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2025-08-15 15:12

第142回 【ドイツ視察】ガソリン車国家が抱える苦悩──BYDが突きつけた厳しい現実


▼今回の概要
ドイツ自動車産業/BYDの台頭/技術力と市場ニーズの乖離/EVシフトの衝撃/お家芸が通用しない時代/ドイツ苦戦の理由足りない

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サマリー

ドイツの自動車産業は、BYDなどの中国企業の台頭により厳しい状況に直面しています。高い人件費や脱炭素への圧力が影響し、フォルクスワーゲンや他のメーカーは競争力を失いつつあり、特にEV市場での競争が深刻な問題です。ドイツの自動車産業が直面する課題が分析され、ガソリン車から電気自動車へのシフトに関わる現実が強調されています。また、トヨタのサプライチェーンと戦略が中小企業にもたらす影響についても言及されています。

ドイツ自動車産業の現状
こんにちは、遠藤克樹です。久野勝也の「労務の未来」の先生、よろしくお願いいたします。
お願いします。
さあ、ということで、今日もですね、前回のちょっと続きということでやっていきたいと思いますが、
ドイツレポートということでやりたいと思います。
あのね、リスナーの方からね、オファーいただきまして。
海外のレポートがとても面白いので、延長してほしいということでね。
前回から、ドイツ、今日はドイツの中の自動車というね、テーマについてちょっと絞っていきたいというふうに思っております。
お願いします。
なんかあの、ドイツと日本似てるって話してて、製造業で買っていかなきゃいけないよねって話だと思うんですね、日本は。
実はドイツも今、GDP世界、日本抜いて3位ですよね。
もちろんそれは、これからずっと3位にいられるのかって話になる。
インドに抜かれるだろうって話はあると思うんですけど、日本もドイツもこれから下がっていくよねっていう要因でいくと、
人件費と労働生産性の課題
製造業の多分、特にドイツは日本の一歩前行ってると思うんですけど、
試練みたいなのがあるよって言われてまして、それが結構日本と本当にそこに似てまして、
まず一つ目が人件費の高さっていうところで、まあ日本は上がりきってないんですけど、
これから上がってくるだろうというところで、ドイツはどういうことか人件費が高いと。
この間の資料というかお話でいくと、
ざっくり日本に直してドイツが一人当たりが750万円ぐらいありそうかなって感じでしたよね。
日本が500万歩かないかなのかなという数値でしたんで、だいぶ高いですよね人件費は。
まだまだ勝負になると思うので、日本はそういう意味ではプラス材料かなというふうに思いますね。
あとは労働生産性の成長率が米国に比べて低いというところが、
デジタル化とかそういったところも結構遅れてまして、ドイツに関しては。
そういったところで生産性上げきれてないというところはあります。
だからアメリカみたいなところのうまく効率性が上がっていってないというところが一つ言われているところですね。
あとは産業電力とか天然ガスが高いというところと、
あと面白いなと思ったのはEUでビジネスするとビューロクラシーといって、
いろいろCO2の報告書とか、そういうのとかCO2の基準とかで作るじゃないですか。
あれってそもそもヨーロッパの考え方なんですけど、
何かルールを変えることによって自分たちを優位に働かせるという考え方なんですよ。
なんとなくイメージが分かるじゃないですか。
環境問題だってそういうニュアンスありますよね。
そうですよね。
あとイギリスとかもそういう発想で、第三者認証ってイギリスの機関とかなんですよ。
そういうのでビジネス稼ごうみたいな。
SDGsとかだってね。
そうですよね。
ああいうのをやった結果、いろいろレポートを取りまとめないといけなくて、
中国とかアメリカ見てみるとよく分かると思うんですけど、
そんなの関係なくどんどん進んでいくわけじゃないですか。
そういう国と勝負しているというところで本当に大丈夫なのっていうのが僕は外から見てて思った。
報告、レポート系が多すぎるってことですか?
まとめなきゃいけないし基準があるので、その基準満たすがために全然違うところで頑張っちゃってるみたいな。
なるほどね。
日本もちょっとそれに似たような傾向があるような国な気がしますけど、
自分で作った世界史上を戦っていくためのルール作りが自ら首しめてる部分があるっていう意味でこのビューロクらしい。
そうですね。
BYDの影響と今後の展望
あとは労働力の不足が日本も含めて日本と全く一緒でものすごい人減っていってるんです。
ドイツは移民をとにかく受け入れていってるんです。
日本は移民入れてないよねっていうところはあると思うんですけど、
よく移民と難民の問題ってあるんですけど、
ドイツ何が問題かというと移民も問題なんだけど、
どっちかというと難民を入れすぎておかしくなってるのがドイツなんで、
日本人は移民と難民の区別がついてないんで、
ドイツは移民はかなり戦略的に入れていってるって感じです。
