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シニアアップデートデイリーシェア。この番組はスポーティファイポッドキャストキーステーションに、
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散歩と脳の関係
はい、ということでですね、今日は散歩と創造性ということについてお話をしたいんですけれども、突然ですが皆さんは歩いています?
移動手段としての党じゃなくて、あえて時間をとってウォーキングするということですね。
もし最近何だか頭がモヤモヤするなぁとか、良いアイディアが浮かばんなぁとか、そういうことを悩んでいる人がいたらですね、今日の話はきっと役に立つんじゃないかなぁと思います。
今日のテーマは散歩です。ただの健康法じゃなくて、脳と創造性のための散歩。
実は先日ですね、こんな興味深いメモを見返していたんですね。
散歩には実際、脳内伝達物質のセロトニンの分泌量を増やさせ、注意力を高めてアイデアを閃きやすくする効果がある。
これはですね、2015年にスタンフォード大学の研究チームによって科学的にも実証されているんだそうです。
なんとなくですね、歩くとスッキリするなぁと経験則では知っていたことが、実は科学的な裏付けがあったということですね。
今日はこの散歩と創造性について、スタンフォード大学の研究結果とか、歴史上の偉人たちの散歩習慣、そして脳科学的なメカニズムまでですね、じっくりと深掘りしていきたいなぁと思っています。
スタンフォード大学が証明した、歩く効果。
さて、まずは先ほど触れたスタンフォード大学の研究について詳しく見ていきましょう。
これはですね、2014年にマリリー・オッペッツ博士とダニエル・シュワルツ教授によって発表された論文だということですね。
日本語で言うと、アイデアに足をつけろと、つまりアイデアを歩かせろといったところでしょうかね。洒落てますね。
この研究ではですね、176人の学生を対象にとってもユニークな実験を行ったそうです。
参加者を座っているグループと歩いているグループに分けて、それぞれに創造的思考テストを受けてもらったんだそうですね。
具体的にはですね、発散的思考を図るテストです。例えば、レンガの使い道をできるだけたくさんあげてくださいといったような課題ですね。
普段なら、家を建てるからしか思いつかないところを分塵にするとか、砕いて絵の具にするとか、ドミノ倒しに使うとかね、どれだけユニークなアイデアを数多く出せるかを測定をするものです。
その結果は驚くべきものだったそうですね。なんと歩いているグループは、座っているグループに対して創造性のスコアが平均で60%もアップしたんです。
60%ですよ。これすごい数字だと思いますよね。 もし飲むだけで創造性が60%上がるサプリがあったら、怪しくてそれでも飛ぶように売れるというような、そういう数字じゃないでしょうかね。
でも私たちは、ただ立ち上がって歩くだけでその効果を得られるよということがわかったわけです。 さらに面白いのがこの実験の条件なんですね。
景色の良い公園を歩いた場合と、味気ない室内のトレッドミル、ランニングマシンですね、その上を歩いた場合で比較をしたんだそうです。
普通に考えれば美しい景色を見た方が刺激になってアイデアが湧きそうだなって気がしますよね。でも結果は違ったんですね。
実は室内の壁に向かって黙々とランニングマシンで歩いた場合でも、外を歩いた場合とほぼ同じぐらい創造性が高まったということなんですね。
これが何を意味するか。つまり重要なのは目から入る刺激じゃないということです。
歩くという動作そのものがですね、脳の創造性スイッチを押しているんです。 教授たちはですね、そのように結論づけているわけです。
しかもその効果には持続性があったんですよね。 歩いた直後に座って作業をしても、しばらくの間は創造性が高い状態が続いたんだそうです。
つまりアイデア出しに行き詰まったら一度席を立って10分ほど歩いてみる。 そして戻ってきてから座ってかきためる。これでも十分に効果があるということなんです。
