ジョルジュ・サンドの考え方
シニアアップデート・デイリーシェア。この番組は、スポーティファイ・ポッドキャストキーステーションに、
アップル・ポッドキャスト、ユーチューブ・ポッドキャスト、スタンドFMを通して、日本全国のシニアへ向けてお届けする番組です。
さてですね、皆さんは忙しいなぁと叫びたくなった時、最初に何を削りますか?
睡眠時間でしょうかね。食事の時間かもしれないですね。
それとも趣味や休憩の時間でしょうか。
多くの人は、まず休息とか運動の時間とかから削ってしまいがちですよね。
仕事が終わらないから散歩なんて行ってる場合じゃないとかね。
締め切りが近いから今日はデスクにかじりつかなきゃとかね。そう思いますよね。それが普通だし。やっぱ私もね、やっぱりそうでしたね。
でもですね、今日はそんな常識をひっくり返すような、ある一人の女性作家のエピソードをご紹介したいなと思います。
彼女の名前はジョルジュ・サンド。お気になったことがある人もいるかもしれませんね。
19世紀のフランスを代表する作家で、ショパンの恋人としても有名ですよね。
このエピソードを紹介しているのは、フィリップ・ギルバード・ハマトンというイギリスの評論家の書かれた知的生活という本です。
この本はですね、明治時代、日本でも翻訳されたんです。
そして私に大きな影響を与えることになった渡辺翔一先生の知的生活の方法、その方がですね、座右の書にしていたという、それでも知られる知的生活のバイブルのような本なんです。
この中にですね、私はメモをしていたんですよね。
それは、「忙しい時こそ散歩。」というようなメモです。ジョルジュ・サンドの名前とともにメモをしていました。
今日はですね、このジョルジュ・サンドのエピソードを起点にして、忙しい時こその休息戦略ということについてお話をしていきたいなと思います。
この放送を聞き終わった後にですね、皆さんはきっと忙しいからこそ外に出ようと思えるようになっていただけているとありがたいです。
サンドの仕事の取り組み
それでは始めていきます。
ジョルジュ・サンドの逆転の発想。
さて、時計の針を19世紀に戻すということで、あるとき売れっ子作家だったジョルジュ・サンドの元に出版社から依頼が舞い込んだそうです。
いついつまでにこの原稿を仕上げてくださいということですね。
それは普段の彼女なら断るようなですね、かなり無理のあるスケジュールだったんだそうです。
締め切りまでの時間はギリギリだし、文量は膨大だし、普段なら朝から晩まで徹夜してでもね、書き続けなければ終わらないというような仕事量なんですね。
いやとてもじゃないけどね、引き受けられないですよね、そんなのね。
でもサンドはですね、この仕事を引き受けたんですけれども、その時に彼女がした決断というのがね、結構驚くようなものだったんです。
なんとですね、ジョルジュ・サンドは毎日の散歩時間は確保しなきゃならないと。
だからスケジュールの組み替えをしなきゃということをね、やったんですよね。
普通なら逆ですよね。散歩なんてしている時間ないから出筆時間に当てようって考えますよね。
でも彼女は違ったんですね。彼女はこう考えたんです。
この過酷な仕事を乗り切るためには、私には散歩が絶対必要だと。だから散歩の時間は絶対に支出するんだということですね。
具体的に彼女が何をしたのかというと、午後にやるはずだった仕事の一部を夜に回したんだそうです。
徹夜仕事が増えることになっても、彼女はですね、昼間の数時間を空けました。
その空いた時間で田園地帯をゆっくりと散歩したんですね。
ハマトンはですね、このエピソードを引いてこういうふうに称賛しているんです。
多くの作家は仕事が忙しくなると運動をやめてしまう。しかし彼女は仕事が忙しくなればなるほど、一層運動に執着したということです。
ここが面白いところですね。執着したんです。
彼女にとって散歩というのは単なる気晴らしとか余暇じゃなかったんです。