ここに関してはうまくいってるんじゃないかなと思いました。
難民の方の受け入れで失敗してると。
国内の政治がぐちゃっとしてるっていう感じがします。
日本のクルド人問題の話が難民なのか移民問題なのかグレーすぎてわからないというのもありますけどね。
そうですね。
あとは脱炭素への圧力とか、
政府とかEUでビジネスすると脱炭素の影響が強すぎて、
アメリカとか中国と比べると競争争が容易になってるって感じ。
なるほどね。
脱炭素を、でもあれ自ら作ったルールのはずが、
ここもまた重たくなってると。
そうですね。アメリカが抜けちゃってますからね、勝手にね。
掘って掘って掘りまくれって言っちゃいましたからね。
そうそうそう。
あと保持税が高いってところですね。
なるほど。
この辺り、結構日本はそっくりじゃないですか。
問題を羅列されると結構大変な環境だなという印象がありましたね。
そうなので、ドイツはGDPの成長率-0.2%ぐらいで、日本でも0.3%伸びてますから、
これはもうかなりきつくなってきてるよねっていう話。
そうなんですね。前回労働市場だけで見るとだいぶ日本よりいいねっていう見立てでしたけど、
今度経済的に見ると、ドイツかなり足引っ張ってるんですね。
ついに今マイナス局面になってて、これが何なのかっていうと、
もうめちゃくちゃわかりやすく言うと、中国でうまくいってないっていうのが今現状です。
中国の販売戦略的なところで売れてない。
そうなんですよ。中国が今きついと。
やっぱりEVの関係ですね。
やっぱり車になってくるんですね、ここで。
そうなんですよ。
まず、そもそもなんですけど、フォルクスワーゲンって、
フォルクスワーゲンって世界で一番販売台数があるよっていう国なんですけど、
全世界で900万台ぐらい車売ってるんですけど、
あ、てか知らない。そうですね。フォルクスワーゲン自体が全世界で900万台ぐらいの市場なんですね。
売ってる販売台数が。
そのうちの中国で274万台で30%ぐらい売ってるんですよ。
へー、そうなんだ。
これが結構すごくて、ここからが大問題で、
2023年がだいたい323万台ぐらい中国で売れてたんですよ。
なるほど、2年前。
これが2024年に1年でですよ、19.5%落ちて293万台しか売れなくなったんですよ。
へー、10%減1年。
これこの流れでいくと2025年ふたを開けたらどうなるんだっていうちょっと恐ろしい流れなわけですね。
普通の会社で10%売上げ減ったらですよ、単純に。
もうとんでもなく開き始まってると思うんで、これでリストアとかもどんどんしていってるんですけど、
どうなったかというと別に中国で車が売れなくなったわけじゃなくて、
中国でBYDっていうよく有名な電気自動車あるじゃないですか、
めちゃくちゃ伸びてきてて、2020年9月にはBYDに追い抜かれたんですよ、フォルクスワーゲンは。
中国の国産車であるBYDが一気に台頭してきてワーゲンが食われてるっていう状況ってことですか?
そうなんですよ。
あれちなみにBYDって完全電気自動車ですよね?
完全電気ですね。
ワーゲンは国のおかげで言うとね、当然ガソリン車から始まってる中で中国では電気で頑張ってるんですか?
中国ではガソリン車も出してるんですけど、それが売れないんですよ。
中国人は全く受け入れられないので。
そうすると何が問題かっていうと、ドイツは結局エンジンで買ってきた会社なので、
EVを安くする技術がないんですよ。
もっと言うと国内にバッテリーマネジメントシステムみたいな会社がないんです。
日本はまだ有利なのがパラソニックとか電池開発してるので価値筋あると思うんですけど、
結局電気自動車ってバッテリーなのでバッテリーが安く作れないのがドイツにとっては大きな問題だというような。
電気自動車EVに振ってくとドイツとしては相当弱くて、
それが中心になっている中国においてはかなり板手を食らってて、
さらに国内で中国がBYDを思いっきり伸ばしちゃってるというような環境ってことですか?
そうなんですよ。だから日本はまだ中国一辺倒じゃないっていうところが良くて、
たまたま陸続きじゃなかったところがあるので。
というようなところと、やっぱりどうしてもヨーロッパ自体がEV戦略だったので、
EVに勝てて勝ててないから中国にどんどん逆にやられ始めてるっていうところが大きなポイントで。
この辺りは少し日本も学ばなきゃいけなくて。
ということなんですね。
そうなんですよ。こういったところが今ちょっとなんかきついんだろうなっていうところですね。
ドイツとしては?ドイツのことを考えてどうするんだっていうのもありますが、
出張視察行かれて、今これ問題を知ることから始まると思いますので、解決策っていうのはね、
わからないっていうのも一つじゃないですか。ただ今置かれている状況ドイツだと、
ドイツ自動車産業の現実
全体で言えば経済の停滞し、実質GDPが下がっている。
国のおかげである自動車産業においては今まで900万台以上あったワーゲン、
ワーゲン筆頭2ですよね。世界史上持ってたけれども、
中国で分かりやすいようにそのうち全体の30%占めていったとこのマーケットが国内の方で思いっきり強い会社が出てきちゃってて、
