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おはよう、こんにちは、こんばんは。薬と健康に関するラジオ、略してくすけんラジオのうっちーです。
このラジオでは、薬剤師である私、うっちーが薬のことや健康のことなどで、ラジオ機の方や患者様からの質問などを紹介しながら、質問に答えたり、薬や健康についての話をしていくというラジオです。どうぞよろしくお願い致します。
今回のテーマは、リスナー様といいますか、スタッフの知り合いからテーマをいただきました。
僕の別番組、マンラジオの方で出演いただきましたスタッフの、くんさきさんの友人の方で、ラジオネーム全身かゆかゆまん様からテーマをいただきました。
全身かゆかゆまんさんは、マンラジオの方を聞いていただきまして、その流れからこちらくすけんラジオの方もお聞きいただいているようで、今回テーマもいただきました。本当にありがとうございます。
早速となりますけども、タイトルコールを差し掛けまして、いただきましたテーマについて話をさせていただきます。
それでは今回のタイトルはこちら。
アレルギーの薬に違いはあるの?
タイトルでは一つだけなんですけども、実は今回いただきました質問は2個ありまして、1点目はアレルギーの薬に違いはあるのかどうか、タイトルコールにさせていただきましたけども、
これはアレルギーの薬ってたくさん種類ありますけども、違いってありますのか?という質問を受けましたのと、
もう1点はアレルギーの薬。最初にもらうときは7日分とか14日分のように短めの日数で処方されるけども、こういうお試し期間って必要なの?といった質問をいただきました。
誠にありがとうございます。ということで今回この2点の質問を中心にアレルギーの薬についての話をさせていただきます。
そもそもアレルギーと言いますと花粉症とかは有名ですけども、目が痒くなる、鼻水が出る、これはゆすぎ花粉とか、他にもブナの花粉とかそういった方もいらっしゃいますけども、
その他にも花粉症以外として金属アレルギーで、金属が肌に触れるとそこに赤みや痒みが出るなど、そんなものもありますよね。
他にも動物アレルギーにしても犬がダメだ、猫がダメだなんていう方もいらっしゃいます。
症状としましても目の痒みが出る人とか肌に痒みが出る人、鼻水が出る人など様々なものがあります。
こういったアレルギーなんですけども、何の症状が出るかとかどの程度の症状が出るか、アレルギーの原因は何かなど人によって変わりますけども、
アレルギーの症状が出るメカニズムっていうのは一緒だったりもします。
まず自分にとって合わない異物が体の中に入ってきます。
その異物に対抗するために人間は抗体を作ります。
異物とかを感知して免疫とかを働かせやすくするものですけども、この時に異物が増えれば増えるほど体は抗体を作ります。
異物があればあるほどもっともっと反応しなきゃということで体はどんどんどんどん抗体を作っていきます。
その増えた抗体が免疫の一種である肥満細胞、別名マスト細胞なんて言われるんですけども、この肥満細胞に抗体がくっつきます。
肥満細胞に抗体がある一定以上くっつきますと肥満細胞からヒスタミンとかロイコトリエンなど様々な物質が放出されます。
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このヒスタミンが目や鼻とか皮膚の粘膜とかと反応しますと目が痒くなるとか鼻水が出たり肌が痒くなったりそんなことがあります。
こういったように異物が入ってきました。それに対して抗体をたくさん作るんですけども、その抗体が肥満細胞にある一定以上くっつきすぎると痒みとかそういったアレルギー症状を起こす物質が出てくるという流れですね。
これがアレルギー反応と言われるもので、このアレルギー反応を抑えていこうとなりますと薬でありますと主に2種類あります。
それはアレルギーを起こす物質が出てこないようにする薬ともう一つ、もう痒みとか症状を起こす物質は出てしまってる。
でも出てしまってるけどもその物質が痒みとか鼻水とか症状を起こさないようにするよという薬の2パターンに分けられます。
今回この2パターンの違いとかもこれから話をしていくんですけども、今回便宜上なんですけども、アレルギーの物質をそもそも出さないようにする薬、これを抗アレルギー薬。
もう一つ、もう出てしまっているヒスタミンとかの物質が痒みとかを起こさないように邪魔するよという薬、これを抗ヒスタミン薬という風に話をさせていただきます。
よくCMとかでヒスタミンをブロックとか抗ヒスタミン薬配合なんて言われますけども、そういう風にCMで言われる方が抗ヒスタミン薬の方ですね。
考え方とかによってはこの抗アレルギー薬とか抗ヒスタミン薬とか、全部アレルギーに関する薬全部まとめて抗アレルギー薬なんじゃんと言われることもあるんですけども、今回は便宜上で抗アレルギー薬と抗ヒスタミン薬の2パターンで話をさせていただきます。
ではこの2パターン、それぞれどういったメリットとかデメリットがあるのかというのを簡単に話させていただきますと、まずアレルギーを起こす物質を出さないようにする薬、抗アレルギー薬ですね。
