1. 社労士久野勝也の「労務の未来」
  2. 第149回 【M&Aの未来】経営者..
2025-10-03 17:56

第149回 【M&Aの未来】経営者が絶対抑えておくべき、最低限の労務DD


▼労働基準関係法令違反に係る公表事案
https://www.mhlw.go.jp/content/001527991.pdf

▼今回の概要
企業価値に直結する労務リスク/未払い残業・将来の退職金・管理監督者/労働基準関係法令違反に係る公表事案/ハラスメント対応/安全衛星管理(有機溶剤、健康診断の履歴)/副業・兼業・業務委託/高く売るなら「人事のデータベース化」/労務のDX化レベル

▼番組への質問はこちら
https://ck-production.com/podcast-contact/?post=pc_kuno

サマリー

今回のエピソードでは、M&Aにおける労務デュデリジェンスの重要性や、母外債務および偶発債務について詳しく説明されています。また、退職金や管理監督者の取り扱いに関連するリスク、労働基準監督署の対応に関する知識も深まります。M&Aにおいて経営者は労務デューデリジェンスの重要性を理解し、業務委託と雇用の境界を明確にする必要があります。特にDXの観点から、企業の人事情報のデジタル化が求められ、これが売り手が高く評価されるための重要な要素となります。

M&Aにおける労務デュデリジェンスの重要性
こんにちは、遠藤勝也です。久野勝也の「労務の未来」久野先生、よろしくお願いいたします。
お願いします。
ということで、今日もですね、前回に続きまして、M&Aについての、ちょっと今回お話をしていきたいと思いますんでね、
ぜひ前回聞いてない方はそちらも聞いていただきたいんですが、非常にね、増えてますからね。
そうですね、僕の周りも、本当に最近会社買ったって人多くて、あと相談も非常に多いです。
で、なかなか労務のDDデュデリジェンスの判断値は、なんかこう、ちょっとこう、二の次ってなりがちですけど、とは言っても、
買い手としては必ず問題が起きるリスク可能性はあるので、ちょっとこの辺のポイントを見といた方がいいよ、みたいな話をね、今日最後ギュッとまとめてしていきたいんですが、
まず、前回お話しくださった、労務デュデリジェンスと人事デュデリジェンス、両方あって、今回は労務デュデリですけど、
その中の母外債務と、ちょっと予期せぬ、偶発債務というのがあるという話をね、ポイントだけお話しいただいたんですが、
今日はまずここから、少し具体的にお話ししていきたいと思いますけれども。
そうですね、あの、ちょっと簡単に言うと母外債務は、見栄え残業とか、あと退職金とか、あと社会保険とか労災保険とか雇用保険のところと、
あと障害者雇用納付金という国からの払わなきゃいけない、法律的なお金という話をさせてもらったと思うんですね。
で、偶発債務に関しては、一応なんか想定していない労働時間とか、管理監督者とか、あとなんか過去の不当解雇とか、
女性金の受給、不正受給とか、不正っぽい受給ですかね、あと労災が後から訴えられるとか、
そういったところがあったよねって話をさせてもらったと思うんですけど。
断定できない可能性としてあり得るリスクってことですね。
そうですね、全部抑えるの大変だとか、もちろんこれシャローシームショーが聞いててちょっと面白い話になるかもしれないんだけど、
経営者の方も聞いていただいているので、僕も同じ経営者として、なんかやっぱり経営者の感覚って大事だと思うんですけど、
感覚プラスここだけ見とけみたいな話をしたいなというふうに思っていますので、そこをちょっと解説していきたいなというふうに思っています。
改めてなんですけど、未払い残業は計算した方がいいのかなと思っていまして、
これは本当にシャローシームショーさんにやってもらうのが一番いいと思います。
どこがポイントかというと、まず意外と漏れているのが計算方法です。
意外かもしれないですけど、僕は給与計算を100何十社受けているんですけど、
うちのお客さんはかなりちゃんとやっています。
けど、他のシャローシームショーから移ってきたりだとか、今からオートソーシングしますというお客さんが、意外と給与計算が間違っているんですね。
そもそも計算ロジックミスってことですか?
ミスです。それは別にシャローシームショーが悪いわけではなくて、お客さんがこうやってやれって言われているケースがほとんどなんですけど、そこを見直すというのは大事です。
で、売る方もそこは一回計算した方が良くて、どうせ後から計算されて見つかりますので、そこをまずやるというところと、
あとは時間の解釈なんですけど、基本的には掃除する時間とかそういったのも含めて労働時間になりやすいところなので、
