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2024-10-07 19:29

#7-2 ゲスト・畳職人 / 田中宏幸さん【読書のまにまに】

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畳の可能性を広げる取り組みを行っている畳職人の田中宏幸さんをゲストに迎えて、トークセッション。重要文化財からCGまで、幅広く畳の世界を見つめる田中さんが今に至る道をつくってきた本たちについて話します。

 

【今回のゲスト】

田中疊店 4代目 畳職人 / 田中宏幸さん (株式会社 recla 代表取締役)
畳職人。明治神宮や、重要文化財である護国寺月光殿の畳修復など様々な畳製作に関わる。その後、畳工事だけではなく、DIESEL渋谷店の畳アートワーク作製や、畳トートバッグのプロデュースや、CGを使用した新たな畳空間の提案など畳の可能性を広げる活動を行っている。2023年は田中疊店を法人化し、株式会社reclaを立ち上げる。

 

【登場した本】
coming soon!!!

サマリー

田中宏幸さんは畳職人になるまでの経緯やCGデザインとの関連について話し、読書が職人としての成長に与える影響を掘り下げています。彼は谷崎十一郎の「陰影雷散」や「ストーリー都市の競争戦略」を通じて、デザインやビジネス戦略の本質を探求しています。一方、畳職人の田中裕之さんは、畳の国際経験や目標設定に関する書籍を通じて自らの成長について語ります。特に、海外での畳の修理作業や目標設定の重要性について触れています。

