現代の歌ってみた文化
ご番です。地名が出てくる歌のコレクター、ワタンドがお届けする、
変愛に満ちた音声配信、ポッドキャスト番組です。よろしくお願いいたします。
今回は、「歌ってみたは現代の民謡だ。」という話をしたいと思います。
歌ってみたという文化、ご存知でしょうか。
動画サイトとか、SNSなんかで検索すれば、大量に出てくるかと思います。
既存の歌をアレンジして歌うようなものですね。
カラオケっぽいっちゃカラオケなんだけど、やっぱりその人なりの表現が乗ってくるというところで、
本当に二次創作みたいな感じですかね、というような文化になっています。
もともと僕が思う始まりとしては、2000年代後半にボーカロイドというものが出てきて、
それでオリジナル曲が発表されるようになると。
それはボーカロイド、機械に歌わせた歌なので、それを生身の人間があえて歌ってみるという感じで始まった、
ニコニコ動画初の文化かなというふうには理解をしています。
よく覚えているものとしては、初音ミクが登場した2007年頃にですね、
メルトという曲がすごい人気を博します。
この曲をいろんな人がカバーしていった中で、ガゼルという歌い手の方がメルトをカバーした曲が、
めちゃめちゃ透明感のある声で、かつ音域の広いメルトを歌い上げているというのがめちゃめちゃバズりまして、
とんでもない再生数を叩き出したんですよ。
当時ね、ボーカロイドの曲はよくニコニコ動画で聞いていた僕としても、
このガゼルさんの登場でメルトはめちゃめちゃ加速度的に聞いたなというふうなことをよく覚えています。
その後ガゼルさんはメジャーデビューを果たして、今でもアーティストとして活躍されているということにもなっています。
なのでこの歌ってみたというのが、本当に趣味活動的なところもある一方で、
場合によってはプロへの投入門、そこから仕事に繋がるという人も多くいる文化にもなっています。
この歌ってみたというのが、誰かがとある作品を歌って、
またそれに触発されて自分も歌ってみようって感じで、自分で歌うかなみたいな再解釈して歌うというのが連鎖的に起こるんですよね。
民謡の伝承と影響
なのでよくやっぱり歌われる曲というものがあるんですよ。
これを見ていると民謡によく似ているなというふうに思うんですよね。
民謡というと、イメージありますか。あなたの住んでいる都道府県でも何かしらあると思います。
有名なのだと壮覧節とかなのかな。
そういう民謡というものは、昔からもともとは仕事とか祭典、お祭りとかの中で歌われてきた歌です。
そういった民から民へ、民衆から民衆へ、口伝えで伝わってきた歌というふうに言われています。
昔だと楽譜という概念がまだなくて、本当に耳で聴いたものをそのまま真似てきたという形で、それだけでずっと受け継がれてきたというところなんですよね。
そのまま耳で聴いてコピーするもんだから、その過程で全然違うメロディーラインになっちゃったりとかリズムになっちゃったりというものはあるわけで、かつ土地をまたいでいった歌というのも数多く存在しています。
だからこのメロディーでこの歌詞ですという正解がなくて、一つ一つ全てが民謡の正解というようなことになるんですよね。
正解がないからこそ、なんでもありだからこそ生き残ってきた。
かつこの不思議な自分もお仕事の中で歌いたいなというふうな思いの中で歌われてきたというのが民謡の強さなんだろうなというふうにも思います。
民謡について、僕本読んでめちゃめちゃ面白かったんで、次回は民謡とは何かというふうな話を書籍も含めて紹介させていただこうかなと思っています。
歌ってみたというような文化がね、たくさんのボーカロイドの曲がある中で、あの曲いいなとみんながみんなが真似する曲というのが特定あって、
その曲はやっぱり爆発的に10年以上前の曲でも長く残ってきてるんですよね。それこそメルトとかがそうですよね。
同じように民謡もね、いろんな曲がかつて存在していたんだけれども、おそらくその中で特にいい曲、みんなの耳に残る曲だけがコピーされ続けて繰り返し伝播されて残ってきたというところだと思います。
そういった意味で、みんなが面白いと思うものだからこそ人々が集まって伝わっていくというところは非常に歌ってみたと民謡で近いところなんじゃないかなというふうに思っています。
ちょっとまたこの話の関連で次回もお話ししてみたいと思います。ありがとうございました。ご番でした。