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アートの片隅でこじらせシアター。
この番組は、異論の意味でこじらせてしまった表現に関わる3人が、さまざまな問いを持ち寄り、
ハードコードを言いながら、現代社会にも通じる気づきを照らし出せたらいいなという番組です。
パーソナリティの俳優、コマツ ダイスケです。
俳優の佐藤優樹です。
劇作家のジェシカです。
ということで、お二人ともお舞台お疲れ様でした。
ありがとうございます。
お二人は明日から旅立つそうです。
そうですね。10月22日から旅に旅立ちます。
聞くところ、富山と新潟。
いいな。
旅行へも楽しそうよな。
楽しいですよ。
お土産待ってます。
お土産話だけ。
十分です。
何日ぐらい行くんですか?
22日から28日までの約1週間。
1週間。
いいな。
富山はチャリティ公演ということで、
ノットハントの地震のあれがあったので、
クラウドファンディングでお金を積もって無料公演やってきます。
早速社会に通ずる。
社会に通ずる。
冒頭のタイトルコールを回収していただいたところで、
今日は私の持ち込みのテーマで、
良い演技って何?です。
出ちゃいましたね。
これ、先月の収録からいただいてて、
前提条件を決めないと話しづらいなと思って、
というのはやっぱり、
良い演技と良い俳優、良い演者と、
どうしようも不可分になっちゃって、
ここで言う演技っていうのは、わりと瞬間的な。
例えばこの作品のこの人の表現が良い演技だった。
っていうのは、この作品を通しての良い演技っていうのと、
その瞬間の演技を良い演技だとすることもできるじゃないですか。
これはどっちか、あるいは両方をある程度分けて考えないと、
どちらかだなって感じがしたので。
私のイメージは瞬間でした。
瞬間瞬間を繋げ合わせたら、
良い演技が見えてくるんじゃないかなっていう。
分かりました。
こういう考えなんですけど、
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まず言い出しっぺのジェシカさんから考えを聞いてみたいので。
私はでもやっぱり、
その言葉に説得力があるかどうかというか、
言葉。
はい、セリフを言っている、
何だろう、言葉に限らずその仕草だったり、行動だったりに、
説得力がない瞬間にやっぱりお芝居をして、
お芝居の物語の世界から離れてしまう感覚があって、
やっぱりイチ、人間、俳優って見えちゃうみたいな。
その物語の人ではない人に見えちゃう瞬間っていうのがあって、
あれはでもどういうことなんだろうって思って。
一個は演出をつける上で、
このストーリーの人の人物の理解が浅いじゃないけど、
なんかきっと分かってないかもしれないかもっていう時は、
やっぱり言葉が浅いかなって思ったりとか、
あとこれ、人から言われてこの言い方にしてしまったのかなみたいな。
実感がないとかそういう風にも言い換えられるよね。
はい。
ある程度、でも同じ人物にはなれないので、
絶対そこは違う人ではあるんですけど、
うまくみんな近づけて、
本当にそうなってるように見せてるっていう技術だと思うんですけど、
それがね、どうなんだろうって思って。
どうすんの、ゆきさん。
この発言を受けて。
俳優のスタイルで。
劇作家の視点、劇作家や演出経験の視点からと、
我々俳優の視点で違うと思うんで。
うんうん。
これを受けて、ゆきさんのお考え。
今のジェシカさんの聞き取り方に対して。
なんかその、俳優としていろんなワークショップとか、
演技指導、僕は研修所も出てるわけですけど、
実感っていう言葉を使ってる劇作家さんというか、
演出家、劇作家、劇団主催の方がいて、
その人の言葉というか、その人のワークショップを思い出した感じ。
で、そう、なんかやっぱ、実感を持たないとセリフって強くないよね。
全く同じようなこと言ってたから。
うんうん。
なんかそのためのワークショップをしたけど、
なんか全然今、身になってない。
話。
でもなんかその、言葉はいろんな、
それは指導者というか、演出家によって様々で、
でもやっぱり、
全員、なんか根っこが一緒な気がしてて、
あと俺が好きな言葉は、舞台上でただ生きるだけっていうのがすごく好きなんだけど、
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それもなんか一緒じゃん。