それは食事や睡眠と同じ、それ以上にね、彼女の創作活動を支える燃料みたいなもんだったわけですね。
もし彼女が散歩の時間を削ってその分を執筆に当てていたら一体どうなっていたでしょうね。
おそらくこれは私にも経験があるんですけど、最初の数日はガムシャルにやるんで進んだかもしれないんですけど、すぐに脳が疲れ果ててしまうわけですよね。
そして集中力が切れて原稿の質が落ちてしまうという、そういうような経験を何度もしてきましたし、自分も自分もと思う方もいらっしゃるんじゃないでしょうかね。
そして悪い、最悪の場合はですね、体調を崩してしまってね、締め切りに間に合いませんでした、みたいなね、そういうことがあったかもしれません。
サンドはですね、知っていたわけです。自分の脳がですね、パフォーマンスを最高に発揮するには数時間の散歩が絶対いるんだということをですね、自分で知っていたわけですね。
だからこそ、あえてリスクを取ってでも散歩の時間を先取りしたということなんです。
これは時間の消費じゃなくて、最高品質の原稿を書くための、そうですね、投資と言えるようなものだったのかもしれませんね。
知的生活の重要性
ハマトンが説く知的生活の極意。このエピソードを紹介したハマトンという人物についても少し触れておきたいと思います。
彼の知的生活という本は、ただの勉強法の本じゃないんですね。知的に生きるとはどういうことなのかというのを説いた人生論の本だというふうに理解をしています。
ハマトンはですね、こういうふうに言ってるんですね。知的生活というのは、単に知識を詰め込むことじゃないよと、心身ともに健康で生き生きとした状態で思考し続けることだよと、そういうことです。
彼はですね、当時の学者とか作家たちが、肉体を結構軽視していたんですね。そして、書斎にばっかり閉じこもっているということをかなり厳しく批判していたんです。
体が弱ってしまっては健全な思考なんかできんぞと、脳だって臓器の一つだよと、胃腸や筋肉と同じように適切なケアがいるんだよと、そういうことを主張していたんですね。
先ほどのジョルジュ・サンドの話も、この文脈の中で出てきています。なので、ハマトンにとってサンドというのは、まさに知的生活の達人だったというわけですね。
彼女は精神と肉体のバランスを完璧に理解をしていたんですよ。
机に向かう時間と野山を歩く時間、インプットとアウトプット、それから緊張と緩和ですね。このリズムを崩さないということが長時間にわたって高いレベルの仕事を続ける秘訣だと、そういうことを彼女が思って実際体験をしていたわけですね。
実際はこれ、現代の私たちにも痛いほど刺さる話じゃないですかね。私たちもまた知的生活を求められる時代に生きているわけです。毎日パソコンに向かって情報を処理して何かを生み出すことを求められていますよね。
そして忙しくなるとついメンテナンスをさぼりがち。今日は忙しいからジムに行くのをやめようとか、睡眠時間を1時間削ろうとか、昼休みも働こうとかね。でもハマトンが生きていたら絶対こういうわけですね。愚かだねとね。
君は走り続けるためにガソリンスタンドを取りすぎようとしている車と同じじゃないかというようなことです。
ジョルジューサンドというのは、夜なべをしてまで昼間の散歩を守ったわけですけれども、私たちもどんなに忙しくてもこれだけは譲れないという自分だけのリセット時間というのを持つといいわけですね。
それはですね、やっぱり散歩かもしれないし、お風呂かもしれないし、瞑想かもしれませんね。重要なのはですね、それを余った時間でやるんじゃないよということですね。最初にスケジュールに組み込んでおくんだよというようなことが大事ですよね。
散歩の重要性
忙しいからできないんじゃなくて、忙しいからこそやるという、そういうようなことです。私も50代の人生最多暴起というような、そういう時代にですね、朝30分瞑想をしたりする時間を作っていました。
現代科学が証明する、サンドの正しさ。さて、この19世紀のジョルジューサンドの直感というのは、現代の科学でも正しいということが証明をされています。
