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2025-11-23 18:33

#5 SNSとは「非人間化」された集合体なのか

▼今週のトピック

論文「The Humanizing Voice」の説明/人間化尺度(Humanization Scale)とは/人間独自性(Human Uniqueness)/人間性(Human Nature)/パラ言語とは/SNSは非人間化の塊?/非人間化を促す群集心理/群衆から承認されたいSNS/人間から承認されるポッドキャスト


▼参考文献

The Humanizing Voice: Speech Reveals, and Text Conceals, a More Thoughtful Mind in the Midst of Disagreement


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この配信の内容は個人的な見解です。 何かの気づきのきっかけになれば幸いです。

サマリー

このエピソードでは、カリフォルニア大学バークレー校のジュリアナ・シュローダー氏の研究に基づいて、ソーシャルメディアにおける非人間化の現象について論じています。特に、相手の声を聞くことで反対意見を持つ人々をより人間的に感じられるという実験結果に注目しています。また、SNSが人々の非人間化を助長する仕組みや、群衆心理が個人の認識に与える影響、ポッドキャストを通じた人間同士のコミュニケーションの重要性が強調されています。

00:12
こんにちは、tsukanomaです。この番組は、声の発信を文化にすることで、組織や社会の見えない壁を越えていくポッドキャストです。
声にまつわる研究と実践をもとに、声の力でつながる未来をあなたと一緒に探求していきます。
非人間化の概念
今回も前回に引き続き、ソーシャルメディアにおける非人間化について、2017年のカリフォルニア大学バークレー校のジュリアナ・シュローダーさんたちの論文の内容をもとに考えていきたいと思います。
まず、この論文の内容は前回の配信を聞いてもらえるとわかりやすいと思うんですが、改めて自分の声で振り返ってみると、4つの実験があって、その4つの実験を通して明らかになったこととしては、
人の意見を文字で読むよりも、声で聞いた方が人間のように感じられる。
それが特に反対意見、自分とは相反する意見の人の声を聞いたときに、相手も人間なんだなということが感じられるということですよね。
逆に言うと、反対する意見の人というのは、人間というふうにあまり認識しにくいという非人間化と呼ばれる現象の状態になってしまう。
それを声を聞くことで、人間のように感じることができるというのがこの論文で言っていることだと思います。
どのような実験をやったかというと、4つ実験があって、1つ目が簡単な意見の対立で、2つ目が政治、アメリカでいう大統領選の予備選挙ですかね、候補者が絞られる前の段階での意見を聞いたときの実験ですね。
3つ目の実験が、もう少し先に進んだヒラリー・クリントンとロナルド・トランプの2人に絞られた状態でどちらを支持するかというところでの実験。
4つ目は実験2、2つ目の実験ですね。政党支持に対する、そこで得たテキストの文字を音声読み上げソフトによって機械的な声で聞いてもらったときに、それがどうなるかという、その4つの実験を行っていたというところですね。
どんな実験をしたのかというのを少し詳しく一緒に見ていきたいなと思っています。
まず1つ目の実験ですね。この実験はコミュニケーターという人たちとエバリュエーター、評価者という人たちがいて、最初にそのコミュニケーターの人たちが選ばれて、自分たちの意見を話すと。
そしてその話している様子をエバリュエーターの人たちが見たり聞いたり文字で読んだりして、この人が人間ぽく感じたかみたいなことを評価するという、ざっくり言うとそのような実験をしていると。
実験1に関しては、事前のアンケートなどで最終的には6名のコミュニケーターが選ばれていて、彼らがどのような意見を持っている人としてピックアップされたかというと、
1名は忠誠、忠誠に対する問題の賛成派と反対派、完全に反対している人、完全に賛成する人、その意見を持っているその2人ですね、がピックアップされていると。
また2つ目の問題としては、アフガニスタンとの戦争ですね、アメリカが2001年以来戦争状態にあって、それに対する完全に反対と完全に賛成しているそれぞれ1名ずつ。
