バベルの世界観
どうも、yoyoです。この番組は、読書と創作について語るポッドキャストです。
第29回目です。今回は、バベル・オックスフォード翻訳家・革命秘士R.F.カーンさんの、
訳は古澤義満さんの本を紹介していきたいと思います。
この本はですね、結構、SNSでフォローしてるフォロワーさんたちが、結構話題にされてて、
面白そうだなぁと思って見てたんですけど、単行本だと高くて、1冊、こちらの方は上下間に分かれてて、
1冊3000円ぐらいで、合わせて6000円するんですけど、単行本だと高くて手が出せないので、
図書館で予約して読もうかなと思ってたんですけど、まあやっぱり人気なからか高いからか、予約件数も結構あって、
いつ読めるかなぁと思ってたんですけど、この間、アマゾンの早川文庫、早川書房の
キンドルセール、ポイントセールがあった時に、いっぱい買って、ポイントが2000ポイント、結構それぐらい貯まって、
なら一層のこと買うかと思って、早川書房じゃなくて東京証言社だったんですけど、買っちゃいました。
感想はですね、読んで良かったなーって思ってます。 めっちゃ面白かったです。私は元々その言語SF系が結構好きで、
甘林長平の言葉使い師とか、好きで、あとコトツボか、
あれからちょっと私の言語SF系のジャンルを読み進める世界が広がったんですけど、
この本も結構その言語SF系のジャンルで、それにかつ学校舞台にしたファンタジー世界が加わってて、
かなり面白く読めるんじゃないかなぁと思ってます。 あらすじと言います、設定と言いますと、世界観は2つの言語によって、
2つの言語を使うことによって魔法が生み出される世界観で、それには銀、シルバーの素材が不可欠で、
その銀の棒に2つの言語を組み込む、とある2つの言語を組み込むことで、魔法の力が発生する世界になってます。
その銀の棒の力を手に入れた舞台はイギリスですね。19世紀の英国は世界で圧倒的な力を得てました。
これっていわゆるその産業革命時期だと思うんですけど、実はその世界観としてはその魔法がある設定で、
なんでイギリスが産業革命にするに至ったのかっていうと、この魔法の力があったからだ、みたいな、そういう設定で世界観が作られてます。
2つの言語を操る中で、中心はイギリス、英国なので、英語からかけ離れればかけ離れるほど、その魔法の力が強いってことで、
他の言語、異なる言語を使う使い手が求められてたと。そこから中国人のその少年ロビンは、幼い頃から英語の教育もされて、なぜかされていて、
とあるきっかけでイギリスに連れて来られて、厳しい教育を経て、オックスフォード大学の王立翻訳研究所、通称バベルに入学します。
それと同じくして、ロビンはそのバベルに対抗する、ある闇の秘密結社に関わることになります。
あらすじ、アマゾンにあるあらすじとちょっと絡めつつ、紹介してみましたが、
この魔法と学校、そして秘密結社、闇の組織って思い至るものがあるというか、
ハリポッターだなっていうふうに思うんですよね。実際、R.F.クアンさんもかなりハリポッター好きっていうことで、
ハリポッターの世界観に影響を受けてるんだなっていうのをすごく感じました。
ロビンの物語
このバベルで魔法を使うことができる理屈っていうのは、さっきもお話しした通り、
英語の言語とそれに対立する、かけ離れた言語を翻訳した時に、
全部を全部翻訳はできない、意味を包含することはできないと思うんですけど、
そこで何かこう、力が発生すると。その失われてしまった言葉の意味とか、その歴史の背景とか思いとか、
そういうものが翻訳を返すことで発生する、その力を銀、シルバーの棒、
棒、スティックですね。スティックを返して、媒介して、力を発生させるっていう、そういうファンタジックな設定があって、
何だろう、言葉ではその表現することができない、言語には力がある、言葉には力があるっていうのは、
なんか言霊っていうより、なんかこう分かるとこだと思うんですけど、その一つの言語から別の言語に翻訳される時に、
力が発生するっていう設定があります。その力をその、操るためには、何だろう、ネイティブ、