まさに煮詰まったら散歩というのは最強のハックだったわけですよね。 ただ一つだけ注意点がありました。
この実験では収束的思考、つまりたった一つの正解を見つける作業ということについては、 歩く効果は見られなかったんだそうです。
むしろ、わずかに低下する傾向すらあったらしいですね。 例えば複雑な計算問題を解くとか、論理的なパズルを解くといった作業ですね。
こういう集中して正解を絞り込む作業というのは、 静かに座ってやる方が向いているということが分かりました。
歴史的な散歩愛好者
なのでブログのネタを考えたりとか、新しい企画の構成を練ったりとか、 そういうような発散的な作業には、歩いていく散歩が圧倒的に向いているということが分かったわけですね。
なのでこの使い分けというのは、クリエイターにとっては非常に重要になりそうですね。
脳内で何が起きているのか、ではなぜ歩くだけでこれほどまでに脳が変わるのでしょうか。
その鍵を握るのが冒頭のメモにあったセロトニンという脳内物質なんです。 このセロトニンが別名幸せホルモンと呼ばれるんだということは皆さんもよくご存知だと思うんですけれども、
実は心のバランスを整えるオーケストラの指揮者のような役割をしているんだということなんですね。
このセロトニンが不足すると、私たちは不安を感じやすくなったり、イライラしたり鬱的になったりすると。
逆にセロトニンが十分に分泌されていると心が落ち着いて、集中力が高まるとか脳がクリアな状態になるとか、そういうような、よく言われるゾーンに入りやすいという、そういう状態ですね。
このセロトニンというのは実はリズム運動によって分泌が補足されるということがわかっているんです。
リズム運動というのは一定のリズムで同じ動作を繰り返すことですね。咀嚼、つまり噛むこととか呼吸、そして今話題になっている歩行です。
1、2、1、2と一定のリズムで足を動かしますよね。
この刺激が脳幹にある方線核という場所を刺激して、セロトニンの分泌を流すということになっているようです。
歩き始めてからだいたい15分から20分くらいでセロトニンの濃度が高まってくると言われているんです。
皆さんも経験ないですか?最初は面倒だな、疲れたなとか思って歩き始めたのに、20分くらい経ったら何とかもう気分がスッキリしたなとかね。
あれもやりたい、これもできそうと前向きな気持ちになるとか、あの感覚こそがまさにセロトニンが脳内に満ちてきた証拠なんだということですね。
さらに歩くことは全身の血流を良くするわけですね。心臓から送り出された血液というのは足の筋肉のポンプ作用によって再び心臓へと戻されます。
足は第2の心臓なんて言われますよね。歩くことで脳への酸素供給量が増えて脳細胞が活性化します。
一部の研究ではカイバという記憶を司る部分のサイズが大きくなるなんていう、そういう報告もあるぐらいなんですね。
つまり散歩というのは血流ポンプを回して脳に酸素を送り込んで、リズム運動でセロトニンという潤滑油を出して、
結果として創造性のエンジンを全開にするというような、極めて理にかなったメンテナンス作業だったということになります。
散歩を愛した知能巨人たち。さて科学的な話が続いたんですけど、歴史的に目を向けてみると、散歩の効能を直感的に理解して実践した人というのがたくさんいるんですよ。
彼らのエピソードを知ると明日からの散歩がもっと楽しくなると思うんですね。
一人目はドイツの哲学者、エマニエル・カントですね。純粋理性批判とかよく言われますけど、よく難しそうだなというような哲学者で知られる彼なんですけど、
その生活は恐ろしいほど規則正しかったということで実は有名なんです。
カントは毎日午後5時きっかり散歩に出かけたんですね。本当に毎日班で押したように同じ時間に家を出るので、
歴史的な散歩の実践
彼が住んでいたケイニヒスベルクの市民たちは、カントが散歩に出てくるのを見て、ああ今5時だなと時計の針を合わせたという伝説が残っているくらいなんです。
カントにとっての散歩というのは気晴らしではなく思考のための儀式だったと言われています。
彼はいつも同じコースを歩いたんです。これは新しい景色に気を取られて思考を中断させないためだったと言われています。