畳職人への道
あれですよね。畳の前は、CG?
CG、はいはいはい。
植物からCGはどんな流れだったんですか?
植物に働きながら、実は空間のちょっとお勉強もしてまして、
照明デザインとか、キャドもちょっとやったりとか、勉強してるとこがあって、
それでその時に、そこで求人見つけて、CGはちょっと面白そうかなっていうところで、応募したら通ったっていうところがあったので、
ただそのCGの会社入った時に、もともといられた方が結構ごっそり抜けられたタイミングでもあったので、
それなので、入っていきなりちょっと年齢的にもう中間ぐらいの位置に位置づけられてしまって、
そういうのがあって、そうするとなかなか相談する人はいないっていう状況の中、
もうその時も本当に読書に白車がかかったというか、自分でいろいろ探ってやらなきゃいけないなとか、
その時はビジネス書だけじゃなくて、実際のインテリアの本だったりとか、空間デザインの本とか、そういうのもすごく世に漁ったりしてましたね。
へー、そうなんだ。なるほどな。
ちなみに、さっき最初の会社で読んでいたレバレッジ・リーリングが、
いろんなたくさんの本を読んでいくみたいな文脈があったよってさっき教えていただきましたけど、
例えばその25歳ぐらいからそういった畳の世界に変えるというか入るというか、
その時の間で、多分読まれていた本とか触れられていた本結構あったのかなって伺いながら思ってたんですけど、
その時で何か読んでいて、触れていて何かすごく今も残っている本とか何かあったりするんですか。
えっと、照明デザイン、裏でその照明デザインとかそういうデザインを勉強しているという時に、
その照明デザイナーの人から紹介を受けた本が谷崎十一郎の陰影雷散という本があるんですね。
あれはすごく今でも感覚的に残っていまして、
へー、そうなんだ。
いまだに手元に残してますね。
へー。
あれは昔の日本人の美意識とかいうのを述べている、エッセイみたいな本なんですよ。
多分その感覚的なところで今の日本人と多分真逆なのかなっていう。
影とかそういうものの美しさって言えばいいんですかね。
そういうのを述べているとか、そういうのを綴っている本なんですけど、
その考え方ってすごく今でも残っているというか。
で、それはそれで読んでたんですが、
もう一個ビジネス書の方で、だいたいその後ぐらいに読んだ
ストーリー都市の競争戦略って本があって、有名な本があると思うんですけど、
あれも見ていると、例えば、戦略とかビジネスの事業をするときに、
一見不合理な要素を入れることで、差別化とか強さに持っていけるみたいなことを書いてあったと思うんですけど、
それが陰影雷さんとも繋がってくるというか、
マイナスインっていうところの、逆にそこに焦点を当てるというか、
そういうところでやってることの、なんていうんですかね。紙じゃないですけど。
職人としての成長
で、CGの仕事をしながら、ある有名なデザイナーさん、空間デザイナーさんの仕事をやってるときに、
うちの社長の中から、デザイナーさんの指示でCGが出来上がってくるときに見ながら、
まだ毒が入ってないなとか言い方してたんですよ。
へー。
で、そのデザイナーさんなんかは、その空間の中で、すごく真逆というか、
ちょっと毒になり得るような要素を入れたりするんです。そうすると、すごく引き立つというか、全体的に。
ほー、そうなんだ。
っていう経験がちょうどその辺に繋がってきてて、自分の中で。
はいはいはい。
で、そうすると、マイナスとか毒とか、実はそういうものの大切さというか、影とか、そういうのをすごく感じた時期でもあるんですよね、その流れで。
へー。めちゃめちゃ面白いですね、そこまで。
そうなんです。読書と経験とかが繋がってきてるところがあるので、今でもCGの空間デザインとかやるときの自分の感覚的に、その真逆とかマイナスとかの要素っていうのをすごく考えちゃうんですよ。
そういうことねー。
本筋からずれたとこ、その本筋がずれるっていう、ずれの部分っていうのをどういう風にずれさすかとか、
うん、すごくそこは影響を受けたというか。
なるほどな。いやなんか、りんえらいさんのストーリーとしての競争戦略のお話も今おっしゃっていただきましたけど、その2つの本が並んで語られてるのを僕は、僕自身として初めて聞いたなって思います。
確かに。
いやでも確かに、いや面白いですね。あとあの、本筋からずらすっていう今のお話を聞いてすごく、なんか今更ながら画展が行ったところは個人的にありまして、
たぶん田中さんに一番最初お会いしたときとかに、まさにその畳出るという話と、あのCGの、それこそ家族を見せてもらって、
はい。
CG上で畳をどうやって生かしていくかみたいな、この空間としてどうやって畳を生かすかみたいな、あの作られてるやつとかを見せてもらって、
はい。
