00:03
おはよう、こんにちは、こんばんは。
薬と健康に関するラジオ、略してくすけんラジオのうっちーです。
このラジオでは、現役薬剤師で薬局を経営している私、うっちーが
薬のことや健康のことなので、ラジオをお聞きの方からの質問や
日々の業務で患者様からいただいた質問などを紹介しながら、質問に答えたり、
薬や健康についての話をしていくというラジオです。
どうぞ皆様、よろしくお願いします。
さて、今回のテーマですが、このラジオを配信にも使わせていただいてます
アプリのアンカーさんの方で、毎月トークテーマという
お題みたいなものが提示されております。
いつもはトークテーマ、特に意識していなかったんですけども、
ちょうど今月のアンカーさんのトークテーマと、最近患者様やお客様から
いただくことが多い質問が重なったので、トークテーマに触れた話を
してみたいと思います。
それでは今回の質問はこちら。
冬場、よく眠るにはどうすればいい?
夏は夏で、夜寝苦しいといった質問が多いんですけども、
冬場は睡眠の質が落ちやすい時期とも言われてまして、
よく眠るにはどうすればいいのかということは、本当に質問でもよくいただきます。
それで今回は、なぜ冬場は睡眠の質が落ちやすいと言われるのか
ということについて話をしていこうかと思います。
が、その前に、今回の話なんですけども、
今回と次回の2回に分けようと思っております。
というのも、患者様によっては、睡眠の質を上げるための生活習慣について
質問を与える方や、また睡眠の支配薬などについての質問を
受けるパターンがあります。
全部を話そうとすると、話が長くなる恐れがありまして、
今回は眠りやすくなる生活習慣、次回は睡眠についての支配薬を
主に話していこうかと思います。
まず、なぜ冬場に睡眠の質が落ちやすいのかという話をします。
理由はいくつかあると言われているんですけども、有名なところで2つあります。
1つ目は、日光を浴びる時間が減少することです。
冬場は、夏場に比べると日が出ている時間が短いです。
日光を浴びることで、人間はセロトニンという
精神の安定に大切な物質を生み出します。
これによりまして、イライラ感などを感じにくくして、
睡眠の質を上げやすくする効果がありますし、
また、このセロトニンはこれを原料としまして、
体の中でメラトニンという物質が作られます。
このメラトニン、体のリズムを作ってくれるようという効果がありまして、
例えば、夜になると自然と眠りやすくなるといった効果があります。
よく言う体内時計を整えてくれるという作用があります。
冬は日が出ている時間が減りまして、日光を浴びる時間が減ります。
それによりまして、睡眠の質を上げてくれるセロトニンが作りにくくなりまして、
さらには、睡眠のリズムを作ってくれるメラトニンも作りにくくなるということになりまして、
冬場は睡眠の質が落ちやすくなると言われております。
なので、対策としては、意識的に日光を浴びるようにした方が良いです。
特に朝起きて早めの時間、大体朝起きて30分以内に日光を浴びることは、
セロトニンをしっかり作りやすくなると言われております。
03:02
1日のメンタルを安定させるためにも大事です。
ただ、冬場は日が出る時間も遅めでありまして、朝起きてもまだ外は暗いようということがあるかと。
ただ、起きて30分以内でなくても日光を浴びるということは、セロトニンなどを作るのに大事です。
1日に30分程度は日光を浴びるようにすると良いと言われてまして、
これは朝起きて出なくても良いです。日中でも構わないので、そういう習慣を作ると良いと言われております。
ここで1点、日光ではなくて光全体での注意をさせていただきますと、
睡眠のリズムを作るためのメラトニン、メンタル安定のセロトニンではなくて、
夜に眠たくなるようでサポートしてくれるメラトニンの方なんですけれども、
これ実は明るい状態での分泌があまりないと言われております。
夜になっても部屋の照明が明るいままだとメラトニンの分泌があまりされないと言われております。
部屋の明るさというのは照明の具合などによって変わるんですけれども、
明るい部屋ですとだいたい1000ルックスぐらいと言われていますが、
メラトニンの分泌が良くなるのは150ルックス以下と言われております。
なので部屋が明るすぎる方はやっぱり150ルックス以下に下げた方が良いと言われております。
150ルックスどれくらいかと言いますと、
だいたい夜のアーケード街の照明や道路の街灯の下、それぐらいの明るさだそうです。
眠りを誘うためにも、夜になったら少し部屋の照明を落として寝る準備を良くしておくと良いと言われております。
子供の夜更かしで悩まれている場合なので、子供が何か作業をする時に目が悪くならないようにということで、
部屋の明るさを明るくしてみていること、これが子供の夜更かしにつながる原因の一つと言われたりもしております。
メラトニンは朝起きてから14時間から16時間くらい経過するとよく分泌されると言われます。
例えば朝7時に起きたら夜9時に分泌されるという感じですね。
起きて14時間くらい経って、それぞれ眠った方が良いかなというタイミングで部屋の照明を暗くしていくと良いと言われております。
次に冬の不眠の原因となりやすい点の2つ目は温度です。
人間は睡眠をとっている時に太陽が下がるという話を聞いたことはありますでしょうか。
研究データにもよりますが、睡眠前から寝ている時で体温は0.5度くらい体温が下がると言われております。
人間は睡眠をしている時にリラックスするので、体の血管などもリラックスして広がりやすくなります。
そうすると広がった部分から体内の熱などが外に放出されるようになります。
子供に特に多いんですけれども、眠くなってくると手などが温かくなってくるというのはありませんか?