脳科学の分野では、人間の脳にはデフォルトモードネットワークという回路がある、そういうことが分かっています。これはね、私たちがぼーっとしている時にだけ活動する脳の回路だそうです。
ぼーっとしていると聞くとですね、脳が休んでいるように思えるんですが、実はね、逆だと。この時、脳はね、過去の記憶とか情報を整理していると、そしてバラバラだった断片をつなぎ合わせるというようなね、非常に高度な情報処理を行っているわけですね。
机に向かって集中している時とか、脳はね、外からの情報というのがガンガン入ってくるわけなんで、それを処理するのに手一杯なわけですね。でも、その散歩したりとか、シャワーを浴びたりとか、そうやってふーっとリラックスしている時に、このデフォルトモードネットワークというものが起動して、そしてバラバラだった断片のつなぎ合わせみたいなね、高度な情報処理が行われるもので、
だから、そういえばみたいなね、やっぱりひらめきが生まれると言われています。
ジョルジュ・サンドが過酷な出発スケジュールの合間に散歩をしている時に、彼女の脳内ではまさにこの現象が起きていたはずですよね。
フランスの田園風景綺麗ですよね。そういうのを眺めながら足のリズムをずっと感じていると。
その時に彼女の意識というのは、現行から離れていても無意識化の中でですね、物語の構成が練り上げられているわけですよ。
キャラクターたちが動き出したりとかね、言葉が紡がれたりとかね、そういうことをしていたんじゃないかなと思います。
だからこそですね、机に戻った時に迷うことなくペンを走らせることができたと。そういうことです。
つまり、彼女の散歩時間というのは決してサボりでもロスタイムでもないわけです。
知的生活の技術
それは立って行う執筆活動と言ってもいいようなものだったんじゃないでしょうかね。
もしですね、私たちが今の仕事で煮詰まったなと感じていたら、あるいは忙しすぎてパニックになりそうだなと感じていたら、やっぱりこのジョルジュ・サンドのことを思い出すといいんじゃないかなと思います。
ジョルジュ・サンドはね、締め切り前でも散歩に出かけたということですね。
そしてハマトンはそれを最高の知的生活だと褒めたたいたということです。
私たちもですね、ちょっと何か煮詰まったなと思ったら、PCを閉じる勇気というものもいるのかもしれませんね。
たった15分でもいいんで、オフィスとか家の周りとかをぐるっと一周をしてみると、コンビニまで歩いて帰ってくるだけでもいいんじゃないですかね。
そういう空白というのが、やっぱりそういうのを作っていくことがね、結果として仕事を早く終わらせる近道ということになるんじゃないでしょうか。
急がば回れってよく言いますけど、急がば歩けということですね。
はい、いかがでしたでしょうか。忙しいほど靴を履けと。
ジョルジュ・サンドのエピソードかっこいいですよね。
普段なら受けない無理な仕事を引き受けましたと。
ここにも彼女のプロ根性っていうのは見えるんですけど、その解決策がね、夜復活してでも散歩するということだったのが、何とも人間らしくて賢明だなと思います。
彼女はですね、自分のことを自分の脳の起源の取り方っていうのを、やっぱ知ってたんでしょうね、すごくね。
知的生活の著者のハマトンはね、こう言います。
知的な生活とは、自分の限界を知って、その限界の中で最大の成果を出すための技術であるよ。
無理をして体を壊すのは二流のやること、一流は最大の負荷がかかった時こそ最高のメンテナンスを行うんだということですよね。
はい、ということで、最近忙しさに追われて自分のメンテナンスがおろそかになっているなと感じた方は、
今日のジョルジュ・サンドの話を思い出して、明日のスケジュール帳にペンで太く、散歩と書き込んでみてください。
その時間は何があっても趣旨をして、そういう生命の急速というのを試してみてはいかがでしょうか。
はい、ということでまた次の放送でお会いしましょう。