なんか初めて見たけど、そっかこういう感じなんだって思って、なんかその本筋からずらすみたいなところのなんか感覚みたいなものを、確かになんか田中さんのそういったいくつかの、まあ見せてもらったものだったりとかやられていたこととかなんか、確かに勝手に感じさせてもらったかもなってすごく思いました。
ありがたいですね、なんか。
今自分がこう畳職人としてやっていく上で、例えばストーリーとしての競争戦略じゃないですけど、自分のその職人としての読っていうのが、例えば最初の5年とか7年の修行になるなとか、
え、それもし、職人としての読が最初の5、6年だったらどういう意味ですか?
あの、要はあの、普通に畳職人に今なろうと思えば、まあ機械とか入れちゃえば1年になろうと思ったらなれると思うんですよ。
ああ、そうなんですね。
なんですけど、自分の場合だから5年とか7年ぐらいガッツリ修行してたっていうところがあるんですけど、これって結構なかなか真似しづらいとこというか。
5年から7年って時間を使うっていうのはすごく、ある意味マイナス的なとこではあるんですけど、それがそこでやることで強みになるというか、その説得力、自分がやることを畳職人としての説得力として後々引いてくるっていうのが、
なかなかそこは真似しづらいとこ。今の特に、今なんかね、職人さんになろうと思って最低でも5年とか10年近く修行したいっていう人がどれだけいるのかと思うと、
そこってなかなか真似しづらいとこなのかと思ったりするんですけど。
そうなのなー。
そう思うんですよね。
はいはいはいはい。
あーそうか。ちなみに、毒っていうあたりもうちょっと上がってみたいなと思ったんですけど、
なんか、言葉で表現し得るものなのかちょっとわからない中で聞いちゃうんですけど、
田中さんの畳職人として持たれている毒の部分って、なんかどっかに消失したりするものなんですか?
消失しているもの。
あー、よく伝統的、技術の変、多少伝統であるようにひっくり返した方がいい部分もあるかなって自分は思ったりするんですよね。
はいはい。
そこに必要なのが毒かなと思ったりするんで。
あーなるほど。
なので、そういう部分は持っておかないと変化についていけないのかなとか。
なるほど、はい。
なんとなくですよね、感覚的に。
あー。
そういうとことか、表現していく上でも毒があることで深みが増しているか広がるというか感覚的な、そういうとこもあると思うので、
そこはすごく、まあ毒っていう言い方はちょっと強かったりするんですけど、
それは前の会社の社長がそういう言い方してたんで、なんか自分の中の感覚的に毒、真逆って言えばいいんですかね。
真逆の要素って言えばいいんですかね。
真逆の要素ですね、はいはい。
そういう部分ですよね。そこの流れとは違う部分をゴンと入れるみたいな要素。
そういうところの感覚というか、そういうのはすごく自分の中でも、本を読むとか選ぶときでもちょっとたまにそれが作用したりするときがあって、
なんかすごい硬いというか、本当にビジネスショーを2冊くらい、2、3冊買っちゃった場合に、
真逆としてものすごいくだらないサブカルの本を1冊買ってみたりとか。
はいはい。
なんか変なバランスを取るというか、そういうところで変な。
今の聞いてて、その毒かって僕の中で思ったことと田中さんが思われてることが全く同じだとは全然思わないですけど、
イメージ仕切れてるとは全く思わないですが、
僕の中で今の聞いてきたのは、岡本太郎さんの自分の中に毒を持てという本って言いますけど、
あの方も芸術と馬鹿さみたいな話だったりとか、
あくまでもそれまであったものとかじゃない、逆側がちょっとわからないですけど、
さっき田中さんがおっしゃった話でいう流れとは違う部分を入れるみたいなものとかって、
岡本太郎さんとかも結構持たれている方だよなーみたいなことを今伺いながら思っていて。
そうなんですね。
毒ってそういう毒かなーどうかなーみたいなことを今想像したりしましたね。
多分そんな感じだと思いますね。
それでいきましょう、はい。
なるほどなー。面白い。
そっかそっか、なるほど。
今って畳を始められてどれぐらいなんですか?
もう12年、12、3年経ってますね。
それぐらいなんですね。
まだ浅いんじゃないですかね、職人としてはもしかしたら。
海外での畳修理
そうなんですか、そっかそっか。
だいぶ濃い経験をしている方だと思うんですけど。
なんか七川さんとのお仕事のことを思い返してみたりすると、
それこそいろんな方のお宅に伺って畳を直したりとかされてるようなイメージを持ったり。
そうですね、はい。
あれ、お名前別に出していい気がするけど川上さんのところとかもやってるって言ってましたっけ。
川上さん、江戸線局なんですよね。
江戸線局さんの川上さんのところは厳密に言うとうちの親方がやってたんですよ。
自分がまだ修行時代というか、そのぐらいのタイミングで一緒に親方として畳をさせてもらって。
なるほど、なるほど。
で、その仕事をした後ぐらいに、ゆうきさんとか一緒のコミュニティというか集まりで改めてお会いしてみたいな感じになった。