今ジェシカが言ったような、そのキャラクターになろうとしてる人よりは、
なんかその人物が、あ、そのまま喋ってるなみたいな、
風に聞こえた方がいいみたいな。
そう。
だからね、それを僕は俳優としてはもう、技術としてというか、求めてるんですけれども、
同時に魅力のある演技には結びつかないなっていつも思っちゃうね、そこに。
魅力とは別だよねってなっちゃう。
で、お客さんが見たい、見たいというか、
あ、この俳優いいなってなるのとはちょっと違うのかもしれないなっていうのがある。
俳優としては。
面白い。
なるほどね。どうですか大輔さん。
俺は、ジェシカさんの今の説得力とか実感っていう話でいくと、
基本的にはその瞬間を切り取るんだけど、僕が最初に言った前提条件の話になるんだけど、
それって、料理で例えると、フルコース出てくるじゃない。
で、フルコースの例えばメインだけを食べて、だけを切り取って、おいしいかおいしくないか判断してるような気がして、
フルコースだからこの前段階とか、全部を風停してコントロールしているからこそメインがおいしい、引き立つみたいなところってあるじゃないですか。
だから前菜とか、副菜とか、メインとか、デザートとか、全部食前集とかもあったりして、
そういうの全部コントロールされてもメインみたいな感じがあって、
これはだからジェシカさんの観点で言うと、その前後がうまくいってないんだなって思う。
その前後をうまくコントロールできてないから、同じ味なんだけど、前がもうちょっと違う味だったら感じ方違うじゃんっていう感じなのね。
だから結局いい演技って瞬間切り取るんだけども、その役をユキさんが言ったように生きるみたいなところで言うと、前後をきちんと通してコントロールできないっていう感じがするわけ。
そこが例えば実際に舞台上とか映像の上では表れていないんだけど、そこをきちんと想定したり、いわゆる役作りをしてるとか想像できていれば、そういうコントロールが効いてる、いい演技がトータルでできてるっていう感じがする。
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なるほど。
だからそこがコントロール、他の部分がコントロールできてないから、同じ味なんだけど、その切り取る部分があんまりよく感じられないってことはあると思うんです。
確かに、役作りで何をしているかはすごく私も興味があって、やっぱりこのコジラスシアターは何といっても劇作家と俳優がいるじゃないですか。
そうなんですよね。
今回演出をやってですね、やっぱり役者さんってすごいなって思ったし、役者と演出の壁すごくあって、実際どうなのみたいな話をしてみたくて。
というのは、私がお芝居がとても上手な達者な俳優さんに、私から見たらやっぱり役の理解とか劇作家なので、キャラクターのなんでこうなるのかみたいなのの辻褄をずっと合わせていくみたいな作業をしてるので、
どうしてもお芝居を見るときにその辻褄が合ってるかっていう観点で見て、ここがこうだから合ってないんだよねっていう表現の仕方をしてたんですけど、
お芝居が上手な俳優さんにどういう役作りをしてますかって聞いたら、できちゃうんだよねみたいな。
何をって考えてなくて、ある程度の自分の表現方法があって、それにまず提示して、いらないっていう部分をカットしていくだけって言っていて、
なるほどね、というか俳優さんってお仕事多分、私が言っているような、一から役作りとか作っていったら多分壊れちゃうぐらい大変なお仕事だと思うんですよ。
なのでどうやってこう俳優業を持続可能にしてるのかな、達者の役者さんたちはと思ったときに、その返答をいただいたときに衝撃で、
なるほどねと思って、でもそれで私も納得しているお芝居がなってるし、俳優さんも楽に表現、演出のリクエストに応えられてるっていうのがあって、だからいい演技って何?
それが最初に言った例が、いい演技とはって考えると、いい演者とはに繋がっちゃうな、そういうことを。
あー、演者さんね。
そこはどうしても不可分な話題として上がってくるじゃない?ってなっちゃう。
だから今回のお題としては、演技にフォーカスを当てていったほうがいいのかと思った。
でも深もっていく中で、やっぱり役者さん切り離せなさそうなので、役者さんについても触れたい。
なるほど。
はい。
お二人はどういう役作り?
