですよね。
ある種現実的な心構えを持って入隊してくるので
離職率が下がってくるんです。
それはすごい厳しいことを想像していたけれども
実はあれ休みが結構あるなとか
あれ給料もまあまああるぞとか
あれ3職無料なのとか
あれ料もお金かかんないんだとか
なんかそんなことを最初厳しいなと心構えして入ってきたものの
どんどん加点されていくことが多いらしいんですよね。
そういった意味では仕事を辞めずに続ける隊員が多いらしいです。
逆に会社のインスタグラム等でキラキラした働き方等を見て
こんな風に働きたいなと思って入社した生徒の方が
実はあれこんなはずじゃなかったとか
あれもっと楽しいはずじゃないのとか
あれ残業あるのとか
そんなことでだんだん減点法になっていくんですよね。
そうすると最初のイメージから悪くなっていくということになってきます。
そこで自衛隊の方はこんなことを言ってみましたね。
好きなことを仕事にするのか
それとも覚悟を持って飛び込んでいくのかが
やっぱり違うよということでした。
進路を決める際
私たちはつい目の前の楽しさと給料とか
休日の多さとそんなことに左右されがちですけども
大切なのはどこでどう踏ん張るのかとか
どうやって働いていくのかという
そんなような心構えなのかもしれませんね。
元教え子との再会と教育の意味
さてここからが今日一番お伝えしたい話なんです。
先日校舎の火災放置機の点検に来ていた業者さんの中に
かつて私が3年生の担任をしていた教え子がいたんですよね。
私はぱっと一目見たらすぐ分かりました。
彼も私の顔を見て
先生という感じで話しかけてくれました。
私はなぜすぐ気づいたかというと
先生というのはみんなの顔と名前を
必ずしも一致させて覚えているわけではないんですけども
私はすごくその子には思い入れがあったんです。
なぜかといえば
当時彼は音楽の道に進みたいと
熱望していたんですよね。
しかし私は担任として
まず製造業でしっかりした生活基盤を作って
そして音楽は余暇でやりながら
その実力を高めていったらどうだという話をしたんです。
彼は納得して就職しましたが
その後会社を辞めたと
会社の方から聞いたんですよね。
私はすぐに彼に電話しましたけども
つながりませんでした。
それ以来連絡は取ってませんでしたが
その後ずっとどうしてるんだろうなと
もしかしてあの時音楽の道進めてたら
彼も迷いなく人生を歩んでたのかなとか
いろいろ思うところがあったんです。
だから彼のことをずっと気にかけていた私は
見た瞬間にすぐ分かりましたし
元気だったかと
会社辞めて心配してたぞっていう話をしたら
いろいろ職は転々しましたけども
今は落ち着いて頑張っていますということを話してくれました。
そして私は音楽の道に
あのまま進めてたらどうだったろうなという話もしたんです。
そしたら彼は先生の言った通り
製造業でいろいろ良い経験させてもらいました。
そして今ここで一生懸命頑張ってますよっていう話をしてくれました。
これは私に対してのリップサービスかもわかりませんけども
ただ彼の顔を見ていると
本心なんだろうなというところで安心もしました。
客観的に見れば卒業直後に会社を辞めたら
これは挫折なのかもしれません。
だけど転職を繰り返したとしても
それは彼の自分の足で歩み
思考錯誤しているということですよね。
そして今幸せそうな顔をして一生懸命働いている。
教育の結果とは短期的に出るものではなく
もっともっと長い目で見守るべきものなのかな
というふうに気づかされました。
過去の意味づけと未来への向き合い方
過去起きたことっていうのは変えられませんよね。
でもその過去に起きた出来事が
どんな意味合いを持っているのかということは
自分次第の考え方なんだと思います。
彼ももしかして私に音楽の道を進めてもらえなかったからとか
製造業に無理やり就職させられたとか
そんなふうに思うこともできるんですよ。
だけども彼はそういう経験ができたからこそ今があるというふうに話していたんです。
つまりは過去の意味合いを前向きに捉えて
次への原動力にしているんですよね。
逆に私は未来は変えれないんじゃないかなと思っています。
これは否定的なことではなくて
未来ってみんなが幸せになるっていうことだけを思っているんじゃないですか。
だから目的地はやっぱり変わらないんですよ。
だから未来は変えられないものなんじゃないかなと。
でもそこに向かって自分の考えを変えたり
前向きに行動するっていうことは今すぐにできることですよね。
身の回りにいませんか。
だってとかでもとか同棲とか言っている人多くないですか。
年齢を重ねると周りのおじさん結構そんなこと言ってるんですよね。
でもそんな足利本願な言葉を言っている限り
自分の成長というのともちろんその未来に
幸せがあるのかとは到底思えないんですよ。
人生ってやっぱり自分の中の考え方一つで
変わってくるものじゃないかなというふうに思うんです。
この偶然の出会いの卒業生の原動や
そして航空整備士を志した女性の卒業生の
生き方や生き様を見ているとですね
本当に尊敬しますし彼彼女らは生きてるなというふうに強く感じました。
まとめとリスナーへのメッセージ
今回は卒業生からの話や自衛隊の方の話をちょっとまとめてみました。
10年後の自分に今の経験をどう語らせるのか。
今日という日をそんなふうに捉え直してみるのも良いかもしれません。
決して良いことばかりある日が続くとは限りません。
だけどたとえ今日は良い日じゃなかったなと思っても
でもそれがあるから今があるというふうに思えるようなマインドでいきたいですよね。
そんなことで今日も明日も頑張っていきましょう。
未来をつなぐものづくりでは毎週月曜日朝7時に配信しております。
皆さんのコメントも私の励みになりますので是非いただければ嬉しいです。
ではまた来週お会いしましょう。さようなら。