怒りと毒素の関係
毒素が含まれている約4億6千万年前、爬虫類と哺乳類は同じ脊椎動物から分かれたと言います。
分かれたということは、羽部と人間にはほぼ同じ機能があったと考えることができます。
羽部は、自分の身を守り、餌を取るための道具として、自分の体内に毒を作るという機能を進化させてきました。
では、人間にも体内に毒を作る機能があったのでしょうか?
こういう実験があります。
一生瓶に普通の心理状態で息を吹き込み、そこに羽を入れると40分くらいで窒息死します。
ところが、怒ったり腹を立てた状態で毒気を吹き込むと、瓶の中の肺は3分ほどで毒死すると聞きました。
私たちが怒った時に吐き出す呼吸の中には、実は毒素が含まれているという説があります。
ただし、その毒素はタンパク質を溶かす働きを持っているため、相手だけでなく自分の五臓六腑まで傷つけてしまうと言うんです。
だから怒らない方がいいと私は考えています。
人格論や精神論の話ではなく、怒れば怒るほど自分で自分の体を痛めて損をするからです。
私は正しい生き方をしようとか立派な人になりましょうといった話は好きではないし、他人にそういうことを説くことはしないようにしています。
他人がどういう生き方をしようと私にはあまり関係ないと考えています。
誤解を恐れずに言えば、私の価値基準は損得感情です。
私はもう長い間ずっと腹を立てていません。
人格者を目指しているからではなくて、自分にとって得なことはやるけれど損なことはやらないというそれだけです。
損得感情がわかってくると声を荒げたりイライラしなくなります。
声を荒げイライラした結果、誰が一番損をするかというとその言葉を発した本人です。
私たちは体調が悪い時、愚痴や泣き言をこぼしがちです。
本人は体調が悪いから愚痴をこぼしていると思っていますが、実は逆だとも考えられます。
不平不満、愚痴、泣き言、悪口文句という否定的な感情が肉体を蝕んでいるのかもしれません。
怒った人の方が結果的に内臓を痛めてしまうなんて、こんな損な話はありません。
したがって腹を立てない方が損得感情としては利口だということがわかるんです。
思いを持たない生き方
思いを持たない。 思い通りにならないことをゼロにするためにはどうすればいいのか。
一つの方法論としては、人生は思い通りにならないと思い定めること。
これを定観と言います。仏教用語で定観は一つの悟りを意味します。
けれども定観よりも2歩3歩前に、もっと簡単な悟りがあります。
苦は思い通りにならないことである。
故に苦を生じさせないためには、思いを持たなければいい。
自分がどのように生まれたかに関心を持たない。
老いたくないという思いを持たない。
病みたくないという思いを持たない。
死にたくないという思いを持たない。
そもそも思いがなければ、思い通りにならないという現象は起きません。
苦が生じないんです。
思いを持たない。そのためには、病気や事故、愛する人との私別など、
目の前で起こるいろいろな現象を、
そうなりましたか?と、ただ淡々に日常の一つとして受け入れていけばいいんです。
むしろ自分の身に起こる現象を、人生の一部として楽しめばいい。
この人生を楽しむことが、肉体を持ってこの世に生まれてきたことの意義だからです。
ああなりたい、こうなりたい、不幸だ、苦しいと思うのではなくて、
ただこの世で起こるいろんな現象を味わいに来ただけだという人生観を持てば、人生は楽になるんです。
したがって、我々は観音様の生まれ変わりなのだと思えば、
人生が楽に宴になります。
それも修行に来たのではなくて、この世のシャバに人間という肉体をいただいて味わいに来た。
この観音教の概念は植物や動物ではわかりません。
人間の肉体を持って初めてこの世に遊びに来たという喜びを知ることができるんです。
人間の心のレベル
一見理不尽で不幸な現象が起きたときに、そのことについて不平、不満、愚痴、泣き言、悪口文句を言うか言わないかが問われています。
嫌いな人や現象というものはない。決めているのは全部自分だということに気がついて、何があっても一喜一憂しない。
そしてどんなことがあってもニコニコできる人格者になると、人格者になったがゆえに問われるお試しの現象が起きます。
それを笑顔で乗り越えると人格上の中学校卒業レベルです。
そしてその何年か後に今度はそれよりももっと大きな高校卒業試験レベルの不幸と呼ばれる現象が起きます。
人間の心には9つのレベルが存在します。
1. 一般的に多くの人が嬉しい、楽しいと思う現象について喜ぶことができる。
2. 一般的に多くの人が嬉しい、楽しいと思う現象について幸せを感じる。
3. 一般的に多くの人が嬉しい、楽しいと思う現象について感謝ができる。
ここまでは初級です。
4. 一般的に多くの人が当たり前と思うことについて喜ぶことができる。
5. 一般的に多くの人が当たり前と思うことについて幸せを感じる。
6. 一般的に多くの人が当たり前と思うことについて感謝できる。
ここまでが中級です。
7. 一般的に多くの人が不幸と思うことについて喜ぶことができる。
8. 一般的に多くの人が不幸と思うことについて幸せを感じる。
9. 一般的に多くの人が不幸と思うことについて感謝ができる。
これが上級です。
このように初級、中級、上級の各段階の中に、さらにそれぞれ3つの段階が存在します。
そしてレベルが上がるときにお試しの現象、事件が起こるようになっているようです。
給料が支払われない、配偶者や子供が言うことを聞かない、自分の体調も悪い、睡眠も足りていないというような、
100人中99人がイライラしてしまうような時にニコニコしていられるかどうかが問われています。
この状態でもニコニコできますか?と宇宙が現象を降らせてくるらしい。
何度かそのような試験を得て、大学卒業レベルの試験に合格すると、もう来ません。
もし人生の中で普通であれば不平、不満、愚痴、泣き言、悪口文句を言ってしまうような出来事が起こったら、
来た!と思ってください。
ついに私も試験を受けるところまで人格の修練を積んできたのだな、と。
その試験に合格すると、自分にとって楽しい出来事が起き始めるようになっているようです。
特別な日の重要性
特別な日 今日という日は2つの特別な日が重なった日です。
1つは最も経験を重ねた日、最も知恵がたくさんある日です。
今日の私はこれまでの人生の中で最長老であり、最ベテランであり、最子さんであると言えます。
私という人生を振り返った時、今日の私ほど経験を積んだ人はいません。
その最も経験を積み、最も知識を持った自分が下した判断は、
その日の時点では全て100%正しいと考えることができます。
その日の私の判断は余人を持って変えられない、全ての環境や条件や状況がわかっていて、
自分の人生の過去も現在も全て知り尽くしている私でなければ、その判断はできなかったんです。
逆に今日を含めた未来を考えた時、今日は最も未熟な日です。
今日の私は最も未熟であり、最若年者であることに気がつきます。
それがわかった時、もっと勉強しよう、もっと向上しようと思うようになるでしょう。
今日は過去の人生の中で最も優れた最高の自分と、
未来に向けて最も未熟な最年少の自分の2つが重なった特別な日なのです。
過去に自分が下した判断は正しかった。
その時点では最高の自分だったんですから、完全に100%正しかったんです。
過去を悔やむことはやめて、未来に向けていかに自分を磨くか、向上させるか、成長させるかを考えてみてはいかがでしょうか。
過去を振り返るより、今の自分がどれだけ未熟かを認識しながら謙虚に生きていくことにしましょう。