さらに自分たちの技術の電気、ガソリンから電気っていうところのこのシフトによって、
強みも弱体化してて、で販売もかなり減らしている状況になっておるという中で、
機関産業である自動車のエンジンのバッテリーの話じゃなく、電気に移行してこなきゃいけないとなると困ると。
どんな感じだったんですか?
行ってみて、やばいなーみたいなところがあるじゃないですか。
やばいなーで終わってるからあんまり話さなかったんですか。
そういうことか。そういうことなんですね。
だからでも日本も、トヨタがやっぱりすごいなと思っているのは、
とはいえ今ヨーロッパも電気一遍倒じゃまずいよねってところで、
ボルボも全て電気自動車にしないって言い始めてて、
トヨタが本当にすごいなと思うのは、たぶん電気に触れたんですけど、
電気自動車が本当にいいと思ってなかったんですよね。
作る時にもエネルギーかかるし、バッテリーが関連値とかだとあんまり性能が発揮できないっていうところ。
電気だとね、確かに。
だからPHEVとか開発してるところで、
そういうようなところから、トヨタみたいなところの芯がぶれない系っていうのはすごい大事だなと思いつつ。
あと、それ日産とかホンダとかあんまり調子よくないような気がするんですけど、
僕トヨタ地元愛知県なんで、
本当ですよね。
そうなんですよ。
トヨタはすごいなと思ってるのは、これ中小企業も含めて学ぶべきところかなと思うんですけど、
トヨタのサプライチェーンってめちゃめちゃ鍛えられてるんですね。
ほうほうほう。
トノが強いからすごいオーダーが取れるってことですか?
毎年減価提言とかさせられるんですよ。
なるほど。
減価提言できないのは、生産削減しかないんで、
だから数できるようになるか、コストダウンさせられるんですけど、
その要求が1年だけじゃなくて毎年させられてるうちに、
めちゃくちゃ中小企業の目が強くなってまして。
ほうほうほう。
トヨタと付き合ってる。
鍛えられて筋トレしまくってる状況どうですか?
そうなんですよ。だからトヨタでやってるお客さんとか、
でもトヨタでいっぺんとはまずいよねってところで、
いろいろ業種とか変えつつ、
いろんなところに他に売りに行くわけですよ。
例えば同業者の日産に売りに行くとか、
それを逆に言うとガスメーカーに売りに行こうとかって部品とかってあるんですけど、
その時にトヨタでやってると全然コストが合うというか、
現場もすぐ変えられたりだとか、
そういう非常に収益性が上がるような。
トヨタさんの仕事をしているおかげで、
それをちょっと指示を変えて、
違う業界だったり、同業界の、
それこそ日産とかホンダさんとかに売ったりすると、
やたらに財布が出るみたいなことになるってことですか?
そうなんですよ。だから品質も簡単に上げられるし、
イージーになる。
なるほど。
それで考えていくと日本の、
これからEVに振っていくとですね、
よく部品がなくなるから大変だって話すると思うんだけど、
鍛えられた会社であれば、
まだまだ他の分野でも勝負いけるんじゃないかな、
みたいなところがありますので、
そういう会社だけ残っていけば、
日本全体の生産性としては上がっていくのかなと。
かなりこういうプラスの部分は感じました。
自社のコアな部分の中核となるところが何なのか、
というのをちゃんと絞り上げていくと、
全然生き残り戦略があるだろうというのが、
実はトヨタさんと付き合っていると、
そういうことが起きるというのを見てきているわけですね。
名古屋の会社でやっているならではの発想ですか、
というか情報ですねそれは。
大変だなみたいな。
みんなブツブツ言いながら10年も15年も付き合ってくると、
どうせ来年もまたいろいろやらされるからみたいな。
設備投資も絶え間なくやっていくんで。
トヨタもすごいのは、
必ず残したい会社は儲けさせるんですよね。
サプライチェーンが持続可能になるようにとか、
若い世代がちゃんと事業生計できているかとか、
そういうのもチェックしに来るので。
ただ単に厳しいだけじゃなくて、
厳しく優しくなんですね。
そうなんですよね。
それが本当の日本の強さを作っていたコアなはずですよね。
そういう概念はすごい大事で、
ドイツがどういう風にやっているか、
よくわからなかったんですけど、
そういう意味では日本も、
方向性さえ間違えなければ、
まだこれから勝っていけるんじゃないかな、
というふうにはすごく感じた。
良かったです。
ドイツの話を聞いていると、
トヨタのサプライチェーンと戦略
ここで終わりですか、くの先生って感じのね。
無理矢理まとめた感ありますね。
ということで、
ただまずは現実を知るということからしか始まりませんので、
まずはレポートをいただきましたので、
またぜひオファーがありましたらお待ちしております。
ということで今日のお伺いを終わりましょう。
ありがとうございました。
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たくさんのご質問お待ちしております。
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