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2024-12-19 13:42

#017 [読書] 朝井リョウ「生殖記」

朝井リョウさんの「生殖記」を読みました。目からウロコの鮮やかな言語化が満載でめちゃくちゃ面白かったです。 #読書感想 #読書ラジオ #朝井リョウ #生殖記
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はい、始まりました。こーざきFM、よろしくお願いします。
このチャンネルではアメリカ・ロサンゼルスでITマネージャーをしています。
私、こーざきが日々の気づきや感じたことについていろいろとお話をしていきます。
今日はですね、ちょっと読んだ本の紹介および感想について話そうと思うんですが、
朝井リョウさんの生殖記という小説を読みました。
今年の10月に出た本なんですけど、まずはあらすじを読んでみます。
とある家電メーカー総務部勤務の小生は、同僚と二個体で新宿の量販店に来ています。
大蘇生系を買うためではなく、寿命を効率よく消費するために。
この本はそんな人の男体に宿る○○目線のおそらく誰も読んだことのない文字列の集積です。
はい、という本なんですけど、ちょっとねあらすじをっていう感じのあらすじですよね。
ちょっとなんかこれだけではストーリー全般測れへんなみたいな感じなんですけど。
今回の配信はちょいネタバレですね。
なのでちょっとまっさらな気持ちで読みたい方はここで聞くのを止めていただいて。
でも、確信部分に触れないようにお話をしようと思います。
もうちょっとだけ踏み込んで紹介をするとですね。
この本はタイトル「生殖器」で、生殖機能の生殖に、
木はキロクノキなんですけど、
30代の男性についている男性機が語り部なんですね。
なんじゃこれ、なんですけど。
一応その主人公っていうのは日本に住んでいる30代の男性で、
名前は小生っていうんですけど、
その小生についている男性機が語り部で思考していて、
いろんなことを論じていて、
小生を中心としていろんな登場人物が出てくるんですけど、
その小生の考えとか振る舞いっていうのを、
小生の生殖器が観察をしているっていう枠組みのお話なんですね。
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この語り部である生殖器っていうのは、
小生の前には別の生き物の生殖器をやっていたし、
その前には別の人間についていたこともあれば、
虫の生殖器の時もあれば、魚の生殖器の時もあればっていう感じで、
他の生き物についていたこともあるっていう語り部なんですね。
この時点だけでももうだいぶ面白いんですけど、
自分は最後まで読んで、これ280ページくらいの本なんですけど、
めっちゃ面白かったんですよ。
早いよみたい、早いよみたいと思って、あっという間でしたね。
何が面白かったのかっていうところを話していこうかなと思うんですけど、
そもそも自分、何の本を読むにしても、
人間っていう生き物の行動原理とか、
人間ってこういう法則で結果動いてるよねみたいな話、
そういうのを読み解く、そういう視点を得るっていうのがすごい好きなんですけど、
どんびしゃそういう話だったんですよ。
人間ってこういうふうな生き物だよねっていうのを論ずるのに、
この話は生殖器の視点で語られてるわけなので、
他の生き物と比べて人間どう?とか、
人間の中でも環境が違ったらどう?とかっていうところを、
いろんな視点から論じることができてるんですよね。
考えてみるとよくできた仕組みだな、よくできた話だな、
よくできた話のプロットだなと思ったんですけど、
そういうところがすごい面白かったポイントですね。
生殖器が語るところの人間ってどういう生き物なんだっていう話なんですけど、
ちょっと自分がすごいよくぞ言語化してくれたみたいな、
ポイントが2つあって、1個はですね、
まずこれも何回も何回も繰り返し出てくるんですけど、
人間という生物は拡大すること、発展すること、成長することから降りられない、
っていう生き物だっていうふうに言ってるんですね、生殖器は。
例えばですね、世の中でバンバン発表されるあらゆる新商品、
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本当にその機能いるってやつばっかりじゃないですか、
っていう表現が出てくるんですけど、
なんか言われてみれば本当にそうだなっていう感じで、
結構自分も学生の時とかよく思ってたんですけど、
コンビニって毎週のように新しい商品が出るとか、
既存の商品でも新しい味が出てくるみたいな感じで、
どこかちょっと本質的ではないなっていうか、
自分の生き物を生きるようなものを自分の場所に持っていくっていうのが