そこを含めると見払い算額がどれくらい出るかというのをまず想定として出していくというのが大事なところですね。
次にここが結構ポイントだと思うのは退職金ですね。
退職金って退職金来てみたら皆さん分かると思ってるじゃないですか。
なので退職金が年度ごとに今いる社員が全く辞めなかったとすると、何年にいくら、何年にいくらみたいな感じで、
こういうシートを作ってもらって支払い表を作るのが良いと思います。
この時のポイントがありまして、
よく商経とかしてたりとか子産の社員がいる会社が多いんですけど、
実は船内から退職するときに3000万もらうって言われてましたとか、
謎の口安くそとか出てくるのがあるんですよ。
怖いですね。
これが結構ポイントで、
M1年の時は起きたことないんですけど、
このトラブルは本当に2年に1回ぐらいは軽減してまして、
何もないんですか、エビデンスが。
エビデンスないんですけど、
総所名義で積み立てた保険とかがあるんですよ。
なるほど、そういうことなんじゃないかと。
想定するにそうだろうと。
解約の金額と定年するときの金額も一致してるんですよ。
これ多分この人のための退職金、近い数字になってて、
ただプラス会社持ち出し合うみたいなケース結構あるんですけど。
当時立ち上げの時とかに一緒にやってくれたら、
お前にはちょっとってありますからね。
そこはちょっと整理しておかないと、
後から必ず揉めますし、
むしろもしかしたら事業消去するときに
やっておかないといけないのかなというふうに。
あとは管理監督者をもう1回やったほうがいいなと思ってて、
管理監督者っていうのは、
例えば部長で残業代払ってないと。
これ以前ポトキャストでもやりましたけど、
老期法上の管理監督者ってのは相当厳しいので、
もし老期省がこれ管理監督者でないよって話になると、
大きくビジネスモデルの根幹を揺るがす可能性があるんですね。
特に中小企業の管理監督者ってハードワーカーなんで、
その人を今度残業代払えて話になると
全然違う話になってくる可能性があるので。
要は解釈上管理監督者じゃないとなった場合に
身なし残業つかない、
じゃあ身払い残業の訴求になるよっていうリスクってことですかね。
そうですね。
そこをちょっと見とこうぜっていう話ですね。
労働基準監督署とハラスメント管理
買った後にこれ出てきたら恐怖ですよね。
はい。
あとちょっとマニアックなんですけど、
労働基準監督書とかが過去来てないかも聞いた方が良くて。
ほうほうほう。
これ結構ポイントなのが、
最近の傾向なんですけど、監督書来たのに是正が、
例えば3年前に来ましたって言ったら3年後にまた来るんですよ。
3年前にやったことがやれてないと、
最近厚労省社名公表とかするんですよ。
なるほど。
そうするとそれは厚生労働省のサイトとかに載るので、
採用にめちゃくちゃ響くんですね。
そうすると買ってきた会社が全然採用力ないって話になると、
目も当てられなくなっちゃうので。
なのでこれ意外と盲点だと思うんですけど、
労基書って最近入りましたかって聞くのが良いと思います。
へえ。
しかも社名公表に関してはもう出てるんですか。
もう出てます。
これ私毎年楽しみに見てるんですけど。
楽しみにってどういうことですか。
悪趣味ですね。
8月かな。
8月の頭に全国の労働基準違反を載せるんですよ、
労基書がPDFで何十枚かなあるんですけど、
何月何日この事案で何人に会社が送検されてます。
社名も全部出ますんで。
これぜひ一度、
労働基準関係法令違反に関わる公表事案っていう風に
検索してもらうと出てきます。
ちょうどだから最近今年の分出てるんですかね。
そうなんですよ。
これによるとまたね、
ネットとかにも引っかかるからなので、
AIとかの事態になるとやばいなと思ってて、
話し取れちゃいますけど、
こういうの読み込ませてくると、
採用のリスクって捉える学生とかも出てくるんで。
なのでそういったところも含めて、
まず見ておいた方がいいよって話ですね。
せっかくなので概要欄の方にURL貼っておきますね。
そうですね。
余計なことすんなみたいな。
熊先生これよみたいな。
特にここに乗らないような会社であるかっていうのは大事かなっていうのと、
あとはハラスメント対応が
これ実は僕一番大事だと思ってて。
ここに来てハラスメント対応。
要はさっきまでの話は割と潜在債務に近いかなと思うんですけど、
偶発債務の話にしますね。
偶発債務で、
ハラスメントって実は一番偶発っぽいなと思ってて、
買った後にすぐ出てくることもあれば、
売る直前とかにハラスメントが見つかってて話になるときに、
結構最近ハラスメントを収めるの大変なんですよね。
なので普段から買う側も、
特に売る側ですね。
売る側はハラスメント検証をしっかりやっとくっていうのと、