残りの2人というのはカントリー音楽をめちゃめちゃ楽しんでいる人と、もう1人はラップ音楽をめちゃめちゃ楽しんでいる人。
その6名はどのように意見を述べていたかというと、椅子に座ってビデオカメラに向き合って、スピーチの長さは1分から3分ぐらいだったそうです。
まあね、そんなにこの意見に関してどう思いますかという質問に対してだから、そんなにポッドキャストみたいに10分、15分、30分話す感じではなかったんだなとは思うんですけど、
自分の感覚からすると、3分ぐらい話しても、さらに話している内容のえーとかうんとーっていうフィラーはちゃんとカットして聞いてもらっていたということだったので、
ちょっとそこのカットの仕方も気になりますよね、ポッドキャスターとしては。そういった実験をしていましたと。
カメラの前で話しているので、その顔も映っている映像の情報と、あと映像を切った音声だけの情報と、
で、実験1ではテキストは本人が書いたわけじゃなくて、その音声の内容を研究助手、助手の方がスピーチを書き起こして作ったということにはなっています。
えー、喋っている内容とテキストの文字は全く一緒のものが書かれているという状態ですね。
で、これを評価者たちは映像と音声とテキストの書き起こし、これを見て何を評価してもらっていたかというと、
人間性尺度、人間化尺度ですかね、えー、これ英語でHumanization Scaleっていうものがあって、
それを使って評価しているというふうに書いてあります。
その評価尺度は2つあって、大きく2つあって、Human Uniquenessっていう人間の独自性ですね、
あと人間性、Human Natureですね、人間として生まれ持ったものみたいな、その2つがあると。
その中にあるものがどういう項目を評価しているかというと、Human Uniquenessの方の評価項目は6つあって、
洗練され強要があるって感じたか、合理的で論理的であると感じたか、自精神を欠いていると感じたか、洗練されてないと感じたか、
子供ではなく大人のようであると感じたか、動物のように人間以下に見えると感じたか、この6つであるというふうに書かれています。
もう一方で人間性尺度に関しては、こちらも6つの評価項目があって、心が開かれている、
感情的で反応的で暖かい、表面的で深みを欠いている、ロボットのように機械的で冷たい、
人間ではなく物のようである、対人的温かさがある、このように6つの評価をしてもらっていると。
つまりHuman Uniquenessは人間の理性的な部分、動物ではなく人間として知性があって理性があって合理的に動いて研ぎ澄まされていて、
そういった大人としてのちゃんと意見を持っているという、そういうところがHuman Uniquenessというところに現れてきて、
逆にそのHuman Natureという人間性尺度に関しては、やっぱり温かみがあるとか、物じゃなくてやっぱり人間だねとか、そういう感じになっています。
ざっくり言うとHuman Uniquenessの方は動物じゃないよねっていう感じ、Human Natureというのはロボットじゃないよねっていう感じ、そんな風に僕は捉えました。
このような質問をして、それぞれ評価者の人はプラス3からマイナス3まで評価をつけてもらうという実験をしています。
だから、例えば反対する人の意見を聞いたときに、動物のようで人間以下に見えるっていうところにプラス3みたいなのをつけたりとか、逆もまたしっかりですよね。
そういう感じで評価してもらって、それらの平均点とか標準偏差とか、統計的にそれをグラフにプロットして、映像条件、音声条件、テキスト条件でどう差があるかというのを見てみたと。
そのグラフが、わかりやすいグラフが論文の中の図1、英語でフィギュア1って書いてある図があるんですけど、ちょっと皆さん興味ある方は見ていただければと思うんですが、
これを見ると意見が賛成の人たちの中ではそんなに有意差がない。文字で読んでも声を聞いても顔を見てもそんなに差はない。
だけど反対する意見の人の結果に関しては大きく差があって、テキストで読むとヒューマンユニークネスが、人間の独自性が非常に低くなっている。
一方で映像とか音声とかがあれば、そのヒューマンユニークネスも高い状態になっていると。
そのような実験を最初実験1で行っています。実験2、今度はもう少し政治的な対立構造を生みやすい話ですよね。
2016年のアメリカ大統領選挙でどの候補者を支持していますかっていう質問と、あとその候補者の政党は何ですかっていうところをちゃんと確認していると。
