曲の紹介と背景
お盤です。地名が出てくる歌のコレクター、WATANDOがお届けする、変愛に満ちた音声配信です。
番組が面白かったら、SNSでのシェア、また番組への高評価お待ちしています。
5点をつけてください。お待ちしています。
そんなわけで、今回は僕の人生を変えた音楽シリーズ、第8弾をお届けします。
これまでの人生の中でたくさんの曲を聴いてきましたが、特に非常に感銘を受けたとか、めちゃめちゃ聴いたとか、
うん、価値観変わったなとか、そんな曲を順番に紹介しています。10曲中8弾目となります。
その曲は、スーパーセルの【君の知らない物語】という曲です。
この曲はアニメ【化け物語】というもののエンディングテーマにもなった曲として知られています。
歌の魅力もさることながら、この歌がリリースされるまでのストーリーというところに僕は非常に感銘を受けているので、
少し時を遡ってお話ししたいと思います。
2007年に、ニコニコ動画という動画サービス、ご存知ですかね。その中でボーカロイドの曲がすごい流行りました。
それが【Melt】という曲でした。もともとニコニコ動画上では、ボーカロイド初音ミクに曲を歌わせてオリジナルの曲を発表するという文化が非常に流行っていて、
大学生だった僕は非常によくそれを追いかけていました。オリジナルの曲をみんながアップロードして、プロじゃない素人の人たちでも非常に多様な曲が、
音楽を制作する人がいるんだな、みたいな。かつ、メジャーリリースとはちょっと違ったテイストの音楽もたくさんあって、非常に面白いなというふうに思っていました。
そんな中でリリースされたのがこの【Melt】という曲です。この【Melt】は、りょうさんという方が制作して発表した曲で、当時初音ミクの曲がたくさん流行り始めていた中でもグンを抜いてバズりまして、
ニコニコ動画のランキングもこの【Melt】関連の動画だらけになるぐらい流行りました。
これを今ではメルトショックというふうなことで、ネット上では呼ばれている言葉にもなっているぐらい衝撃的な出来事でした。
それぐらいバズったもんだから、この【Melt】を作ったりょうさんはその後人気のミュージシャンというか、クリエイターというか、
ボーカロイドを作る作曲家のことをボカロPって言うんですけど、人気のボカロPになりました。
その後何曲かね、恋は戦争とか、ブラックロックシューターとか、ワールドイズマインとか、いろんな曲をニコニコ動画上で発表していって、どれもがヒットして本当に大人気の
ミュージシャン、ボカロPになっていったんですよね。だから僕は全部の曲を追いかけて本当にすごい良いなぁと思って、もうファンになっていました。
そんな中、
この【Melt】さんがスーパーセルという音楽ユニットでメジャーデビューすることになります。
その曲が、君の知らない物語という曲でした。
スーパーセルとしてメジャーデビューする前に発表されていた曲は基本的にはそのボーカロイドで歌わせていた曲だから、
電子音声で歌われた曲だったんですね。 メジャーデビューするにあたって生身の人間がボーカルとして配置される形でデビューしたんですよね。
その生身のボーカルの方っていうのが同じくそのニコニコ動画で歌いてという形で素人の人が歌を歌っていた方。
ガゼルさんという人気の方がいたんですね。 このガゼルさんはその【Melt】という曲のカバーもしたりしていて、
結構その【Melt】だとかスーパーセルの曲といえばガゼルの歌が合うよねみたいなことで言われていたんですよね。
そんな中でいざメジャーデビューすることになった時に、アンオフィシャルでどちらも素人が組んでいたようなガゼルとスーパーセルの曲がメジャー曲として正式に手を組んでリリースされるっていうことになったんですよね。
しかもその曲がただリリースされるだけじゃなくて、当時すごい人気だった【バケモノガタリ】というアニメ作品の曲になったっていうのもすごい衝撃だったんですよね。
デビューするだけじゃなくて、本当にそのタイアップとかバックアップも万全の体制でリリースされるっていうことになったんですよ。
いやーこれはね本当に衝撃で。
ニコニコ動画で僕が見た世界っていうのが、どこの馬の骨ともわからないど素人の人たちがうぞうむぞ集まっていっぱい曲作っていた中で、
めちゃめちゃ上手い人がいるなとか、すごい歌うまい人いるなとか、すごいセンスの曲作る人いるなみたいなのがいろんなクリエイターが集まることで見えてきて、
