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お盤です。この配信は、日本のどこかを描いた歌と、その歌から見えてくる地域、そして地域から見えてくる音楽、そんなところをお届けしていきます。
お相手はMCは、ワタンドです。よろしくお願いします。
さあ、今回紹介する曲は、ポルノグラフィティーの青影という曲です。
この青影という曲に出てくる場所は、広島県尾道市にある因島、その中の青影トンネルという場所です。
ポルノグラフィティーは、因島出身ということもあって、この因島にある地名の出てくる歌をいくつか手がけています。
この青影に出てくる青影トンネルというのは、道路にあるトンネルですね。
車で通ったりするような場所で、彼らの思い入れがあるのかな、そんなところも思いを馳せられる曲になっています。
この歌がリリースされた当時と、青影トンネルの位置付けが少し変わっているんですよね。
以前は主要な道路のトンネルとして青影トンネルがあったんですけれども、2022年に新青影トンネルというのが新しく開通して、そちらが主要なルートになったんですよ。
なので、今もともと歌われていた青影トンネルは、旧道という位置付けに変わっています。
この新道・旧道、あなたの家の街とかにもありますか。
街の中で昔から使われている街道、それこそ江戸時代からあったようなメインのルートというのは、車がない時代から馬が通ったり人が歩いたりすることで発展してきたルートなんですね。
だから、車が通るのに最適化されていなくて、幅も狭かったりもするし、クネクネ曲がってたりもするし、はたまた街道として発展してきた場所だとすると、
沿線道路の脇に色んな、それこそ宿だったり文化施設だったり、はたまた石碑だったり、そういうのができちゃったりしているから、
年化していって車がいっぱい通るようになっちゃうと、不便だったりする道路もいっぱいあるわけですよ。
そういう時に、昔からの形のまんまじゃ車通りにくいねとなった時に、新たにモータリゼーションされた車でも通りやすいルートとして、
新道が整備されて、バイパスとか呼ばれるのかな、そっちの方にみんな流れていって、新道・旧道という形で地域に2つのルートができるということが出てくるんですよね。
新道は新しく道路が整備して、車も通りやすいようにしているので、道路も広いし、沿道もスペースもあったりして、
それこそロードサイドショップ、靴流通センターとか、大きいカフェができたり、イオンができたり、そういう場所にもなったりするのかなというところです。
便宜だから価値も高くて、それゆえ経済的にも消費される場所になっていくのかなと思います。
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一方で、昔からのルートだった旧道には、それこそ昔からあるものがあったりするわけですね。
昔の地主さんのお屋敷があったりするのかもしれないし、またまた歴史的な施設があったりするかもしれないですね。
そういう場所は狭くなっちゃって使いにくいのかもしれないけど、昔からその地域にあって、地域のメインルートだった場所ですから、
そういう意味では文化的な価値というか、またまた地域の人にとってはこっちがメインだよなみたいな情緒的価値というか、
そういうものが旧道にはあったりするんだろうなというふうに思うんですね。
この新道が持つ機能的価値と旧道が持つ情緒的価値というものを考えたときに、ブランドとかいうことを思い出すんですよ。
服とかだからわかりやすいんだけど、シャネルみたいな外国のすごいスーパーブランドとかはブランド価値が高いんですよね。
ああいうのっていいものを作って丁寧に作ってるんだけど、それで全部高いんじゃなくて、
やっぱり名前のお金だったり、箔が付いてるから高いんですよね。
それが情緒的価値というか、みんなが憧れるものだから高くなってるわけですよ。
一方でめちゃめちゃ便利で使いやすいみたいな、ユニクロみたいなものとかが安かったり使いやすかったりして、手が届きやすかったりするわけなんですね。
道路なんかも一般的には機能的価値が高い場所の方が、大きい道路に面してる方が便利で使いやすくて、その結果価値も高いって言われるんですけど、
服のブランドとかと重ねると、昔から使われてた宮堂とか、そういったところの方が場合によっては付加価値がついてくっていうこともあり得るのかなと思ったりもしました。
都市機能とかって考えると結構金融的に結びつけられて、機能的価値のみが評価されやすいんだけども、街の中においても文化的価値が実際に金目の価値として換算されるみたいな評価がもっとあってもいいのかななんて最近思ったりもしてます。
そんなわけで、今回は新道・旧道で考える価値というもののお話でした。
そんなわけで、今は旧道になってしまった青陰トンネルを思い起こしながら聞いてみてください。
ポルノグラフィティ、青陰。