その結果ですね、民主党のバーニー・サンダースが3名、ヒラリー・クリントンが1名。
共和党のトランプは1名、ジョン・ケーシック、ちょっと分からないですけど3名という結果で、結果トランプが大統領になったわけですけども、2017年。
このような質問をしてみましたと。
今度は先ほどの実験1ではテキストは自分で書かなかったんですけど、ここでは最初数分、1分から3分ぐらい話してもらって、
その後自分の同じ意見を実際に自分で書いてもらうっていうことをやってもらいましたと。
その結果ですね、これもやっぱりさっきの実験1と同じように、反対意見のときにはテキストだとヒューマン・ユニークネスが低いんだけども、
音声を聞くとそれが有意差を持って高い結果になるというところが出ていると。
続けて実験3は今度もう少し進んで、大統領候補が1名ずつ絞られた段階。
だからヒラリー・クリントンとドナルド・トランプ、どっちを支持しますかっていう極論みたいなところの話をやってますと。
同じような実験をしたところですね、賛成意見のときはテキストでも音声があっても高い結果を示して、ちゃんと人間だよねって感じるけど、
反対意見の人に対してはテキストでも音声があってもやっぱりさっきよりも低い結果にはなっているけども、
テキストだけだと本当に低い、ゼロに近い結果になっていると。
パラ言語の役割
実験4ではテキストをコンピューターに読み上げてもらうということをやってました。
この実験の意図としてはテキストの文字を読んでもやっぱり人間が話しているパラ言語的な要素というものがなければ、
人間性を高める効果というのは期待できないんじゃないかという仮説の下、それを検証するために行いましたということです。
パラ言語という言葉がなかなか馴染みがないと思うんですけど、前回の論文の説明でもAIがパラ言語Qって何回か言ってたんですよね。
パラ言語QってそもそもこれはAIの変換ミスで、Qっていうのは英語でCUEって書いて手がかりを意味する単語ですね。
そのQをそのままカタカナでQって言っちゃってるからパラ言語Qなんですけど、要はパラ言語の手がかり。
パラ言語って何かっていうと、人間のその話している言葉の中の文字にできない部分、文字に付随して並行して存在する、
だから話しているこの抑揚とか喋らないこの間とかね、文字にならない部分の要素というのがパラ言語。
そのパラ言語の手がかりというものが重要な要素を果たしているんじゃないかということ。
私的にはだからフィラーをカットするっていうのもちょっとどこまでカットしたんだろうというのもちょっと気になっているところではあるんですけど、
そのような仮説の下、実験4は行ってますと。
結果やっぱりテキストをコンピューターが読み上げただけだとそんなに高い結果にはならなかった。
むしろヒューマンユニークネスはまあまあ高い結果にはなってるんですけど、
ヒューマンネイチャー、人間性はすごくゼロよりも低い結果になってる。
SNSと非人間化
それはそうですよね。さっきも言ったようにヒューマンネイチャーというのはロボットかロボットじゃないかみたいな評価項目だし、
ヒューマンユニークネスというのは動物か動物じゃないかみたいな、動物じゃない人間かみたいな視点で考えると、
コンピューターが読み上げてちゃんと論理的に成り立っている文章であれば、これは動物ではなくて人間だよねって感じがすると。
それはその通りだなとは思うんですけど、そんな実験をしていたということです。
今回のこの論文を自分も読んだりとかして感じたこととかを少し話をしてみようかなと思うんですけど、
この論文自体がやはり意見の対立を生んでいるソーシャルメディアでのコミュニケーションというのが
フォーカスしているポイントになっているんじゃないかなと思うんですけど、
僕もそれに対してこのポッドキャストを通したコミュニケーションというのがいいソリューションの一つになるだろうと思っているのでこれを配信しているわけですが、
SNS、ソーシャルメディアというのは非人間化の塊なんじゃないかなというふうに極端に今ちょっと考えてみたんですけど、
要するにその群衆心理ですよね。ニュースを見ててバッシングされる人たちとか、SNSでもそうですけど、叩かれている人とかね。
それって個人を叩いているというよりは、群衆の中の非人間化された共同体というか、
それを叩いている、はみ出てしまった誰かしらみたいな存在をバッシングしている、叩いているという構造なんじゃないかなって感じたんですよね。
その人をこうとして見てない、見る筋合いはないというかね。