プロじゃなくてもすごいものを作る人っているんだなっていうのがニコニコ動画上で見えるようになってきてたんですよね。
そういう人がネット上で人気になって、そのまま地続きでプロの世界に行ったっていう感じだったんですよ。
これがね本当に衝撃で、それまでのメジャーアーティストって大きいレベルだとかがオーディションしてなのか、ライブハウスで見つけてきてなのか、
どっかのアクターズスクールみたいなところで養成された人なのか、ある種教育機関を経て選ばれてきた人たち、もしくはスカウトして捕まえてきた人たちみたいなのがプロの人たちだと思ってたんですけど、
野良の野生のクリエイターがプロに到達するっていうふうなものを、この君を知らない物語のリリースで僕は見た気がしたんですよね。
音楽シーンの変化
ニコニコ動画の登場でいろんなクリエイターが世の中にはいて、みんなそれぞれのセンスを持っていて、そのセンスが結構これまで一般大衆に受けるものとはちょっと違った尖った才能がいっぱいいるなと思っていて、
それが面白かったんだけど、その尖った才能のままメジャーにも行くっていうのを見て、アマチュアとかプロとかっていう垣根がなくなるなということをすごく強く感じました。
当時、Google ChromeのCMで初音ミクが起用されたCMが非常に人気になりました。それは初音ミクの社会現象をテレビCMにしたもので、
初音ミクというのはある種キャラクターをみんなで育てる。それを通じてみんながいろんな表現をする。曲を作りたい人もいるし、歌を歌ってみたい人もいるし、それに合わせて自分の楽器を演奏したい人もいる。
またオリジナルで振付をして、それに合わせて誰かが作った歌とかに合わせて踊ってみる。そういったのが初音ミクを格にして、いろんな高才能を持ったクリエイターが見えるようになってきて、それが大きなムーブメントになって社会を動かしているみたいな文脈のCMだったんですよね。
そのキャッチフレーズは、everyone creatorということで描かれて、誰もがクリエイターになる、そうクリエイター社会というものを結構決定的に印象付けたのが初音ミク現象であり、初音ミク現象の特に大きな中心にあったのがこのメルトショックからリリースされた君を知らない物語だったなというふうに思っているんですよね。
このメルトショックから君を知らない物語がリリースされたところで、プロとアマチュアの壁がぶっ壊されたなと僕は思っていて、その結果多くの才能が今トップの日本の音楽史にいると思うんですよね。
それこそ米津玄師とかもそうだろうし、いわそびとかユルシカとか、そういったアーティストもみんなボカロピーのところで経験を経てというところもあるので、今のトップクリエイターはやっぱり野良のクリエイターのところから繋がっていて、そこの一番先陣を切ったなというのが僕の中ではスーパーセルの君を知らない物語だなというふうに思っています。
そういう意味でその現象をずっと見ている中で、音楽だけに限らず創作の時代が変わったんだなというふうな、もう本当に革命の鐘を鳴らした曲でもあるなというふうに僕はこの君を知らない物語について思っています。
歌自体もシンプルにすごい好きなんだけどね。夏の大三角を探して、あれがデネヴァルタイルベーガーっていってね、指差すのなんか大好きで、友達と夜のキャンプ場で星を探したりとか、ちょっと青春っぽい良いことをこの曲を通じてやったなということもよく覚えていて、非常に思い出深い曲でもあります。
今なおこの君を知らない物語から始まったエブリアン・クリエイターの世界が今の音楽シーンを作っているなというふうにも思っているので、ますますこれからいろんな才能が出てくるし、どんな人でも誰にでも機会が与えられるようになったんだなというふうにも思っています。
そんなわけで、今の音楽シーンを作った一番風呂というか、ファーストペンギンというか、そんな曲というイメージを持っている曲としてご紹介させていただきました。ぜひ聴いてみてください。
そんなわけで、あと2曲かな、僕の人生を変えた曲ということで紹介していければと思っています。番組が面白かったり、いいなと思ったこと、もしくは番組をやめてほしいなどのご意見については、番組概要欄の方に投稿フォームを設けていますので、メッセージもお待ちしています。そんなわけで、またお会いいたしましょう。ご番でした。