この状態で手から体の熱を逃がしているので、手足が温かくなってくるという状態です。
この熱をうまく逃がしているかどうかというのは、どれだけ体がリラックスして生きているか、深い睡眠をとれているかということで体が察知しております。
が、冬では気温が低いです。
気温が高ければ多少熱を外に出しても問題はないんですけれども、気温が低い状態で熱を逃がしますと気温の低さも相まって体温もより下がりやすくなってしまう。
下がりすぎてしまうという恐れが出てきます。
06:02
体温が下がりすぎるということは、免疫の働きも悪くするなどもありまして、体は熱を逃がしすぎるのを恐れているというところがあります。
なので、外の気温が低いと熱を逃がさないように体は働きます。
この時に血管を収縮させます。
血管を収縮するには体は交換神経に命令をして血管を収縮させます。
以前、自立神経の話を別の回させていただいておりますが、リラックスを司るのは副交換神経、活動的になるのが交換神経です。
本来、睡眠というのは副交換神経を働かせたいですが、こういうふうに交換神経も働かせるようにしてしまいますと、
副交換神経の働きが邪魔されてしまいます。
それによって睡眠の質が落ちます。
このように冬の寒さというのは睡眠の質を落とします。
この対策としては部屋の温度を上げることが大事ですが、一応の注意をさせてあげます。
部屋の温度を暑くしすぎると体が暑すぎるということで錯覚しまして、寝ている時に布団を剥いでしまうことが起きます。
寒い冬場は暖かくするために厚めの布団をつけたりしておりませんか?という厚い布団により布団の中が暖かくなりやすくなります。
ただ、この布団を剥いでしまいますと部屋の温度差と布団の中の温度差が出てしまいまして、
体が急に寒くなったと勘違いをして熱を逃がさないように働きまして血管を収縮、交換神経を活性化という働きをしてしまうことがあります。
なので、夜中に布団を剥いでしまうことで交換神経の働きが活性化されて起きてしまう、目が覚めてしまうという恐れがあります。
なので、逆にあまり暑くなりすぎないようにするのが良いとも言われております。
だいたい室温が20℃前後、布団の中の温度が30℃前後ぐらいが睡眠にはちょうど良いと言われております。
またもう一点、よく患者様と睡眠について話をしていて話題になるんですけども、
寝る前のお風呂、体を温めた状態でお布団に入りたいよということで、寝る少し前にお風呂に入る方は大変多いです。
この時に暑すぎるお風呂に入るのも実は睡眠質を悪くするということがあります。
というのも、暑すぎる状態で布団に入っても、なかなか熱を逃がしきれず体温がなかなか下がりません。
体温が下がっていないということで、体はまだ寝るのではなくて、何か活動しているのかなという錯覚をします。
熱を出そうとしても、なかなか睡眠まで到達できないということがあります。
かといって、わざと暖かい部屋から寒い部屋に入るのをすると、体が温度差に驚きまして、
熱を逃がさない方がいいのかなという錯覚をして、熱を逃がさないように交換神経を刺激したりします。
暑すぎるお風呂というのは、なかなか難しい問題であったりします。
ただ、お風呂を入ることは、理にかなっている点も大変多いです。
体が寒いままですと、そもそも熱を逃がそうにも、逃がせるだけの熱がないです。
熱を逃がさないための働きを体がする必要があります。
でも、お風呂に入って体に熱を溜めておけば、熱を逃がすと余裕が生まれます。
09:05
なので、寝る1時間とか2時間前のお風呂は効果がありますし、
そして、暑すぎず39度から40度くらいの温度の入浴が良いと言われております。
また、手足から熱を外へ出すということですけれども、
手足などが冷え性の方は、手足に熱を送っても、その底のほうで熱が止まってしまいます。
なので、体内から熱が逃げない状態になります。
そうなると、睡眠がしにくくなります。
ので、冷え性の方は血の流れの良くなる塗り薬を手足に塗ってマッサージをしたりとか、
血の流れを良くするサプリメントを取ると良いかなと言われております。
例えば、ヘパリン類類似物質の塗り薬や、ビタミンEの塗り薬やサプリメントなどが良いと言われます。
その他にも、体を冷やさないようにするポイントなどは、以前の放送で話したこともありまして、
リンク先を微講欄に記載しますので、よろしければそちらもお聞きいただけると大変嬉しいです。
以上、お湯に睡眠の質が下がりやすいということを話させていただきました。
そして、ここからは本日のワンポイントです。
本日のワンポイント、寝酒は睡眠の質を上げる?下げる?