商談窓口の設置をしっかりやっとくってことで、
結局ハラスメント起きる会社はずっと起きてて、
起きない会社はずっと起きないっていうのが心理だと思っているので、
とにかく紛争が長引きやすいので、
ハラスメントを高く売るんだったらやっといた方がいいよっていうのはいつも言ってます。
なるほど。
売る側へのアドバイスってことですね。
そうですね。
IP4のときにもう痛い目に何回も出てて、
どのタイミングで出るんですか?IP4のときとか。
IP4不思議なんですけど、
上場する1ヶ月前とか2ヶ月前に出るんですよね。また不思議なもので。
引っ張りたくなるんですかね。
そうなんですよ。
いろいろそういうのを見てきて、
やっぱりハラスメントの問題っていうのは気をつけた方がいいなっていうところと。
なるほど。
あとこれはあんまり言わないんですけど、
僕はもう痛い目にあっているのは、
グーハッサイムで安全衛生管理。
多分有者同士の人いないと思うんですけど。
グーハッサイムの方で安全衛生管理の具体的には。
例えば有機溶剤とかをどんなものを使っているかとか、
過去どういうものを使ってきたかとか。
あと健康診断って実は有機溶剤を使うと、
特殊健康診断で言ってですね、
健康診断半年に1回とかやらなきゃいけなくて。
それの健康診断の内容を何年とか保存期間に決まっているんですね。
とにかく健康診断をちゃんとやっているかどうかと、
記録がちゃんとあるかっていうのを見た方がよくて。
例えばなんですけど、
昔印刷会社でジクロロプロパン、
名前ちょっと忘れちゃった。
そういうものを使ってたんですよ。
それが過去はあまり危険な有機溶剤で認定されなかったんですけど、
平成14年ぐらいに危険な有機溶剤みたいなのが認定されてたんですよ、後から。
それで実は単管が何かで、
10何人単管がに罹患してみたいな。
何人が亡くなったっていう事件があったんですよ。
要は後から分かってないことっていっぱいあるんですよね、有機溶剤とかっていうのが。
そりゃそうですよね。
後からそういう労災とかになるケースがあるんですね。
だからそれで過去のデータがないとか、
過去健康支援やってなかったっていうのが、
ロームデュエルの中であんまりやらないんですけど、
これは一応見ておいた方がいいかなと思うんで、
製造業を買うお客さんとかはちょっと注意が必要かなと思います。
なるほどね、安全衛生管理、有機溶剤。
過去何使ってたかまでリスクがあると。
偶発的な方ですね。
あと最後、これはあんまり優秀じゃないですけど、
業務委託は、前回から言ってますけど気を付けた方が良くて、
業務委託が雇用に認定されると、イメージ湧きますよね。
労務DDと業務委託の重要性
残業請求されて社会保険に入れてみたいな話になると、
ビジネスモデルが崩壊しますんで、
実は今、向井先生とかと一緒にやってる勉強会で言ってるのが、
疑わしきは雇用にしようという流れが強いんですよ。
業務委託が雇用が怪しいって言った時に、
簡単なチェックポイントがありまして、
このチェックにチェックが入ったら雇用にするみたいなところが、
今ちょっと水面下で政府の方もルールを作ろうって話してるけど動いてるんですよ。
これから業務委託と雇用の境目っていうのははっきりしてくるので、
買ってくる時に業務委託が多い会社買ってくる時は、
業務委託が雇用なのかっていうのははっきり見て買ってきた方がいいよって話ですね。
この番組でもどこかのタイミングでそれやった方が良さそうですけど、
単純にチェックボックスビビって付けていくと、
何個以上付いたらもう業務委託ですねって、雇用ですねって割り切られちゃう。
あのチェックシートのことですよね。
そうですね、そういう時代がもう来そうなので、
要は後から法律が整備される可能性があるので、
こういったところはちょっと偶発催務として気をつけといた方がいいよっていうのがポイントかなっていう風に思ってます。
なるほど。
ていうか、もともとあまりドームDDの話とかね、
そんなにニーズはないんですよっていう話ですが、
この話聞くとニーズないかもしれないけど、
やっといた方がいいんじゃないかっていうくらいに色々ありますね。
そうなんですよ。あと意外とマニアックですよね。
言っていただかないとそのリスクに目を向けることは社長はないですよね、経営者たちは。
こんなとこね、事業的に注目してするポイントではないですからね、普段は。
そうなんですよ。だからIPOと大きく違うのは、
IPOって基本的にはプラスじゃないですか、上場していくときってプラスなんですね。
で、M1Aは買ってきた瞬間から勝負になるんで。
PMIがそもそも目的ですからね。
そうです。失敗する可能性も大きく絡んでるので、