あ、そうだ。そっか。
あとあれですね、直近なのかちょっと記憶にないですけど、海外に行っても畳やられてたりとかしてましたよね。
去年かな。海外に送ったのは3、4年前にスウェーデンに送ったりはしてたんですけど、
去年は2回ロサンゼルス行って現地現場で畳の交換、リペアというか現地作業をしてましたね。
え、現地ってすごいなって。
ロサンゼルス、1回目がロサンゼルスに2週間ぐらい行って帰り、
1回目が最初ボストンのボストンチルドレインズミュージアムってあるんですよ。
そこの町屋の建物を全部移築したのがあって、そこの畳があって、これを交換まずしに行って、
そしたら今度ロサンゼルス飛んで、ロサンゼルスの大体基本的にお茶の先生、
日本のお茶の先生が向こうで活動されてる方が畳が入れたけど交換とかできないですから向こうで。
まあそうですよね。
まあそれも俺自分自身っていうよりかは、たまに手伝ってた京都の畳屋さんがいらっしゃって、
その方が飛んでくれるっていう。
飛んでくれるって面白いですね。
飛びますって言って飛んでくれたので。
そうですね。
そうなんですね。
確かに向こうだと畳職人とかいらっしゃらないんですか?
職人はいないと思いますね。
そうですよ。
あるとするといったのが、向こうで活動してる日本の大工さんかなんか。
できたらその人のDIYっぽくじゃないですけど、やってる方がいらっしゃって材料送ってくれないかっていうのがあったりしましたけど。
へー。
そっかー。
確かに前、どこでしたっけ?
SNSとかで田中さんがロサンゼルスとか行って畳やってるみたいなのを見た時に、
そっか、飛ぶんだー、すげーなーって。
あれは飛びましたね、ほんと。
そっかー。
それが5年から7年の修行がそこで生きるってところなんですよね。
あーなるほど。
そこはやっぱちゃんと時間使って身につけたものがそういうところで使えるというか。
1,2年で機械でやっちゃったらあれができないので現地でやるっていうのは。
あーそっかー。機械持っていけないですしね。
持っていけないですし、元から手でやってないとやりきれないというか、枚数とか。
そうですよね。
やってたから一応そういうこともできてるってやっぱこう生きてくるっていうのが。
そうだ。田中さんそうですよね。ずっと全部、今も全部手ですか?
目標設定の重要性
今ね、2,3年くらいちょっと機械少し入れて、物によって使い分けてるというか。
あーそうなんですね。
手でやらなきゃいけないものは手でやれるし、機械でもそうですし。
やってますね、はい。
思い出しました、田中さんのお店というかスタミナにやられてる場所に行った時に、
要するに針?針って言っていい?
針です、はい。
針で畳を通すみたいな、ちょっと触らせてもらうときに、固すぎて全然進まないし、
自分の手が壊れそうみたいな、ちょっと触っただけで。
そうですよね。
それで田中さんの手が固すぎてびっくりしたみたいなことをちょっと思い出しました。
いやー手何回もやったなと思いながら。
なるほどなー。ありがとうございます。
気がついたらもう時間も結構経ってきたなーみたいなことを思ったりしながら、
最後の方の質問にしていけたらなーみたいなことを思っているんですけど、
改めて田中さんご自身の、すごく抽象度高いような質問をしちゃうんですが、
今のご自身を作っている本、畳職人としての自分を作っている本を何か一冊あげるとしたら何?みたいな問いがあったとしたら、
どんなものをあげたりします?
畳職人…畳職人か。
それもレバレッジリーディングと同じぐらいの時に買った本なんですけど、
ブライアントレーシーっていう人が書いたゴールっていう本があって、
それは目標設定の本なんですよね。
で、それを読むようになって、いまだにそうですけど、目標設定は常に当てるようにしていて、
例えば毎年100個目標を書いたりとか、
っていうのは習慣というか、残ってるので影響…今で畳職人というよりかは社会人として、
それは残ってるかもしれないですね。
受けてるというか、はい。
いやー、そっか。今の質問させていただいてすぐに田中さんの口から出てくるってことは本当にそうなんだなっていうのがすごく思いました。
いまだに多分手元にあるのはそういうことだろうなと。
そうなんですか。
そっかー。
なるほどなー。ありがとうございます。
じゃあちょっとなんか、もっと聞いてみたいなと思う一方、そろそろお時間だなっていうふうな気もしております。
ちょっと今日はここで一旦終わりにさせてもらいながらにしようかなと思っております。
はい、ありがとうございます。
じゃあですね、今日もこの場で一緒に聞いてくださった皆さん、そして田中さんありがとうございます。
今回読書のまにまにの第7回のゲストはですね、畳職人の田中裕之さんでした。
改めて田中さんありがとうございました。
ありがとうございました。
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