母国語レベルで習得している必要があって、ロビンはそのために連れて来られたというか、そのために、
いろいろ策略があって、連れて来られた男の子なんです。
その彼の出身地は関東、中国の関東なんですけど、関東語を話すロビンは、その中国語と、
英語とのその言葉の違いを深く深く探すことで、棒の力、シルバーのスティックの力っていうのを見つけ出す使命を帯びることになります。
ハリーポッターとかなりこう、重なるところもあるので、ちょっとハリーポッターと対立して考えると、なんかこう、ハリーポッターシリーズの時に、
魔法の理屈って何だったかなーってこう、読んでて思って、ナチスジなのかなって思ったら、そういうわけでもなくて、
普通の人間からこう、ハーマヨニーみたいに魔法族になる場合もあって、まあ元々は人間から派生し、突発的にたまにマグルから出てくるけど、
基本的には魔法族の中で成り立っている世界観だと思うんですけど、なんかこう、バベルの世界では、さっきも言ったように、言語を習得していることがすごく肝で、
母国語で幼い頃から言語に慣れ親しんで、非常に語学に堪能な生徒、子供がバベルに入学してくると。
秘密結社との関係
他にも同期生が何人かいるんですけど、ロビンっていう子は、男の子はすごくちょっと不憫で可哀想な人でもあったりします。
そのバベルで言語を操って、某の力を生み出すために連れて来られた子なんですよね。
お祝いその秘密結社と関わるきっかけにも繋がってしまってて、そこの繋がりっていうのがすごく鮮やかっていうか、
創世ざるを得ないよなっていう側面もあって、自然な流れでそっちに接続できるのがすごくうまいなって思いました。
その展開がすごくかっこいいというか、その秘密結社と関わる際にあるシーンがあるんですけど、そこがなんかちょっとハラハラときどきって感じで、すごく好きなシーンです。
その母国語話者として、ネイティブとして、その証のシーンで、母国語で夢を見るかどうかっていうのは結構肝になってて、
そのシーンもすごくいいなぁと思って、この夢で見るかどうかっていうのが、なんというか運命の分かれ道じゃないですけど、
それが欲しくて欲しくてたまらないけど、絶対に得られるものではないってところは、なんていうかすごく胸が裂かれる気持ちになります。
簡単に手に入れられるものでもないし、自分が選択して手に入れられるものでもない、偶発的なものになるんですけど、
それを無理に手に入れて、その銀の音訳の力で発展してるってのが、ワベル19世紀イギリスのこのファンタジー世界観になります。
ロビンは表側はバベルの学生で、裏側はバベルに対立する闇の騎士に属していて、なんかこれもハリーボタと似てるなぁと思って、
ハリーは表側は学生で勉強もしてますけど、裏側ではボルデモートを倒すっていう使命を背負ってて、闇の力にどんどん巻き込まれて戦っていくわけですけど、
こういうファンタジー世界観をダークアカデミアっていうジャンルって言って、解説で書いてあって、そういうのが流行ってたんだ、
コロナ禍に海外で学校に行けなかった学生さんたちが、そういう世界観に親しめることで、サブカルチャー的に楽しんでたみたいなんですけど、
私は英語が読めないし、わからないので、こういうのを後々することになるんですけど、もっとダークアカデミア系の小説を読んでみたいなって思いました。
まあその学校を舞台にしているってことで、この上下2巻でハリーボタと比べればめちゃめちゃ短いと思うんですけど、
なんていうか、やっぱり言語を習得しなきゃいけないので、基本的にはこうめっちゃ勉強してるんですよね。
勉強勉強また勉強って感じで、なんていうか、うーん、
ロビンのその人生、まあその青春の時期、パベルに入学するまでの時期って、本当に勉強づけの日々で、
やっと大学、まあ大学っていうかパベル、まあオックス・フォード大学にある研究所ですけど、そこに入学することで、やっとこう、GEを得ていくわけですね。
ロビンを入れて同期生は、まあ4人いる、ロビンを除けば3人なんですけど、色々と支え合っていくことになります。
それがカルカッタ出身のラミズ、ハエチ出身のピクトワール、そしてイギリス出身のレティシアってことで、