なので、なるべくM1Aの方はしっかり気をつけてポイントを抑えなきゃいけないのと、
なるべく大きなところを抑えにいく。
IPOは細かいところを全部やらなきゃいけないんですけど、
M1Aは大きなところを、今日僕が話したようなところだけでいいので、
しっかり抑えていくっていうのが大事かなというふうには思います。
なるほど。
いうところが今回の抑えるべきロームDDの話ですかね。
人事データのデジタル化
先生、最後にあれですか、人事DDってどんなのがあるんですか?
人事のDDは、簡単に言うと中小企業のM1Aって人買ってくるようなもんなので、
人が平均年齢どれくらいなのかとか、男女比とか、離職率とか、
管理職女性割合とか、人事制度どうなのかとか、
あとキーパーソンがどういう人かとか、そういう人を人事DDって言うんですけど、
なるほど、なるほど。
最後、あんまり時間もあるので、僕が推奨する高く売る方法っていうのを。
売り手側のね。
売り手側は、とにかく今言った人事情報をデータベース化しておいた方がいいよっていうのをいつも推奨します。
当たり前なんですけど、例えば健康診断の履歴とか免許とか研修、どんな研修教育してるかとか、
どういうスキルがあるかって意外とまとまってないですよ、中小企業って。
だから売るときになると、本来ビジネスモデル買ってくるんだけど、
同時にそこにいる人材も買ってくるわけじゃないですか。
そこが意外と見えなかったりするので、とにかくそこをデジタル化しておくっていうのがめちゃくちゃ大事ですっていうのがポイントですね。
これはしておかないと、結果的にデュレレでそこを聞かれたりして、調査費かかるし、調査時間かかるんで、やっといたらっていうことですか?
そうですね。売るまでに時間もかかるし、あとは向こうからしてもこの人材は絶対残したいとかっていうのもすぐ分かるし、
だからうちは高いんだよっていうことも説明がつくってことですね。
なるほどね。こちらが売り手としての交渉の強く出るためにもそこの辺の準備が大事だと。
そう。だから今、カオナビとかタレントパレットとか色々とありますけど、僕らは結構人事部業とかをお勧めしてるんですけど、
人事部業は給与計算の日もついたりするので、何でもいいですけど、とにかくタレントマネジメントシステムなんかは必須なんじゃないかなっていうふうには思います。
DXの重要性、ここにあるわけですね。
そうですね。あと最後、もう一個若干論点が違うかもしれないんですけど、DX度合いを言うべきにしといた方がいいよっていうのをよく言ってます。
これはどっち側の立場ですか?
これは買う方も売る方もなんですけど、買う方は特にそうなんですけど、相手の会社がどれくらいDXに強いかっていうのは見ておいた方が良くて、
考え方が2つありまして、まずめちゃくちゃ強いって話になった時に、自分たちもDXがしっかりできてれば、要は新しいシステムに馴染ませるのは簡単じゃないですか。
っていうような観点と、もう一個あって、相手の会社が超アナログだと、そうするとめちゃくちゃ無駄なことやってる可能性があって、
こっちにDXのスキルがあれば、DX化させられれば一気に儲かる可能性がありますよね。
なるほど。
その辺の観点で、ただもう一個あるのは、超アナログの会社ってDX化するのは難しいので、そこも含めての形になると思うんですけど、
儲ける厳選っていうのは、DXが同じレベルなのか、DXの差があるのかっていうところで、ちょっと見方変えればですね、収益の厳選になるので、
ちょっと見どころでいいよって話はさせてもらってます。
そうか、超アナログの場合だとね、買った後にその人たちを教育するのもものすごいコストになったりっていうのもありますもんね。
そうなんですよ。ただその代わりにちょっとやったら儲かるかもしれないっていうのがあるんですよね。
なるほど。
ということで、MAについて2回にわたりやってまいりましたが、まあ結論としてはやっぱり盛り盛りですね。
ちょっと量多すぎましたね。
いやいやいや、多すぎるというか、やっぱりそんなにペラッとしたような話ではないが、いざ話すと中身ありますね。
そうですね。
また今回はね、こうやって2回にわたってMAについてのローム観点からのお話をいただきましたが、
またいろいろ皆さんもご質問等ありましたら、今度はね、そこに絞ってお話とかもできますので、ぜひ質問いただけたらというところで、よろしいでしょうか。
大丈夫です。
終わりたいと思います。
久野先生、ありがとうございました。
ありがとうございました。
本日の番組はいかがでしたか。この番組では久野正弥の質問を受け付けております。
番組内のURLからアクセスして質問フォームにご入力ください。たくさんのご質問お待ちしております。
17:56

コメント

スクロール