寝る前にお酒を飲むという方、大変多いです。
患者様でも寝る前にお酒を飲む習慣があるという方は数多くいらっしゃいます。
ただ寝る前のお酒、いわゆる寝酒は良くないという話もよく聞きますし、ただ寝るメリットもあります。
先に結論から話をさせていただきますと、
毎日ではないこと、そして飲みすぎでなければ寝酒は効果的であります。
大体成人男性、体重6キロくらいの方で、
日本酒なら1合、ビールなら中瓶で1本、ワインならグラス2杯ほど、
高齢者や女性であればこの半分くらいが適量と言われております。
これくらいを守っていただければ、なかなか寝酒はいいよという面もあります。
では、寝酒のメリットとなる点、そして飲みすぎは良くないという点、
これを今回のワンポイントで話していこうと思います。
まずメリットですが、アルコールが脳の中で興奮するように働くグルタミン酸というところを抑えること、
それと興奮とは反対で沈静、いわゆる沈めるように働く、
睡眠を誘う部分であるギャバと言われる部分に働きかけます。
もう少しシンプルに今の部分を話しますと、興奮、例えば考え事をして脳を活性化させていたりとか、
ストレスでイライラすることで脳が活性化していると睡眠が取りにくいです、
そういった部分を抑えることで眠気を誘います。
また、脳の中で興奮とは逆に沈めるとか、眠りを誘う部分がありまして、
アルコールはこういった部分の働きをサポートして強めてくれるという効果があります。
イライラなどの気持ちを抑えて、睡眠を誘うという効果をアルコールは出してくれます。
なので、日頃のストレスであったり、考えることが多い時などは、
そういった眠れない時にはより効果を出してくれますし、
そういうのがなくても眠気を誘いやすいという効果がアルコールにはあります。
寝先は良くないと言われますが、ストレスが溜まった日などには、
お酒を飲んでしっかり眠るというのも生活の上で良い面もあったりします。
ただ、ここからはデメリットの話になりますが、
アルコールは睡眠に良いことばかりでもないです。
12:02
まず、アルコールが分解された後に出てくるアゼトアルデヒト、
これは交換神経を刺激するという作用があります。
交換神経、体を活性化させる神経でして、
ここが刺激されれば睡眠から起きやすくなります、覚醒しやすくなります。
せっかく寝ても起きてしまうし、交換神経が刺激されているので、
一度起きた後の睡眠も取りにくいということがあります。
寝咲きをされた方で、短い睡眠でぐっすり眠れた、
朝起きたときは目覚めが良いよという方がおりますが、
このアゼトアルデヒトが交換神経を刺激することで、
目が覚めやすいためにこの状態が起きます。
確かに目覚めは良いですが、睡眠時間が短いですし、
実は疲労が抜け切っていないということもあるので、注意が必要です。
また、アルコールを分解してできるアゼトアルデヒト、
これをさらに分解して生まれる作産、
これはさらに水に分解されたりします。
アルコールを取って貧乳になる原因だったりします。
これが夜中にトイレに行きたくなる原因でもありまして、
起きてしまいやすくなったりもします。
こういったことからも、アルコールは睡眠に良いよとはっきりとは言い切れないですし、
むしろ取り過ぎないようにしようと言われております。
アルコールでの寝咲きに関して、適量守ったとしても、
その量について耐性ができてしまいまして、
だんだんとアルコールの量を増やさないと眠りにくくなっていく可能性があります。
なので、毎日の寝咲きは良くないよとも言われております。
寝咲きでの睡眠に対する耐性、個人差がありますが、
3日から7日くらいで耐性ができるとも言われております。
なので、耐性を作らないようにした方がいいですし、
他にも、体の脂肪の分解よりに起きやすいので、
脂肪の分解に大事な働きをする肝臓が、
アルコールの処理もしなければいけないとなりますと、
脂肪の分解がしっかり行われないで、
脂肪の蓄積が起きやすくなるとも言われております。
そういったことからも、毎日は寝咲きをせず、
休館票を作りながらの寝咲きにしましょう。
とはいえ、夜なかなか眠れないときなどは、お酒を適量でやれば、
優秀な睡眠補助にもなってくれますので、
寝咲きについては、量や感覚などをしっかり守っていただければ、
有効な手段とも言えます。
今回はこんな感じです。
冬場は睡眠質が下がりやすい時期です。
私がリスナー様の誰かの助けになれれば幸いです。
次回の時は睡眠について、
止犯薬などを中心に話をしようかと思います。
それでは今回も最後までお聞きいただきありがとうございました。
また次回も聞いていただけると大変嬉しいです。
それではまたお会いしましょう。
このラジオで話す内容は、あくまで一つの説であったり一つの例です。
医師の方針や患者様それぞれの状態で治療方針は違いますので、
医師や看護師、薬剤師などの話を優先するようお願いいたします。