これは抗体が肥満細胞とかにくっついて化学物質が出てくるのを、この化学物質が出てくる段階を邪魔してくれるという薬ですね。
そもそもでヒスタミンとかを出さないようにしようという薬でございます。
この薬はそもそもでアレルギーを出す物質を抑えてくれるので、症状の原因となるものを抑えます。
症状を出にくくしてくれるというものですね。根本から症状を起こしにくくします。
また後ほども触れますけども、もう1つのパターンである抗ヒスタミン薬。
この抗ヒスタミン薬の場合は眠気が出やすいとかあるんですけども、抗アレルギー薬の場合は眠気が出にくいという点もメリットであります。
眠気も出にくいですし、症状を根本から抑えてくれるようというのが抗アレルギー薬のメリットではあるんですけども、デメリットもあります。
それは効果に即効性がないということです。
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この抗アレルギー薬はこれからヒスタミンとかの物質が出てくるようというのを抑えはします。
でもすでにヒスタミンとかがもう細胞から出ちゃってるよ。だからこのヒスタミンがこれから症状を起こし始めますよという時には何もできない。
なのでもうすでにヒスタミンとかが出てしまっている状態では痒みとかも出ちゃってるよねという状態になります。
すでに症状が出ている時、目の痒みとか鼻水が出ている時とかはもうすでにヒスタミンが出てきてしまっているので、こういう時に抗アレルギー薬を飲んでもすぐには効いてくれないです。
もう出てしまっているヒスタミンを抑えてくれないからです。
とはいえ飲んで多少は症状が楽になるとは言いましても、この抗アレルギー薬、しっかり効果を出すには早くても数日かかりますし、安定した効果を出すには2週間くらい時間がかかるようなんて言われております。
今ある肥満細胞とかから化学物質を出さないようにしようとしても、もう化学物質が出てしまっているとか、あともう化学物質が出る直前ですという場合では化学物質が出てしまうのを抑えきれないなんてこともありますので、
飲んでもしばらくやばい症状が続いてしまったりします。
抗アレルギー薬の場合は飲んでもすぐに効果を感じにくいという点があったりします。
では一方抗ヒスタミン薬はどうなのかと言いますと、これらの薬はすでに出てしまっているヒスタミンとかが痒みを起こす部分とか鼻水を起こす部分、これに反応するのを邪魔して症状を抑えてくれます。
なのでもうすでに症状が出てしまっている、目が痒い鼻水が出ているなど症状が出てしまってヒスタミンがたくさんあるよという方でも、この抗ヒスタミン薬は効果が出てくれます。
なので抗アレルギー薬よりも症状を早めに感じられます。
これがメリットなんですけども、じゃあデメリットはと言いますと、先ほども触れましたけども眠気でございます。
最近では抗ヒスタミン薬の中でも眠気が少ないことをウリにしている薬が増えているんですけども、基本的には抗ヒスタミン薬、眠気が出やすいというデメリットがあります。
ヒスタミンというのはそれぞれの細胞とか粘膜にくっついてそれによって痒みが赤みが出てくるので、抗ヒスタミン薬はこの細胞とか粘膜でヒスタミンよりも先にくっついちゃうことでヒスタミンがくっつけなくなる。
そうすることで症状を出にくくするんですけども、この抗ヒスタミン薬は血液に乗って脳の方にも行ってしまいます。
実は脳の中におきましてヒスタミンというのは興奮とか覚醒目覚めなどを担当してくれます。
ですが脳にこの抗ヒスタミン薬が行ってヒスタミンを抑えてしまいますと、ヒスタミンの働きである興奮や覚醒目覚めが抑えられてしまうので眠気が出やすくなってしまうということになってしまいます。
といったことで抗ヒスタミン薬、効果は早く感じやすいですけども眠気が出やすいという点が特徴でございます。
今挙げました抗アレルギー薬とか抗ヒスタミン薬って細かい分類ってさらにあるの?違いはあるの?と言いますと細かい分類できますし違いもあります。
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ただここら辺の話は正直難しくなってきますのでもうほんとさらっとだけ話します。
もしご興味ある方は別途ご連絡いただければ幸いでございます。
例えば抗アレルギー薬の中ですと肥満細胞からはヒスタミンとか様々な化学物質が出てくるんですけども
そういった様々な化学物質があってそれぞれが症状が合わないとかある人にはこの化学物質が合う合わないとかあるんですけども
ヒスタミンと化学物質全般を一緒に抑えてくれる、出さないようにしてくれるのがインタールという薬だとか
化学物質の中でもトロンボキ酸という物質に注目して抑えるバイナスとか
ロイコトリエンという物質を抑えやすいキプレス、キプレスは別名シングレアとか言われることもありますね。
他にも免疫に関わるタンパク質に働きかけるIPDなどそれぞれ違いがあります。
今回ちょっと商品名の方で話させていただいております。
こんな感じで抗アレルギー薬の中でも様々な化学物質を抑えやすいようというものがいろいろあったりします。