マジで、さっき大介さんがちょっと言ってたかもしんないけど、前提っていうものがすごくあって、その前提って何かっていうと、じゃあまずシェイクスピアやるのか、現代の日本の現代物やるのか、はたまた昭和の話やるのかみたいな、それだけでも全部違くて、作り方がそもそも。
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2.5次元とかね。
だから、歴史上の実際にいた人物やりますってなったら、8月に俺が本番やった時、じゃあ大久保利道やりますってなったら、大久保利道ってどういう人だったのかっていうところからスタートして始めるけど、
で、そこの中になんか、じゃあこういう人かもの想像力とか、このエピソードのここだけ切り取ってそれを表現できたら面白いなとか、始まってくるなんか。
うんうん。
そう、じゃあ現代物の今回の役だと、俺なんか冴えない小説家っていう役だったんだけど、考えてる、セリフの中で言ってることが、あ、俺に近しいなとか、なったら今度はじゃあ自分主体で作っていこうかとか、本当にその役作り1個捉えても、まずそこの時点で違うのと、あと劇団の色とかやっぱあるじゃん。
あるですね。
演出家の、どういうの求めてるのかみたいな、なんかその人の見せ方がさっき言ったように2.5Kのね、エンタメ系の芝居だったら、いつもだったらめっちゃナチュラルにただやるだけのをちょっと見え切るみたいなのにしていくかとか、体の動きめっちゃ増やしてこうかとか、発生してきて、
これ本当に、役作りって何?難しいのこれ本当に。
無限だから。
だから、変な話、演出家さんとまず息を合わせる作業からしていかなきゃいけないなと思う、役作り、スタートが。
それはそうだよね。
なるほど。
だからテーブル稽古っていうのはすごく大事だなって俺は思ってて、まずこの人何を見せたいのか、作品見せたいのか、俺たちを見せたいのか、いろいろあるからさ。
っていうのを見せ方はこういう感じなのかな。
めっちゃ勉強になります。
確かに。
この前の話していい?
どうぞ。
段取り稽古しますって言われてさ、俺の頭の中の段取り稽古と、役者A君の段取り稽古と、その演出家の頭の中の段取り稽古、多分全員が色が違うわけですよ。
思ってることが。
だから俺は段取り稽古って言われたら、演出家から紙手から出てきます、このセリフを渡してもってから吐けますみたいな。
ミザンスと一緒だよね。
全部指定されるもんだと思ったら、そうじゃなかったのね。
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何をやったの?
何をやったかっていうと、僕が出てきて、どっち派遣のって言われたら、こっちっすかねって。
みたいな。
段取りとか確認ね。
これ今、家ですよねってこっちからもまず質問する。何がありますかみたいな。
俺たちは想像するのが仕事だからさ。
まず土台もらわないとできないわけだけど、どう思うとかどう思う。
確かにね。
そういうのもやっぱ、含めての。
役作り専念させてほしいというタイプ、私は。
そっかそっか、あらかじめ最初にこっちはここまで決めてますとか、ここは役者さんに考えてほしいですっていうのをちゃんと言わないと、
役者さん本当にいろんな現場に行ってるので、ここはこうなんだっていう時間があるってことですね。
そう、ベテランになればなるほど、それを暗黙の了解というか、なんとなくこうだねこの人。
なっちゃうから、またそれが大変な。
確かに。逆に劇作家とか演出家は自分のやり方しか知らないから、
なんでこの人そうだの?みたいな、一生わかり合えなくて。
なるほどね、すごいわかりました。
自分の作り方見てる人たちしか見てないから、
普通こうだよねの普通がだいぶ違くて。
そうなってくるとさっき大輔さんが言ったように、良い演者の方になってくると思う。
その演出家側から、サイドから見ると。
理解力みたいな。
どんだけ良い演技できてるって知ってても、理解力がある、この演出家の汲み取れるみたいな人が良い演技とされたりとかする。
カラーに合う人が、お客さんから見ても良い演技をする人になっていったりするかな。
議論。
いや、面白い。なるほど。
でもなんか有紀さんがさっき言ってた、美味しい芝居というか、
自分が魅力的になるお芝居とはまた違うみたいな、良いお芝居は。
それもね、面白いなって思ったんですよ。
役者さんが思う、その魅力的な芝居って何?と思って。
でも私は良いお芝居イコール、やっぱり控えめな役であっても、そのお芝居の中に生きてる人は見ちゃうなって思ったんですけど、違うのかな。
例えばさ、素晴らしい、この間亡くなられたけど西田利幸さんとかさ、
そういう素晴らしい人たちだけで構成された舞台って、みんな良いわけじゃん。
そうすると、でも全員見なきゃいけなくなっちゃうよね。
そうすると、やっぱりその作品とか演出家の意図を理解して、
ここでは押す、ここでは引く、いなくても感じさせるぐらいのこととかを調整してるから。
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そうすると、演者の意図とかが明確だと思うんですけど、
例えばアドリブが上手いとかそういうことじゃないよね。
技術的には。アドリブはあるとは思うんだけど、いい演技にして。
そうではないとは一つ言い切れるので。
難しいな。舞台で考えすぎちゃってる人って、あれじゃないですか。
それね、西田利幸さんがさ、面白いこと言ってて。
ホイチョイさんのYouTube見てて、ゲストでいらっしゃってて。
舞台さんにとって使いやすい俳優さんってどういう人ですかって聞いたら、
とりあえずやってくれる俳優。
この演出の稽古の段階で。
女優さん?
