問いの重要性
今回のノートタイトルは、「最近流行りの問いについて」です。
今回のノートでは、「問い」という単語が45回も出てきます。
そのぐらい、「問い、問い、問い、問い」言っています。
最近、問いが大事だよねとよく言われます。
ワークショップを実施するときにも、ファシリテーターからの問いかけが重要だと思いますし、
生成AIから適切な答えをもらうときにも、問い方が大事だということで、
プロンプトエンジニアなんていう言葉も出てきました。
この背景としてはやはり、あらかじめ答えが明確になっている問題が少なくなって、
問題設定自体が難しくなってきているという時代背景がありそうです。
これはこれで大切で、問題設定の解像度を上げることで、
より正しい解決策や答えを得ることができます。
また、アクションラーニングという質問を軸にしたワークショップでは、
すべての対話が質問から始まる。
他者からの質問によって、自分の頭の中の整理になったり、
別の視点を得ることができるという効果があります。
質問の形式だと、心理的安全性も担保できるというメリットもあります。
ワークショップでの問いかけ、生成AIへのプロンプト、アクションラーニングでの質問、
これらに共通するのは、答えのある問いということです。
もちろん最初から答えがわかっているわけではありませんので、
目的として答えをつかみにいくといった方が良いかもしれません。
一方で、今回のノートでは、本当の意味で答えのない問いを取り上げてみました。
なぜ私がここまで問いにこだわるのかというと、
私自身が均等認定資格という答えと結果が明確な制度を
比較運営している立場だからです。
普段の仕事でははっきりと正解、答えというのを作りにいく仕事だからこそ、
答えのない問いに向き合うのにすごく抵抗感がありました。
問うからには答えがあるべきではと思っていましたし、
答えのない問いというものは本当に存在しているのかというところに疑問を感じていました。
これでいろいろと考えたところですね。
答えのない問いというのを思考の鷹を外す、
アイデアを発散させるための問いと考えるとしっくりきたような気がします。
しかもそのアイデアを発散させる単位は、
手段だけではなくてアイデアの前提、つまり目的や背景まで含めて
根本的に問い直すことができる問いというふうに考えました。
答えのある問いと答えのない問い
少し具体的に答えのある問いと答えのない問いというのを比較してみましょう。
例えばあるサービスをリリースしたときに答えのある問いは
あるサービスのユーザー数を増やすにはとなるのではないでしょうか。
この場合はユーザー数を増やすという目的は決まっていて、
そのユーザー数を増やすための手段を探っていく感じです。
そうすると最もユーザー数を効率的、効果的に増やせる手段が答え、つまり正解になります。
ではこのとき答えのない問いを考えてみましょう。
例えばあるサービスはどのようにしたらユーザーに受け入れられるだろうかとするとどうでしょうか。
この問いによってユーザー数を増やす手段以前に
そもそもサービスのあり方やサービスの伝え方、ユーザー側に求める振る舞いなどにも言及できそうです。
まさにアイデアの前提を根本から取り直しています。
そしてこうしたような問いかけ方だと
これはどう、これについても話したいねと対話が進みそうな気がしませんか。
答えのない問いは具体的すぎず、抽象的すぎず、
適度に参加者の好奇心をくすぐり発言したくなるのが特徴です。
そしてその問いを目の前にすると参加者はある種のジレンマを感じます。
すぐには解決できなそうだけどちょっと頑張ればアイデア出そうという絶妙なバランスがポイントですね。
答えのない問いを提供するときに大事なのは
対話に参加しているみんなが答えの出ない恐怖心や
白黒つかないモヤモヤにちゃんと向き合えるかということだと思います。
やってみると結構難しいと思うんですが
すぐに解決策を出したくなったり、結論が出ないことにイライラしたりします。
これは私たちが普段、いかに早く、いかに正しい答えを求められているか
そしてそれに慣れてしまっているかということだと思います。
ちなみに個人の特性として
答えが出ないことが苦手、ストレスを感じるという人もいると思うので
無理じいはしない方が良いかもしれません。
答えが出なくても大丈夫という安心感を醸成できれば
答えが出ないことに焦らず、答えが出ないこと自体を楽しめると思います。
この辺りも今後ノートに書いていきたいです。
というわけで今回の隙間はここまでです。
ではまた。