みんなさん、あ、みんなさんというか、3人それぞれ、
語学に堪能で、自分の出身地の母国語なり、その堪能な言語を持っている。
まあ唯一レティシアだけが、まあ白人、その現地出身のエリートなんですけど、女性でパベルに来てる。
ピクトワールも女性なんですけど、まあ同期生との関係性とか、老いたちとかが、こうドラマにも絡んできてて、
うーん、まあでもそうならざるを得ないな、またこれもすごく納得するというか、同期がすごく明確っていうか、
キャラクターとドラマがすごくこう、何だろう、密接に結びついてるなっていう感じがしました。
ネタバレになってしまうので、あまり踏み込めないんですけど、
あんなに支え合ってた、この4人の関係っていうのがすごく素晴らしいものだったので、
なんでそんなことになっちゃうんだろうなっていうふうに思いましたね。
まあハリーポッターでもし、仮にこんなことが起きたらっていう感じですけど、
ハリーがいて、甘い鬼がいて、ロンがいて、あの3人の結束ってすごくこう、結びついてますけど、
その3人の結束ってすごくみんな羨ましがってたと思うんですよね、確か。
舞台で、マルフォイも言ってましたけど、
何だろうな、マルフォイは敵対しててから絶対関わり合うことってないんですけど、
例えば近しい中でジニー・ポッターが、その3人を結びつけに、嫉妬のあまり闇に落ちしちゃうみたいな感じですかね。
そういう関係性のほころびっていうのもすごく楽しめる小説になってます。
個人的にはネタバレではないんですけど、
グリフィンとスターリングっていう、ちょっとこうサブキャラでありつつこう、話の中ですごく重要な人物がいるんですけど、
それのその、まあ、ロビンたちよりも一つ上の世代なのかな、先輩の話にあたるんですけど、
その2人の戦い、確か雨の中で行われてたんですけど、それがすごくカッコよくて、
痺れると思って、結構その本編的には短いんですけど、
同期生、これも4人だったのかな、グリフィンとスターリングとある女の子と、もう一人男の子の同期生がいるんですけど、
ある最上を巡る戦いがあって、結局的にはこう良い方向にはいかずに悲劇的な方向に行くんだけど、
このグリフィンとスターリングが、おそらく友達でありつつも、こう宿敵になってしまって戦うシーンがあるんですけど、
なんというか、良い、男の子同士のいろんなこう、愛憎のある戦いっていう感じが、
なんかちょっと、ハリボトで言うと、ファンタビ、ファンタスティックビーストに出てくる、ダンブルドアとグリンテルバルドの、
なんか戦いが、なんかその関係性がちょっと匂わされているように感じて、
バベルと翻訳の探求
うーん、誰かサイドストーリーを書いていないか気になるんですが、
ちょっと英語を読めないので、探せばあるとは思うんですけど、ちょっと気になってます。
その言語の話っていうのも非常に、結構詳しくされてて、そもそもその著者、作者のアルヘムクワンさんっていう方が、
その、中国系の方なんだけど、英語圏で勉強され、育って、オックスフォードでもその学位というか、
修士だったかな?を取られているぐらい、ご自身の体験っていうのを物語に落とし込んでるんですけど、
中国語と英語の翻訳した際のその差異っていうものを、やっぱりドラマでもすごく詳細に描かれてて、
特にその漢字の解説と英語のその語源的な解説っていうのがユニークで、
日本語を親しんでる人が漢字系なんで、漢字の解説ってそこまでなんか、ああそうだったなって、なんか思い出す感じになるんですけど、
それを語源、英語のその発音の響きだったり、そういうものから紐解いていく感じ、その関連性っていうのがユニーク、面白いなって思うとこだと思うんですけど、
英語圏の人からすると、やっぱ漢字側見慣れないから、この例えば立神礼にこういう意味があるんだよとか、
なんかそういうふうに言われても、へーみたいな、この形にそんな意味がとか、やっぱりそれはわかんないことだと思うから、
そういうところが面白いんだろうなーっていうふうに思います。
こんな感じで、結構言語の、外国人から見た英国との違いとか、あとはその基本的にはそのバベルにいる子っていうのは、