中井キイチ。
中井キイチさん。
中井さんはとりあえず何でもやってくれるんですよ。
むちゃ振りして、例えば、やんないけど、中井さんがそこへ飛んでてくださいって指示したら、
分かった、やってみるって言ってくれるそうなんですよ。
できなかったらごめんねって言って、とりあえずやってくれる感じなんですよ。
なるほどね。
大泉くんなんかやりやすいんじゃない?
意外と彼は考えちゃうんです。
そうだよねって。
これやってみてってパッてやってくれる人っていうのは確かに使いやすいというか、
楽だよねっていうのはあるなと思うんですよ。
考える人がダメだってことはないんだろうけど、
それはキャリアだったり、技量だったり、得手不得手があるから、
ピンとくるものはあればピンとこないのもあるから、
そういうのはあるんだろうなと思ったけど、
大泉さんの意見として、
なるほど、それはそうかなと思って。
そうですね。
確かに。
本番を見据えた時に考えてきてくれる人は考えてきてくれる方で、
稽古をその日はすぐに提示できなくても、
翌日持ってきてくださったりとかができるタイプの方とかはすごく、
私もこの方にはこういう提示の仕方をして、
また明日ここをトライしてもらおうみたいな調整の仕方をしたりとか、
すぐにやってくださる方もすごく稽古場としてはありがたいですよね。
やっぱりやってみてってパッてやって、
違ったら変えられるし、
オッケーだったらそのままイメージを膨らませていけるみたいな。
そこでノッキングしないってことは、
特に伊谷さんは知識だから、
時間がないことが多いから、
っていうこともあると思うんだよね。
そうですね。
あとマインド的になっちゃうけど、
やっぱり、
あ、そうですね、やってみますって言ってもらえるだけでも、
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演出としても励みになる。
それはやっぱり、いい演者みたいなことになるべきだろうな。
助けてくれてるみたいな感じが。
自分でやっぱり積極的に作っていけるっていうスタンスになりやすいんだろうね。
面白い。
実感とか、最初にジェシカさんが言ってた説得力みたいなことに関しては、
僕は前後とか、前後の理解力とか、
コントロールの仕方みたいなことが重要かなと思ってます。
なんかすごく考えてきてくれてるけど、
乗ってこないというか、舞台上に上がってこないって子もいるじゃないですか。
あれは何なんだろうとか。
これは単に仕事の姿勢の問題じゃないで、
あんまりキャリアは。
ちょっとこれはチップスになっちゃうんだけど、
やっぱり俳優の仕事の仕方として、
あーと思ったことがあって、
ロバート・デニールの演技って、
やっぱりデニールアプローチって言われるぐらい、
ものすごくこの役のリアリティを追求していくわけじゃない。
それはそれで評価されるんだけど、
アンソニー・ホップキンスは、
最低限しかやらないんだって。
向こう行って現場で変わることたくさんあるじゃん。
最低限ってものすごいものに土台があって、
裏打ちされてるから、
行って大体対応できるってことなわけじゃない。
最低限の動きを全部決めるとかやらないで、
向こうに行って状況に合わせて、
いいものを作るっていうスタンスの仕事の仕方もあって、
両方ともオースカーが取れるっていうことだから、
これは仕事の仕方の問題なんだろうなって。
スタンスの違い。
どっちだって結果的にいいものができればいいんだからって感じはして、
それはどっちかじゃなきゃダメなんだってことはないんだなって。
なるほどね。
勉強の仕方がみんな違うように、やっぱりやり方、お芝居、
俳優さんによってやっぱり、
自分のあったやり方があるってことですね。
映像と舞台とテレビドラマの仕事の仕方が違うわけだし。
そうですよね。
端午調のタイプもいれば、
ひたすら覚悟もいるし、
リスニングがのこもいるし。
やっぱり前も言ったけど、
舞台だと時系列中にやっていけるものも、
映画だったら時系列前後して撮らなきゃいけなかったりするけれども、
自分とその役の時系列の気持ちを追えてなきゃいけないわけじゃん。
それもひとつ技術だから、
こういうのができるかどうかみたいなことも含まれるよね。
いい演技につなげるにはっていう感じがする。
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やっぱり演出も俳優も、
やっぱり仕事とはいえ楽しく仕事してほしいんですよ。
そこの亀裂というか、
こちらも役者さんのことをわかってあげられない、
もやもやとかをぜひ解決したく、
アプローチの方法とかも解決したく、
このテーマにしまして。
わかりました。
じゃあ1回目はこんな感じで、
ジェシカさんの考えるいい演技とは?
のお話です。
じゃあ2回目、
結城さんの考えるいい演技を聞いてみたいと思います。
という感じにいきたいと思います。
では1回目はこんな感じで、ありがとうございました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。