抗ヒスタミン薬にしても大きな違いとしてはまず薬が脳にまで影響を与えるかどうかで大きく分かれます。
昔の抗ヒスタミン薬は脳の中のヒスタミンにもとにかく影響を与えやすかったので、眠気が出やすいとか脳への副作用も心配されておりました。
そうならないように脳への影響を少なくしているというのが新しい世代の薬でして、脳への影響が出やすいのが第一世代、影響が出にくいのが第二世代なんて言われます。
その第二世代の中でも特に脳への薬の影響が少ないものとかもありまして、それは例えばビラノア、アレグラ、クラリチン、デザレックスといったところがあります。
ここらへんの薬に関しては特に眠気が少ないよっていうのを理にしたりもしています。
その他にも抗ヒスタミン薬の中でルパフィンという薬、これは眠気が少ないわけではないんですけども、
ヒスタミンだけではなくてPAF、別名血小板活性因子なんて呼ばれるものなんですけども、ここを抑えてくれるという効果もありまして、
このPAFは鼻水や鼻詰まりを起こす原因になると言われているので、鼻の症状、鼻水、鼻詰まりが特にひどいようという方にはルパフィンが選ばれやすいなんてことも特徴であったりします。
というように抗アレルギー薬とか抗ヒスタミン薬の中でもそれぞれの特徴とかはあったりします。
ただ、実際のところここらへんに関しては、飲んでみないと効くかどうかわからないという部分が大変多いです。
確かに理論上ではこういう違いがあるんだなとなりましても、いざ患者様に飲んでいただく場合、その人その人の体質によって効果の出る薬がやっぱり違ったりします。
化学物質の中でもロイコトリエンに反応する人もいれば、ロイコトリエンはあまり反応しないよという人もいますし、
Aという薬とBという薬を比べた場合、理論上ではAの方が眠気が出やすいはずなんですけども、ある方の体質によってはBの方が眠くなるなんてこともよくあります。
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実際にはここらへん、飲んでみないと効果のほどがわからないという部分が大変多いです。
この人の体質的にはこの薬が合ってるとか、血液検査の精度を高めたり、遺伝子検査でこの人にはこの薬が合うんだという分かるようにという研究もされてはいるんですけども、
今現在では検査の精度、検査の正確性とか費用とか時間とかを考慮すると、まだまだ実用段階ではないよなんていうふうにも言われたりもしています。
なので現状としては薬を飲んで試してみるしかないという部分が多いなります。
それに効果だけではなくて、眠気の副作用なども体質によって左右されやすいこともあるので、
まずは短期間飲んでみて、この薬、この方に合ってるのかどうかなというのを試すことが大変多いです。
この薬が合わなかったら別の薬に変えてみる。
その変えた薬も合わなければ、違う薬試してみようねというふうに、体に合う薬を実際に飲んでみるというのが現状では一番という状況だったりします。
そういった合う薬を探すためにも、アレルギー薬の場合はお試し期間が設定されやすかったりします。
本来であれば、この抗アレルギー薬と抗ヒスタミン薬に関しては併用してもらって大丈夫です。
まず抗ヒスタミン薬で今出ている症状を抑える上で、さらに抗アレルギー薬を飲んでおいて、後々に症状が出にくくするという治療法もあるんですけれども、
この自分に合う薬を探すために、あえて抗ヒスタミン薬だけでまず試してみるとか、
それで抗ヒスタミン薬合う薬が見つかったら、今度は抗アレルギー薬を追加してみようかというふうになったりもします。
そういった形で実際に飲んで試してみるというので、いろいろ治療方針が変わってくるのがアレルギーの薬の難しいところだったりします。
というところで、今回の質問でいただきましたけれども、アレルギーの薬に違いはあるのかということと、
アレルギーの薬でお試し期間を設ける理由について話をさせていただきました。
今回はこんな感じです。
改めまして全身科医科医マン様、ご質問ありがとうございました。
今回は薬の違いとかの話でしたけれども、細かい部分の分類とかの話、話が難しくなるということもあるんですけれども、
最終的にアレルギーの薬はいろんな違いはあるけれども、試してみないことにはわからないというところが多いのもありまして、
今回は薬の細かい部分を省かせていただきました。
でも、もっと何か気になることなど、例えば、あの薬、自分が飲んでいる薬のこの特徴は何ですか?などありましたら、
皆様はいつでもご質問をお待ちしております。
また、アレルギーのこと、アレルギーの症状をもう少し話し分かりやすくしてよ、などありましたら、いつでもご連絡お待ちしております。
今回も最後にお聞きいただきまして誠にありがとうございました。また次回も聞いていただけると大変嬉しいです。
それではまたお会いしましょう。
このラジオで話す内容はあくまで一つの説であったり一つの例です。
医師の方針や患者様それぞれの状態で治療方針は違いますので、
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医師や看護師、薬剤師などの話を優先するようお願いいたします。