なんていうか、非人間化していると言いながら、でもそういったはみ出た人ってニュースになったり実名が出たりとか顔が出たりとかして、
そうすると明らかにその存在する人間というのがあらわになるわけですけど、
その人のことをそこまで知っているわけじゃないじゃないですかと。
特に日本だと、世間からはみ出ないようにするために子がそんなに目立つということをちょっと抑えないといけない、
そういった文化というかね、が日本にはあるとは思うんですけど。
ちょっとよしゃしは置いといて、それもある意味非人間化の構造の一つなのかなって思ったりしました。
移民問題とかでも外国人に対する扱いって、外国人全員が悪い人みたいな感じのことをいろんなところでテキスト化されて、
そういったところに出ている文字とかを見るとやっぱり移民は受け入れるなとか、
外国人に対する優遇制度はなくせとか、極論にも近い意見にもなってしまったりとかするわけで。
でもそういった人もね、別に普段から外国の人とかを嫌っているわけではなくて、
身近にいる外国人を優しくしてたりとかするのももちろん知っているんですけど、
なんかやっぱりその群衆心理になった時の子が見えなくなるところっていうのは、
社会課題というか日本の文化というか世界のある意味心理に近いところもあるのかもしれないですけど、
そういった構造があるんだなというふうに思いました。
だから非人間化が問題というよりは、非人間化は当たり前のようにあるというふうなこともちょっと感じました。
あとはソーシャルメディアも、いいねが欲しいよねとかね、コメント欲しいよねとかあるけど、
それもやっぱり人から承認されたいというよりは、群衆からの承認欲求みたいなも、そこは人間というふうに見ていなくて、
非人間化されたその塊から認められたいという、世間の中での立ち位置というか自分の存在を少しでも確保したいというね、
そんな感覚もあるのかなってちょっと思いました。
自分もツイッターとかインスタグラムとかそういうSNSも投稿はしているので、
いいねがあると嬉しくなるし、いいねがないといいねが欲しいわけじゃないと思いながら、
他の人のいいねより小さいほどに気持ちがネガティブになる部分は少なからずあるわけで、
それもそれである意味人間ではあるんですけど、
人間である自分が見ている対象が人間ではないというところが一つちょっと感じたところがあるんですけど、
一方でそのポッドキャストを配信して、誰かしらからポッドキャストに関する感想をもらったりとか、
それはすごく何か一つだけでもすごい嬉しいって感覚があるんですよね。
それは何ていうか、だから非人間化されたその集合体から認められたいみたいなことじゃなくて、
人間化されたコミュニケーションっていうところでの反応っていうのは、
一つだけでもいい、つながれてるって思えたらいいみたいな、そういう違いがもしかしたらあるんじゃないかなってちょっと思っていて、
やっぱりポッドキャストを配信して、そこでつながれる、いいねって思ってもらえる体験はもう一つでもあれば十分。
一つなくても自分の中で整理するっていう意味でも、他のいろんな意味でも意味はあるので、
本当にいいことしかないんじゃないかなって思っています。
というわけで、ここまで聞いていただいて本当にありがとうございます。
非人間化っていうのは前回と今回で話をしたけど、多分ずっとつきまとうテーマかなとは思うので、
メロディミティ、非人間化、そういったソーシャルメディアでのコミュニケーションにおける考え方のキーワードとして、
ポッドキャストを通じたコミュニケーション
常にそこの理解を高めていきたいなとこれからも思っております。
また論文の理解とか、一緒にこれについて話をしてくれる人がいたら嬉しいなと思うので、
そういうオファーもあれば非常に嬉しいなと思うので、ぜひご連絡いただけると嬉しく思います。
感想とかコメントとかSNSでの投稿をお待ちしています。
ハッシュタグ超えていくをつけて感想シェアをお願いします。
SpotifyとかApple Podcastをお聞きの方は番組のフォローと番組の評価もお願いします。
文字起こしのリッスンでも配信してますので、そちらでテキストで見ていただいて音声も一緒に聞いてもらうっていうのもおすすめです。
というわけで次回はですね、私のポッドキャスト仲間の高橋さんとですね、
ながら劇について少し昼休みに話をした内容があって、
それを配信させていただきたいと思いますので、それも聞いていただけたらと思っています。
本日はありがとうございました。
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