そして彼は一人で歩くことを徹底しました。誰かと話すと口を開けなければならないですね。
カントは口呼吸は体に悪いと信じていたんだそうです。鼻呼吸を維持するために友人が一緒に歩きたいと言っても断ったんだそうですね。
面白いこだわりですよね。それくらい歩くことと自分と向き合うことがセットだったというわけです。
2人目はイギリスの文豪のチャールズ・ディケンズ。クリスマスケロルとかオリバーツイストとかよく知られた作品の作者ですね。
彼の散歩はカントとは対照的。カントが静かな儀式だとしたらディケンズの散歩は猛烈な探索ですね。
彼は毎日午後になると執筆を切り上げ、なんと20キロから30キロもの距離を歩き回ったそうです。
しかもかなりの早歩きだったそうですね。 時速にすると約8キロとか小走りぐらいのスピードですよ、これね。
そんな速さでロンドンの街を深夜まで徘徊と。すごいですね。ディケンズは不眠症に悩まされていて、夜通し歩くナイトウォークを日課にしていたということです。
彼にとって散歩というのは精神の安定を保つための手段であると同時にネタ探しの場でもあったということです。
すれ違う人々とか路地裏の喧騒とか貧困街の匂いとか、そういった街の生きた情報を足を使って収集していたんです。
彼の小説に登場する生き生きとしたキャラクターとか描写というのは、この執筆後の凄まじいウォーキングから生まれていたんですよね。
彼はですね、もし私が早足で遠くまで歩かなければ爆発して滅んでしまうだろうと、そんなことまで言っているんです。
彼にとって歩くことというのは生きることそのものだったのかもしれませんね。
現代の散歩と創造性
そしてですね、現代に目を向けてみると、アップルの創業者のスティーブ・ジョブスも散歩の愛好家だったそうですよ。
彼は重要な会議とか商談を部屋の中ではなく歩きながら行ったんです。ウォーキングミーティングですね。
フェイスブックのマーク・ザッカーバーグもこれを真似しているんだそうです。
横に並んで同じ方向を見ながら歩くことで対立関係になりにくいと、そして建設的な意見が出やすいという、そういうことなんですよね。
そして何より歩くことで脳が活性化しますから、大胆なアイデアが生まれやすくなるということを彼らは直感的に知っていたんでしょうね。
カントのように規則正しく歩くものもいいですし、ディケンズのように情熱的に街をさまようのもいいですしね。
ジョブズのように議論の場にするのも良しということで、方法は違えど偉大な知性たちはみんな足を動かすことで脳を動かしていたということになります。
はい、いかがだったでしょうか。散歩と創造性、たかが散歩されど散歩ですね。
スタンフォード大学の研究というのは、歩くことが脳の創造性を60%も引き上げるということを教えてくれました。
そして脳科学はリズム運動がセロトニウムを増やして私たちをポジティブにしてくれるということを教えてくれました。
そして歴史上の偉人たちはその効果を身をもって証明をしてくれたということです。
もしですね、今私も含めて何かのアイデアに詰まっていたりとか、仕事の悩みで頭がループしてしまっているとか、そういう状態ならパソコンの前でうどぎ目をしていてもおそらく解決しないでしょう。
モニターを閉じてスマホを置いて靴を履いてみましょう。
そしてとりあえず15分外を歩いてみましょう。
自分の住んでいるところは何の面白みもないようなところで、歩いてもそんなに発想が生まれるとか思えないけれどもなぁって、そういうふうに思う方もいらっしゃるかもしれないんですけど、
トレッドミルでのウォーキングも美しい景色を見ながらのウォーキングでもさほど差はなかったというのが出ましたよね。
なのでその形式を楽しむ必要というのはなくて、ただ足の裏の感覚と呼吸のリズム、これに意識を向ければそれでいいよということです。
20分もすれば脳内にセロトニンが満ちてくる。そして、こうすればいいかもという小さな光景が見えてくるはずです。
僕もですね、この収録が終わったらまた少し近所を歩いてこようかなと思います。歩きながらまた次のポッドキャストのネタでも考えましょうかね。
それではまた次の放送で。リュウサイルでした。