やっぱりその英国以外のルーツを持ってる子が非常に多くて、非常に待遇はいい中で勉強はしてるんだけども、やっぱりこう、
まあ帝国主義、植民地主義的な搾取する形で、イギリスが栄えていっている現状を見ているので、非常にこう、
英語で書かれているものだけど、こう、何だか批判性がある作品になってて、この
小説を読んでいると、 あのあるあるある、その映画ですけど、
インドでのその植民地主義を、エンタメに落とし込んで批判はしてますけど、あの漢字とかを想起しましたね。
言葉とのその流れで思い出した、小説で思い出したのは、
リーコトミさんの星月夜を思い出しました。
この小説は、台湾人の日本語教師、リュウ・ギョウケツと、ウィグ・ジチェク出身の留学生、
ユルツズの、2人の恋愛だったり、日本で外国人として暮らす、その生活だったり、マイノリティの生活っていうのをこう書いているんですけども、
これを何で思い出したのかなって思ったときに、
まあこれを、これは日本語で書かれているんですけど、その母語話者でない視点から、こう日本での生活を描かれることで、
なんか日本語がこう2つ1つ、
問い直されていく、問い直されていく感覚がして、
現代小説なんですけど、なんかこう言語的な側面がある世界だなぁ。
言語なんだろうな、言語SFとか言語小説とか、言語で書いているから、当たり前じゃんかって思うんですけど、
より言葉の意味とか、これが持つ、象徴するものは何なのかとか、そういうところに着眼したものが、そういうジャンルだと思ってるんですけど、
言葉、自分のその言葉がほぐされていく感じが、なんかすごくバベルと似てるなと思って、私は全然英語を詳しくはないんですけど、
漢字の話だったり、そういうふうに捉えるのかっていう感じがしました。
私自身は結構国内小説のSFを読むことがすごく多いんですけど、日本語から距離をとって読むっていうのがなかなかなくて、
私、海外小説も読みますけど、結局は日本語で翻訳されて読んでいるので、あまりこう距離感をとってみるっていうことはないんですけど、非常に日本文学なのに、
日本語を外から眺める感じがして、すごく距離をとっている感じがするんですよね。
受け取ることができるのも、この距離感をなせる技なんだなぁというふうに思っていました。
バベルはその当時のその19世紀イギリスの帝国主義、植民地主義をかなり批判的に書いておいて、
なんでそれを批判的に書いてエンタメに落とし込めているのかなっていうのを思った時に、
外からの視点と内からのこの視点、外国語を母語としている学生の視点と、
うちではその、英語を流暢に喋って、その文化にも親しんでいるっていう、その視点の揺らぎみたいなものが交差しているから高評価してるんじゃないかなっていうふうに思います。
ちょっと何言っているのかわかんないんだ。
うーん、なんで似てるのかなーって思った時に、
やっぱり距離感、その言語との距離感を演出してくれてる感じが似てるのかなっていうふうに思いました。
どちらもいい本なので、ぜひ読んでみてほしいです。
日本語と文化の視点
はい、しましたら、今日は、今回は、
バベルですね。オックスフォード翻訳家革命史、RFクワンさん。
訳は古澤義道さんの本を紹介しました。古澤さんは、
県竜の仮眠の動物園の翻訳者さんってことで、私は県竜がすごい好きだったので、なんだか懐かしいなっていうふうに思いますが、
こういう言語系の小説をもっともっと読んでみたいなと思います。
星つき夜も、タイトルはいいですよね。星つき夜って。
星つくよって、何も知識入れずに読むと、星月よって普通に人は読むんですけど、日本語話者なら読んでしまうのですけど、
なんで星つき夜なのかっていうのも、物語の中で語られてて、
それがめちゃめちゃいいなーって思ったので、ぜひ読んで確かめてみてほしいです。
はい、しましたらここで終わりにしていってと思います。ここまでお聞きいただきありがとうございました。
雨の日には本を刺して、毎週木曜日に更新予定です。
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それでは終わりになります。
ばいばーい。