特にすごい好きなのかなっていうふうに思っていて。
そういうものを生きるって言う感じが出てくるんですけど、
どこかちょっと本質的では、何て言うんですかね、必要なものを求めて発展する、進化するっていうのがわかるんですけど、
なんか目先を変えるためだけに、そういう結論というか、そういう結果になってるんじゃないかみたいなふうに思ってたことがあって、
まさにそのことを言ってくれてるなーって思ったんですよね。
で、そうそう、みんなそういうことに気づいてるけど、
でもそれは人間っていう生き物である以上、その拡大発展成長のサイクルというか、その法則からは逃げられないよねっていう語られ方をしてるんですけど、
それもその通りだなというふうに思いました。
あと2個目がですね、これも見事な言語化だなと思ったんですけど、
共同体の感覚っていう表現が出てくるんですね。
これは何かというとですね、主人公の小生が、同性愛者なんですね。
同性愛者として30年生きてきて、
なんかスムーズに生き抜けてこれない局面もあったんだけれども、
それは何でかっていうと、小生が所属している地元とか家庭とか学校において、
正しいとされている価値観・感覚みたいなものと、
ナチュラルな小生の価値観・感覚っていうのが異なっているがゆえに、
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その集団においては異物として扱われてしまう。
なので、学生時代の小生は共同体の感覚で個人の感覚を上書きするっていうことを得て、
どうにかこうにか生き抜いてこれた、みたいな一説があるんですけど、
これ、すごく当てはまるというか、すごくしっくりくる表現なんですけど、
今までこの言い回し、出会ってなかったなって思って、
自分の中、人生においても、共同体の感覚で個人の感覚を上書きする。
なんていうんですかね、そのコミュニティ、その集団の中で異とされているものに、
自分自身の感覚とか、自分自身の行動をチューニングしていくみたいなことって、
すごくやってきたなっていうことに気づかされて、
なるほどなぁと。
で、ここから先はちょっと話と、この小学生たちとれるんですけど、
特に日本においては、共同体の感覚で個人の感覚を上書きしないといけない局面っていうのが、
まあ多いんじゃないかなっていうふうにちょっと思っていて、
まあその方が行きやすいんですけど、
なんかその結果、
そうですね、なんかこう、世の中的に異とされているものに自分のアンテナを合わせすぎた結果、
よく言われることですけど、
異大学に行きなさいって、大学まで行ったはいいけど、
そこから先は、あなたの個性は何ですかとか、
あなたのやりたいことは何ですか?みたいなのが聞かれるフェーズに入るっていう、
ことが局面としてよくあると思うんですけど、
なんかそれってまさにこの表現で表されるなぁと思って、
なんか、共同体、学校っていう共同体において是とされている価値観で自分自身を上書きして生きてきて、
いつの間にか、それが自分自身の価値観だっていうふうに思っていたんだけれども、
実はそうじゃなくて、その学校っていう個性を外された時に、
じゃああなたに残っているものは何なんですか?っていうのを問われる局面が人生に訪れて、
なんか何もないとか、
その時点で自分の大事なものって何なんだろうっていうのを初めて考えないといけないみたいなことって、
なんか多分誰しもあるなぁと、誰しもあるんじゃないかなと思ったんですけど、
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特に自分にはすごく当たる表現だったので、
この言語化はなんか、そうですね、目から鱗、
なんで今まで出会ってなかったんだろうっていう感じだったんですけど、
はい、そこがすごくグラーッときましたね。
っていうね、なんか、そう、人間ってこうだよね、みたいな話がやっぱり前半続いていくんですけど、
さっき言った生殖器の視点で語られるっていうお話なので、
なんていうんですかね、こう、まあコミカルにもなってますし、
なんかこう、あんまり皮肉っぽくなりすぎてないっていうところがあって、
最後まですごく面白く読むことができました。
ちょっとね、アサイルフさんの本って、実は自分あんまり読んだことなかったんですけど、
この機会にこれ以外の本も読んでいこうかなと思いました。
ということで、今日はですね、アサイルフさんの生殖器という小説について紹介をさせていただきました。
最後までお聞きいただきありがとうございます。
この配信が気に入ってくださった方は、コメント欄でお待ちしておりますのでよろしくお願いいたします。
はい、それではまた。ばいばい!
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